昨今耳にする機会も多い「ダイバーシティ」。
富士フイルムグループでは、今一度その考え方を見つめ直し、「DE&I」の推進に現在注力しています。では、「ダイバーシティ」と「DE&I」は何が違うのでしょうか?
また、なぜ注力しているのでしょうか?そのポイントを徹底解説します!
▲富士フイルムホールディングス 人事部 DE&I推進室長 山口さん
社員一人ひとりが経験を積み重ねて成長していくことを支援する「+STORY(プラストーリー)」の施策立案をはじめとしたグループ全体の人材開発に携わるほか、DE&Iの推進・認知向上に取り組んでいます。本日は、皆さんがDE&Iにさらなる関心を持っていただけるように、お話しします!
「DE&I」と「ダイバーシティ」って何が違うの?富士フイルムグループにおけるDE&Iとは?
──山口さん、本日はよろしくお願いします!まずDE&Iとはどういう意味なのでしょうか?
DE&Iとは、多様性と包括性がある公平な組織をつくっていこうという考え方です。
アルファベットごとに意味があり、まずDはダイバーシティ(Diversity) 。聞いたことがある方も多いかもしれませんが、価値観やバックグラウンドにおける多様性を指します。
Eはエクイティ(Equity)、公平性です。 育児、介護、ハンディキャップなどにかかわらず、全員に公平に活躍の機会を与えることを意味します。
そしてIがインクルージョン(Inclusion)、包括性です。 多様性を認め、受け入れていくことを指します。
──たしかにダイバーシティという言葉を耳にすることは多いのですが、「E:Equity(公平性)」と「I:Inclusion(包括性)」も欠かせないのですね!
そうなんです!いくら多様性があっても、公平な機会のもとで、それぞれの個性を認め合える環境が整っていなければ、皆さんが安心して働くことができる組織とは言えません。
富士フイルムグループでは、2014年度に開始したWork Style Innovation活動を通じて多様な従業員一人ひとりが能力を発揮できる環境づくりに取り組んできましたが、改めてDE&Iを推進していくことで、グループ全体にこうした考え方を浸透させていきます。
DE&Iはイノベーションを生み出すのに必要な土台
──では、富士フイルムグループにおいて、DE&Iはどのような位置づけになるのでしょうか?
DE&Iは、グループ全体の成長を下支えする土台のようなものだと考えています。皆さんご存じの通り、富士フイルムグループは、今年1月、創立90周年を機にグループパーパス「地球上の笑顔の回数を増やしていく。」を制定しました。このパーパスを実現するには、従業員の皆さんによるイノベーションで、それらを生みだすには、挑戦を繰り返しながら経験を積み重ね、成長していくことが必要です。
従業員一人ひとりが変化を成長のチャンスととらえ、積み重ねていく経験を糧にして次の成長を描くことを、私たちは「+STORY」と呼び、自身の今後の+STORYに対する主体的な取り組みを支援しています。
ただ、そうして挑戦や成長を重ねるためには、誰もが安心して働ける環境が欠かせません。安心して意見を言うことができたり、何か新しいことにチャレンジできたり、ライフイベントに合わせて長く働いたりすることができる環境がなければ、従業員はいきいきと働くことができませんよね。
また、会社の成長は、皆さんはもちろん、皆さんの家族の笑顔と共にあるものです。だからこそ、DE&Iの推進という土台は、経営においてもとても大切なことなんです。
一人ひとりの声や理解からDE&Iは加速していく
──DE&Iがイノベーションの創出、ひいてはパーパスの実現につながるという考え方は、とても富士フイルムらしいですね!目標などはあるのでしょうか?
昨年10月にDE&I推進委員会を設立し、富士フイルムホールディングス(FH)後藤社長をはじめとした経営陣の皆さんや海外現地法人を含むグループ各社と対話を重ね、「多様なストーリーを認め合う」というDE&Iビジョンを設定しました。
個性や価値観、経験といった従業員の皆さん一人ひとりのストーリーを尊重することを起点に、誰もがいきいきと働く風土をつくり、パーパスの実現をめざします。
──より具体的な数値目標などは掲げているのでしょうか?
エンゲージメントサーベイにおける該当設問の肯定回答スコアのほか、役職者の女性比率、育児・介護休暇からの復職率、男性育休取得率などで数値目標を設定しています。特に女性活躍推進、仕事と育児・介護の両立は、安心して働ける環境づくりという点で、大きなポイントになると思います。
──現状において特に課題として感じている部分はありますか?
富士フイルムグループは他社と比較して、そこまで取り組みが遅れているわけではありません。また、「オープン、フェア、クリア」という独自の企業風土が醸成されており、皆さんも風通しの良さを感じることが多いかと思います。
ただ、それらが数字に表れているかといわれると、そうではありません。特に女性活躍、男性育休取得に関してはまだまだ改善の余地があり、もう一段階ギアを上げていく必要があると考えています。
──なるほど……。今一度従業員一人ひとりがDE&Iを理解し、取り組みを進めていく必要があるということですね。
日々の業務に追われていると、中々向き合うことが少ないと思うのですが、それぞれが自分にできることを考えていただけるととても嬉しいです。また、DE&Iという考え方そのものに馴染みがない方も多いと思うので、私たちも浸透に取り組んでいきたいです。
──DE&Iに関連した取り組みとして、注力しているものはありますか?
仕事と育児の両立という点で、育児休職から復職した方とその上長向けに両立のポイントや先輩社員とその上長が復職前後の実体験を語るトークセッションを実施しています。また、小学校に進学されるお子さんを持つ方とその上長を対象に、「小一の壁」に関する情報を発信しているほか、先輩社員の経験を広く共有する子育てサロンなども展開しています。
そして、7月から「Good Parental Leave(グッドペアレンタルリーブ)制度」という新たな育休制度を導入しました。男女問わず、お子さんが生まれた従業員に20日の特別休暇を付与し、金銭面の不安を和らげ、育休を取得できるようにします。本制度を通じて、男性従業員に対しては本質的な育児参画の第一歩を後押しするとともに、女性従業員に対しては産後・育児の負担を軽減することにつなげます。
──いろいろな取り組みを展開されているのですね!
人事部では、グループ各社の皆さんと対話を重ね、そこであがった声を踏まえて取り組みを展開していきたいと考えています。実際にDE&Iラウンドテーブルという取り組みも展開しており、仕事と育児・介護の両立、今後のキャリアについての悩みなど、テーマ別にざっくばらんに人事部メンバーと多様なバックグラウンドを持つ従業員が対話しています。皆さんの声があってこそのDE&I推進なので、皆さんと一緒に考えていきたいです!
今こそ、DE&Iを“自分ごと化“しよう
──DE&I推進の今後の展望については、どのように考えていますか?
まずはDE&Iそのものについて従業員の皆さんに理解を深めていただき、「多様なストーリーを認め合う」というビジョンに共感いただける方を増やしていきたいと考えています。経営陣の皆さんにはポジティブに受け止めていただいているので、そうした意識が今後は皆さんにも浸透していけばうれしいです。
同時に、国外の各地域本社においても、それぞれの課題の分析、解決に向けた多様な取り組みを推進していきます。
──現状の皆さんの反応はいかがでしょうか?
徐々に認知が広がってきていると感じています!東京ミッドタウン本社で初めて開催したファミリーデーの反響がとても大きかったほか、ドレスコードの見直しにより、新たな風が吹いていると感じています。今後も、全社一体となって、ポジティブに取り組みを進めていきたいですね。
──最後に、今後に向けたメッセージをお願いします!
「多様なストーリーを認め合う」には、全員がDE&Iを“自分ごと化“することが必要不可欠です。仕事と育児・介護の両立が職場全員の理解があって成り立つように、DE&Iは特定の誰かに向けたものではありません。皆さん一人ひとりが意識し、実践することで、初めて組織全体に浸透していきます。
だからこそ、お互いのことにより一層関心を持ち、認め合える風土をつくっていければと思います。そのために、私たちも従業員の皆さんと対話を重ね、あらゆる取り組みを進めていきます。
※ 記載内容は2024年7月時点のものです
