施設長としてスタッフと手をとりあい「atGPジョブトレ名古屋」を支えていきたい
私は現在、atGPジョブトレ名古屋の施設長として2023年9月1日の新規オープンに向け、現地採用者を含む5名の職員とともに開所の準備を進めています。新しく入社する職員のほとんどが福祉職経験者で、私と同じ40代が中心となるため、アットホームながらも落ち着いた雰囲気の事業所になりそうだと感じています。
場所は、名古屋の中心である栄からほど近い、久屋大通で、最寄りの久屋大通駅・高岳駅から徒歩4分ほど。繁華街からすぐでありながらも、静かで落ち着いた雰囲気で、学びに適したエリアです。
atGPジョブトレ名古屋は、就労移行支援事業所です。いわゆる福祉事業所ですが、GPではこれまでに東京を中心とする首都圏と大阪で展開しており、今回の名古屋が3エリア目。今後も全国の主要都市を中心に、新たな立ち上げを計画していく中で足がかりになる拠点です。
就労移行支援事業所の中でも、私たちが対象としているのは精神障がいがある方です。atGPジョブトレ名古屋では、うつや双極性障害、適応障害や不安障害のある方向けの「うつ症状」コースと、自閉症スペクトラム障害(ASD)や注意欠如・多動障害(ADHD)、学習障害(LD)などがある方向けの「発達障害コース」の2つのコースを用意。障がいや個々の特性に合わせた、就職に向けてのトレーニングやサポートを行います。
atGPジョブトレ名古屋立ち上げの話が持ち上がったのは、1年ほど前。しかし、法律の面など、条件をクリアした物件がなかなか見つかりませんでした。ようやく2023年5〜6月ころから本格的な準備がはじまり、8月から全スタッフが出勤しています。
施設長としての役割は、事業所の施設運営が中心。利用者の方々に対するさまざまな支援をはじめ、事業所として円滑に運営し存続していくために、支援の向上やスタッフのマネジメントなどにも注力しつつ適正に運営していくのがミッションです。ただし、私自身あまり施設長らしくないタイプなので、長としてみんなを引っ張っていくというよりも、お互い支え合いつつみんなで一緒にやっていきたいと考えています。
未経験から飛び込んだ介護業界で、大切なのは「生活を支えること」だと気づいた
新卒時には、総合事務職として物流系の企業に入社しました。岐阜県高山市の拠点に配属されたこともあり、大学時代を過ごした名古屋にしょっちゅう遊びに行っていましたね。このように名古屋に所縁があったことは、atGPジョブトレ名古屋の立ち上げメンバーに抜擢された理由の一つだと思います。
その後、法人営業職へと転職したのですが、ちょうどそのころ、私の祖母が認知症になり、老人ホームに入所したのです。祖母の暮らす老人ホームに足を運ぶうちに、そこで働く人たちや介護の仕事に興味を持つようになったことが、福祉業界へ転職するきっかけでした。
有料老人ホームやグループホームの運営など、高齢者福祉事業を展開する企業への転職は、これまでとまったく異なる世界。本当に何もわからなかったため、現場経験からのスタートでした。施設で過ごす利用者の方々は、日々何かしら困っている方が多かったのですが、はじめのうちはその困りごとを的確に把握することが難しくて。利用者の方が抱える不調や病気を知るのではなく、その奥にある困っていることを理解した上で、どのような介護ができるのか考えつつ実践していくことは、想像以上に大変でした。
介護の仕事に就くまでは、介護とは「誰かの助けになりたい」「役に立ちたい」という気持ちでやるものだと思っていました。しかし、実際に経験したことで、利用者の方の生活を「いかに支えるか」が何よりも大切だと気づきましたね。
それから有料老人ホームの施設長も経験。そこで、介護における偏見に近い考え方を目の当たりにしました。具体的には、「お年寄りは危ないから外に出てはいけない」「認知症だからずっとスタッフの目の届くところにいなければいけない」といった具合です。私にとって、こうした事態にはとても違和感がありました。そこで、思い切って転職しようと考えていたときに出会ったのが、GPだったのです。
もちろん、同じ高齢福祉分野も考えましたが、さまざまな業界を幅広く見た中で「誰もがワクワクする人生をめざす」というGPの理念と、多様な人たちが働いているところに大きく惹かれて入社を決意しました。
利用者の方の変化を間近で見られることこそやりがいであり、自分の成長につながる
2019年、GP入社後の配属先は、atGPジョブトレIT・Web渋谷でした。こちらでの主な担当業務は利用者さんの支援でしたが、それ以外にも施設の適正運営や、売り上げの管理、利用者さんの募集など、実質4年ほどですが本当に幅広い仕事を経験させてもらいました。
atGPジョブトレIT・Web渋谷は、名前の通りSEやプログラマー、Webクリエイターなど、IT関連のスキルを身につけ、IT業界での就職をめざす施設です。利用者の方が、ご自分の希望に合った就職ができることが私たち支援者にとっても1番うれしいことですが、それをうまく叶えられない方もいます。興味があってやってみたけれど向いていない、難しすぎるなど。施設に通う途中で目的を見失ってしまう方もいらっしゃいます。中には、「向いてないから辞めてしまいたい」と投げ出してしまうこともあるのです。
それでも、ITとは違っても「できること」の中から「やりたいこと」を見つけ、不動産系企業の事務職に就くことができた方に「IT・Web系の仕事ではないけれど、通ってよかった」と言っていただいたことは、とても印象に残っています。
就労移行として利用者の方々を支援していく中で、利用者さんが徐々に変わっていく姿を目の当たりにすることがあります。たとえば、できないことができるようになるのはもちろん、ご自身のこだわりや価値観にあらためて気づくことも多々あります。仕事に関するスキルが身につくだけでなく、人間的な成長をそばで見ることができ、関わっていけることは、私自身にとっても大きな経験であり成長につながっていると実感します。私たちの支援というより、利用者の方々それぞれが自分の持っている力で変わっていくわけですから。
諦めそうになっている方に対しても「がんばれ」ではなくて「大変だよね」と共感し、いつも隣にいるようなイメージで支援することが大事だと気づかされました。正直なところ、失敗する可能性が高いなと感じるケースもあるのですが、それでもご本人が行きたいなら一緒に進んでみようと。引っ張って無理にこちらに向かせても、後ろから押してもダメだと思います。真横、あるいはほんの少し斜め前にいるぐらいがちょうどいい。休みたいなら一緒に休もう、という伴走支援こそが私たちGPの支援の在り方だと考えています。
それぞれが持つ経験やスキルを活かし、のびのびと働くことが「よりよい支援」となる
atGPジョブトレIT・Web渋谷では、ほぼ立ち上げメンバーとして携わったため、カリキュラムの作成では日々トライアンドエラーの繰り返しでした。IT系の専門スキルを身につけるのはもちろんですが、それよりも報告・連絡・相談を行うなどの基本的なビジネススキルや、利用者の方がご自身の障がいを理解することの方がもっと大切なのです。長く仕事を続けるためのスキルとIT関連の専門的なスキル、両方がきちんと身につくバランスのよいカリキュラム作りはなかなか大変でした。
結局のところ、利用者の方を主体としなければ、GPの独りよがりになってしまいます。個別の指導もそうですが、事業所としての在り方も主役は利用者の方々であり、主役が主体的に動いていけるよう支援を行う必要があると考えています。
そして、いかに相手を知るかも重要ですね。私は、コミュニケーションに正解も不正解もないと思います。いかにお互いのことを理解し合えるかが大切で、それには支援者も利用者も関係ありません。だからこそ大切なのが「相互理解」です。支援する側も自己開示といいますか、利用者の方々に知っていただくための努力や働きかけを大切にしていく必要があります。
さらに、「自分を知る」ことも欠かせません。自分のことを理解するのは、障がいがあってもなくても非常に難しいと思います。しかし、自分の考え方やコミュニケーションの「癖」を知ることは、他者と関わる上で非常に重要です。こうした想いから、利用者の方々にはご自身で気づきを得ていただけるようにサポートしています。障がいだけに目を向けるのではなく、考え方やコミュニケーションの癖が障がいとつながっていることに気づくことが大切です。
atGPジョブトレ名古屋の開所まであと少し。一緒に働くスタッフには、これまでの経験を活かし、自分らしくのびのびと働いてほしいと考えています。多種多様な人がいるGPだからこそ、スタッフの得意・不得意にはバラつきがあるとも感じますが、それで構いません。苦手なことは得意な人に任せたり、一緒に協力してやったりすればいいのですから。
名古屋という新しい場所で、これからどのような利用者の方々の人生に関わることができるのか、考えるとワクワクします。もちろん、いいことばかりではないと思います。その現状を踏まえた上で関わり続ければ、自分自身も成長できるはずです。利用者の方々とのやりとりから学べることは、この仕事の大きな楽しみでありやりがいだと信じています。
※ 記載内容は2023年8月時点のものです
