社会課題を起点としたオファリングへ。ビジネスモデルだけでなく意識・行動を変革
富士通が掲げる、「イノベーションによって社会に信頼をもたらし、世界をより持続可能にしていく」というパーパスの実現をめざし、2021年10月に始動した「Fujitsu Uvance(以下、Uvance)」。その成長に向けて変革を加速させることが、東のミッションです。
「富士通はこれまで、業種や業態ごとの課題を軸に据え、SIを中心に個々のニーズに合うシステムを提供してきました。しかしUvanceでは、社会課題を軸にグローバルで標準化されたオファリングを、SaaSを中心に提供し、お客さまのビジネス成長を継続的に支援していくことになります。
ビジネスモデルが大きく変わるため、そこに携わる社員の意識や行動も変わらなければUvanceは成功しません。そのため、富士通そのものを変えていくという意志で、変革に取り組んでいます」
DX Officer(自部門のDX責任者/以下、DXO)として、変革を加速させるべく自ら行動する東。チェンジマネジメントの実行に向けて、専門組織を立ち上げました。
「Uvanceのビジネスを成長させるには、オファリングの変革をはじめ、業務オペレーションや組織風土など、あらゆる観点から変革を推進しなければなりません。それらの実行にあたっては、複数の部門にまたがる課題が多く存在しているため、コーポレートや海外の組織なども巻き込み、クロスファンクショナルな変革をリードする実働部隊が必要です。
そこで私が所属するグローバルソリューションBGの中で、組織の中から変革に協力してくれるメンバーを選出し、2023年4月にTeam DXOを立ち上げました。そこからさらに変革を加速させるべく、同年11月にはTransformation Officeを設立し、専任のメンバーを強化。Team DXOの仲間と一緒に、チェンジエージェントとして全社を巻き込んだ活動を展開しています」
ビジネスアジリティを大切に。正解がないからこそ、挑戦してアップデートを重ねる
東がUvanceビジネスに携わったのは2022年。7つのKey Focus Areas(重点注力分野)の一つであるConsumer Experienceを担当していました。
「富士通のテクノロジーとサービスを組み合わせて、新しい顧客体験とサスティナブルな消費生活の両立を実現することがConsumer Experienceの目的です。その中でHead of Portfolio Operationsとして、ポートフォリオ管理、事業運営やチームビルディングに取り組みました」
チームはグローバルなメンバーで構成。多様なバックグラウンドを持つメンバーをまとめるのは、容易ではなかったと東は振り返ります。
「同じ富士通グループであっても、日本と海外では制度や仕組みは必ずしも同じではありません。また、仕事に対する取り組み方も価値観も異なります。そうした状況でチームビルディングを行うために、まず私が行ったのが型を作るということです。アジャイル開発のためのフレームワークであるSAFe(Scaled Agile Framework)を、事業運営にも取り入れてグローバルスタンダードな型を作成しました。
新しい取り組みに正解は存在しません。そのため何よりオペレーションモデルの構築において重視したのが、ビジネスアジリティです。緻密な計画を立ててそれを達成するのではなく、とにかく早くアウトプットして、修正していく。そのサイクルを2週間単位で繰り返し、ブラッシュアップを重ねていきました。
そしてもう一つ大切にしたのが、コミュニケーションコストをいとわないことです。事業運営の幹部と、毎日30分のミーティングを実施。海外と日本の間で情報格差が出ないよう、とにかく対話を重ねることでリーダーシップチームの一体感を醸成していきました」
そうして事業活動の基盤を確立した東は、2023年DXOに就任。Team DXOを結成し、最初に取り組んだのが、組織横断のタスクフォースにおいてさまざまな課題に取り組むことでした。
「Uvanceとして新しいビジネスを創出するためには、部門を超えて課題に取り組む必要があるため、Team DXOのメンバーが変革イニシアティブというタスクフォースを率いて活動しています。共創のプロセスを型化する試みに挑戦しているチームや、生成AIを活用して業務効率化を図るなどの取り組みを推進しているチームがいて、日々正解のない中で部門の垣根を超えた課題解決にチャレンジしています」
若手社員を中心に意識・行動が変化。DXO同士で連携し、全社で自分事化をめざす
Uvanceを成功させるには、社員の意識や行動の変容が欠かせません。そのために東が推進している取り組みの一つが、トップメッセージの浸透です。
「意識や行動を変えるには、なぜ変える必要があるのかを本人が腹落ちできていなければなりません。トップが何を考えていて、会社としてどこに向かっているのか。それをしっかりと伝えることが変革の第一歩だと考えています。
トップメッセージの発信はこれまでにも行われてきましたが、現場に下りてくるまでに階層がいくつもあるため、最終的な結論や指示だけが伝えられてしまいがちで、それゆえ背景にある意図や想いが届けられていないという課題がありました。
そこでUvanceを統括する執行役員SEVPの高橋さんの声をダイレクトに届けるべく、ラジオのようなスタイルで動画配信を実施。あえてオフィシャルな雰囲気を排除し、普段感じていることや考えていることを聴きだし、人柄も含めて伝えるコンテンツを制作しました」
周囲からも大きな反響があったという動画配信。東とともに司会・進行役を担当しているのは、入社2年目の若手社員です。
「会社が変わってきていることを肌で感じるのが、若手社員を中心に自ら行動して会社を変えようとするメンバーが増えていることです。動画の構成作家も若手社員が自ら手を挙げて担当してくれるなど、一緒に行動を起こしてくれる仲間のおかげで、スピード感を持って新しい試みに挑戦することができています」
主体的に行動する社員をさらに増やすべく、東は新たな取り組みを検討しています。
「今の自身の業務とは直接関係しないと思う、といった理由から、Uvanceをまだ遠く感じている社員も一定数はいます。全社で自分事化していくためのアクションを進めています。
活動を進める上で、CDXOである福田さんやCDXO DivisionのDivision長である原さんと頻繁にコミュニケーションを取り、アドバイスをもらっています。他にも課題解決に必要なデザイン思考を実践するべく、デザインセンターのDXOに協力を依頼するなど、他部門のDXOとも密に連携を取り、変革のうねりを全社に広げるべくみんなで奔走しています」
組織の壁を超えて自ら行動する。仲間と一緒にワクワクする未来を創るために
DXOに就任して約1年。精力的に新たな試みに挑戦し続けられたのは、力を貸してくれた仲間のおかげだと東は話します。
「他部門のメンバーが、Uvanceでの新しい取り組みに積極的に協力してくれはじめています。たとえば社会課題を解決できる人材を育成するために、新たな教育プログラムを提供できないかと検討していた時のこと。社内の学習プラットフォームの担当者に提案したところ、『ぜひ一緒にやりましょう』と賛同してくれました。仲間が増えることで、新たな可能性がどんどん広がっていく。それがUvanceに携わる醍醐味だと感じます」
部門横断で変革を推進している東。DXOの立場からメンバーに伝えていることがあります。
「全社を巻き込むためには、自らが組織の壁を越え、縦横無尽に行動するバウンダリースパナーになることが重要だと伝えています。変革に向けてやらなければならないことが山積している中で、自分一人でできることには限界がありますよね。それならためらわず、誰かに力を貸してほしいと声をかければいいと思うんです。
Uvanceを通じたパーパスの実現という同じ目的に向かい、仲間とともに新しい試みにチャレンジする。そして失敗の中から学び、一緒に汗をかきながら進めることを、私自身も大切にしています」
正解がないからこそ、失敗を恐れず新しいことにチャレンジしていく──そんな東が掲げる、今後の目標とは。
「Uvanceの取り組みは現状、日本が中心でありグローバルのメンバーにはまだ十分に浸透していないと感じています。そのためグローバルも含め、富士通全社で変革を成し遂げることが、今の私の目標です。2025年度にUvanceの売上を7,000億円にするという明確な数値目標があるので、それを達成できる人と組織になることに、全力を尽くしたいと思います」
「仲間と一緒にワクワクする未来を創る」を、個人的なパーパスとして掲げている東。ともにUvanceを推進する仲間へ、メッセージを送ります。
「Uvanceが取り組む社会課題は、気候変動、責任あるサプライチェーンの推進など多岐にわたります。それをテクノロジーの力で解決し、人々の暮らしを豊かにすることが、私が考えるワクワクする未来です。これほど会社が大きく変わろうとする場面に立ち会えることは、とても貴重な経験であり幸運なことだと思います。変革を楽しみながら、みんなでワクワクする未来を創っていきたいです」
※ 記載内容は2024年3月時点のものです
