自動車業界の品質管理に鍛えられた。35年のキャリアで築いた「お客さま第一」の哲学
SE統括部長として組織を統括する牧。1990年の入社以来、一貫してSEとしてキャリアを歩んできました。
※ システムエンジニア(SE)は総合職とエリア職があり所属会社が違います
※ SE(総合職)…富士フイルムビジネスイノベーション株式会社に籍を置き、富士フイルムビジネスイノベーションジャパン株式会社に出向して業務を行います
※ SE(エリア職)…富士フイルムビジネスイノベーションジャパン株式会社に籍を置きます
「大学で生産管理を学びましたが、工場での仕事よりも、お客さまと直接関わるほうにやりがいがあると考えていたんです。入社後は、当社ソリューションビジネスの中心であったオフィスワークソリューション担当SEとして配属されました。
その後、製造業ソリューション担当SE(以下製造業SE)への異動となるのですが、名古屋勤務だったことが大きく影響しています。当時、当社の図面管理パッケージソフトウェアが大手自動車メーカーに導入されることになり、愛知地区全体が製造系へシフトする流れがあったのです」
自動車メーカーや部品メーカー、設備メーカーを担当しながら、製造系SEとしてのキャリアがスタートしました。製造業、とりわけ自動車業界での経験は、牧のSEとしての成長に大きな影響を与えました。
「自動車関連のお客さまはQCD(品質・コスト・納期)が非常に厳しく、特に品質と納期の遵守が徹底されています。不具合や課題が発生した際には、『なぜなぜ』を5回繰り返して根本原因を追究する手法を実践するなど、再発防止策を徹底的に考え、実行することの重要性を学びました」
2010年にはグループ長に就任し、大手自動車メーカーと主なTier1メーカーの全領域を担当。その後、IT基盤系や戦略企画スタッフなど、さまざまなチームのグループ長を歴任しました。
「名古屋勤務が長かったため、東京での人脈は限られていましたが、スタッフ長としてさまざまな部署の方々とディスカッションする機会が増え、ネットワークが広がりました。ソリューションやサービスの強化という観点から、SEにとどまらず、多様な立場からビジネスを考える経験となりました」
2017年には関西東海技術部長として大阪に赴任。当時トラブル案件を抱えていましたが、支えになったのが当社の組織風土でした。
「トラブルに直面すると、必ず周囲に手を差し伸べてくれる人がいました。相互扶助の精神が根づいていることは、当社の大きな魅力のひとつ。『何かあれば誰かが助けてくれる』という安心感に支えられてきました」
その後も着実にキャリアを積み重ねてきた牧。気がつけば、現在のポジションにいたと振り返ります。
「富士フイルムビジネスイノベーションの発足など、さまざまなタイミングが重なり、たまたま役職を与えてもらった結果、今があると思っています。あまり出世を意識したことはありませんが、中堅(30代半ば)時代に『プロフェッショナルSE』が企画された際、自ら手を挙げてチャンスを掴むなど、重要なポイントでは能動的に動いてきたつもりです」
30年以上にわたるキャリアを通じて、牧にはSEとして常に大切にしてきた「志(アスピレーション)」があります。
「それは『お客さまのために何ができるかを真剣に考え、お客さまのビジネスに貢献する』こと。要望に応えるだけでなく、見えない課題を深掘りし、提供するシステムやソリューションがどこまでお客さまのビジネスに貢献できるかを常に意識してきました。
この考え方の原点となったのは、ある部品メーカーから声をかけられ、ベンチマークのシステムを開発した経験です。それまでは設計や図面管理・出図業務のシステムが専門で、さらに上流である開発企画については未経験でした。
特にベンチマークに関する知見はありませんでしたが、お客さまと共に全力で取り組んだ結果、業務効率が向上しお客さまのビジネスに貢献できた実感を得ることができました。お客さまと共に達成感を味わえる成功体験を、より多くのSE仲間に味わってほしいと強く願っています」
ソリューションの最前線へ。SE統括部が担う変革と挑戦
ソリューション・サービスの展開を進める当社の中で、SE統括部が果たす役割は極めて重要です。
「当社のSEは、設計・構築・デリバリー・運用といった活動を独自の品質基準に基づいて一気通貫で提供する責任を担っていますが、他社のSIerのSE活動に比べ、提案活動に深く関われることが特長です。お客さまが本当に何を求めているのか、抱えられている課題は何かを紐解く段階から営業と共に取り組みます。
東京・名古屋・大阪など大都市圏では、業務系、IT基盤系、入出力系、グラフィック系など、ソリューション別に組織化されており、専門性の高い組織構成となっています。一方、地方ではその地域の特性を考慮したソリューションを適切にお客さまに提供する体制を取っています」
当社のSEの強みは、お客さまに徹底して寄り添う姿勢にあります。業務の多様さと独自の制度が、その成長を後押ししてきました。
「提案から運用まで、一連の工程を経験する中で、システムエンジニアとしての活動プロセスに応じた技術とスキルの習得ができます。また、お客さまの課題に対し、的確な提案を行う必要があるため、SEがビジネススキルを備えていることも当社の特長です。
さらに、当社にはプロジェクトメンバーの公募制度があり、興味のある案件にロケーションを問わず手を挙げて参加することが可能。全国各地で立ち上がるプロジェクトに積極的に挑戦できる環境は、大きな魅力のひとつです」
一方、SE統括部では「笑顔をたくさんつくる」という想いを掲げ、部門全体で共有してきました。
「以前、SEが黙々と作業し、笑顔が足りないと感じたことがありました。当社のグループパーパス『地球上の笑顔の回数を増やしていく。』の通り、お客さまはもちろん、メンバーやその家族の笑顔も大切にしたいと考えています。
お客さまの業績に貢献できることや、トラブルや課題をチームで乗り越えることで一体感が生まれ、自然と笑顔が生まれていくもの。そんな環境を育んでいきたいですね」
SEの意識改革がブランド価値を高める。ソリューションビジネスの拡大に向けて
従来のビジネスの枠を超えてソリューション・サービスを強化するためには、SE一人ひとりが「お客さまへの想い」を強く持つことが不可欠。SE統括部では、そのための意識改革に向けた取り組みを進めてきました。
「お客さまと直接向き合うSEのマインドが変わらなければ、企業全体のブランドイメージも変わらない。お客さまとの信頼関係を深めるために、特に力を入れているのが『マイカスタマー活動』です。
これは、お客さまの経営や業務の課題を深く理解し、その解決に向けた提案を行う活動のこと。お客さまにシステムを導入したSEだからこそできる活動であり、活動開始から約1年半が経ち、SEの姿勢・活動に大きな変化が生まれています。
たとえば、システムを導入後もお客さまを継続的に支援し、改善提案を行うSEが増えてきました。また、自身が担当する領域だけでなく、他部門へも積極的にアプローチし、より広い視野でお客さまに貢献する動きが見られるようになっています。
お客さまとSEがともに成長し、相乗効果を生む関係が築ければ、当社のブランド価値はさらに強固なものになるはずです」
SE統括部長として約950人のSEを率いる立場にある牧。人材育成にも力を入れています。
「計画的な技術習得に必要な外部研修もありますが、会社としてはWeb学習サービスを提供しています。さらにそれとは別に、業務の深い部分の学習や、お客さまへの価値提供過程で新たに得たナレッジや活きたノウハウを習得してもらうことをめざし、全国横断の勉強会を実施しています。これは組織による強制ではなく、自ら発信してもらう活動として根付いています。
特に地方のSEは、さまざまな案件を担当するため、広範な知識を身につけなくてはなりません。全国横断の勉強会もそうですが、過去の勉強会は動画コンテンツとして記録しており、社内インフラを通じて、どこでも学習できる環境を整えています。またポータルサイトを工夫して、必要な情報が直感的に探せるように仕立てています。」
さらに、コミュニケーションの活性化にも注力し、全国のSE拠点を訪問。現在2周目を実施しています。
「就任当初、現場との距離をもっと縮めたいという想いがありました。現場の情報が私に届くまでには時間がかかり、すべてが正確に伝わるとは限りません。そこで、より直接的なコミュニケーションの場をつくり、現場の声をダイレクトに受け取る取り組みを行っています。
先日もキャリア採用で入社されたSEの皆さんとコミュニケーションミーティングを実施し、とても喜んでいただき距離感が縮まりましたね。今では多くの地域から直接コミュニケーションを取ってくるメンバーが増えてきてうれしく思っています」
笑顔と確かな価値提供を軸に、エンジニアリングのさらなる高みへ
業務プロセス全体を最適化し、お客さまの事業成長を支援するために──SE統括部の今後について、牧は2つの重要な軸を掲げます。
「繰り返しますが、1つは『笑顔』というキーワード、もう1つは『お客さまのために何ができるかを真剣に考え、お客さまのビジネスに貢献する』という志です。何よりもまず、ビジネスパーソンとして、そしてSEとしての基本的な軸は決してぶれさせてはいけない。この2つはその軸であり不変だと考えています」
これと並行して、SEとして新しい技術への持続的な挑戦も進めています。
「特にAI技術を当社のビジネスにどのように組み込んでいくかという課題に取り組みたいと考えていて、まさにこれから挑戦する領域です」
一方、事業戦略の中で重要な位置を占めるSE統括部への期待も高まっています。
「社長からは、『SEはお客さまの課題を把握し、技術的に裏付けられた仕組みをつくること』と言われています。設計・構築はもちろん、お客さまとのレビューを実施し、よりよい仕組みに改善していくことだけでなく、お客さまをより深く理解していくことが期待されています」
そして、お客さまの課題解決において中核的な役割を果たしていくために、SE統括部が求めているのが新たなメンバー。SEをめざす未来の仲間に向けて、牧はこんなメッセージを送ります。
「お客さまと一体となって達成感を味わいたい方に来てほしいです。技術を向上させることも重要ですが、『お客さまに対して何が提供できるか』を考え続けることこそが、当社のエンジニアリングの真髄だからです。
そこに強みがなければ、私たちのソリューションの価値も生まれません。同じ価値観を共有できる方と出会えることを楽しみにしています」
SE統括部のトップとして、技術と組織の成長を牽引してきた牧。これからも変化の最前線に立ち、お客さま第一の視点を貫きながらSEの可能性を広げ、新たな価値を創造し続けます。
※ 記載内容は2025年3月時点のものです
