最適な防災ソリューションの提案に向けて。信頼関係の構築が鍵
帝国繊維の販売子会社に当たる帝商の防災事業部に出向中の森。2023年12月現在は、千葉県内の消防本部に向けた拡販活動に携わっています。
「帝国繊維が扱う消防向け4事業(ホース、資機材、消防車輌、被服)のほか、水害対策としての排水システムの拡販を主に担当しています。防災事業部には部長以下約10名の営業担当が在籍していますが、中でも私が担当するのは千葉県です。
県内の消防本部と警察本部に対して、商材の提案から、予算化のための見積提出、仕様化、落札、導入に至るスケジュール管理、お客様との調整までを一貫して行っています。
提案から導入までの期間は物量によって変動し、約半年〜2年ほど。商材単価はたとえば車両なら数億円、ホースなら数万円とさまざまです。これまで救助工作車や特殊車両を数台販売し、ホースや被服についても新規販売先を徐々に増やしてきました。現在は2024年度の予算取りの時期が終了し、案件の受注活動および2025年度案件の商材拡販に着手しているところです」
帝商に出向して1年以上になる森。顧客との信頼関係の構築に重点を置いてきました。
「お客様から有用な情報を得るためには、何度もお客様先を訪問して関係性を育むことが欠かせません。面と向かって会話を重ねる中で潜在的なニーズを掘り起こし、お客様の課題解決につながる提案を心がけています。
とはいえ、実際に災害などに直面しない限り、課題に気づくのは難しいものです。そこで、たとえば洪水リスクのある地域であれば、起こりうる河川の氾濫や対策プロセスについて詳細な資料を準備するなど、お客様に伝わりやすい方法で説明する工夫をしています」
消防士への憧れと火災体験が導いたテイセンへの道。出向を機に仕事への情熱が開花
中学時代に身近で火災を経験したことから防災の重要性を実感し、大学では建築防災を専攻した森。建築と防災の両業界を中心に就職活動を進める中で出会ったのが、帝国繊維でした。
「幼いころに消防士への憧れを抱いていたことも、防災に興味を持った理由のひとつだと思います。諸事情で消防士になることは諦めてしまったのですが、商材販売を通じて消防士の皆さんを支援することならできると考えました。
そんな中、防災関連企業をリサーチしていて見つけたのが帝国繊維。消防に特化した事業を展開していることを知って興味を持ちました。その後、会社訪問時に話した大学OBのベテラン社員がとてもフランクな方で、風通しの良い組織文化があると感じたことが入社の決め手になりました」
入社後、森は防災統括部へ。工場で3カ月にわたりホースの生産に携わった後、送水機材チームでハイドロサブやローゼンポンプの拡販担当を経て、消防車両の拡販に従事しました。
入社当初、とりわけ苦労したことについて次のように話します。
「入社して最初に携わったのが、多くの車両と大きな金額が絡む案件でした。当時の所属部署では個人に大きな裁量が与えられていたため、最適な解決策を最短距離で見つけるために、関連業者の方に協力を求めることにしたんです。案件を成功させようと自分なりに考えた結果でしたが、新入社員がまったく面識のない社外の方に助けを乞うわけですから、大きなプレッシャーがあったのを覚えています」
その後、副社長からの提案を受けて帝商への出向を決めた森。業務プロセスの変化にともない、顧客との関係にも大きな変化がありました。
「以前は東日本全域のお客様を担当していたため、広く浅いお付き合いが中心でした。ところが、帝商で担当するのは千葉県内のお客様のみ。一人ひとりと深く接することができるようになりました。
その結果、各案件への思い入れが強くなったと感じています。以前に増してお客様の立場になって仕事と向き合うようになり、不具合の防止や改善提案への熱意も高まりました。お客様と仕事以外の話を交わす機会も増えています」
顧客第一の精神がモチベーション。防災事業の営業だからこその醍醐味を求めて
帝国繊維時代、森にとってとくに印象に残っている出来事があります。入社2年目に中央調達の案件を担当した時のことです。
「数億円規模の大きなプロジェクトでした。想定外のアクシデントに見舞われて現場作業を手伝うなど、予期せぬ対応に追われたことが記憶に残っています。
多くの困難をともなう案件でしたが、関連業者の皆さんの協力を得て一つひとつの問題を解決し、なんとか無事に納期に間に合わせることができました。厳しい状況をくぐり抜けてプロジェクトを成功させたことは、私にとって大きな糧となっています。
また、計8台を納車しましたが、当社にとって前例のない車両構成だったため、提案に当たっては慎重に検討が重ねられました。当プロジェクトを落札できたのは、関連業者の皆さんと折衝して低価格を実現できからこそだと思います」
持ち味である粘り強さを発揮しながら、入社から約6年半のあいだに着実に成長を遂げてきた森。その原動力となっているのは、顧客への真摯な想いです。
「学生時代から部活やアルバイトに熱心に取り組んで忍耐力を養ってきましたが、社会人になって不具合に柔軟に対応したり、難しい局面に対峙したりする中で、『自分がやらなければならない』という責任感がいっそう強くなりました。同時に、何事も最後までやり遂げる力が身についていると感じます。
お客様に迷惑をかけたくないという想いが、これまでの自分を突き動かしてきました。それが自分にとって最大のモチベーションです」
入社以来、一貫して防災事業の営業に携わってきた森。現在の仕事の醍醐味について次のように話します。
「この仕事では、落札時と納品時の2度、大きな達成感を得られます。とくに長期案件では、数年間かけて仕様書を用意して入札に臨むため、落札を勝ち取った時の喜びは格別です。
また、製品が完成してお客様にお渡しする時の喜びも言葉では表せません。お客様とのつながりを感じるあの瞬間は、他では味わえない体験です。
そして、お客様から直接感謝の言葉をいただくたびに、現場で決死の覚悟で人命救助に当たる消防士や被災者の皆さんの助けになっていると感じられることが、大きなやりがいにつながっています」
防災への間接的な貢献の手ごたえ。災害の現場を陰で支えることがやりがいに
出向中に得た気づきや学びを、帝国繊維に還元することが現在の目標だと話す森。一方で、新規商材の開発にも意欲を見せます。
「帝商では、帝国繊維であまり扱わない防災関連商材を多く手がけています。ここで得た知識や、お客様との折衝で磨いた技術を帝国繊維での拡販活動に活かしていきたいです。
また今後は、新しい商材の開発にも取り組んでいきたいとも考えています。とくに注目しているのが、大規模な災害時に活躍する高度救助資機材です。高いニーズがある一方、当社で扱う物量が年々減少傾向にあり、他社製品への乗り換えを検討するお客様もいます。対応は急務と言えるでしょう。
国内での開発が難しい商材なので、海外メーカーの動向に注目して画期的な商材を発掘し、導入につなげていくつもりです」
2023年で入社6年目。営業の最前線に立ち続けてきた立場から、森は帝国繊維や帝商で働く魅力についてこう話します。
「帝国繊維や帝商が扱うのは、消防士の方たちが使うものです。商材の販売を通じて災害の現場で命を守ることに間接的に貢献できていることを、とても誇りに思っています。
そうやって防災を陰で支える仕事に取り組めていることが、当社で働く醍醐味です。テレビ報道などで、災害の現場に自分が携わった救助工作車が駆けつける場面を目にするたびに、複雑ながらも仕事の成果を実感しています」
そんな森が、共に働く仲間に期待する資質とは。
「営業職では、時にはお客様から厳しい言葉やお叱りを受けることもありますし、自分の思い描く成果をあげられないこともあります。そんな時に求められるのが、辛抱強く耐え忍ぶ力と、状況に柔軟に対応するしなやかさです。これらの資質を兼ね備えた人が、当社ではとくに活躍していると感じます。
防災に貢献したいという気持ちは、仕事に取り組む中でおのずと育まれるもの。使命感も大事ですが、より重要なのは前向きな姿勢を持つことです。そんな心構えを持つ方々との出会いを楽しみにしています」
災害の現場で戦う英雄たちと、被災者のために。多様化する災害と複雑化するニーズに対して新たな価値を提供することをめざし、ここから森はまた新たな一歩を踏み出します。
※ 記載内容は2023年12月時点のものです

