幅広い業界に向けて、産業の未来をかたちづくる柔軟なソリューションを提供
産業ソリューション事業部に所属する柏原。産業情報本部の担当本部長を務めています。
「産業ソリューション事業部では、産業分野におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)やGX(グリーントランスフォーメーション)を実現するソリューションサービスを提供しています。メイン領域はMES(製造実行システム)。製造現場において、工程の把握や管理、作業者への指示や支援などを担うシステムです。
ビール工場であれば、原材料からビールを仕込み、出荷するために樽に入れ、倉庫から出荷するまでの全工程をシステム化しています。都市ガスのプラントなら、貯蔵タンクの液体ガスを精製し、市街に巡らされているガス管を経由して、適正な圧力で消費者に供給するまでの一連の制御を行っています。
主な業界は、食品、ガス、医薬品、自動車、化学、物流など。これら分野のシステム開発・製造を行っています」
産業ソリューション事業部には約700人が在籍。柏原が所属する産業情報本部では、約300人のメンバーが主にIT分野の業務に従事しています。
「産業情報本部のメイン分野は主にIT分野です。自社製品・サービスの開発・販売、ERPやAIのソリューション提供、スクラッチ開発を手がけています。私は本部全体のプロジェクト進行を確認しながら、今後の社会問題に対応する製品開発の企画を進めています」
マネジメントを担う上で、柏原がもっとも大切にしていると言うのが部門間のコミュニケーションです。
「予算や会計に関しては財務部門、お客様や販売対応は営業部門、輸出や契約に関しては法務部門という具合に、部門をまたいで連携するのが私の役割。『伝えること』より、『聞くこと』に重点を置いたコミュニケーションを心がけています。また、プロジェクト管理においては、先を見越して先手を打つこと、決断のスピードをいつも意識しています」
制御に特化して事業を拡大。国内の医薬品業界のMESでは高いシェアを獲得
さまざまな業界で支持されている日立産業制御ソリューションズのMES。中でも国内の医薬品業界のMESでは高いシェアを誇ります。
「医薬品の製造工程は、規制当局によるさまざまな法令やガイドラインのもと、厳格な運用が行われています。例えば、日々の製造開始前の機器校正や、設備の洗浄手順など一つひとつの手順を間違えずに実施することが必要です。医薬品の出荷前には製造記録をすべて確認し、手順通りに製造されたことを確認するよう義務付けられています。
運用にはすべての規制に対応できるソリューションが欠かせません。当社のソリューションは、これら法令遵守と安全確保をサポートする製品を提供しています」
希少価値の高いソリューションを提供する当社。製造現場の制御に特化して事業展開してきました。
「数ある日立グループの企業の中でも、『産業』と『制御』という単語を使っているのは当社以外にありません。とくに、『制御(コントロール)』という単語については、合併、社名変更を繰り返しても変わらず保持してきました。
この事実からも分かる通り、当社はプラントや工場を制御、コントロールする事業に特化し、発展してきました。その事業を継続し、新しいテクノロジーによって改善を重ねながら、より幅広い業界にソリューションを提供し続け、現在に至っています」
プラントを制御する技術と知識である「OT(Operational Technology)」は、当社が半世紀以上にわたって蓄積してきたもの。そのOTに携わる環境の中で、エンジニアたちは他社では得がたいスキルやノウハウを獲得してきました。
「OTの核心は、人に依存する知識やノウハウをどのようにしてシステムに具現化するかにあります。ベテランの技術者が持つ匠の技をロジックに変換し、プログラムを通じてシステムに組み込む作業には、非常に高度な開発技術が不可欠です。OT分野のエンジニアにとって、これらの知識と技術はまさにスキルそのものであり、大きな財産です」
また、当社のシステム開発が高い社会的価値をともなうのも特筆すべき点だと柏原は強調します。
「我々が提供するシステムは、医薬、食品、物流といった社会に欠かせないインフラ産業の効率化に貢献してきました。この点において、当社の事業は非常に高い社会的意義を持つと自負しています」
安否確認サービスの立ち上げをリード。成果が目に見えることがやりがいに
柏原にとって、「最大の挑戦だった」と振り返るプロジェクトがあります。安否確認システムを新たにサービス事業として立ち上げたときのことです。
「2012年に、安否確認サービス『安否の番人』立ち上げを主導しました。これは一般向けのサブスクリプションサービスですが、当時の当社にとってはサービス事業もサブスク事業も未知の領域。既存のスキームがない中、多くの困難に直面しました。
サービス立ち上げのきっかけは、その前年に起きた東日本大震災です。親会社である株式会社日立製作所(以下、日立)に納入していた安否確認システムが震災時に想定通り稼働し、多くの社員と家族の安否確認に大いに役立ちました。この成功を踏まえ、一般のお客様にも同様のサービスを提供しようと考えたんです。
しかし、高性能のデバイスがなくても安否確認メールを確実に送受信できるシステム構成の検討や、震災発生時のアクセス集中に耐えられるインフラの構築など、一般ユーザーが利用する上で解決しなければならない課題が多数存在しました。さらに、個人情報の扱いや決済方法に関して、法務部門や財務部門との調整に多くの労力を要したことも覚えています。
社内外から知識を集結させながら、これらの課題を一つひとつ丁寧に解決し、サービスをかたちにすることに成功しました。立ち上げから約12年が経過した現在も、安定してサービスを提供することができています」
こうした社員の挑戦を後押しする企業風土が当社に根づいていると話す柏原。とくに近年は、当社が掲げる「OT×デジタルでワクワクする未来をつくる」というキャッチフレーズのもと、その傾向が加速していると言います。
「つい最近、社内で初めてビジネスコンテストが開催されました。既存領域に限らず、新しいアイデアを広く募るもので、グランプリ受賞者には会社から事業化への全面的な支援が提供されます。
また、産業ソリューション事業部では2022年から『サン・フェス』というイベントを開催しています。部門の新しいチャレンジや若手社員の意見、スキルアップの経験談などを展示するほか、講演会ではスペシャリストが自身の経験を語り、工場完全自動化デモツアーなども行いました。
これらのイベントを通じて、自らのアイデアをかたちにすることへのワクワクや期待感が醸成されているのを強く感じます」
社内でワクワクが加速する中、若手社員たちからよく聞かれる言葉があると柏原は話します。
「若手社員は『自分の仕事の成果が目に見えることがやりがい』とよく言いますし、私自身も同感です。自分が開発した製品を納品し、そのシステムが現場で稼働する姿を目にするときはもちろん、日常のさまざまなシーンで仕事の成果を目にする瞬間があります。
例えば、温かいお風呂に浸かれるのは都市ガスが安全に家庭に供給されているからですし、風邪を引いたときに服用する薬があるのも、MESが生産と検査のデータ完全性を規制当局の要求に沿って保証しているおかげです。また、ECサイトから注文した商品が翌日に届くのも、効率的な物流システムがあるからにほかなりません。そうやって自分の仕事の成果を日々実感できることが、私にとってやりがいになっています」
OTで「ワクワクする未来」を本気でめざす。工場完全自動化への挑戦にも意欲
2024年で入社27年目を迎える柏原。当社の魅力について次の2点を挙げます。
「当社の最大の強みは、OTにもITにも長けている点です。我々は半世紀以上にわたってOTの知見を蓄積し、新しいIT技術と組み合わせながら改善を繰り返してきました。相互に支え合うテクノロジーであるOTとITの両方を得意とするからこそ、実現できることがあると考えています。
また、日立グループの一員であることも魅力のひとつです。日立が受注した大型案件を、グループ各社の技術を結集させてつくり上げるケースが少なくありません。グループ他社と協創する機会も多く、各社の独自技術に触れながら、それぞれを融合させて新しいものを生み出せるのも当社で働く醍醐味だと思います」
「OT×デジタルでワクワクする未来をつくる」に本気で取り組む日立産業制御ソリューションズ。その熱量の高さを象徴するのが、「工場完全自動化」の取り組みです。
「当社が現在もっとも力を入れていることのひとつが、工場を自律的に動かす工場完全自動化ソリューションです。これは当社が保有する各ソリューションをシームレスに接続し、最適な生産計画の立案から、製造設備への指示出し、生産管理、検査、出荷までをトータルに自動化することをめざしています。
さらに、AIによる情報解析を通じて品質管理や生産計画の効率化を図り、メンテナンスの最適なタイミングを予測することも期待されています。
現場のベテラン技術者の知見をシステムに組み込み、工場を自動で稼働させることにより、人財不足という深刻な社会課題を解決すること。それが、我々のつくりたい未来です」
その未来を現実のものとするために必要なのが、新しい仲間。エンジニア志望者に向けて、柏原は次のように語りかけます。
「当社は、OTとIT、そしてAIを駆使し、より安心・安全、快適な社会と未来を創造する技術集団です。プログラミングが好きな方、現場を愛する方、AIに興味がある方、いずれもやりがいを感じられるのが当社であり、産業ソリューション事業部だと信じています。
OT、IT、AIと、当社の技術領域は多岐にわたるため、エンジニアを志す方にとって、自分の関心を引く分野がきっと見つかるはずです。中に入れば、あれもこれも実は日立産業制御ソリューションズがつくっていたのかと驚くことになるでしょう。皆さんの参加を心待ちにしています」
ワクワクを見つけ、未来をつくる。当社で育んだその情熱を原動力に、柏原が価値ある未来を実現する日は、そう遠くないはずです。
※ 記載内容は2024年4月時点のものです

