三者三様の専門分野。「恐怖学習」、「深層学習」、「幾何学」
──まず、皆さんが大学院時代にどのような研究をされていたのか教えてください。
森田:私が大学院で行っていた研究は、動物の感じ方に関する「多感覚恐怖連合学習における汎化と分化」の仕組みに関するものでした。
具体的には、聴覚や視覚などの「多感覚」の刺激が恐怖と結びつく学習の仕組みを研究していました。たとえば、「ピーという音とともに電気ショックを受ける」という経験をした後、学習した刺激に似ているが異なる聴覚の刺激を受けた際に、脳がそれを区別するのか、それとも同一視して恐怖を感じるのか。さらに、そこに視覚など他の感覚が加わることで判断がどのように変化するのか、そうしたメカニズムを研究していました。
研究は、仮説を立てて検証し、その結果をもとに次の仮説を立てる、という工程を繰り返すもので、結果への興味が尽きず、仮説検証の過程自体にも大きなやりがいを感じていました。
蒲池:私は大学院で、土壌から排出されるCO2の挙動を深層学習モデルで予測する研究に取り組んでいました。この分野では事例が少ない「深層学習を用いたCO2の挙動予測」について、国内で2回、国外で1回、学会発表の機会がありました。
とくにCCS(二酸化炭素回収・貯留)という技術分野の研究者を対象に成果を共有した際、似た研究を行う国外の研究者から高い評価を得られたと教授経由で聞き、大きな手応えを感じました。
小菅:私は純粋数学の中でも「幾何学」を専門として研究を行っていました。研究内容をわかりやすく例えると、「ねじれ検出機」の開発です。たとえば、“ねじれていない輪”と、“半回ひねった輪”は目で見れば簡単に見分けがつきます。
しかし、非常に複雑で絵に描けない図形の場合、その図形がどこで、どのように、どれぐらいねじれているかを幾何学的な直感で判断することはできず、直接測ることも困難です。私は、そうした対象の「ねじれ」を取り出す検出機のようなものを作る研究を行っていました。
研究の中で最も嬉しかったのは、私の論文を発表後、その対象を最初に導入した研究者ご本人から直接メールをいただいたことです。そのメールには「私が1960年代に考えていたものが、現代的なものと融合され、正しい形で定式化されたことを本当に嬉しく思う」と記されており、この上ない喜びを感じました。
IT業界への転身と入社の決め手──人を大切にする文化
──皆さんが専門分野からIT業界を志望し、フレクトへの入社を決めた理由を教えてください。
蒲池:私は、「個の力」を発揮し、「自分でやり切った」という実感と達成感が得られる仕事をしたいと考えており、個人の技術力が成果に結びつきやすいIT業界に魅力を感じました。
フレクトに興味を持ったきっかけとなったのは、カジュアル面談です。どのような質問にもオープンに答えてくれる誠実さを感じました。そして、最終的な決め手は、社長の「エンジニアの地位向上に対する強い想い」でした。
社長は、会社設立当時の業界には高い技術力を持つエンジニアがその価値に見合った正当な評価や待遇を得られていないという構造的な課題があり、それを解消し、エンジニアが誇りを持って働ける環境を創りたいと語ってくださいました。募集要項で報酬や働く環境がしっかりと整備されている点を確認し、社長が言葉を実行されている方だと確信し、入社を決めました。
森田:理由は2点あります。1点目は、大学院を修了したメンバーが多く、価値観が近い優秀な方が多い環境だと感じたことです。周囲に優秀な方がいる環境では、その方々に追いつこうと努力することで、より成長できると考えています。
2点目は、「いい人が多い」という点です。面接や面談を通じて、社員の皆さんの人柄の良さや、質問しやすい雰囲気を強く感じました。その印象は入社後も変わらず、働きやすい環境だと実感しています。
小菅:私は、学生時代に培った素養を活かしたいという思いから、IT業界に興味を持ちました。フレクトへの入社の決め手は大きく2つあります。
1点目は、私の研究に非常に興味を持ってもらえたことです。面談に数学科出身の先輩社員も同席してくださり、1時間にわたって研究内容について深く質問していただいたことに、たいへん感銘を受けました。
2点目は、蒲池さんの話にもありましたが、「エンジニアを大切にしようとする雰囲気」を強く感じたことです。エンジニア一人ひとりを尊重し、自ら学ぶ人を後押しする環境に魅力を感じ、入社を決意しました。
不安を自信に変えた研修:学び合いと実践的なフィードバック
──分野外からの挑戦ということで、入社前に不安はありましたか? また、その不安は研修でどう変わりましたか?
蒲池:分野が異なることから、入社直後に同期と差がついてしまうのではないかという不安がありました。しかし、この不安は最初のJava研修で大きく解消されました。当初は内容の理解が追いつかなかったものの、トレーナーの方が「まずは手を動かしてみて、その後に教科書を読み返すといい」と、私に合わせて教え方を工夫してくれました。実際にその方法で進めたところ、非常に理解しやすくなったのです。
研修を通じて、先輩方の真摯な姿勢や質問を通じて疑問を解消する経験を重ねる中で、「この先も努力を続けることで解決できる」と、一筋の光が見えるようになりました。また、トレーナーの方が常に「一緒に学んでいる」というスタンスで接してくれたため、とても心地よい関係性を築くことができました。
小菅:私も分野が異なることから、「ついていけるだろうか」という不安を抱えていました。しかし、面接でその不安を相談した際、「技術的なキャッチアップは入社後からでまったく問題ありません。今は研究に集中してください」と言っていただいたことで、気持ちがかなり軽くなりました。
その不安が完全に解消されたのは研修期間中でした。私のグループはほとんどがプログラミング初心者でしたが、課題そのものが議論を促す内容だったため、各メンバーが得意分野やスキルを活かしながら「自然発生的な学び合い」が生まれました。
プログラミング経験の有無に関係なく、その学び合いを通じてチームに貢献できる「小さな成功体験」を積み重ねたことで、今後の業務でも自分が役立てるという自信が生まれ、不安の解消につながったのだと考えています。
森田:私は、さまざまな分野出身の院生がいると聞いていたため、入社前に不安をあまり感じていませんでした。しかし、Java研修はとくに難しく、やりがいある内容でした。
要件に沿ってシステムを作るという課題は、思考力が問われるもので、Java未経験で苦戦しましたが、同期やトレーナーのヒントをもとに課題を達成できた時の達成感は大きなものでした。とくに、印象的だったのは、トレーナーの方のレビューです。案件で求められるコードの効率性や、他のエンジニアにとっての読みやすさなど「より良いコード」の視点を教えていただき、非常に実践的な学びが得られたと感じています。
研修期間中に自己研鑽として資格取得にも挑戦しました。業務に直結する技術資格を無事取得することができ、手応えを早期に得られたことも自信につながりました。
探求熱心な仲間たちと描く、貢献と挑戦のキャリア
──同期や先輩など、周りの社員の印象はいかがですか?
蒲池:同期は、勉強熱心な人が多く、社内全体としてもその姿勢が強く感じられます。勉強会が頻繁に開催されており、多くの社員が意欲的に参加している点からも、学び合う環境がしっかりと根付いていると思います。
小菅:私も蒲池さんの意見に共感します。フレクトの魅力は、「みんなが自発的に勉強し、その過程で楽しみながら自然と教え合う環境」が形成されていることだと思います。私自身、技術に限らず多様な分野に興味を持って自ら学ぶことを好むタイプですが、周りにも同じように学ぶことを楽しむ人が多くいる点に驚き、共感しています。
同期は「素直さ」があり、どんなに根本的な質問にも嫌な顔をせず、丁寧に答えてくれる姿勢がとても心強いです。また、先輩方に関しては、非常に高い技術力を持ちながらも常に学ぶ意欲を持ち続けている点が印象的で、その姿勢を深く尊敬しています。
森田:私もお二人に同感で、フレクトには知的好奇心が高く探求熱心な方が非常に多いと感じます。研修中も、エラーが発生した際にその原因を徹底的に調べ、深く理解しようとする姿が常に見られました。このような原因を突き詰める姿勢は、研究経験を積んできたメンバーだからこそ身についているのだと思います。
──学生時代に培った思考プロセスや習慣で、現在の業務に活きていると感じるものはありますか?
小菅:何かを実現する際には、大きな課題を細かく分解して取り組む「ブレイクダウン」の考え方が重要だと感じます。このアプローチは、業務においても効果的に活用できています。
蒲池:難しい局面に直面した際、物事の前提を一度見直し、自分の理論をゼロから振り返る習慣が身についている点は、問題の本質を捉え直す上で役立っています。
森田:私も原因を追求する姿勢は、業務においても非常に役立っていると感じています。一つの技術を学ぶ際に、「なぜ」を徹底的に突き詰めることで、物事を俯瞰して理解できるようになり、全体の解像度が上がる感覚を得られます。
──皆さんの今後のキャリアビジョンを教えてください。
小菅:まだ具体的には固まっていませんが、志を同じくする集団として、マネジメントや技術者といった役割に関わらず、自分が最も寄与できる方法で貢献していきたいと考えています。
蒲池:私もまだ方向性は明確に決まっていませんが、まずはITの世界に対する理解を深め、全体の解像度を高めたいと考えています。その上で、特定の枠に縛られることなく、技術にもマネジメントにもチャンスがあれば積極的に挑戦したいと思います。
森田:現在はまだ一つの技術しか扱っていませんが、今後は幅広い技術を習得し、さまざまな分野で活躍できるエンジニアをめざしたいと考えています。また、その経験を活かして、技術面でチームをリードできるようになりたいと思っています。
──最後に、同じように分野外から挑戦しようと考えている方へのメッセージをお願いします。
小菅:フレクトには「社員一人ひとりが自由に学び続けることを尊重する文化」が根付いています。好奇心が旺盛で自発的に学び続けようとする方にとって、非常に合う環境ではないかと思います。
森田:分野外のことに対して不安を感じることがあるかもしれませんが、入社後の研修では同期と協力して解決できる環境が整っています。また、優しく丁寧な先輩がそばについてサポートしてくれるため、不安なことがあれば気軽に相談しながら進めていくことができます。そのため、心配しすぎる必要はありません。
蒲池:学ぶことを楽しめる人や、教えること・教えられることに前向きな姿勢を持っている人には非常に合っている環境だと思います。また、探究心が強く、新しいことに主体的に挑戦できる方には、ぜひこの場でその可能性を試していただきたいです。
※ 記載内容は2025年11月時点のものです
