魅力的な体験・観光施設の認知を高め、地域活性化に貢献することがミッション
2021年、NTT西日本に経験者採用で入社した加藤。2022年11月(取材当時)は、法人営業ビジネスを中心に展開するNTTビジネスソリューションズに出向し、バリューデザイン部ソーシャルイノベーション担当の担当課長として活躍しています。
加藤 「幅広い分野の新規事業を手掛けるソーシャルイノベーションチームの中でも、私がいるのは観光グループ。観光領域で新しいビジネスを創出する担当で、地方創生や地域活性化につながるサービスを開発、提供しています。チーム全体で新しい戦略を考えては実践するという具合に、毎日が試行錯誤の連続。そのためか、チーム内にはベンチャーやスタートアップのような雰囲気がありますね。
観光グループが主に取り扱うのは、いわゆる“タビナカ(旅行中)”のコンテンツ。主にインバウンドの観光客に向けて、日本各地、とくに地方の魅力的な観光地や施設、体験などの情報を発信し、交通系チケットや入場券などを購入できるプラットフォームをコアサービスにしています。
海外の方にはまだあまり知られていないエリアの認知を高め、実際に訪問してもらって地域活性化に貢献することが、私たちのミッションです」
その中で加藤が主に担当しているのは、商材の流通量や販売チャネルを拡大するための営業活動。
加藤 「入社して1年ほどはパートナー企業との関係構築やプロモーション内容の検討などサービス開発を担当していましたが、今はプラットフォームをさまざまな地域に展開していくフェーズ。パートナー企業や自治体などを通じて、観光商材を提供する側(サプライヤー)と売る側(販売チャネル)、そして商材を購入するエンドユーザーの課題やニーズなどを整理し流通させていくことが私の役割です」
また、観光業に長く携わってきた経験を活かし、チーム内の人材育成も担当している加藤。日常的に目にするグローバルなニュースにしても、観光の目線でチェックする必要があると、翻訳して他のメンバーにも伝えています。
加藤 「たとえば、中国の政策や航空会社の方針などによって今後インバウンドにどのような影響が出てくるかは、常に考える必要があります。国内外の最新情報をニュースとして知っておくだけではなく、観光の視点で読み解くことを意識して、自分たちの事業にどんな影響がありそうか、推測していくことが大事ですね」
旅行×ITで重ねたキャリア。日本の地域や観光業界に貢献したいとNTT西日本へ
幼少期から旅や海外に興味があったという加藤。在学中に世界一周旅行やドイツ留学を経験しました。大学院卒業後は、旅行業界を中心に外資系企業を渡り歩いてきました。
加藤 「新卒で入社したのは、富裕層向けに海外旅行を取り扱う日系の中堅旅行会社。チケットやホテルを手配するだけでなく、営業やお客様のフィードバックをもとにした商品造成など、旅行業のPDCAすべてのプロセスを一社で実行できるところに惹かれて入社しました。中近東や北アフリカの添乗業務も経験しています。
その後、結婚してライフスタイルが変わったのを機に退職。NPO法人や派遣社員を経て、アメリカの大手オンライン旅行会社に就職しました。そこで担当していたのは、日本国内の宿泊施設を海外向けに販売する仕事。宿泊予約数向上のためにどうするかを考え、ホテルなどのパートナーと連携していく営業ポジションでマネージャーまで昇格しました」
ところが数年後、会社が買収されレイオフされてしまいます。知人の紹介によりアメリカ通信社大手に就職した加藤。大手企業の法人営業に携わり、営業手腕に磨きをかけますが、旅行業界に戻りたいとの気持ちがぬぐえなかったと言います。
加藤 「そこで初めて自発的に転職活動をして、旅行系IT企業の中では世界最大手、航空会社や空港向けのシステムやソリューションを提供している会社に入ることができました。既存事業の効率化や事業領域の拡大を図ったり、新規事業を開発したりする部門を経て、日本国内のオンライン部門でチームディレクターを務めました」
充実したキャリアを重ねていた加藤でしたが、コロナ禍によって状況が一変。この先のキャリアに悩みながら転職を視野に企業リサーチをする中で出会ったのが、NTT西日本でした。
加藤 「キャリアの棚卸しをしていて、それまで自分の経験やスキルを日本社会に還元してこなかったことがとても残念に思えたんです。『私、こんなに愛国心あったんだ』と自分でも意外だったのですが、日本社会に貢献したいという想いが芽生えて……。外資は外国企業の業績のために働くので、たとえばサービスを出したときに日本人の生活向上にはすごく役立つ側面があったとしても、日本社会の資産にはならないことがもったいないなと思って。あえて日系企業にトライしてみようと考えていたとき、NTT西日本が観光の新事業を立ち上げると知り、自分が得意とする旅行や観光の領域で大きなプロジェクトに関われるならと、入社を決めました」
NTT西日本には、他の会社にはない魅力があるという加藤。次のように続けます。
加藤 「NTT西日本といえば日本を代表する会社のひとつ。知名度・信頼度が高いことで、関係構築がスムーズに進むことも多いです。お客様から連携協定の申し出をされることもありました。NTT西日本がこれまで築き上げてきた企業ブランドの恩恵は大きいですね。
一方で、私が所属する部署では次々に新規事業や新サービスを展開し、実際の仕事内容はベンチャーに近いんです。安定的な財政基盤と知名度による信頼感から新しいことにチャレンジできる環境がある。大企業とベンチャーのいいとこどりができているのが、今の仕事の最大の魅力だと感じます」
人を幸せにするサービスを扱いながら、地域活性化にも貢献できることがやりがい
2022年で入社2年目となる加藤。観光事業の推進に関わる中で、とくに印象に残っている出来事があります。
加藤 「国内最大級の観光商談会“ツーリズムEXPO”へ出展したときのことです。出店ブースの位置が会場の端のほうと不利だったにもかかわらず、非常にたくさんの方が足を運んでくださいました。
NTT西日本が観光の商談会に参加していることに驚いている方が多く、関心の高さがうかがえたと同時に、日本のインフラを支える会社ゆえの期待値の高さ、影響力の大きさを思い知ることになりました」
一方、加藤はこれまで国内のさまざまな地域を訪れ、過疎化が進行する状況を間近で見てきました。NTT西日本ができることの可能性を強く感じていると言います。
加藤 「全国的に人口がどんどん減っていく中で、地方の経済状況は停滞するばかり。何よりもまず人を呼び込まないといけないわけですが、その手段のひとつとして、観光業があると思っています。観光で実際に訪問して、その地域を好きになってもらう、その後はリピーターになったり「関係人口」の一員になったり。あるいはECで地域産品を購入いただくことでも地域の活性化につながります。
ただ、観光業で人を呼び地域を活性化したいです、となったときに「どうすれば良いか、何からやれば良いか」「外国人からの認知がない」など悩まれている方は多いのではないかと思っています。そのような方々のパートナーとして、われわれのプラットフォームにできることは少なくないと感じています。海外の方がオンライン検索をかけたとき、その地域が上位に表示されるかどうかがひとつの分岐点。出てこないとなれば、それは存在していないのと同じ。どうやって地域の認知度をあげ、プレゼンスを高めていくかをいま議論しているところです」
長く業界に携わってきた加藤。観光事業に関われていることに、今あらためてやりがいを感じているとも話します。
加藤 「そもそも旅行ってなくても生きていけるもの。人は楽しい時間、幸せな体験を求めて旅行に行くのではないかと思っています。平和の象徴でもあり、いわば夢を売る仕事に携われていること自体が私にとっては大きな喜びです。さらにそれが地域活性化や地域創生につながるとするなら、なおのこと。
旅行商材は来ていただくお客様の期待値を高めないと売れないし、期待を高めすぎて実際との乖離が激しいと不満が生まれるという難しさはありますが、基本的には人を幸せにできる良い仕事だなと思っています」
新陳代謝を活性化し、もっと多様性のある組織に
日本を代表するインフラ企業として地域に根ざし、営業網が各地に張り巡らされているなど、NTT西日本には観光や地域活性化に取り組みやすい環境が整っていると話す加藤。一方で、克服すべき課題も感じていると提言します。
加藤 「最近は経験者採用にも力を入れ始めてはいますが、社員の多くは新卒採用からの社員。まだまだ少ないと感じています。私が所属する部署では、約2割が経験者採用ですが、新規事業を立ち上げる場合には、もっと外部の人材を登用することが大切だと思っています。とくにわれわれのように訪日観光客を見据えた事業を展開する部署では、外国目線も必要になってきます」
そんな加藤が考える、NTT西日本に今必要な人材は、コミュニケーションスキルに長けた人。その理由についてこう話します。
加藤 「たとえば、『誰かが間違ったことを言っている』と気づいたとき、その人の気分を害すような指摘の仕方は違うし、忖度して何も言わないのはもっと違う。チームを成功に導いていくためには、常識的な言葉選びをしながら、なぜ間違っているかをきちんとわかるように伝えることが大切だと思うんです。そうやってコミュニケーションスキルを発揮しながら、周囲を巻き込んでいけるような人がこの会社では活躍できると思います。
私自身もそうですが、外資系の会社で働いていた人は意外と相性がいいかもしれません。忖度せずに大人の対応で言いたいことを伝えられ、そして日本社会のために何かしたい、と考えている方を歓迎したいですね」
今後は、大企業ならではのリソースを活用しながらプロジェクトを推進し、日本社会にポジティブなインパクトを与えていきたいという加藤。
加藤 「大きい会社だからいろいろなプロジェクトがあり、また自分自身もこれからキャリアを重ねる中で、ライフステージに合わせて社会に対する課題意識や問題意識が変わってくると思います。たとえば子育てをしている中で感じた教育現場のICT化もそのひとつ。ICTの力を借りて、会社と会社、人と人、アイデアとアイデアを掛け合わせることで新しい価値が生まれる余地がまだまだあると思っています」
さまざまな社会課題があるからこそ、挑戦する意義や機会、より良い社会に変えられる可能性を秘めている──NTT西日本ができることはまだまだたくさんあるはずです。

