患者さんの安全を最優先に、グローバルスタンダードを構築
──所属する部署と仕事内容について教えてください。
オリンパスのGlobal QARA(品質保障・法規制部門)に所属し、PMOチームでリーダーを務めています。オリンパスが全社的なプロジェクトを実施する際にプロジェクトマネジメントを管理する組織で、私のチームメンバーは8人。グローバルの各リージョンに同様の組織があり、クロスリージョンで活動しています。
プロジェクト活動のほか、製品の品質や業務プロセスの改善も重要なメイン業務で、オリンパス全社で品質の指標にできるグローバルスタンダードをつくり、どの拠点でもその水準を保てるようなプロセスの構築をめざしています。
オリンパス製品は世界各国に展開しています。中でも現在はアメリカ市場の規模が大きいため、FDA(米国食品医薬品局)のガイダンスへの対応を重点的に行うことがあります。それらの対応に向けた準備のための大型プロジェクトにも深く参画しています。
──オリンパスで働く魅力をどんなところに感じていますか?
「医療機器をつくることで、患者さんの健康に貢献できる」という魅力は入社当初から感じています。とくにここ数年で、患者さんを最優先に考える「Patient Focus」が会社全体に浸透し、製品の品質や業務プロセスを考える上でも、常に患者さんの立場に立って考えようという想いがさらに強くなりました。
また、グローバル組織の拡大により、さまざまな経験値を持つ人たちと一緒に働けることにもやりがいを感じています。多様な仲間たちと「患者さんのことを第一に考えたものづくりってなんだろう?」などと話し合うことで自分の視野がどんどん広がるのを感じますし、成長していく組織の中にいられることも魅力のひとつですね。
英語力を強みに、オリンパスの法規制部門へ。リーダーとしてイチから新チームを築く
──これまでの経歴と、オリンパス入社後のキャリアについて教えてください。
中学でイギリスに留学し、大学院卒業後はロンドンの日系医療機関で院長アシスタントとして病院の経営に携わり約6年働きました。その後帰国し、販売促進や海外営業などの仕事を経て、2016年にオリンパスに転職。ロンドンで勤めていた病院では、オリンパスの内視鏡が使われていたので馴染みがあったことと、医療に貢献したいという思いがあったため、入社できた時は嬉しかったですね。
入社後は米州法規制担当として、FDAの査察対応を中心とした業務に従事。その後、品質改善活動やQMS(品質マネジメントシステム)を維持するチームのスーパーバイザーを担当しました。ちょうどその時期に、産休・育休も経験したのですが、仕事復帰後は夫が専業主夫として家庭を支えてくれました。
そして、2021年から現職である Global QARA PMOの初期チームのマネジャーとなりました。新しく組織を作るということで、その組織メンバーには、グローバルな環境で品質保証や法規制に携わるために、高いレベルでの英語を含むコミュニケーションスキルや柔軟性が必要でした。そのため、すべてのメンバーを外部から新たに採用することに決め、1年間かけて100人ほどの候補者から、現在のチームを作りました。
──リーダーとして取り組んだ仕事の中で、印象的なものを教えてください。
直近で印象に残るものとなるとやはりFDA査察に向けた準備を行ってきたProject Focusにはなりますが、そこに行きつくまでにElevateという全社横断プログラムに参画してきたことは、大きな経験になっています。20ほどのワークストリームがあった中で、自分がマネージしている柱に属するワークストリームの活動を中心に、全体的な相互関係を理解しながら業務を進めました。その中で、全社として一つの大きな目標を協力しながら達成するためには、参画しているそれぞれが自分の業務への向き合い、責任を全うすることが重要だと感じました。
私が示したかったのは、ダメと言われない=これで良いというわけではなく、継続的な改善をめざすことの大切さです。現状で満足するのではなく、「これで本当に十分なのか?」を常に考えながら仕事に取り組むスタイルで、チームを引っ張るようにしています。
メンバーの成果や成長がモチベーションに。リーダーになることで広がった喜び
──リーダーというポジションの難しさとやりがいを、それぞれどんな時に感じますか?
リーダーになってからは、自分の発する言葉や意思決定にしっかり責任を持たなければならない、とより強く感じるようになりました。いちメンバーだった時の発言とは影響力が違い、自分の指示によって周りのメンバーが動くことになるので、それを考慮した言動をしなければと気をつけています。
やりがいを感じるのは、メンバーそれぞれがやるべきことを達成してプロジェクトが成功した時や、グローバルのメンバーから、私のチームメンバーについて「○○さん、よく頑張っていたよ」という話を聞いた時です。自分が成果を上げられた時だけでなく、チームのメンバーが何かを成し遂げた時にも嬉しく感じるので、仕事で得られる喜びの範囲が大きく広がりました。
──他部署や他拠点との連携が重要なチームだと思いますが、多様な考えの人と接する上で意識していることはありますか?
私のチームのメンバーは全員がキャリア採用ですが、社内にはオリンパス一筋の方や医療機器業界に長く携わっている方、もともと医療事業以外の部門にいた方など、さまざまなバックグラウンドの人がいます。人と接する時は、そうした経歴はもちろん、「仕事をどのように捉えているか」を意識してコミュニケーションを取るようにしています。
また、社内外で開催している インクルージョン推進に向けた取り組みにも、積極的に参加しています。出産・育児など特定のライフステージにいる女性や、今後リーダーポジションをめざす人に共通する悩みに対して、私の経験や知見が少しでも役に立つのであれば、力になりたいと思っています。
男女問わず、いろんな挑戦の機会が増えればキャリアは広がりますし、多様な人とのつながりから得られるものは人生を豊かにしてくれるものと考えています。
仕事に向き合う中で生まれるリーダーシップが大切。次世代リーダーに伝えたいこと
──次世代のリーダーをめざす方たちにメッセージをお願いします。
大事なのは、今会社が置かれている状況を理解し、Patient focusやPatient safetyを実現するためには何をすべきか?を考えること。そして、その考えを周りの仲間にも伝え意見交換しながら一生懸命仕事に取り組むことで、リーダーシップというものは自然に発揮されるのではないかと考えています。
自然に生まれたリーダーシップは、役職がない人でも業務を進める上で活かせますし、そのリーダーシップの延長線上に役職があると考えれば、不安もなくなるのではないでしょうか。
チャレンジした結果、たとえ失敗したとしてもそれは恥ずべきことではなく学んで次に活かせばいいので、チャンスが巡ってきたら積極的に掴んでほしいですね。
──今後の展望を教えてください。
まずは、会社にとって重要なマイルストーンであったFDAの査察が国内4拠点に対し実施され、査察結果に基づく対応を開始しています。更に、まだ査察を受けていない拠点が万全な体制で査察に臨めるようこれまでの学びを活かしたいと思います。そして、もちろん査察対応が私たちの最終目標ではないので、日常業務の中で「自分たちの製品が市場で安全に使えるために」を考えながら業務と向き合える会社にしていきたいです。
また、世界には内視鏡や低侵襲手技などを使った検査・治療を簡単に受けられない国・人たちがまだまだ数多く存在します。世界の人々の健康と安心、心の豊かさの実現に向けて、地球規模で力を合わせてより多くの患者さんを救える社会をつくりたい。そんな想いをもって未来に向かっていきたいですね。
※ 記載内容は2025年10月時点のものです

