期待感を持ってDXを進められるように。軸となるのは「MuleSoft」
田林が所属するクラウドインテグレーション事業部(以下CI事業部) 第4部では「MuleSoft」を主軸に、サービスを提供しています。
田林 「MuleSoftとは、GUI(Graphical User Interface)で開発できるフレームワークのようなもので、いろいろな機能のコンポーネントが提供されています。フレームワークなので、使い方、制約を覚えればそこまで難しくない。これまでは、使いたいシステムのプロトコルにあわせて実装し、それぞれのシステムをつなげていたため、時間もお金も必要でした。
それが、MuleSoftを使うとドラッグ&ドロップである程度実装できるため、コーディング量を削減することが可能になり、素早くAPIが作れるようになりました。業務に応じて幅広いシステムを使っていると、それぞれにデータが存在し、形も接続するためのインターフェースもバラバラになっていきます。DXを加速するためには、それらを連携していかなくてはいけません。そのため、素早く低コストでデータ連携を実現できるMuleSoftは、市場でどんどん人気が高まっているのです」
2021年、MuleSoftの専門部門として立ち上がったCI事業部 第4部では、このようなミッションを掲げています。
田林 「<APIを活用して顧客DXの加速をバックエンドから支援すること>が私たちのミッションです。フレクトに頼めば、『他社より速くローンチできる』『汎用性が高く、機能追加の工数が少なく進められる』といっていただける存在を目指しています。 DXを進めていくお客様にとって、その過程は複雑で面倒なもの。
そこに私たちが支援することで『フレクトが作ったMuleSoftのAPI基盤はいいねぇ』『だったら、こんな新しいことにも挑戦してみたい』といった、ワクワクするような期待感を持っていただくことが目標です」
田林が属するCI事業部 第4部は25名ほどのチーム。DXの経験が豊富なメンバーや、大規模案件でのPM経験があるメンバー、先端技術を好んで積極的に取り組むメンバーなど、バラエティ豊かな面々が揃っています。そして田林はそこの副部長を任されています。
田林 「チームメンバーとマネージャーには、具体的な案件に集中してもらうようにしています。担当しているプロジェクトのマネージメントをして、成功へと導くことがミッションです。そして、部長と副部長の私は、MuleSoftのさらなるシェア拡大を目指し、営業部と連携して新規顧客への提案活動をしています」
目の前の人の「喜び」を胸に──逆境にめげることなく歩んだ道
副部長として部を牽引する田林は、紆余曲折があった経歴だと自身のことを語ります。
田林 「学生時代は、日本大学芸術学部で打楽器を学んでいました。音楽で食べていきたいと思っていたのですが、残念ながらそこまでの才能がなかったので、就職することにしました。もともとパソコンで音楽を作るソフトを扱っていたこともあり、IT業界に就職することにしました」
大学卒業後、外資系IT企業へと入社をした田林。しかし、バブル崩壊と同時に会社が倒産し、失業に追い込まれます。転職先を探すも難しく、次に始めたのは、なんとパン屋の経営でした。
田林 「父の仕事がケーキや和菓子の製造だったこともあり、地元でパンの卸販売を9年ほど営んでいました。ただ、この間も自分でホームページやサーバーを立ち上げるなど、技術は使い続けていました」
そしてリーマンショックが終わる頃、IT業界へと戻りました。
田林 「音楽をやっていたときも、パン屋を経営していたときも、自分が手掛けたもので、目の前の人が喜んでくれることが好きだったのです。エンジニアとしての仕事もまさに同じでした。IT企業に再就職して、もの作りが好きだということ、そしてお客様が喜んでくれることに、自分は喜びを感じるのだとあらためて実感しました」
田林はエンジニアとして働きながら、グループリーダー、主任、課長と順調にキャリアアップしていきました。社内からも社外からも厚い信頼を寄せられるようになってから10数年、田林は再び転職の道を選びます。53歳のときのことでした。
田林 「その会社には、役職定年という制度がありました。55歳以降は第一線で活躍できなくなるのです。私は定年まで第一線で働きたかったので、転職活動をすることに決めました。こだわったのはただ一点、スピード感を持って案件が進められる会社か否か。大企業ではどうしても意思決定に時間がかかるという感覚があったため、お客様のためにも、即レスポンスを返せることが大事だと感じていました。その点、フレクトは私の想いそのものの会社でした」
MuleSoftが持つ可能性を、より多くの人たちに伝えていきたい
フレクトに入社後、1カ月の研修を経て、MuleSoftの案件に携わった田林。前職で通信会社のAPI基盤を開発していた経験が見込まれ、API基盤開発に携わることになりました。田林が担当したMuleSoft導入例としては、次の3社が挙げられます。
田林 「ひとつは大手通信会社様。 DXの推進を加速させたいという目的の中で、データ連携の基盤にMuleSoftを活用したいという話があり、工数をかけずにスピーディーにできるMuleSoftが選ばれました。
もうひとつは、大手セキュリティ会社様。ポータルサイトを新しく作ったうえで既存のシステムとうまく連携したいというリクエストのもと、MuleSoftを用いた開発を進行しました。直近では、大手航空会社様のプロジェクトを統括しています、認証機能、チェックインなどを含めた、フレクト初のコンシューマー向けサービスに着手しています」
さまざまな業界で活用されるMuleSoft。実際にはどのくらいの効果が期待できるのか、興味深いデータについても語ります。
田林 「大手航空会社様の案件に着手するにあたり、MuleSoftを使った場合と使わなかった場合のシミュレーションをしました。結果、MuleSoftを使えばJavaで開発する際の工数の約65%で開発できるということが確認できたのです。設計とテストの部分はJavaでもMuleSoftでもほぼ変わりませんが、製造の段階で半分くらいに工数を削減できるのです。
世間ではDXが求められる中で、日本のシステム開発会社の多くは、まだまだ設計からしっかりやって……。と考えているところが多いように感じます。でも、MuleSoftを使うことで、設計には多少の時間を要するけれども、製造の時間を半分にできる。つまり、お客様が実現したいことを倍近いスピードで提供することができるのです。その価値を、少しでも多くの企業様、そしてシステムに携わるすべてのエンジニアに伝えていけたらと思っています」
日本国内で、いちはやくMuleSoftに関わっているフレクトだからこそ、使命感を持って取り組んでいるのだと田林は続けます。
田林 「MuleSoftの一番の魅力は、素早く開発ができること。とはいえ、お客様のリクエストをそのままを実行しているだけでは、似たようなAPIが多発してしまいます。私たちが再利用性の高いAPIを作って提案・提供していくことが、お客様が最小限のコストで最新のサービスを利用できることになるのです」
「MuleSoftといえばフレクト」を目指して。これからも挑戦は続く
こうした仕事に関わる中でのやりがいについて、田林はこのように語ります。
田林 「やはり私は、ものを作り上げ、それをお客様に喜んで使ってもらえることに大きなやりがいを感じます。そして、目標に向かってチーム全体、部全体で協力していく過程と達成感は何物にもかえられません。目指すゴールに到達するためには、現状にこだわりすぎることなく、フレキシブルに対応し、常に新しいものを取り入れていくチャレンジ精神が大切になってくるのだと思います」
さらに田林は、副部長という立場になっても変わらず心がけていることがあります。
田林 「副部長という立場で常に意識しているのは、『技術的なことは現場に任せつつも、自分自身がその技術を把握している状態でいる』こと。『ある程度のことは自分の技術でできるようにしておく』こと。
そうすれば、調整先が自分だけなのでスピード感をもって対応できる。マネジメント層であると同時に、エンジニアとしての技術力も高め続けたい、と心に決めています。また、MuleSoftの技術者は世の中にはほぼいないので、パートナー様と一緒に技術力を高めて、業界をリードしていきたいと考えています」
そんな田林の今後の展望とは──。
田林 「今ある案件をスムーズに進めながら、顧客の数を増やしていきたいです。そして、『MuleSoftといえばフレクト』と言われるようになっていきたい。『やりたいことがあるけれど、ベンダーさんに相談したら時間がかかると言われてしまった……』そんな悩みを抱えたときに、すぐにフレクトに相談いただけるような存在になりたいです」
最後に、50代で新しい世界に飛び込んだ田林だからこそ、同年代の人たちに伝えたいことがあるといいます。
田林 「50代でやりたいことはあるけど、もう厳しいかもしれないと諦めている人がいたら、『そんなことはない。飛び出してみてもいいんじゃないか』と声をかけたいですね。転職活動は厳しいという意見が多いかもしれませんが、私のように、ピッタリの会社と出会えることもあるはずです。フレクトは特に、年齢問わず活躍できる会社なので、技術が好きな人はぜひ扉を叩いてみてください」
いくつになっても人は輝ける。そう語る田林の挑戦は、まだまだ続きます。
