部署を超えて多様なメンバーで活動。楽しみながらメタバースの知見を深めていく
2022年2月に設立され、現在は約1,400名ものメンバーが在籍しているメタバース部。「楽しく活動する」をモットーに、さまざまな取り組みを展開しています。
北山:私たちは、メタバースを活用した富士通ならではのソリューションで、お客様の課題を解決することを目的として活動を行っています。そのためにも大切なのが、メタバースについての理解を深めることです。そこで定期的に勉強会などを通じて情報交換を行い、社内SNSで取り組みを発信しながら、メタバースの可能性を探究しています。
部署を超えてさまざまなメンバーで編成されているメタバース部。リーダーを務める北山は、インフラストラクチャシステム事業本部に所属しています。
北山:私はビジネス戦略統括部 新規ビジネス開発部で、メタバースやデジタルツイン、AI領域における新規事業の企画を担当しています。富士通のサーバを活用するという観点で、GPUやハイパーバイザー(コンピュータを仮想化するためのソフトウェア)、さまざまなOSを組み合わせながら技術調査に取り組んでいます。
荒川が所属しているのは、Hybrid-IT事業本部 CaaSプラットフォーム部。2001年に富士通へキャリア入社し、ハイパフォーマンスコンピューティング(以下、HPC)を活用した商品の開発を担当してきました。
荒川:現在の部署へは2023年10月に異動し、一般的なコンピュータでは解くことが難しい組み合せ最適化問題を高速に解く、デジタルアニーラの開発プロジェクトに参画しています。
大日向は、ジャパン・グローバルゲートウェイ Public&Social ITSに所属。2006年に富士通のグループ会社に入社して以来、一貫してHPCやシミュレーションに関する事業に携わってきました。
大日向:主に大学や研究機関といったアカデミアのHPC市場を対象に、シミュレーション可視化技術の実証実験を行うなど、HPCの新たな活用方法をクライアントと共に追求しています。
もともと仕事で付き合いがあったと言う荒川と大日向。荒川がメタバース部への入部を決めたのは、入社当初から抱き続けているある想いがありました。
荒川:私が富士通に入社したのは、映画『マトリックス』の世界を実現するためです。映像や音だけでなく、触ったり味や匂いを感じたりできる技術の実用化をめざしてきたので、メタバース部の設立を知ったときはチャンスが来たと思いました。
大日向:私が入部したのは、荒川さんに誘われたことがきっかけでした。実際に活動してみると、多様なバックグラウンドや尖った技術を持つメンバーがいて、コミュニティとしてのおもしろさを実感しました。そこで出会った新たな仲間と共に、私が本業で培った知見をメタバースに適用する方法であったり、反対に、メタバース部での成果を本業に還元する方法であったりを探求しています。
社内SNSでの投稿をきっかけに設立。オープンなコミュニティに参加者が続々と増加
リーダーを務める北山は、2008年に富士通に入社。大学で学んだ人工知能や自然言語処理の知識を活かせる場を求め、富士通を選びました。
北山:学生時代に考えていたのが、PCや携帯電話でアプリをダウンロードして実行できるマーケットプレイスを開発したいということ。今で言うGoogle PlayやApp Storeのようなサービスですね。その開発に必要な技術や環境がすべてそろっている富士通なら実現できるかもしれないと考え、入社を決めました。
開発は実現しなかったものの、先進技術に精通した仲間の存在に大きな刺激を受けた新人時代。上司からの勧めで展示会に参加したのをきかっけに、北山はプライベートでも活動を広げていきます。
北山:富士通だけでなく、他社の取り組みに触れて自分も何か新しいことがしたいと思うようになりました。その後、上司の紹介で社内の技術コミュニティに遊びに行った際、ハッカソンが開催されていることを知り、参加してみることに。高度な技術を持ったユニークな仲間と、短期間でおもしろいものを開発する楽しさに夢中になりました。
そんな北山がメタバース部の立ち上げに関与することになったのは、社内SNSでのある投稿がきっかけでした。
北山:当時CIOでありCDXO補佐を務める福田さんが、メタバースに興味がある人で活動できないかと投稿しているのを見て、おもしろそうだと思いすぐ反応しました。その後メタバースのコミュニティをつくることを申し出て、スレッドを立ち上げたところ、数日で100名を超えるメンバーが集まったのです。そこで全体会議を開き、活動の大枠を決定。それからは、とにかくみんなで楽しむことを大切に活動してきました。
誰もが主役になれるオープンなコミュニティとして、勉強会や懇親会を定期的に開催し続けたことから、メンバーは順調に増加。富士通だけでなくグループ会社からも集まり、今では約1,400名もの仲間が活躍しています。
グループ会社と協力しメタバースの教育講座を開講。顧客へのソリューション提案も実現
メタバース部の立ち上げから約1年半。これまでの活動によって得られた成果の一つとして、北山は教育の実現を挙げます。
北山:メタバースを活用してお客様の課題を解決するために、富士通は何ができるのか。それを考え実現するためにまず取り組まなければならなかったのが、メタバースを知ることでした。体験会や教育講座の開催により、部全体として知見を深める体制をつくれたことは、大きな成果だと思っています。
荒川は、その実現に大きく貢献した一人。企業向け人材育成の総合支援を行う富士通ラーニングメディア(以下、FLM)と協力し、教育プロジェクトを立ち上げました。
荒川:部の設立当初から、教育の必要性は私たちの共通認識だったのですが、問題はそれをどう実現するかでした。別のコミュニティで、たまたまFLMの青山社長とメッセージを交わす機会があったとき、メタバースの教育の必要性について伝えたところ、私たちの考えに賛同してくれ、教育プロジェクトを推進するための人員をFLMでも用意してくれたのです。
メタバース部は有志の集まりで全員が主役のため、プロジェクトに責任者はいません。そのため教育内容については合議制で決定していきました。そして約1年かけて、念願だった教育講座の開講を実現できました。
教育プロジェクトと並行し、メタバース部の活動目的である、顧客の課題解決に向けたソリューションの提案も実現しつつあります。
北山:メタバース部立ち上げから1年半で、お客様からメタバースに関する問い合わせやニーズを集約し、当社の技術とマッチングして該当部門につなぐ体制を整えることができました。実際に商談が成立した案件も出てきているので、ここからさらに発展させていきたいと考えています。
メタバースの事業化に向けて、北山がとくに力を入れているのがサーバサイドレンダリングに関する技術開発です。大日向もその取り組みに協力しています。
大日向:HPCでのシミュレーション結果は、3次元で計算しても結局は2次元のディスプレイで表示されることになります。そのため、VRで表示するシステムをHPCとつなげられないかを私は探究しているのですが、サーバサイドレンダリングは技術的に関連性がとても強いと考えています。
そこで北山さんと協力し、サーバサイドレンダリングの活用により、ヘッドマウントディスプレイなどのデバイスをクライアント側で使わずにメタバースが体験できないかを検証しているところです。また、可視化した結果のオブジェクトをメタバース空間に展示するなど、事業化に向けて社内外へのアピールにも取り組んでいます。
メタバースが開く新たな未来に向かい、富士通ならではのソリューションを追求
メタバースを活用した、富士通ならではの価値創出をめざすメンバーたち。それぞれが活動を行う中で得た気づきは、本業にも活かされています。
荒川:メタバース部の活動を通じて実感したのは、目的に向かってプロジェクトを推進するために、メンバーのやる気を維持するのがいかに大事であるかということです。それは有志かどうかに関わらず、どんなプロジェクトでも同じだと私は思います。
壁にぶつかっているメンバーがいればフォローしながら、みんなで一緒にやればできるという環境をつくる。そうやってメタバース部で取り組んできたことを実務にも活かし、チームの活性化につなげています。
本業とメタバース部という2つのフィールドを持つことで発揮されるシナジー。それは人と人との交流によってもたらされていると大日向は話します。
大日向:メタバース部に入らなければ出会えなかった仲間と接点を持つことができ、富士通にはこんなに多様なバックグラウンドや視点を持った人材がいるということを知りました。だから活動していて純粋に楽しいんですよね。自分が担当している業務の枠を超えて情報交換したり、技術について語り合ったりできる仲間のおかげで、自分の視野が一気に広がったと感じています。
メタバースを軸に、組織を超えて生まれたさまざまなメンバーとのつながり。そこから広がるメタバースの可能性を、富士通ならではの技術力で着実に実現していきたいと北山は力を込めます。
北山:メタバースを支えているのは、サーバやネットワーク、ソフトウェアなどといったバックエンドのITインフラです。富士通は従来から、そうした領域において強みを持ち、技術力やノウハウを培ってきました。現状ではメタバースはエンターテインメントの要素が強いというイメージがあるかもしれませんが、今後はデジタルツインやAIなどと融合し、製造業などの産業領域へ一層広がっていくと私は考えています。
そうした未来が訪れたときに先駆者となれるよう、富士通ならではの強みを活かし、お客様に競争力のあるソリューションを提供することが目標です。その実現に向けてこれからも楽しみながら活動を続け、お客様の課題を解決し、社会に貢献する新しい価値を生み出していきたいと思います。
多様なバックグラウンドを持つメンバーが集まり、つながりを広げ高め合いながら活動するメタバース部。ここから生み出される新たな価値によって、想像を超える未来が開かれていくはずです。
※ 記載内容は2024年1月時点のものです
