展示会やセミナーを通じて、日本の医療の質向上に貢献
──現在のお仕事の内容について教えてください。
メディカルコミュニケーションズという部署で、日本国内における医学系学会のイベント業務に携わっています。年間50から70件ほどの学会に協賛し、それぞれの学会で併設される展示会やセミナーの運営を担当しています。
展示会では、オリンパスの内視鏡や腹腔鏡などの製品を展示。最新の医療機器を多くの先生方に見ていただき、実際に触れていただくことで、その性能や使用感を体験していただいています。
セミナーでは、複数の先生が登壇するシンポジウム形式のイベントや、昼食を取りながら講演内容を聞けるようなランチョンセミナーなど、さまざまな形式で医療技術や知見を共有する場を設けています。
また、当日の運営だけでなく、イベントの全体設計やディレクションも私たちの役割です。主にマーケティング部門が考えた企画にもとづき、年間で何件実施するべきか、どのように運営をするのが最適か、アイデアを加えたり、費用対効果を含めて検討したりしながら、方針を決定しています。
──オリンパスで働くやりがいをどのようなところに感じていますか?
私はもともと「医療の質向上に貢献したい」という思いを持って入社しました。大学生の時に家族が緊急手術を受けたのですが、腹腔鏡手術を受けられず開腹対応となり、入院が長引いた経験があるんです。それをきっかけに、同じ病気・同じ容体であれば、どの病院に行っても同じ医療が受けられる社会にしたいと考えるようになりました。
展示会やイベントを通じて多くの医師に製品や知見を共有する今の仕事は、間接的ではありますが日本の医療に貢献できていると感じています。大規模な学会では、500名以上の医師が展示会に来場することもあるのですが、新しい知識や情報を持ち帰っていただくことが、さらなる医療の質向上につながっていると信じています。
内科から外科、営業からマーケティングへ。お客様から長く信頼してもらえる存在をめざして
──これまでのキャリアについて教えてください。
入社して最初に携わったのは、消化器内視鏡分野。胃にできたポリープなどを切除する処置具の営業を担当しました。初めは医師と接することに緊張しましたが、「お医者さんが医療のプロなら私は製品に関するプロであろう」という意識を持って、コミュニケーションを取るようにしていきました。
4年目になるころには、組織編成もあり担当する製品が増えました。取り扱う製品の単価が大きく変わり、1本3万円ほどの処置具だけでなく、1本300万円ほどの胃カメラや大腸カメラも扱うようになりました。商談の進め方も変わったため、新たな学びも多かったですね。
さらに、5年目からは一般の大病院だけでなく、開業医向けの営業も担当するようになり、アプローチの仕方も大きく変わりました。
大病院では、各科の要望を事務方が取りまとめ、病院全体で年度ごとに購入を決定します。一方、開業医は個人事業主なので、医師自身が即座に何が必要かを判断します。開業医は価格にシビアなケースもありますし、医院の未来を考え、何をどう購入するべきかといった提案も必要になります。1人ですべての顧客を回ることは難しいため、各地の販売店とも協力しながら営業活動を行ってきました。
こうした活動の結果、担当エリアでの開業医売り上げを評価いただき、本部長賞を受賞することもできました。
営業時代にとくに印象に残っているのは、先輩から顧客を引き継ぐ時に教えられたこと。それは「お客様から『浦邊さんだから買うね』と言ってもらえる営業は優秀。だけど本当は『浦邊さんを信頼していたから、営業担当が他の人に変わってもオリンパスの製品を買い続けるね』と言ってもらえてこそ一流なんだ」という話。
自分を通して出会ったオリンパスと付き合い続けたいと思ってもらえるように、今でも自分の評価が会社の評価になると肝に銘じ、長く信頼いただける関係性づくりに努めています。
2011年に外科系分野に異動してからは、販売支援とマーケティングを担当しました。新製品の販売に向けて営業チームに販売方法を伝えるトレーナー役を担った後、製品担当として全国への普及施策を考えていました。
──なぜ内科系分野の営業から、外科系分野のマーケティングに異動したのでしょうか。
もともと腹腔鏡手術に関心を持ってオリンパスに入っていたので、外科系分野にも携わりたいと思っていました。内科から外科に移動してみると同じ会社でも転職したくらい文化が違っていて、それもまた刺激になりましたね。
営業からマーケティングへと移ったのは、影響範囲を広げていきたいと考えたからです。医療全体の質を向上させるためには、誰が使っても同じ効果が出る製品を世に広めていきたいと思ったんです。そのため、マーケティングに携わり、製品を普及させながら、より多くの医師に適切に使っていただけるような取り組みをしたいと考えました。
営業やマーケ経験を活かし、展示会を成功に導く。この仕事で大切なのは思考力と判断力
──学会のディレクション業務を担うことになった経緯を教えてください。
当時所属していたマーケティング部門で、展示会やイベントをまとめる専任担当がおらず、私が最初の1人になった形でした。予期していない職種でしたが、「医療の質を向上させる」という自身のビジョンに向けて、新たな角度からアプローチできる機会だと感じました。
最初はまず、標準化に取り組むことからはじめ、当番制で行われていた業務を整理し、一定のマニュアルにまとめていきました。また、これまでの経験を生かし展示会やイベントの企画にアイデアを加えていきました。
たとえば、3D腹腔鏡システムのプロダクトマーケティングを担当していた際、3D技術の臨床的価値をどう広めていくかという点が課題になっていたため、立体映像を投影できるプロジェクターを用意し、学会の参加者に3Dメガネを配布するなど、3Dを用いたセッションを行いました。
一見すると営業やマーケティングとは異なる仕事ですが、どのような企画にすれば医師が興味を持ってくれるか、営業が説明しやすいのかという視点が必要ですし、そうした発想ができたのは現場で経験を積んだおかげだと感じています。
──直近ではどのようなことに取り組みましたか。
5月末に行われた展示会では、オリンパス製品の技術力を伝えるための企画として、医師に製造体験をしていただく場を設けました。マーケティングメンバーと企画をした当初、オリンパスの技術を公開することへの不安の声もあり、製造体験ブースに入ることができるのは誓約書に同意いただいた医師のみなど、厳格なルールを設ける必要がありました。
また、当日の講師役として製造工場メンバーに展示会に来ていただくよう協力要請をするなど、社内調整も行いました。
その結果、100名以上の医師が参加してくださり、満足度の高い体験会を実現。製造現場での細かい作業や日本ならではの技術を体感することで、オリンパスの品質の高さを理解していただくことができ、重鎮の先生からも「今までで一番良い企画だった」という言葉をいただきました。多くの人にオリンパスの製品の魅力をあらためて認識してもらえたことが、とても嬉しかったですね。
イベント業務は、始めた当初は1人でしたが、今では10数名が所属するグループになり、私自身もマネージャーになっています。私はこの業務について、単にディレクションをするだけではなく、思考力が重要だと考えています。学会への協賛決定には、医師との関係性や業界の中での影響力を考慮する必要があるなど、総合的な情報をもとにした判断能力が求められます。
標準的なオペレーションもありますが、マーケティングが企画した展示会やイベントをただ実行するだけでなく、自分なりのアイデアを取り入れて工夫をする余地もあります。費用対効果も考えながら効率化できるところは効率化しつつ、オリンパスの全社的な方針と合致したイベントにする──そのための専門組織として、これからも役割を果たしていきたいですね。
大切にしている3つのポリシー。営業を軸にキャリアを築き、女性社員のロールモデルに
──仕事をする上でどんなことを大切にしていますか?
私は仕事をする上で3つのポリシーを持っています。それは、「迷ったらGO!」「なるようにしかならない」、そして「できるできないではなく、やるかやらないか」です。
イベント業務では、実施するまで何が正解かわからないことが多く、実施後も成功と失敗の判断基準が捉えにくいことがあります。だからこそ「迷ったらGO!」、まずは一歩踏み出すことが大切だと考えています。
また、うまくいかなかった場合でも、自分たちがやるべきことをやっているかが重要。たとえば、コロナ後にイベント参加者が減少した時も、投資を減らすことは考えましたが、「なるようにしかならない」という気持ちで思い悩みすぎないようにしました。そして、この2つの考え方を踏まえて「できるかできないかではなく、やるかやらないか」という視点で判断しています。
最終的に大切なのは、医療の質を向上させ、エンドユーザーである患者さんに貢献をしていくこと。そのために、単なるオペレーションとして進めることなく、一つひとつの行動がどう医療につながっていくのかを考えるようにしています。
──今後の展望を教えてください。
女性社員にとって「あの人のようになりたい」と思えるような存在をめざしていきたいと考えています。私が入社したころはジョブローテーションが多く、女性の先輩社員が少なかったり、営業経験をもとにキャリアを築いているロールモデルがいなかったりという状況でした。
私自身は医療業界に貢献したいという目標があり、負けず嫌いな性格でもあったので挫けることなく進むことができましたが、身近に相談できる先輩がいてほしいという方もいるはずです。だからこそ私は、営業を軸にキャリアを築いてきた身として、女性社員のロールモデルになり、後進を支えていきたい。近い将来、社内のキャリアカウンセラーのような役割も担えたら嬉しいですね。
※ 記載内容は2024年6月時点のものです

