富士通とデンソー、異なる環境から社内制度を通じて同じチームへ
2023年7月1日、浅田 菜月と伊藤 佳進は、富士通のCDXO Divisionに異動。浅田は富士通社内の短期移籍制度(以下、Jobチャレ!!)を、伊藤はデンソー社内の社外修行トレーニー制度をそれぞれ活用し、新しい環境での仕事が始まりました。
浅田:お客様へのDX商談を推進していたのですが、もっと自分の言葉で語れるように、富士通全社のDXの取り組み(Fujitsu Transformation:フジトラ)の理解を深めたいと考えていました。また、富士通に入社して4年目に入り、ビジネスプロデューサー(※1)(以下、BP)以外の業務も経験したいという想いもあり、Jobチャレ!!での募集を見て、応募をすぐに決めました。
伊藤:デンソーには若手の人財育成のためのプログラムがいくつか用意されています。私は2022年度に始まった社外修行トレーニー制度を活用し、富士通に9カ月間出向することとなりました。これからのキャリアステップアップを見据え、視野拡大と自身のスキル価値の確認などを目標とし、手を挙げました。
異なる環境や想いから共に働くことになった2人ですが、すぐに意気投合。気軽に相談できる間柄であり、お互い切磋琢磨する存在となりました。
浅田:伊藤さんと話していると、違う企業文化の中で過ごされた経験から、ほかの部内のメンバーとは異なる視点をもっていて。富士通にとっての当たり前が、当たり前でないことを感じさせられ、自分自身のアップデートにつながっています。とくに大きな影響を与えてくれているのが、私が検討をしている、企業間人材留学プログラムです。デンソーの事例を教えてもらうなど、多くのサポートをしてもらっています。
まるで本当のお兄さんのように親身になって、相談にも乗ってくれるので、そういう意味で、「兄やん」と呼んでいます。
※1 ビジネスプロデューサー(BP):お客様との窓口として情報収集や企画提案などを手掛け、ものを売る、提供するだけではなく、プロデュース(提案)をする
自分のキャリアを棚卸し、新たな挑戦を即決。自分の意志で可能性を広げる
Jobチャレ!!で新しい環境に飛び込むことを決めた浅田だが、そもそも富士通に入社した理由とは。
浅田:インターンを通じて、特定の業界に縛られないITに可能性を感じました。その中でもヒューマンセントリックという考えを大切にしている社風に共感して富士通に入社しました。人を中心に考えたアプローチを取り入れている印象があり、お客様はもちろんのこと、従業員も含め、人を大切にする方針なのではないかと考えました。
私もそのような環境下で、一人ひとりがイキイキと働ける環境や制度づくりに携わりたいと考えました。でも、そのような制度づくりなどだけでなく、現場にいき、そこで起こっている課題を起点とした施策を展開したいと考えていました。そのため、まずはお客様のことを知り、自分が実現したい世界を描けるようになるため、入社時配属ではBPとしての道を選びました。
自身の希望どおり、BPとしてのキャリアをスタートさせた浅田。鉄鋼金属業界のお客様を担当することになりました。
浅田:鉄鋼金属業界の基幹システム・インフラ関連の商談や、DX伴走支援(※2)の商談などを推進してきました。昨年度、担当しているお客様よりDXパートナーとして採用いただき、お客様の企業変革プロジェクトへの参画が決まりました。決まった瞬間はとても嬉しかったのですが、表面的なことしか話せてないのではないか、といった不安も同時に募ってきました。
そこから自分自身の現状やキャリアのことを棚卸しし始めた浅田。
浅田:日々の忙しさの中で自分がどうなりたいか、じっくり向き合えていなかったことに気づきました。自分の強みって何だろう、これからどうなりたいんだろう、そんなことを自問自答し始めました。
そして、整理した想いをもって行動を起こし、新しい挑戦をするため、担当しているお客様の企業変革プロジェクトを引き継ぎ、Jobチャレ!!への応募を決意します。
浅田:7月に配属されてからは、所属するチーム内での仕事はもとより、お客様へのフジトラの紹介やFujitsu Transformation Now(※3)というイベント企画など、CDXO Divisionに存在するほぼすべてのチームの仕事に携わることになりました。仕事の幅や可能性は、自分の意志があれば広げられると実感し、以降の行動もさらに積極的になりましたね。
※2 DX伴走支援:アセスメントから業務のリデザイン、新システム構築含め、お客様の企業変革を伴走型支援するもの
※3 Fujitsu Transformation Now:富士通グループ全体のDX活動の共有を目的に、2020年から3カ月に1度開催している全員参加型のイベント
異なる刺激を入れるために。デンソーの出向制度を活用し富士通へ
一方、伊藤がデンソーへの入社を決めたのも、奇しくも浅田と同じ「IT」というキーワードがありました。
伊藤:大学では情報工学部で学んでいました。そこで培ったITスキルを活かし、会社の仕事を効率化したいと考え、地元である東海地域で就職先を探していました。とくに社内ITに精通していた会社である、株式会社デンソーITソリューションズ(2020年10月1日に、株式会社デンソーと統合)に入社することに決めました。
伊藤はシステム開発部門に配属され、機械系設計基幹システムの開発と運用を担当することとなります。
伊藤:入社から1年間の研修期間を経た後、配属された業務に今でも携わり続けています。設計システムで採用しているパッケージ製品の導入、テーラリング(※4)、運用をリーダーとして推進するなど、自分のできることやその責任範囲を広げてきました。
順風満帆に見えるキャリアですが、デンソーの進化のためには、自分自身がさらにレベルアップする必要があると考えた伊藤。
伊藤:これまでデンソー社内にいても少しずつやれることが増え成長できている実感がありました。ただ、デンソーへの貢献をするには、もっと飛躍的なレベルアップをしないといけないと考え、異なる刺激を入れる必要性を感じました。
デンソーでは若手人財育成のための出向制度として、海外トレーニー制度がすでに根付いていたのですが、2022年からは社外修行トレーニーや短期共創プログラムといった新しい制度もできました。この2022年からのプログラムが従来と異なるのが、他社との、または他社での異業種体験となることです。その制度を活用し、富士通に出向することになりました。
富士通への出向は初日から違いを肌で感じたと言います。
伊藤:東京での暮らしは初めてで、最初に感じたのは名古屋との生活感の違いでした。またオフィスや社員の雰囲気など、デンソーとの違いを次々と感じました。
最初の1週間は文化的な違いを主に感じていましたが、いざ業務がはじまると、今度は仕事の進め方の違いを体感するようになりました。部署によっても異なると思いますが、所属するCDXO Divisionでは、CDXOの福田さんに定期的に相談する場があり、役員との距離の近さとアクションの速さ、またメンバー間のディスカッションではワキデル(※5)などを活用し、柔らかい発想が次々と生まれる体験をしました。
一方で、デンソーでの経験や事例を共有することで、メンバーの気づきにつながることも多々あります。社外だからこそ、デンソーの強みや弱みを肌で感じることができましたし、いいものはデンソーに持ち帰りたいと思っています。
※4 テーラリング:業務プロセスやシステム開発プロセスなどについて、規格や全社的な標準などを元に、個別の部署やプロジェクトに合った具体的な標準を策定すること
※5 ワキデル:オンライン上で皆が一斉に意見を書き込み、アイデア創出する手法。役職・年齢・地域・声の大きさに関係なく、誰もがアイデアを言える風土をめざして作った富士通独自の手法
2人が実感する企業間人材交流の意義と、これから富士通がめざす道
伊藤と浅田はそれぞれの異なる課題感を持ち、注力する業務が異なったものの、1つの共通した想いにたどり着きます。
浅田:Jobチャレ!!へのエントリーにあたり、フジトラを自分の言葉で語れるようになりたい、というのが第一にありました。Jobチャレ!!のフジトラの求人を見ていた中で、「人材交流プログラム企画検討」というのが書かれていて、ふと入社当時の想いがよみがえってきました。
入社して4年が経ち、現場の課題を徐々に理解できるようになっていたので、人事施策にも携わりたいという想いも出てきました。私が異動したときには、まだ検討の初期段階だったこともあり、プロジェクトのリーダーとして、推進することになりました。
伊藤:自分自身が富士通に出向してすぐに大きな刺激を受けたように、多くの人が現在の会社を辞めることなく、他社の経験をできることは非常に有意義だと思っていて。なので浅田さんが実現したいことに、少しでも近づけるようにするため、必要なことは積極的にサポートしたり、意見を出すなどしています。
伊藤のサポートも受けつつ、浅田はプロジェクトリーダーとして本腰を入れ始めたものの、途中で思い悩む瞬間が何度も訪れたと言います。
浅田:お客様に提案する中で、DXの推進に悩まれている場面を幾度となく見てきました。自分なりに解決する方法を考え、提案はしていたのですが、人材交流という観点を含めた提案はしていませんでした。
また、この施策はゼロからの設計だったため、やりたい世界観を描くのも、そこにおける課題を洗い出すのも、すべてが手探りな状態で、数カ月は進展があまりなくもどかしさを感じることもありました。
試行錯誤を繰り返す中、ようやく霧が晴れてきたのが、浅田がJobチャレ!!の期間終了が迫った時期に行った報告でした。
浅田:先ほど伊藤さんも話されていましたが、CDXOの福田さんとの会議が定期的にあります。そこでこの施策について報告したところ、一気に進展し、各部門長にこの構想を共有して意見交換をしたり、お客様にご紹介するなど、広がりを見せました。
福田さんに報告をしていた際には、双方向での人材交流を実現することを謳っていました。ただ、社内ではすでに出向している事例も多く、必要なポイントは、人材を受け入れるほうだと感じました。単純に受け入れるといっても、お客様ごとにニーズが異なるため、そこはBPと連携しながら、より良い提案につなげていきたいと考えています。
多くの企業から出向者を受け入れることで、お客様との関係性も変わり、一緒にビジネスを創出したり、さらにその先のお客様同士との交流や共創にもつながったりすると期待しています。
最終的にはN対Nでの新しい関係性が生まれ、新しいビジネスへとつながっていくのが理想です。ただ、一足飛びにはたどり着けませんので、まずは小さなところから、でも着実に、その歩みを進めていきたいです。
※ 記載内容は2024年3月時点のものです
