SE組織を横断統括。組織力を最大化するチーム運営とお客さまへの価値提供に向けて
富士フイルムビジネスイノベーションジャパンのSE統括部にて、技術部長を務める池田。50名のチームをまとめる立場として、お客さまへの価値提供と組織運営の両輪を担っています。
※ システムエンジニア(SE)は総合職とエリア職があり所属会社が違います
※ SE(総合職)…富士フイルムビジネスイノベーション株式会社に籍を置き、富士フイルムビジネスイノベーションジャパン株式会社に出向して業務を行います
※ SE(エリア職)…富士フイルムビジネスイノベーションジャパン株式会社に籍を置きます
「SE統括部は、全国に点在するSE組織を横断的に統括する組織です。情報共有、品質管理といったシステムエンジニアリング活動におけるマネジメント体制を一元化しています。これにより、国内のお客さまに高い価値をお届けするとともに、地域差異の無いサービス提供体制を整えています。
担当する技術部門は、東京都と千葉県の2つのエリアで構成されています。東京地区では、複合機関連のソリューションを中心としたシステム導入を担い、千葉地区では、複合機ソリューション、製造業向けソリューションやインフラ基盤としてのネットワーク、サーバーなど幅広い分野を手がけています。
当社は、大企業から中小企業までさまざまなお客さまに対応していますが、リモートワークの普及にともない、オフィスに人がいない環境でも利用できる仕組みが求められるようになってきました。とくに最近は、『ゼロトラストセキュリティ』の考え方に対応したシステム導入の相談が急増しています」
多様化する顧客ニーズに対応するには、メーカー機能を担う富士フイルムビジネスイノベーションとの密接な連携が欠かせません。より効果的なソリューションを実現するために、池田には大切にしていることがあります。
「私たちはお客さまのフロントに立つ存在として、市場ニーズを把握し、それをメーカー側にわかりやすく伝えなくてはなりません。特定の1社のニーズだけでなく、複数社のニーズを整理・集約し、場合によっては外部のリサーチ会社の情報や、営業・SEが拾う競合情報も活用しながら、より汎用的な機能を見出すよう心がけています」
一方、組織マネジメントにおいて池田が重視するのが、「個の特性を捉える」ことです。
「当たり前ですが、メンバーは一人ひとり異なる存在です。組織全体をマクロで見ようとすると、つい個々の特性の違いを見落としがちですが、それぞれに異なる考え方があり、得意・不得意もあります。
個人の特性を見極め、その力を引き出すことで、組織全体のパフォーマンスを最大化する。それがマネジャーの重要な役割だと考えています。特性を理解するために雑談にも真剣に取り組みます!」
ものづくりの現場からマネジャーへ。現場で培った経験と新たな挑戦
1999年にSE職として入社した池田が、最初に配属されたのは東日本エリアを担当する製造営業事業部。比較的自由な環境でシステムエンジニアとしての基礎を身につけました。
「当時、SE組織は営業部門の一部として機能する体制でした。ベテランが中心で、製造業の業務プロセスに精通した若手SEが少なかったこともあり、タスクを与えてもらいつつ 、営業の皆さんに可愛がられながらのびのびと仕事をさせてもらいました。
特に若手のころに担当することが多かったのが、お客さまへ広くシステムを紹介する業務でした。お客さまに機能を説明する際の訴求ポイントの伝え方や、伝える順番を考えて、どうお客さまの興味を惹くか工夫して対応していました。また、お客さまからの質問全部に答えられることを目標に、システムの理解に取り組んだことも、良い経験だったと感じています」
製造業向けソリューション担当のSEとして経験を積んだ池田。しだいに、ものづくりの現場特有の価値観を身につけていきます。
「ものづくりの現場では、品質に影響が出る部分については、お客さまは非常にシビアで、積極的な投資も行われます。また、設計・生産現場と本社部門との考え方の違いなど、製造業のコアな部分や、お客さまが重要視しているポイントについての感覚が養われました」
そして2015年、池田は新設されたSE主体のコンサルティング部門の立ち上げメンバーに抜擢されます。配属されたITコンサルグループの中心メンバーは4名という少数精鋭体制でのスタートでした。
「配属されたグループのメンバーは、私と同年代の1名、そして若手2名という構成でした。示された組織の目標・ゴールに対しグループ一丸となって、『ああでもない、こうでもない』と模索しながら、組織の立ち上げに参加できたことは非常に貴重な経験になりました。『新しいこと』は常に生じますが、今でも『新しいこと』への対応の方法は当時のアイデアや工夫をベースにしています」
さらに、その翌年には、ECM(Enterprise Contents Management System)組織の立ち上げにも携わった池田。立ち上げ後に専門職として大手金融機関のECMシステム導入プロジェクトのPMを任されますが、プロジェクトの途中で大阪へ異動することに。同時に、管理職として新たな一歩を踏み出すことになります。
「それまでの上司は人格者が多く、自ら判断する部分と部下に任せる部分のバランスをうまく取りながら仕事を進められていました。そのような上司の仕事に対する姿勢をみていたため、不安はあったものの、私自身も気負わずに管理職に挑戦できたのだと思います。
また、当時の直属の上司が、管理職になるにあたって本もプレゼントいただくなど、フォローしてくれたことも大きかったです」
管理職として直面した壁と、試練を乗り越えた先に見えた新たな景色
2017年に大阪拠点へ異動し、管理職として初めてSE組織のマネジメントを経験した池田。しかし、その船出は決して順風満帆ではありませんでした。
「メンバー一人ひとりの特性や考え方の違いと自分の考え方の違いにどう対応すればよいかが分からず、孤立してしまったことが大きな課題でした。大阪時代の最初の半年間は、社会人人生でもっとも辛い時期だったかもしれません。
自分のグループのメンバーや他の管理職の方々にどうしたらよいか相談しながら、少しずつやり方の改善を図ったものの、達成感が得られなかったこともあり、マネジメントの難しさを痛感した時期でした」
昇進と職場環境の変化が重なったことが、池田の負担に拍車をかけるきっかけに。しかし、その経験が結果的に大きな学びにつながります。
「マクロな視点だけではなくちゃんと個人をみて、マネジメントしなければダメなんだということに気づきましたね。また、それまで自分の弱みを周囲に見せることをためらっていましたが、前例のない困難に直面したことで、周囲に頼ることの大切さを学びました。
他部署の管理職の方に、泣きながら助けを求めたことも。上司だけでなく部下に対しても、自分が『できないことはできない』と正直に伝え、謝るべきときはきちんと謝る姿勢が身につきました」
自らの姿勢が変わることで、メンバーとコミュニケーションがうまくとれるようになったり、他部署の管理職の方が助けてくれたり。そうして1年が経過するころには、良好な関係を築けるようになりました。
「苦境を乗り越えられたのは、休日に仕事のことを完全に忘れるリフレッシュ方法を覚えたからかもしれません。多くの美しい観光地や関西の風土も私を支えてくれました。気軽に会話ができるオープンな文化、新しいものを好み、独自色があるソリューションを生み出そうとする雰囲気を気に入っていました」
また、当時は別会社だった関西地区の他拠点とのコミュニケーションを通じて、こんな気づきも。
「自分が所属していた組織に比べ、小規模な支社では営業とSE、CEの役割分担や責任範囲が異なるケースがあること。そもそも、組織編成が支社によって全く異なることなど、自分の周辺範囲のことしか知らず、それが当たり前と思っていた私にとっては驚きの連続でした。
さらに、インフラと製造業の両方に対応できるような、何でもできるマルチタスクなSEの存在は、それまで領域専門・特化型のSEが周囲に多かった私にとって、とても新鮮でした」
そして2021年、会社統合によって富士フイルムビジネスイノベーションジャパンが誕生。池田が大阪時代に培った経験は、異なる文化が融合する場面で大いに活かされました。
「当初、お互いが自分たちのやり方を当たり前だと思い込み、そのまま進めようとした結果、大小多様な衝突や混乱が起きていました。両者の違いを言語化できず、なぜうまくいかないのかよくわからない状況があったと思います。
そこで、15部門の部門長や営業部門と密にコミュニケーションを取りながら、少しずつ認識のすり合わせを進めていきました。旧販売会社と旧富士ゼロックスの組織長が混在する中、対話を重ね、お互いの考え方を理解する努力を続けた結果、お客さまへの価値提供を目的にした組織として改めて立ち上がることができました」
ニーズに合わせたソリューションを提供し、お客さまの求める価値をかたちに
設立から約4年が経過し、多様な文化の融合が進む当社では、複合機を中心としたソリューションビジネスの拡大を進める中で、新たな課題に直面しています。
「お客さまは複合機そのものを求めているわけではありません。ゼロトラストのような新しい動きが加速する中で、複合機の価値や使用シーンは今後ますます変化していくでしょう。
現在は、お客さまの動きをキャッチアップするかたちになっていますが、ビジネス環境の変化に取り残されないためにも、先を見据える視点が必要です。
そのためには、複合機以外の分野にも強みを持ち、お客さまのニーズを的確に把握した上で、メーカーと密接に連携しながら、お届けできる価値の幅を広げていかなくてはなりません」
一方、SEとしてキャリアをスタートさせ、女性管理職としてキャリアを切り拓いてきた池田。育児との両立に悩む女性社員に向けて、こんなメッセージを送ります。
「多くの女性社員は、周囲に迷惑をかけることを気にして罪悪感を抱きがちです。しかし、子どもの急な体調不良は避けられないこと。必要以上に気負わず、周囲を頼ることも大切です。
以前、育児中の社員同士を同じ部署に配置したところ、互いに理解し合える環境が生まれ、大きな改善が見られたことがありました。これら問題は、個人の努力ではなく、組織として対応すべきものだと考えています。
若手社員に伝えたいのは、『もっと周囲を頼ってほしい』ということ。近年は、子育てをしながら働く女性社員の数も増え、制度や環境も整ってきました。将来的には育児中の女性に限らずですが、管理職をめざしたり、自分のやりたいことに取り組むことが、『当たり前』の環境を実現したいと考えています。そのためにはもっとDE&Iが浸透していくことが重要ですよね」
池田が描くのは、技術と人の融合による価値創造の未来──SE統括部の舵取り役の一人として、個の力を最大限に引き出す組織づくりと、変化するニーズに応えるソリューションの進化を軸に、これからもお客さま本位の姿勢で、新しい時代の働き方とDXを支え続けます。
※ 記載内容は2025年3月時点のものです
