日本ヒューレット・パッカード(HPE)へ新卒で入社し、入社6年目でHPE Australiaへの転籍にチャレンジした小笠原 優香。ネットワーク部門のプリセールスとしてグローバルに活躍する小笠原のリアルな体験談を、連載のインタビュー形式でお届けします。今回は第一弾として、HPEへの入社の決め手や、入社後の経験について伺いました。
NGOのインターンで得た気づきをもとに、IT企業のプリセールスに絞った就職活動
──まずは、現在担当されている業務について教えてください。
Aruba(※)というネットワーク部門でアカウント担当のプリセールスをしています。今は、東京の金融会社様、主には大手の保険会社様をメインに担当しています。具体的には、すでにお取引のあるお客様のお話や現在の課題をお伺いし、HPEが提供できるソリューションをご紹介しつつ常に関係を保っています。担当営業とタッグを組んでイベントを開催したり、ときには直接ご訪問をしたりして提案を行います。あるいは、お客様からご紹介いただいた新規のお客様をご訪問することもあります。
※ Aruba, a Hewlett Packard Enterprise company:2002年に創立され、2015年よりHPEの傘下に入りネットワークビジネスを展開。エッジからクラウドまでをカバーしたセキュアなネットワークソリューションを提供している
──小笠原さんは新卒でHPEに入社されましたが、就職活動の際はどのような業界をめざしていたのですか?
大学では、総合人間科学部の福祉学科で「先進国における貧困」をテーマにして研究していました。その一環で、貧富の格差が激しいサンフランシスコにある、貧困層の人を助けるためのNGOで一年間インターンシップをしました。当時は、自分も将来NGOや政府系の機関に勤めて、社会にインパクトを与えられるような、しくみ自体を変えられるような仕事をしたいと考えていました。
ただその一年間で、NGOでは目の前に居る人を助けることはできても、プラットフォーム全体の刷新や、社会に直接インパクトを与えるようなアプローチはなかなか難しいということを実感しました。
と同時にそのころ、Uberなどの先進的なプラットフォーマー企業で働く人たちと出会う機会がとても多く、その方々から話を聞いているうちに思考が変わりました。Uberの運転手から聞いた「この仕事のお陰で、人生が変わった」という言葉はとくに印象に残っており、「やはりお金が生まれて利益が生まれるところでないと、最終的に社会へのインパクトは与えられない」と思ったんです。
そして、今現在とこの先も利益を生み出していき、さらに社会に大きなインパクトを与えるだろうと思った業界がIT業界でした。
──IT業界には多くの企業があると思いますが、その中でもHPEへの入社を決めた理由は何ですか?
自分の特性として、物事を理解せずに人に説明することが苦手だったので、技術を理解した上で製品の魅力をお客様に伝えることが仕事であるプリセールスという職種が自分に合っていると思いました。技術を売るのであれば、技術から学ぼう。そう考えて、新卒でプリセールスを募集している企業に絞ったところ、条件に合うのはほとんどが外資系企業だったので、外資系のIT企業が就職活動の対象となりました。
HPEへの入社の決め手となったのは、ITインフラがしっかり学べるということでした。私は学生のころからネットワークにとても興味があったので、ネットワークのベースとなるインフラに携わりたいと思っていたんです。当時はネットワークに配属されるかどうかもわからなかったのですが、いずれにしてもHPEではインフラで欠かせないサーバー、ストレージに関わることができると思ったこと、また、一番希望しているプリセールス職種での内定だったので、HPEに決めました。
──もともとネットワークに興味を持っていたということですが、何かきっかけがあったのですか?
もともとIT業界で働いていた父から「ネットワークはおもしろい仕事だよ」と言われ、調べていくうちに、興味が湧いてきたんです。すべてのデータが通る道がネットワークであり、そこにすべてが集約することを知りました。ネットワークという“道”で集約されたデータは基本的には資産ですが、同時に脅威になる場合もあります。
そういった意味で、ネットワークはシステムやITそのものを網羅する“網”でもあることにも気がつきました。何の知識もなく「ネットワークって何?」というところから始まった就職活動でしたが、“ネットワークはすべてを網羅する”、この点に興味を持ったことが会社選びにつながりました。
IT知識ゼロからスタート。真似と実践、改良を繰り返して磨いた仕事のスタイル
──入社後、ITやネットワークに関する知識を一から習得するのは大変でしたか?
大変でした(笑)。私は大学の専攻が文系だったのですが、理系出身の後輩を見ていると理解の早さやキャッチアップのポイントをつくのが早くて、羨ましかったです。私自身は手探りでしたが、すべて先輩社員の真似をすることから始めました。コピーしてアウトプットするという実践を繰り返していると、少しずつ頭の中に理解したことが溜まっていきました。
──その他、入社後の5年間で小笠原さんにとって大きなチャレンジはありましたか?
入社して最初の1、2年は出張が多かったので、体力とメンタルのバランスをとるのが難しかったですね。飛行機に乗っている時間に睡眠をとったとしても、十分には疲れが取れないんです。また、自分のことを覚えてもらうためにできるだけ多くのお客様に名刺をお渡ししていたので、お客様から頻繁に電話がかかってくることがしばらく続き、自分にとって大きなチャレンジでした。
それで追い込まれそうなこともあったのですが、マネージャーに相談して解決することができました。マネージャーはとても真摯に話を聞いた上で、「じゃあ、こういう風にしてみようか。そうすれば対応できるかもしれない」というアドバイスをしてくれ、お客様との連絡の方法を少しずつ改良していきました。
またマネージャーのほか、別のチームからも協力してもらい、なるべく早くお客様に対応できるような術を身につけ、業績としても、個人の成長としても良い結果を生み出すことができました。
──周囲のサポートによって困難を乗り越えられたのですね。そうしたHPEの環境面において、小笠原さんが感じる魅力を教えてください。
所属部署のArubaの話になりますが、人が本当に良かったです。先輩が助けてくれましたし、人が良いというと表面的に聞こえるのですが、先輩達がいなかったら、続けていくのが難しかったかもしれません。すぐに相談ができて、ある程度一定の距離を保ちながらプロフェッショナルなアドバイスをくれる人達がたくさんいたので、それが私には合っていました。
他企業に就職した大学の同級生と話した時、仕事のスタイルまでメンターの指示に従うため、自分自身の意思で行動することができなかったと聞きました。私の配属先では、相談する人も仕事のスタイルも常に自分で選択できて、挑戦する度合いも常に自分で調整ができたので、非常にやりやすかったです。
業務外でもさまざまなイベントがあったので、会社から一歩出たところで部署の先輩たちと気さくに話せて、入社後、早い段階で会社に馴染むことができました。
全てのIT企業に不可欠なITインフラ。お客様の近くで、日々エキサイティングな仕事を
──これまでプリセールスとして活動する中で、とくに心がけてきたことや工夫していることがあれば教えてください。
工夫していることは、できるだけお客様の近くにいることです。HPEはメーカーという立場上、最後の砦となるポジションなので、責任を持ちながら、すべてのことに対して真摯に対応していこうという気持ちがあります。私も、すべての答えはわからないかもしれませんが、お客様に対しては「いつでも電話してください。いつでもメールしてください」という姿勢でいます。
私は知識も数年分しかないので、自分ですべて回答するよりは、お客様に寄り添うことを心がけています。私から他の誰かにつなげることもできますし、いつでも相談してもらえる、頼れる存在でいたいという気持ちで対応していたところはあるかもしれません。
──IT業界で働きたいと思っている就活生の皆さんへ、メッセージをお願いします。
他業界と比較した時に、どう考えても楽しいし、どう考えても一番エキサイティングなのがIT業界だと私は思っています。GAFAM(Google、Amazon、Facebook、Apple、Microsoft)の企業がブランド力も高く魅力に感じるのもわかりますが、もう少し紐解いていった時に、それらの企業が成り立つにはどういうものがあるのか考えると、実はどのIT企業のベースにもITインフラがあります。インフラなので、水や電気がないと生活できないようにITインフラがないとすべてのIT企業が成り立ちません。そこがとてもおもしろいと私は思います。
IT業界に興味がある方は、HPEや他のITインフラ企業にも、ぜひ一度注目してみてください。そして、私のように新しい製品がでると「盛り上がりそう!おもしろそう!」と思ってくれる人が増えれば嬉しいですし、この業界がもっと盛り上がると感じます。
※ 記載内容は2023年5月時点のものです
