中堅の立ち位置で、神奈川県倉見工場に勤務するふたりの社員
1カ月間の育児休暇を取得した山西は、製造部 製造第3課に所属。現在はめっき設備の原料削減によるコスト改善を担当しています。
山西:もう一つのミッションは、新規設備の設計です。新卒で入社した当初から酸洗設備をメインに担当し、入社4年目から1年半ほどは関連設備がある他の工場への出向も経験しました。もともと大学では理工学研究科で材料学を専攻していたため、仕事でもなんらかの材料に携わりたいと考えてJX金属に入社しました。
新規設備の案件では、製造チームや研究チームなどの部署からメンバーが集まっています。製造チームの中では、実働部隊という立ち位置で仕事をしています。後輩のサポートやアドバイスはしていますが、まだ人をまとめるといったことはありません。実務の中ではメインで働いている立場だと思います。
一方、3カ月の育児休暇を取得した松本は、技術部 製品開発課の所属です。
松本:製品開発課ではお客様に近い立ち位置で新製品開発につながる研究を行います。現在は、銅にNiやSiなどを添加したコルソン合金の開発を担当しており、お客様に評価していただき、量産化に至るまで面倒を見る予定です。
課の中でもいくつかのチームに細分化されており、自分がいるチームは15人ほどのメンバーです。私は今5年目なのでチームの中では若手ですが、最近、新入社員がチームに加わっています。
育児休暇はそれぞれの長さとタイミングで
男性の育児休業は、現在、厚生労働省が主導して取得促進を後押ししています。令和7年には取得率30%という政府の目標に対して、令和3年度はおよそ14%とまだまだ及ばない現状です。JX金属の実情について、ふたりは語ります。
山西:製造部の操業員というくくりでは数多くの社員が育休を取得しておりますが、製造部の技術スタッフとしては育休を取得するのは私が初めてとのことです。
松本:製品開発では育休を取った方はかなりいて、課長や、自分の直属の上司も取得しています。なので、非常に育休申請しやすい環境でした。
山西が製造部の技術スタッフとしては初となる育休を思い切って申請したのは、子育てという新たな環境に夫婦で一緒に取り組みたいという気持ちが大きかったと言います。
山西:夫婦とも関西出身なので、里帰り出産することにしました。妻と子どもは、生まれてから3か月間は実家で過ごすことにしたので、その後の自宅での子育ての生活をスムーズにスタートするために、2人が神奈川に戻るタイミングで1カ月の育休を取りました。
課長に育休の申請をしたところ、ぜひ取得した方がいいと後押ししてもらいました。そのときに印象的だったのが、やはり仕事のことが気になってはいたので、育休中も自宅で何かできることがあればと尋ねたところ、しっかり子育てに専念しなさいと諭されました。意外だったし、すごくうれしかったですね。
松本も夫婦ともに他県の出身ですが、里帰りせず現在住む地での出産を選択しました。そこで、生まれた直後から育休に入り、新生児の育児を夫婦2人で乗り切ったと言います。
松本:妻も働いているので、クリスマスの頃に生まれて4月には保育園に入れることを考えていました。そのため、保育園生活に慣れるまでの4月半ばくらいまで育休を取ろうということで、3カ月半という長期のお休みをいただいたんです。
出産直後は、やはり妻の体が本調子ではなく動けないので、家事や育児において自分がやることは多かったですね。さらに、もともと住んでいる家の近くの保育園に空きがなかったため、育休中に引っ越しもしました。長期の休暇ではありましたが、かなり多忙な日々を送っていた実感があります。
休暇に入る前の仕事の不安は、上司との相談で解消
JX金属では、ライフイベントに合わせた柔軟な働き方を実現するため、育児休業のほかにも、出産休暇やフレックス勤務などの制度を設けています。
山西:出産直後は3日間の休暇がもらえるため、里帰り出産でも会いに行くことができました。もちろんそれだけでなく、妻と子どもが里帰りしている3カ月間は2週間ごとに週末を利用して顔を見に行っていました。
育児休暇は1カ月間だけでしたが、今から振り返れば、もっと長くてもよかったと思っています。子育ては正直しんどいことも多いですが、日に日に成長する我が子を見ているのは楽しかったですね。妻も、育休中は助かったと言ってくれました。
松本:私の場合、出産直後から育休に入るということで、年末ということもありスケジュールが不明確な状況になってしまったのですが、上司や倉見工場の総務の方々と相談したところ非常に柔軟な対応をしてもらいました。
現在は子どもが保育園に通っており朝の送りを私が担当するために、通常は8時出社のところを9時出社にして、勤務時間を1時間後ろ倒ししています。製品開発課では、課長も同様に保育園の送りを担当していて、ほかにも数名がフレックスを利用している状況です。
育休に入るのに最も気になるのは、受け持っている仕事の状況ではないでしょうか。山西、松本の両者とも、育休取得前は不安になることもあったと言います。
山西:出向先から戻った直後の引継ぎ期間中だったこともあり、とくに業務に置いて行かれてしまうのではないかという不安がありました。確かに、復帰直後は新規設備の案件が進んでしまっていたので、追いつくのには苦労したところもあります。
松本:私は、メインで担当していた業務を1つ下の後輩とペアを組んで担当していて、たまたま一区切りついた時期だったので、そのまま後輩に担当してもらうことにしました。
狙ったわけではありませんが、タイミングは良かったですね。後輩一人に任せるのは少し心配でしたが、育休中に問題も起こらず、心配は杞憂に終わりました。
これからのキャリアプランと子育てを一緒に考えられる環境へ
もちろん子育ては育休を取る出産時だけでなく、子どもが成長するまでずっと続くものです。それとともに、自分のキャリアプランも考えていく必要があります。
山西:なかなか将来のことまで見通すことはできません。仕事では、現在担当している業務をメインに、さまざまな設備の立ち上げにも携わっていけたらと思っています。今回、育児休暇を取得したことで、家族の時間を作る大切さを実感しました。これからも仕事と子育てを両立しながら、がんばっていきたいですね。
松本:職場の先輩には、うちより少し上のお子さんがいる方も多くて、これから成長すると、こんなところが大変だという話を聞かせてもらうこともあります。先輩たちにアドバイスをもらいながら、会社の制度などもうまく使わせてもらって、なんとか仕事と両立できるように尽力します。
仕事としては、現在開発している製品が、まだお客様の採用には至っていないので、そこを進めて少しでも会社の収益に貢献できるようなものを作っていくつもりです。
育児休暇を取得したふたりは、これから育児休暇を考えている人にどんなアドバイスを考えているのでしょうか。
山西:後輩には、育休はぜひ取った方がいいと伝えたいですね。しかも、私は1カ月でしたが、取れるのなら3カ月以上取った方がより子育てに深く関われると思います。加えて私が上司に言われた「育休中は片手間でなく育児に専念しろ」という言葉を、自分も必ず伝えたいと思っています。
松本:最初に育休を打診したとき、課長や上司の取得期間は1カ月や2カ月だったので、自分も同じくらいと考えていました。しかし、課長からもっと長くても大丈夫だから、しっかりとパートナーと相談して決めなさいと言われました。そのため、保育園の慣らしが終わるまでの長期にわたって育休を取得させてもらうことができて、妻ともどもとても感謝しています。
育休が取りやすくても、取得期間に遠慮をして、仕事が気になるようでは、腰を据えて子育てはできません。子育てをはじめとした人生のライフイベントを迎えたとき、社員が安心して家庭の事情に合わせたキャリアを継続できる環境がJX金属には整っています。
そして、会社としての制度だけでなく、育児休暇を取得した社員が、次の社員へとつなぐバトンが、より子育てのしやすい環境を醸成していくことと思います。
