社会のために、力強い事業を。戦略と人事の両面から、その両立を担う
現在、私はCHRO(最高人事責任者)およびCSO(最高戦略責任者)を務めています。GPが掲げる社会的な使命と、事業としての持続性。この二つを、戦略と人事の両面から、両立させていくのが私の役割です。
その中で、私が一貫して大切にしている価値観が二つあります。一つは、社会的な意義と、事業としての強さは、必ず両立できるということ。
社会的なミッションを追い求めすぎる組織は、事業成長への貪欲さを欠くことがあります。逆に、売上至上主義になった組織は、目的と手段が入れ替わってしまう。過去に自分で会社を創業し、多くの社会起業家を応援してきた中で、そうした組織をいくつも見てきました。だからこそ、このバランスの難しさを、痛感してきたんです。この知見を活かして、「社会のために」と「事業として力強い」の両立を、GPでさらに強くしていく。それが私の役割であり、GPはそれができる会社だと考えています。
なぜなら、GPには「社会問題を解決する」という揺るがない存在意義があり、それを手放さずに、目標へストイックに挑めるからです。想いを大切にする会社は数字にストイックになりきれず、数字を追う会社は想いが痩せていく。GPは、その両方を譲らない。
結果を追いながら、そこに至る挑戦や一人ひとりの成長も、きちんと見る。「やってみよう、楽しもう」という風土が、それを支えている。この強さは、機会を奪われてきた人たちのために、まだ誰も切り拓いていなかった価値と機会を、自分たちの手で開いてきた歴史が培ったもの。市場があるからではなく、不自由があるのに機会がないから踏み込んできた。そこに挑戦し成長し続ける個人と、多種多様なチームが加わって、今のカルチャーができています。
私が学生だった二十数年前と違い、今はソーシャルビジネスの考え方が一般化し、ポジティブに受け入れられています。新卒・中途を問わず、自分の信念に合う仕事を選びたいという人が増え、会社を選ぶ価値観が根本から変わってきている。そんな時代だからこそ、GPが注目され、選ばれていくのだと信じています。
そしてもう1つ大事にしたい価値観は、人の可能性を信じ、その人が一番輝く場所につなぐこと。
もともと私は、世間が決めた学歴の看板や、世間の相場を頼りにキャリアを選ぶことに、強烈に違和感がありました。全員が同じ人気業界をめざす必要はない。1,000人いれば、1,000通りの可能性がある。そう信じてきました。
私自身、ゼロから何かを立ち上げることに、いちばん血が通う人間です。誰かが敷いたレールの上を進むより、まだ何もないところから、自分の手で形にしていく。そこにこそ、生きている手応えがある。だからだと思います。人の可能性が、まだ開かれないまま眠っているのを見ると、放っておけない。その人だけの物差しで選べる場所を、その可能性が開く機会を、創りたくなる。ずっと、そこに惹かれて、試行錯誤を重ねてきました。
これらの価値観が、「誰もが自分らしくワクワクする人生」というGPのビジョンに、すんなり重なりました。その人固有の価値観や、存在そのものを尊重し、可能性を閉じずに生きていける世界を創りたい──同じ想いを共有しているんです。GPが時代に求められ続けるための戦略と、それを実行できる組織をつくる人事。その両面を担うのは、まさにストライクな挑戦です。とても大きなテーマですが、だからこそ、日々楽しく取り組めています。
「荻原さん、出番ですよ」。その一言で決めた、第二創業期への経営参画
GPの代表取締役社長・進藤 均との出会いは、二十年ほど前、起業家の勉強会でした。当時、進藤は身体障がいのある方向けの人材エージェントとして会社を率い、私はメンタルヘルス予防の会社を拡大していた時期。
その時、進藤が「将来、GPも精神障がいの領域にニーズが広がると考えています。私たちは、いつかきっと近づいていく場所で、事業をしていますね」と話してくれたのを覚えています。実際その通りの未来になったのは、とても感慨深いですね。
それから十年ほど経ち、私がピースマインドの経営を次の体制に託し、ゼロトゥワンを立ち上げた直後に、進藤から「荻原さん、出番ですよ」と連絡が来たんです。
当時のGPは、創業から十年以上が経ち、市場の変化の中で組織拡大の課題に直面する、第二創業期。精神障がい雇用の義務化というトレンドを受け、従来の身体障がい領域に加え、精神障がい領域へと、働く出口を広げる転換期でした。さらに複数の新規事業が立ち上がり、既存事業と新たな事業が混ざり合う中で、組織をどうマネジメントし、リードしていくか──そのフェーズの課題に直面していた。そこで「会社の経営を一緒に手伝ってほしい」と誘われたんです。
私自身、社会性と事業性の両立に葛藤しながら、試行錯誤を重ね、その難しさを痛感してきました。GPの挑戦にも、リスペクトがあった。だからこそ「これはご縁だな」と感じて、この挑戦を引き受けたんです。
私が参画したのは、GPとして大切にすべき価値観やミッション、ビジョンが、ちょうど言葉として定まった頃でした。次はそれを、いかに浸透させ、実行し、日々の実態にしていくか。そのフェーズです。だからこそ、掲げた価値観を絵に描いた餅にせず、組織に根づかせるための人事制度と、経営戦略の策定を、慎重に進めていきました。歴史ある組織ですから、残すべき良い部分と、変えるべき部分のバランスを見極めながら、一つひとつ丁寧に。
この十年でとくに感慨深いのは、多くのメンバーの成長です。若かった仲間たちが、今やリーダーやマネージャーになり、事業を力強く率いている。コロナ禍という激変も、レジリエンス高く、みんなで乗り越えました。それを経て、組織も事業も、さらに強くなったと実感しています。
良い経営は決して1人がつくるものではありません。創業者である進藤の想いをリスペクトしながら、今は組織のベクトルを、創業者一人ではなく、ミッション・ビジョンへ向ける経営にしていく。一人ひとりのメンバーがオーナーシップを持つことが、これからの組織の競争力になります。
会社の使命と個人の想いが交差する。メンバーの「濃度」が、競争力になる
自分でも会社を経営し、他社の経営にも関わり続けている私の目から見て、GPには確固たる強みがあります。それは、会社の掲げる使命と、個人のライフミッションが、深く重なり合っていること。ここで働くメンバーの“濃度”が、非常に高いんです。もちろんビジネスモデルや市場性も重要ですが、この濃度こそが、GPの本質的な競争力の源泉だと、私は捉えています。
それぞれが想いを持っていれば、トップがすべての詳細を指示しなくても、組織は自律的に動きます。「学習しなさい」と言われずとも、誰もが自然に自分の業務から学び、工夫を重ねて適応していく。この自律性こそがポテンシャルであり、私自身が感じる、GPの好きなところでもあります。
ただし、この高い濃度は決して阿吽の呼吸だけで成り立っているわけではありません。意志を持って意図的に仕組みを作り出し、トライし続けなければ本当のカルチャーにはならない。そのために人事として、採用と入社後の両面で丁寧な仕組みを継続しています。
たとえば新卒採用では、一般的な選考よりもはるかに多い6〜7回、場合によってはそれ以上、面談・面接を重ねます。その人がどんな人生を歩み、何を大事にしてきたか、これからどこへ向かいたいかを、深く聞く。同時に、いろいろな部門のメンバーと話す機会を設け、GPの考え方を理解してもらうために、徹底的にすり合わせる。この採用プロセスそのものに、私たちの考え方が宿っています。
入社後も、全社のキックオフなどで長期の方針をオープンに共有したり、私たちの仕事の価値を体現する現場の事例を毎月共有したりして、この高い濃度を保ち続けています。
そして、GPは活躍のフィールドもとてもオープンです。お客様だけでなく、社内に対しても「可能性を追求したい」という考え方があるので、部門をまたいだ活躍の機会を意図的につくっています。本人のキャリアビジョンを定期的にキャッチして、会社の方針と照らし合わせ、どんな機会を提供すべきかを常に考えている。挑戦のチャンスが豊富にある組織です。
AIとの共創で、雇用の新しい形を。歴史ある基盤があるからこそ、挑戦がおもしろい
二年ほど前から、GPはAIとの共創を本格的に進めています。私たちはAIを、人の代替でも、単なる効率化のツールでもなく、「事業価値や、人の可能性を高めるもの」と捉えています。GPがこれまで培ってきた専門領域の知見や価値観、チームや個人の力量が、AIの活用でさらに独自性を帯び、力を発揮できるようになる。そういうスタンスを現場へ浸透させるのは簡単ではありませんでしたが、みんな少しずつ確実に手応えを感じているところです。
さらにこの挑戦は、現場でのオペレーションだけでなく、事業のプロダクト自体も変えていきます。これまでは主にメディアと人によるエージェントを通じて働く機会を提供してきました。ただ、首都圏中心はマッチングしやすい一方で、地方に住む求職者の方には、どうしても手が届きにくい。そこにAIによるマッチングを重ねることで、地域の制約を超えて、一人ひとりに合った仕事を見つけられるようにする挑戦を始めています。障がいのある方が、実際に仕事にたどり着く──その「ラストワンマイル」に、これまでより細やかに、橋を架けられると考えています。
人にできることと、AIによる能力の向上。そのハイブリッドによって、ミッションはさらに広がっていく。今のGPは、ゼロイチのような更地ではなく、しっかりした歴史と本業の基盤があり、知見が蓄積されている。その安心感と、新たな事業機会や環境変化というチャレンジが、並走している。新しく仲間になる方にとっては、すごくおもしろいフェーズだと感じています。
とくに、事業企画などに携わりたい中途・新卒の方にとって、社会性と事業性が高い次元で交差するGPの経営は、貴重で刺激的なフィールドになるはずです。一人の力を、社会の大きな力に変えていく。私自身、それを“支える”より“共に生み出す”つもりで、ここにいます。その手応えを、ぜひ皆さんと分かち合いたいですね。
※ 記載内容は2026年7月時点のものです

