JX金属グループは障がい者の「社会に出て活躍したい」という思いに応え、「一緒に働く」よりよい職場環境の構築をめざしています。その取り組みの一環として、磯原工場では特別支援学校での清掃の授業の実施をはじめ、特別支援学校の生徒の現場実習の受け入れ、聴覚や肢体などに不自由を抱える方々も安心して働けるための工場のバリアフリー化などを進めています。
今回は、磯原工場で働く聴覚障がい者の安と、その指導員の嶋﨑にお話を伺いました。
▲安(左)と嶋﨑(右)
──初めに、お二人のプロフィールを聞かせてください。
安:2024年7月に中途入社し、現在磯原工場製品開発センターの精製グループに所属しています。前職はメーカーの品質保証部におりました。
現在は、製品の梱包・出荷作業を行っています。
嶋﨑:製品開発センターの精製グループに所属しており、安さんの指導員をしています。
仕事と手話を相互に教えあう関係
──精製グループでのお仕事について教えてください。やりがいや大変なことは何でしょうか?
安:まだ入社5カ月目のため、覚えることが多く大変ですが、周りの皆さんに教えてもらいながら日々勉強しています。一番大変なのは、梱包の際に重い荷物を持ち上げる作業です。他の皆さんと同じように、15キロまでは持ち上げて運んでいます。
嶋﨑:入社して最初の難関ですね。私は通常業務のかたわら、DX推進の一環でプログラミングを駆使して管理スキームの改善をしています。安さんが入社してからは、プログラミングの勉強時間を手話の勉強時間にあて、手話を習得しました。環境を整えて、少しでも安心して働いてもらえるようにしています。
今も勉強中で、手話検定3級取得をめざしています。安さんから手話を教えてもらったりもしますよ。なかなか厳しい先生です(笑)。
──嶋﨑さんは安さんに仕事を、安さんは嶋﨑さんに手話を教え、相互に教えあう関係なんですね。
嶋﨑:聴覚障がい者の方のことは知らないことばかりで、日々勉強になります。
聴覚障がい者が直面する諸問題に取り組む
──安さんは茨城県聴覚障害者協会(以下、協会と記載)の理事と青年部長をなされていると伺いました。どのような活動をされているのでしょうか。
安:協会では、茨城県内の聴覚障がい者の自立と社会活動への参加を促進するとともに、聴覚障がい者と聞こえる人の親睦を深める活動をしています。具体的には、教育問題や労働問題への取り組みや、手話の普及活動に取り組んでいます。
私は高校までは健常者と一緒に通常学級に通っていましたが、身振り手振りや、口の形を読み取るコミュニケーションでは限界があり、会話に不便を感じていました。私の場合は社会人になってから知人に紹介してもらって手話教室に通い、手話を使えるようになりました。
今は協会で手話を教える立場になり、毎週土日、時には平日退勤後に教室に出向いて手話を教えています。
▲音声文字起こしソフトを使いながら手話で話す安
夢を追うデフリンピック選手たちを応援したい
──土日に加えて平日もですか!?精力的に活動されていますね。協会では、前述の活動以外にも、2025年11月東京デフリンピック開催に向け、気運醸成のための取り組みをされていると伺いました。
安:総合スポーツ世界大会と言えばオリンピック、パラリンピックが有名ですが、聴覚障がい者は条件的に参加が難しいです。パラリンピックは主に肢体障がい者の競技の場であり、聴覚以外の能力は健常者と同じ私たちが出場するのは難しく、また、逆にオリンピックではピストルや審判からの指示が聞こえないため不利になります。
平等に競えないその差を埋めるには、デフリンピックが欠かせない存在です。来年2025年には東京、静岡、福島でデフリンピックが開催されます。メディアでは大きく取り上げられにくいため、全国の聴覚障がい者協会などで協力してPRしています。夢を追う選手たちをぜひ応援したいと思い、この活動をしています。
聴覚障がい者もそうでない人も共に寄り添い、安心して働ける会社に
──本日はインタビューさせていただきありがとうございました。最後に、よりよい「一緒に働く」職場環境づくりへの想いを教えてください。
嶋﨑:指導員になってから、手話の勉強をしていて褒められることがありますが、私は同僚として当然のことをしているまでで、何も褒められるようなことはしていません。
周りの方たちにも、積極的に周りにも手話を覚えてほしいし、そのような姿勢が当たり前になってほしいと願っています。また、今後は聴覚障がい者が入社するとわかった段階で、手話勉強会を開くなど、受け入れ態勢の強化も必要だと思います。
安:日々の仕事やライフワークを通し、聴覚障がい者への理解を浸透させていきたいと思います。聴覚障がい者も聞こえる人も共に寄り添い、安心して働ける会社にしていきたいです。
JX金属は今後も障がい者の雇用・定着に向けた取り組みを推進してまいります。
