メンバーに対してもお客様に対しても、意識しているのはコミュニケーションと透明性
社会・公共ソリューション事業部の原。2021年から情報システム本部 ITシステムソリューション部の部長を務めています。
「ITシステムソリューション部は、金融や通信、自動車、ヘルスケアなど、さまざまな分野でお客様のシステム構築、クラウド化、デジタルソリューションの開発や運用の支援を担っています。
部内は4つのグループに分かれていて、1グループは、システムのサーバ構築や運用管理を行うインフラ分野を、2、3グループはアプリケーションの開発をメインに行い、4グループは『自動車ソリューション推進センター』というグループで、自動車分野を伸ばしていくことを目的に2023年に新設されました」
以前、ITシステムソリューション部は「金融システム部」という名称で活動していました。その名の通り、当時は金融分野に特化した案件を主に手がけていたと言います。
「当社は金融分野を得意としていました。地方銀行向けのパッケージ製品の開発に始まり、現在ではメガバンク向け業務システムの開発も行っています。
金融系システムについては、部内で業務ノウハウの伝承を行い、顧客業務の専門知識を持ったメンバーが、お客様と対等に話し合いながら、仕様の中身を詰めてニーズに合ったシステムを構築し続けており、また、金融分野において要求度の高い、セキュリティの担保もとくに注力してきました。
こうした実績が信頼につながって、金融以外の分野からも案件を受けることができるようになり、対応領域を広げてきました。現在は、自動車販売店の受発注管理システムや自動車部品の購買管理システムの構築に従事しながら、自動車分野の理解を深めているところです」
部長として、部門の業績管理や社員の育成なども手がけている原。日頃から協力会社を含むメンバーとのコミュニケーションを大切にしてきました。
「円滑にコミュニケーションできる良好な関係性が社内に構築できていなければ、メンバーは話しづらいことを隠しがちになり、プロジェクトの全体像が見えづらくなってしまう恐れがあります。メンバーの多くが、お客様先に常駐していて直接話す機会が少ないため、積極的にコミュニケーションを取ることを意識し、メンバーと話す頻度を増やして相談しやすい雰囲気づくりを心がけてきました」
コミュニケーションが重要なのは、お客様に対しても同様です。
「分からないことは遠慮なく質問し、打ち合わせの場で疑問を残さないことを徹底するようメンバーに呼びかけてきました。
また、どんなことでも気軽に話し合える対等な関係性を築くことがとても重要だと思っています。
例えば、お客様から新しい要望が届いた際は、その要望を実現するにあたってどれほどの追加開発工程が必要となるのか。どのようなリカバリー策が考えられるのか。事前にリスクと対応策まで説明し、納得していただけるよう努めています」
あらゆるリスクを想定し品質確認を徹底。トラブルを抑えてお客様の信頼を獲得する
事業領域の拡大に積極的に取り組んできたITシステムソリューション部。とくにヘルスケア分野においては、事業部内で前例のない新規プロジェクトの立ち上げにも関わってきました。
「2018〜2020年にかけて私がプロジェクトマネージャを担当していたヘルスケアのプロジェクトでは、全国各地の病院で採取された血液などの検体を集めて検査を実施する、臨床検査システムの開発に携わりました。
検査項目の設計や検査結果の管理を含め、業務フローに沿ったシステムを構築。ヘルスケア関連の案件は初めてだった上、お客様が仕様を決めるのに時間を要したため非常に難しいプロジェクトでした。
しかし、臨床検査システムはお客様にとって重要性の高いシステム。粘り強く予算の交渉や業務フローの見直しなどの提案を重ね、お客様と一緒にシステムの理想像を考えながらプロジェクトを推進した結果、無事リリースに至りました」
コロナ禍によって検査需要が高まったこともあり、多くの検査システムが活躍。この実績が評価され、2022年度に新設された社内制度の「プロジェクトチームインセンティブ表彰」にてインセンティブ(報奨金)をいただきました。
ヘルスケアだけでなく、さまざまな分野においてDXニーズの高まりや案件規模の拡大が進行しています。そのため「人財が足りない」と訴える原。
情報システム本部の中でも、とりわけ大所帯であるITシステムソリューション部に所属するメンバーは、4つのグループを合わせて80名以上。それでもニーズに対応するにはさらに人財が必要で、新入社員の受け入れや経験者採用を進めるだけでなく、定年を迎える社員の方には技術の伝承を含めた再雇用や、新しいビジネスパートナーの発掘、ニアショアやオフショア先の検討も進めてきました。
そんな原が部門の責任者として重視してきたのが、システムの品質です。
「要件定義の段階で、お客様と密に擦り合わせするのはもちろん、フェーズごとに品質を適切に管理し、設計や上流の開発の工程からリスクを取り除くよう心がけてきました。
大規模なプロジェクトについては、部長である私が自ら毎月現地に足を運んでポイントを確認するなど、現場の状況を自分の目で吟味するようにしています」
品質に関しては、ITシステムソリューション部に明確な品質管理基準が設定されている上に、品質保証部門が成果物をチェックする工程も。「日立ブランド」の信頼を守るための堅固な仕組みが整備されています。
「お客様やプロジェクトにともに取り組むパートナー企業から、『なぜ日立はそれほどまでにテストや品質保証に時間をかけるのですか?』と驚かれることがあります。
我々にとって、あらゆるリスクを想定し品質確認を行うことは当たり前のこと。納品後にトラブルが起こらないよう、徹底して品質にこだわっていますし、そのこだわりが次の仕事につながっていると思っています」
前例のないプロジェクトを成功させるために。ときには競合との意見交換も
1990年の入社以来、主に金融システムに従事してきた原。メガバンクとなる以前、都市銀行の業務システムを担当していた若手時代に経験した出来事が、いまも強く印象に残っていると言います。
「新しいサービスの開始にともない、ある銀行で新しいシステムを構築することになりました。しかも、そのサービスは都市銀行に共通するもので、各行が同時にサービスをリリースしなければなりません。銀行のプライドもあり、遅延が許されない大きなプレッシャーのかかるプロジェクトでした」
前例のないシステムを開発し、プロジェクトを成功に導くというミッションを背負い、頭を悩ませていたと話す原。新しいサービスのため、自社にもお客様にもノウハウの蓄積がない中、画期的な提案を行います。
「お客様に対して、『他行に相談できないでしょうか』と提案してみたんです。突飛なアイデアに最初は驚かれましたが、『たしかにそれは必要だよね』と最終的にお客様の理解を得て、他行との意見交換会が実現しました。
競合相手のため、最初は言葉遣いなどかなり気をつけましたが、実際に話してみると皆ゴールが見えない状況に困っていたため、おたがい知恵を出し合おうという雰囲気になり、分からないことを質問し合ったり、システム化の進め方について共有し合ったり。非常に貴重な情報交換を行うことができました。
この取り組みが功を奏し、システムのリリースは無事に成功。お客様と良好な関係性を築き、一体となって開発に取り組む重要性をあらためて認識することができました」
新しい開発は、お客様とともに悩み、解決の糸口を見つける道のりには苦労が多いものの、それを乗り越えた先に仕事のやりがいを感じると言います。
「我々が携わったシステムが、お客様のプレスリリースに掲載されたり、新聞に取り上げられたりすることは少なくありません。そうした記事を見かけると充実感が得られますし、リリース後にお客様から感謝の言葉をいただけると大きな励みになります」
お客様やシステム利用者に迷惑をかけないために。日立の一員として譲れない想い
ITシステムソリューション部は、今後も金融系のシステムで培った開発力や技術力を、さまざまな分野のプロジェクトに展開し、貢献領域を広げていくと言います。
「業態や業種にとらわれず、幅広いシステム開発に携わっていくつもりです。我々ITシステムソリューション部が所属している情報システム本部は、社会インフラを支える情報システムの構築に取り組んでおり、電車などの交通機関をはじめ、エネルギー(電力・ガス)、防衛などさまざまな社会インフラを扱っています。
これらミッションクリティカルなシステムに携わる以上、『お客様やシステム利用者の方に一切の迷惑をかけないものづくりをする』というマインドを持って、安全安心なライフラインの構築に貢献していきたいです」
この強い決意の裏にあるのは、徹底して品質にこだわる責任感と使命感だと原は説明します。
「例えば、臨床検査のシステムに間違いがあり、別の方の検査結果を誤ってお返ししてしまうようなことがあれば、人命の危機に及ぶ可能性があります。また、金融システムで問題が起きれば、例え1円単位のトラブルであったとしても大きな問題に発展しかねません。
間違いが許されないシステムに携わっている以上、事故を起こさないことや迷惑をかけないことにこだわるのは当然のこと。だからこそ、多くのリソースを投入して入念なテストや品質確認を行っていますし、常に高品質なものづくりに取り組んでいます」
品質に決して妥協しない姿勢こそが、日立グループの強み。ITシステムソリューション部は、これからもお客様の業務を支えるシステム開発の領域から、さらなる社会貢献をめざします。
※ 記載内容は2024年3月時点のものです

