銀行は多くの方にとって、馴染み深い存在だと思います。しかし、銀行の窓口にいる行員の方以外にはあまり接する機会がない方や、街中のいたるところに銀行は存在する一方で、銀行へは赴く機会があまりないという方も少なくないのではないでしょうか。
そこで本記事では銀行業界の概要、そして実際に銀行業界で働く人々の声をご紹介していきます。銀行業界が気になっている!という方は、情報収集にぜひ活用してみてください。
「銀行業界」とは?
銀行業界にはさまざまな種類の金融機関があります。ここでは5つの金融機関についてご紹介します。
・普通銀行
銀行法に基づいて設立され、預金業務、貸付業務、為替業務といった業務と、これらに付随する業務を行っています。
┗都市銀行
普通銀行のうち、大都市を中心に展開している銀行を都市銀行と呼びます。一般的に都市銀行はみずほ銀行、三井住友銀行、三菱UFJ銀行、りそな銀行の4行、もしくは埼玉りそな銀行を加えた5行を指します。
┗地方銀行
普通銀行のうち、各地域に根差した展開をしている銀行を地方銀行と呼びます。また、一般社団法人全国地方銀行協会に加盟している銀行を第一地方銀行、一般社団法人第二地方銀行協会に加盟している銀行を第二地方銀行と呼ぶこともあります。
・ネット銀行
店舗を持たず、インターネットを通じて銀行業務を行う銀行をネット銀行と言います。
・信託銀行
信託銀行は通常の預金業務、貸付業務、為替業務に加えて、顧客の資産(現金、不動産、有価証券など)を預かり、管理運用する信託業務を行えます。また、証券代行業務や不動産仲介業務、遺言信託などの併営業務も行うことができます。
・信用金庫
信用金庫法に基づいて設立された金融機関で、預金や貸付を行っています。普通銀行とは異なり、取引先は地域住民や地域の中小企業に限定されています。
・中央銀行
国や地域の中核となる金融機関であり、通貨の発行や金融政策の実施などを行います。なお、日本の中央銀行は日本銀行です。
そのほか、国が出資し、政策目標や経済戦略に応じて融資や投資を行う政府系金融機関や、協同組織金融機関が出資して資産運用を行う系統金融機関、日本郵政公社が民営化・分社化されたゆうちょ銀行などがあります。
銀行業界にはどのような業務があるの?
ここでは、普通銀行と信託銀行にスポットを当てて、業務内容をご紹介します。なお、信用金庫では普通銀行とほぼ同様の業務が行われています。
▼普通銀行
預金業務、貸付業務、為替業務を銀行の3大業務と呼びます。
・預金業務
顧客から預金を受け入れ、管理します。なお、集められた資金は貸付や投資などに活用されます。
・貸付業務(融資業務)
預金業務で集めた資金を顧客へ貸し付け、その利息によって収益を増やします。
・為替業務
銀行口座を持つ顧客から依頼を受け、他の口座に送金や振り込みを行います。また、外貨両替や送金サービス、外国為替取引なども為替業務に含まれ、円と海外通貨の売買で損益を生じさせます。
・金融商品の販売
銀行では投資信託や保険商品の販売も行っています。
・投資業務
有価証券の購入や事業投資を行います。
▼信託銀行
信託銀行では預金業務、貸付業務、為替業務などに加えて、信託業務や併営業務を行います。
・信託業務
顧客の資産(現金、不動産、有価証券など)を預かり、管理運用を行います。
・併営業務
相続に関連する業務や顧客の証券取引を代理で行う証券業務などが含まれます。
銀行業界の職種としては、個人と法人をそれぞれ対象にする営業職、銀行での窓口業務を担うテラー、顧客に対して資産運用や投資のアドバイスを行うコンサルタント、商品を企画する企画職、マーケティング職やバックオフィス系の職種など、さまざまな人材が活躍しています。
銀行業界で働く人々のリアルな声
実際に銀行で仕事をする方々はどのような想いで銀行に入社し、どのようなキャリアを歩んでいるのでしょうか?銀行で働く方々の声をピックアップしました。
※ 記載の情報は記事公開当時の内容です
▶︎株式会社みずほフィナンシャルグループ
事業内容:銀行業務、信託業務、証券業務、その他の金融サービスに係る業務を事業ドメイン(事業活動を行う領域)とする総合金融グループ
・2006年新卒入社
・仕事内容:プライベートバンカーとして、超富裕層のお客さまに対し資産管理や企業価値向上などの幅広い支援を行う
・きっかけ:
そんなプライベートバンカーという仕事を筒井さんがめざそうと考えたのは、大学受験での経験がきっかけでした。
筒井さん 「志望校をめざして浪人することを選んだのですが、周囲から1年遅れ続ける自分の価値の低さについて思い悩みました。価値のある人間になるにはどうすればよいか?その問いを考え抜いて出した答えが、誰かの幸せに貢献し、社会にプラスのインパクトを与えられる人間になる、ということでした。
事業を通じて社会を豊かにする経営者は、まさにそれを体現している存在です。経営者の人生に寄り添い、ハッピーライフの永続化と持続的な企業価値の向上を支援することで、社会に貢献したい。そうした想いから、プライベートバンカーという仕事をめざすようになりました」
・やりがい:
経営者である前に、ひとりの人間であるお客さまの人生に寄り添い、事業を支える。そんなプライベートバンカーという仕事の魅力を、筒井さんはこう語ります。
筒井さん 「お客さまへのコンサルティングを通じて、社会が変わる可能性を実感できることです。たとえばSDGs(Sustainable Development Goals、持続可能な開発目標)をコンセプトにしたビルや、医療モールといった不動産事業の支援に携わると、地域や街をより良く変える一助になれたという喜びがあります。そうして世の中にインパクトを与える事業を支援することで、社会に貢献できること。それがこの仕事の魅力だと私は思います」
・ストーリー:経営者の支援を通じて社会に貢献。お客さまと本音で向き合うプライベートバンカー
→株式会社みずほフィナンシャルグループのすべてのストーリーを見る
▶︎株式会社三菱UFJ銀行
事業内容:デジタルサービス事業、法人・リテール事業、グローバルCIB事業、グローバルコマーシャルバンキング事業、受託財産事業、コーポレートバンキング事業、市場事業
・2011年新卒入行
・仕事内容:法人顧客向けの非対面取引の分野で他社との協業による新たなサービスの創出に取り組む
・きっかけ:
2011年に新卒入社した稲田さんは、バブル崩壊後の“失われた30年”を生きてきた世代。金融業界を志望し、入社に至った経緯についてこう話します。
稲田さん 「日本経済を復活させるような仕事がしたい、とずっと考えていました。良い技術や良い製品を持った中小企業が世界に羽ばたくためのサポートがしたいと思ったことが、当行を選んだ理由です」
・やりがい:
デジタルサービス企画部への異動後、稲田さんが最初に携わったプロジェクトは、法人営業担当者が利用する融資関連システムやルールの改善サポート。その後、法人のお客さまに対して非対面での価値提供に注力する方針の優先順位が高まったことを受け、新サービス創出プロジェクトにアサインされました。
稲田さん 「銀行の法人営業では、担当者の提案力やお客さま理解がとても重要で、それが組織としての強みでもあります。一方で、営業担当がつくお客様は比較的業歴が長く規模の大きい企業にどうしても限定されてしまいます。創業間もない企業や、規模が小さくても挑戦を続け成長を志す企業にも銀行のサービス・価値を届けていくことが、私たちの部署に課された役割です。
創業間もない企業の中には、当行のようなメガバンクと取引することをはばかるケースもあります。『メガバンクが取引するのは大企業だけ』というような先入観を取り払い、成長を志向するお客さまに選んでいただけるようなサービスづくりをめざしています」
・ストーリー:従来の銀行の枠を超えた新たな価値創造を──DX推進の担い手が挑む変革の道のり
▶︎株式会社千葉興業銀行
事業内容:預金業務・貸出業務・商品有価証券売買業務・有価証券投資業務・国内為替業務・外国為替業務・社債受託および登録・付随業務
・新卒入行
・仕事内容:法人渉外担当として法人コンサルティング業務に従事
・きっかけ:
JUNYA.Iさん 「学生時代、人に喜んでもらえるだけでなく、スキルアップしながら成長実感が得られる仕事がしたいとも考えていました。当時の私にとって、とくに人と接するイメージが強かったのが、金融業界。中でも銀行に惹かれたのは、最も間口が広くいろいろな経験ができると考えたからでした」
・やりがい:
JUNYA.Iさん 「まだまだ未熟ですが、お客さまから感謝の言葉をいただく機会も増えてきました。差し上げた情報提供や提案が何かしらの成果につながり、『すごく助かった。ありがとう』などといっていただけたときは、仕事へのモチベーションが高まりますね」
・ストーリー:〈鶏口人材紹介〉やりがいのある仕事だから成長できる──小さな組織ならではのスキルアップの余白
▶︎CCIG Unity(旧:北國FHD社員組合)
事業内容:地方銀行
・2001年新卒入行
・仕事内容:北國銀行のコンサルティング部門から生まれた、株式会社CCイノベーションに所属し、コンサルティング業務を担う
・きっかけ:
山澤さん 「銀行を志望した動機は『多くの人々との触れ合いを通じて、地元に貢献したい』と考えたことでした。私はもともと、人付き合いやコミュニケーションが大好きでしたから、多くのお客様と関われる銀行は理想の職場だと思いました」
・やりがい:
山澤さんは多くの企業の中に深く入り込み、多くの従業員たちに寄り添ってきました。そうしたプロセスを経て企業の黒字転換に成功したときの喜びは忘れがたいものだといいます。
山澤さん 「2016年に、とある企業の経営支援を担当しました。当時はまだ未経験だったので、先輩社員(現在の川グループ長)の指導を受けながらサブ担当として業務を行いました。困難な状況の中に我々が入り、企業の従業員のみなさんもやる気を出して改善に取り組み、赤字から黒字に転換することができたんです。
その際、今まで十分なボーナスを出すことができなかった従業員の方へ、特別賞与を渡すセレモニーが催されました。役員の方が従業員の方へ賞与を渡すとき、その方はこらえきれず目を潤ませていたんです。その様子を目の当たりにした私は、我々が経営支援でご提供した価値の本当の意味を実感できました」
・ストーリー:深い関わりからソリューションを創出──ベテラン銀行員が踏み出すネクストステージ
▶︎株式会社 武蔵野銀行
事業内容:金融業
・2021年新卒入行
・仕事内容:融資営業担当
・きっかけ:
大学3年生となり就職活動を始めた千賀さん。ものづくりが好きということで玩具メーカーやゲームメーカーを受けるかたわら、銀行の選考も受け始めました。兄が銀行員だったことから仕事のイメージがつきやすく、社会経験としての堅実な基盤が身につくと感じたことが、興味を持ったきっかけでした。
千賀さん 「最終的に武蔵野銀行に決めたのは、風土に惹かれたことが理由です。私が受けた金融機関の中では、武蔵野銀行の面接が一番話しやすく好印象だったんです。志望動機だけでなく、学芸員の資格や、エントリーシートに書いた美術関係の情報についても興味を持ってくださいました。銀行とは関係が薄い資格だからと否定するのではなく、その点も個性として受け入れ、大事に向き合っていただけていることを実感できました」
埼玉で育った千賀さんにとって、武蔵野銀行は昔から親しんできた銀行。地元に貢献できる点も魅力に感じ、入行を決意しました。
・やりがい:
仕事をしていてやりがいを感じるのは、やはり融資が成立したときだと言います。
千賀さん 「融資業務では『新規事業を進めるために設備を揃えたい、そのための融資がほしい』といったような相談があります。自分が案件を掘り起こして融資を実現した後、実際に設備を目にすると、自分の仕事の成果が実感できるような気がしています。
いついつまでに融資してほしいという希望に間に合った時、『助かったよ』とおっしゃってくださるお客様も多く、報われる思いです。銀行業務にはたくさんのジャンルがあり、融資や預金以外にもビジネスに役立つご相談をいただけるので、融資後もお客様のビジネスに関わっていきたいと考えています」
・ストーリー:誠実なコミュニケーションで、地域・顧客に頼られる存在に。若手銀行員の挑戦の日々
▶︎株式会社山梨中央銀行
事業内容:銀行業を中心にリース業、クレジットカード業などの金融サービスに係る事業
・2020年新卒入行
・仕事内容:マネーアドバイザーとして主に個人のお客さまの資産運用の相談などを担当
・きっかけ:
成嶋さん 「学生時代に接客業のアルバイトを経験し、対話を通じて人の人生に深く関わる仕事への関心を強め、金融業界に興味を持つようになりました。また、4年間の東京での生活を経て、自然豊かな山梨の環境が自分に適していると感じ、就職活動では山梨の金融系企業を中心に探していました。
入行の決め手になったのは、祖父の相続に立ち会った時の記憶です。大学生の時に祖父が亡くなり、山梨中央銀行に相続の手続きを依頼したのですが、担当してくれた方がとても優しくサポートしてくれて。その時に自分もこの銀行で働いてみたいなと思ったことが就職活動中によみがえり、入行を決めました。
・やりがい:
入行以来、挑戦を続けてきた成嶋さんにとってのやりがいは、お客さまからの「感謝」の言葉。最近も、こんなことがありました。
成嶋さん 「保険契約されていたあるお客さまが急逝された際、保険金を受け取った娘さんが『母の気持ちをしっかり受け取れてよかった」とおっしゃいました。こうした言葉をいただけることが、一番のやりがいになっています。
私が入行したのは、『人の人生に長く関わる仕事がしたい』という気持ちからでした。お金は生まれてから亡くなるまで関わり続けるもの。今まさに自分の想いを達成しつつあるのを感じています」
・ストーリー:お客さまの人生に長く寄り添うために。自己研鑽に励む若きマネーアドバイザーの確固たる軸
▶︎株式会社 横浜銀行
事業内容:普通銀行業務(預金・貸出・為替・投資型商品の販売業務、金融商品仲介、相続関連業務、投資銀行業務 など多様化するニーズに対する幅広い金融商品・サービスの提供)
・2013年新卒入行
・仕事内容:法人渉外課の課長を務める
・きっかけ:
佐々木さん 「金融は企業活動において必要不可欠なものであり、将来にわたって必要とされ続ける業種であることに魅力を感じました。さらに、幅広い業界の企業の経営者や、さまざまな個人のお客さまと接点を持てることにも興味を持ちました。お客さまと関わる中で経済や国際情勢などについて学びつつ、自分の知見を広く・深く磨いていきたいと考えて、金融業界を志望しました。
横浜銀行を選んだのは、神奈川や東京というエリアに成長可能性を感じていたからです。私は大学入学を機に札幌から横浜に転居しましたが、大学生の4年間でみなとみらい地区ではさまざまな開発が進み、街が大きくなっていく様子を目の当たりにしました。この成長を続けるマーケットで働けるなら会社とともに自分自身も大きく成長できると確信しました」
・やりがい:
佐々木さん 「横浜銀行のファンになってくださるお客さまも多くいらっしゃいます。われわれは『はまぎん』と呼ばれることが多く、愛称で呼んでいただける点からもお客さまとの距離の近さを感じることが多くあります。だからこそ、私たちも身近な存在としてお客さまにできる限り寄り添うよう心がけています。
若手法人担当者のころ、風評被害を受け、財務の面でも厳しい時期を経験されているお客さまを担当することがありました。他の取引銀行から見れば、新たな融資協力が難しい状況だったと思いますが、われわれは長期的な目線で関係性を保ちつつ、身近な相談役として話を伺い続けました。
その結果、風評被害の原因の把握を進め、財務面でも改善の兆しを確認することができたことから、他の銀行が協力できなかったところまでわれわれが入り込み、他行でのお取引を横浜銀行に集約させていただくこととなりました。この案件を通してお客さまのメインバンクとして横浜銀行を選んでいただけたときには、地方銀行ならではのご融資ができたなと実感しました」
・ストーリー:お客さまにとって一番身近な存在に。地方銀行ならではの魅力
▶︎農林中央金庫
事業内容:食農ビジネス、リテールビジネス、投資ビジネス
・2019年新卒入庫
・仕事内容:法人営業のフロント業務に従事
・きっかけ:
就職活動をする中で、地方で生まれ育った自身の出自を振り返ることになった山舘さん。地域活性化に貢献したいという想いが芽生えていきました。
山舘さん 「就活の軸を定めようと自己分析し、生まれ育った岩手でのことを思い返すうちに、地域のためになるような仕事がしたいと思うようになっていったんです。地域活性化といってもいろいろな方法がありますが、地場の企業にお金が流れ、地方で大企業が育つようになれば、自然に雇用が生まれ、人が集まる。そうやって地域経済の規模が拡大していく仕組み作りが必要だと考えました。
では、地方特有の強みは何かと考えたとき、当時の自分に思い浮かんだのが、“食”。そこから農業をはじめとする一次産業に目が向くようになっていきました」
業界や業種への理解が進むにつれ、農林水産業に関わる人たちに資金供給ができるような仕事がしたいと思うようになっていった山舘。就職先として、農林中央金庫に的を絞るのに時間はかかりませんでした。
・やりがい:
地道な取り組みを続けてきた山舘さん。目に見えて成果が表れはじめているといいます。
山舘さん 「宮城県と連携して輸出支援を行っていた水産事業者さんから、この輸出支援がきっかけで、ホタテの加工施設にかかる新規の資金相談をいただいいたんです。草の根的な活動をはじめて約1年、農林中央金庫のバリューが少しずつ浸透して、ようやく目に見えるかたちで実を結びはじめました。短期的な収益にはつながっていないかもしれませんが、中長期で見たとき、これまでやってきたことが間違っていなかったと思うことができています。
また、それが地場の水産業者さんの利益につながるとなれば、入社時に思い描いていた、一次産業、地域の活性化に貢献できたことになります。微々たるものとはいえ、うれしいですね」
・ストーリー:農林中央金庫としてのバリューを発揮するために。企画力を活かして活躍する若手社員
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