全国を飛び回る日々。直接お客様の声を聞き、自分の目で現場を見る
入社13年目を迎える篠本が所属するのは防災統括部 送排水システムグループ 原子力チーム。
全国を飛び回りながら、電力会社を中心に遠距離で大容量の送水ができる大型ポンプ車「ハイドロサブシステム」や、主力製品である消防用ホースの提案活動を行っています。
「平日5日間のうち、オフィスで事務処理作業をしているのは1日だけ。ほかの4日間はお客様を訪問しています。北海道から鹿児島まで全国に出張し、業務にあたっています。直接訪問しているのは現場の声を聞くためです。お客様の抱える課題やニーズを直接聞いたり現場での使い勝手を自分の目で確認したりして、次の提案につなげたいと考えています。
2011年に福島第一原子力発電所の事故がありましたが、防災への意識が徐々に風化していることは否めません。だからこそ、あらためて危機感を持っていただくために働きかけていくことも、私たちが果たす役割だと捉えています」
「防災に貢献したい」という強い想いから帝国繊維へ
篠本が防災関連の仕事に興味を持ったきっかけは、学生時代のある体験からでした。
「高校生のころ、後輩が工場火災で親御さんを亡くしてしまうという、悲しい出来事がありました。そのことがずっと心に残っていて、防災に貢献できる仕事に就きたい。その気持ちが強くなっていったのです。
就職活動では別の業界も受けましたが、最終的には、自分の想いに従って、学生目線で見ても社会貢献の度合いの大きさが実感できた帝国繊維を選びました」
こうして2011年に帝国繊維に入社した篠本。入社から半年はホースグループで消防ホースを担当し、1年目の途中から防災車輛グループに配属されました。
「消防署向けに、救助工作車や消防車を納入する仕事を経験しています。納入後のアフターフォローも含めて担当していたので、当時から現場に足を運び、お客様と顔を合わせて仕事をする機会が多くありました」
防災車輛グループ時代、篠本はいまの営業スタイルを確立する上でのお手本となる存在に出会います。
「当時はよく、関連会社のキンパイ商事の方々に同行して営業活動を行っていました。キンパイ商事は、小さなパッキンから大きな機器まで、ありとあらゆるものをお客様に納めていたんです。
小さな部品や少量の数でも、責任を持って確実に納品し、その積み重ねでお客様との信頼関係を築いていっていました。お客様のニーズを察知する能力やトラブルへの対処スピードの面でも抜群に優れていたことから、大きな刺激を受けましたね」
間近に優れた営業スタイルを見ることで、それを吸収し、学びながら、営業としての提案姿勢を身につけていった篠本。
防災車輛グループ時代の後半から、既存の業務と同時並行で、現在も担当している基幹産業分野に向けた営業活動を行うようになります。
そして、防災統括部 送排水システムグループが正式に部署として立ち上がったタイミングで異動し、現在まで約10年にわたり現場の最前線でお客様に向き合っています。
公私ともに深い関わり。仕事を通じて構築したお客様との信頼関係
防災統括部 送排水システムグループの立ち上げ時からのメンバーでもあった篠本。
2013年7月、原子力発電所が備えるべき安全性を規定した新たな基準が施行されたことを受け、条文を読み解きながら法律に則った機器の試験方法等を模索していったときのことがとくに印象深いと語ります。
「たまたま私が担当していたお客様が新基準に対応することになり、前例がなかったのでとても苦労しました。お客様と一緒に『これだけの耐久性を求められるので、このポンプの試験を実施しましょう』という具合に、ゼロからつくり上げていったんです。それだけに、すべてができあがったときには大きな達成感がありましたね」
今まで消防分野では必要なかった非破壊検査を行ったり、社内でも新しい試験や検査を試みました。こうして新基準に対応していった経験が、いまの仕事にも生きていると言います。
「現時点でまだ再稼働できていない原子力発電所がありますが、どの車両も新基準に合わせてブラッシュアップし、再稼働に向けて準備しています。また新基準への対応実績ができたことで、ほかの電力会社にも説得力のある言葉で技術的な説明を行うことができています」
また、新基準への対応で深まった法律への理解が、機器の更新提案を行う際に役立つ場面も。
「図面上の部品の仕様や寸法は変えてはいけないとの決まりがあるのですが、こうした規定もしっかり理解した上で提案ができるようになりました。また、たとえばある試験を実施するのが難しい場合にも、『こうした試験で代用してはどうか』と代替提案ができています」
先行して新基準に対応してきたからこそ、技術営業として知識を身につけ、お客様から頼られる存在へと成長した篠本。現在は営業の最前線で活躍しつつ、課長として原子力チームの5名のメンバーをまとめる立場でもあります。
「もっとも付き合いの長いお客様が同じタイミングで管理職に昇格したため、『部下の成長をサポートするために、マネジメント側として何ができるか』といった共通の話題で、よく悩みを共有したり、話し合ったりしています。
そのお客様とは公私ともに仲が良くて、ゴルフをはじめプライベートもご一緒しています。長く一緒に仕事を進め、信頼関係を築いてきたからこそだと思っています」
そして10代のころから志していた防災業界で着実にキャリアを歩んできたいま、自身の仕事の意義をあらためて強く実感していると篠本は言います。
「自分の仕事が日本の基幹産業に直結していると感じ、社会への貢献を日々実感しています。機器の健全性や安全性の担保も含め、責任が伴う仕事ではありますが、そのぶん大きなやりがいがありますね」
「この人から買いたい」と思われる営業であるために
若手時代からの積み重ねがあってこそいまがあると話す篠本。今後は、若手社員の育成にも力を注ぎたいと話します。
「当社にはさまざまな部署がありますが、関連会社とのやりとりがメインの部署の若手社員には、エンドユーザーと話をする機会が普段ありません。フロントに立ってお客様と対話することが刺激になって成長につながると実感しているので、訪問の際に彼らが同行する機会を用意できたらと考えています」
営業という仕事に誇りを持つ立場から、ものを売るより先に心がけるべきことがあると言います。
「お客様にまず自分自身のことを知ってもらい、信頼していただくことが何より重要だと思っています。当社が扱っている製品には高額な設備等もあります。扱う製品の安全性や品質も大切ですが、求められるのは、お客様に『この人から買いたい』と思ってもらえる人間性。製品名よりも先に個人名を呼んでもらえるような信頼関係の構築を、若手社員にも意識してもらいたいですね」
また、海外での仕事ができるチャンスがあることも、帝国繊維で働く魅力だと話す篠本。
「私はこれまで15回ほど、ヨーロッパへの出張を経験しています。新規案件において部品を組み上げる前に、現地の工場に行って機器の検査を行うことがミッションでした。部署にもよりますが、海外出張のチャンスは比較的得やすい会社だと思いますよ」
これから、篠本がめざす目標は「頼れる技術営業」であり続けること。そのために、これからもインプットを続けていくつもりだと言います。
「この10年ほどは電力会社向けの提案という専門領域に特化していたため、消防分野から離れてしまいました。災害の増加や災害の内容の変化、社会情勢に合わせて消防分野の取り扱い機材もバージョンアップしているので、いまの業務と並行して学び直したいと考えています」
こうした前向きな姿勢を維持できているのは、常に学び続ける貪欲さが仕事をする上で重要だと考えているから。
「豊富な知識があれば、お客様を先導する提案ができる」と篠本は語ります。
努力を積み重ねて、大きな成果を得てきた篠本。防災領域での社会貢献に向けて、貪欲に学び、努力を重ね、さらなる飛躍をめざします。
※ 記載内容は2023年11月時点のものです

