幼少期からの好奇心が宇宙研究への挑戦を導く
幼少期は生物への興味を強く持っていた住本。自由研究では、アリの生態を調査していたと言います。
「その後は、生物以外にも関心が広がり、天気などさまざまな現象の仕組みを理解することにおもしろさを感じるようになりました。それが理系に進むきっかけです。そして理系科目の中でも、暗記中心の科目とは異なり、現象を数式で解き明かす物理学の世界に魅了され、大学では物理の道に進みました」
大学4年生から大学院にかけては、素粒子や重力の研究に没頭。そのきっかけは、高校時代に知った「ダークマター(暗黒物質)」の存在でした。
「宇宙全体の質量の約4分の1を占めながら、その正体がいまだ解明されていない事実に魅力を感じました。言い換えれば、『これを解き明かせば宇宙の約4分の1を理解できるかもしれない』というその壮大な謎と可能性に惹かれ、理論構築に挑みたいと考えました。
その後大学院では、宇宙のあらゆる現象の根源とされる『統一理論』の研究に取り組みました。統一理論は未完成ですが、『重力が強い5次元の世界』を調べることで理論の解明が進むのではないか、という仮説があります。
私もその仮説に基づき研究を進めましたが、重力が存在する5次元の世界と、私たちがいる4次元の世界との接点には、いまだ解明されていない領域が多く残されていました」
この研究において直面するのが、「計算できない」という大きな壁です。
「当時は、物質の種類を無限に増やすといった極端な前提でしか関係性を捉えられず、現実世界を前提にした計算はきわめて困難でした。この『計算困難』という課題をいかに突破するかが、私の研究テーマとなったのです」
この難題に対し、住本は機械学習に着想を得た新たなアプローチを試みました。
「最終的に問題を解き明かすまでには至りませんでしたが、それまで使われていなかった、現実世界の実験データをもとに、機械学習を活用して知見を得るという手法を発展させることができました。自分のアイデアを論文という『かたち』にできたのは嬉しかったですね」
社会へのダイレクトな影響を求めて。研究からビジネスへ
一定の成果は見えたものの、キャリアには迷いもあったと振り返ります。
「博士号取得後に研究員として歩み始めましたが、振り返ると、一定の成果は得られたものの、最終的な問題解決への道のりが『途方もない』ものであることを強く実感しました。 その一方で、大学院生活で最も楽しかったことは何かと自問しました。
すると真っ先に思い浮かんだのは、教授と議論したアイデアをプログラムとして具現化する『実装』の作業でした。研究で用いた機械学習は教授も専門外だったため、そのプロセスはすべて私が担当していました。このスキルを仕事にできないだろうかと考えたのが、キャリアチェンジのきっかけです」
「プログラムに落とし込む」ことの楽しさに気づいた住本は、ITビジネスの世界へのキャリアチェンジを決意します。
「研究を続ける選択肢もありましたが、それ以上に、多様な人々の『やりたいこと』を自らの技術で『実装』する、より広い世界に挑戦する方が、自分にとっての喜びが大きいのではないかと感じました。そこで、ITビジネスの世界に目を向け、就職へと舵を切りました。
当時は、『顧客と対話しながらともにものづくりを進める』ことを理念に掲げる企業を探しました。さらに、その環境でエンジニアとして携われることを軸に絞った結果、必然的に、IT業界の中でもSIerが候補となりました」
その中でフレクトを選んだ決め手は、まず「インターネットを通じてみんなの人生満足を追求する」というミッションへの深い共感でした。そしてもう1つ、面接を通して感じた経営の「合理性」が、住本の心を強くつかんだと言います。
「とくに合理性を感じたのが、採用方針に関するやり取りでした。フレクトが求めているのは『顧客と共に価値を創造しつつ、自立して仕事を進められる人』であり、その指標として『研究をどう進めてきたか』を重視している、という説明でした。
その結果として大学院出身者が多いのだという話を聞き、その合理性に強く共感し、入社を決めました」
入社1年目で技術者として活躍し、2年目には新卒研修のプロジェクトマネージャーへ
現在、住本はクライアントの営業支援システム(SFA)案件に携わっています。
「クライアントの営業担当者が使うシステムの開発では、要件定義を済ませた改修要望に対して、設計からリリースまでを一気通貫で手掛けています。2週間に1度というサイクルに合わせて、短期間で設計からリリースまで行うのが特徴です。
その限られた時間の中で顧客要望を『どのように実現するか』を設計段階から自分で考える裁量が与えられており、無事に完遂できた時には大きな達成感を味わっています」
そんな住本にとって、入社1年目には、忘れられない成功体験があります。プロジェクト着任早々に一人で任された機能改修で、開発を進める中、当初想定していなかった仕様変更が次々と発生しました。
この困難な状況を乗り越える土台となったのが、研究時代に培ったスキルと、入社後に学んだ「段取り」の重要性です。
「経験が浅くても、事前に教わった『段取り』のおかげで冷静に手戻り箇所を洗い出せました。研究で培った調査力を駆使し、先輩方のレビューも受けながら、2週間で無事にリリースまで漕ぎ着けました。学生時代に資料や論文を読み解き、不明点を自分で調べる習慣は、仕事でも非常に役立ちました。
また、未知の課題に直面し、状況を分析しながらアプローチを修正していくプロセスは、研究の世界と通じるものがあり、大変でしたが達成感も格別でした。この経験は、大きな自信につながっています」
入社2年目になると、住本は新卒技術研修のPM(プロジェクトマネージャー)に抜擢されます。フレクトでは、2年目の社員が新卒社員の研修をサポートする体制になっており、住本は研修を担当する11名のトレーナーたちを取りまとめる立場を任されました。
約40名ものメンバーの進捗管理やトラブルシューティングが主な役割でしたが、そこでも大きな課題に直面します。
「研修は演習形式で進めるため、受講者の進捗にばらつきが生じやすいです。そこで一人ひとりの状況に合わせた指導方針を、トレーナーと徹底的に議論しました。課題の真因を見抜く難しさを痛感すると同時に、それを経験できたことは大きな学びになりました」
この経験は、技術的な側面だけでなく、プロジェクトの「進め方」を学ぶ貴重な機会にもなりました。
「PM経験を持つ同期の助言を受けながら、プロジェクト全体の情報共有方法などを試行錯誤できたことも、個人的には大きな学びでしたね」
行き着く先は、技術者でありたい。「技術で人を助ける」という揺るぎない信念
多様な経験を積んだ今、住本は自らのキャリアの軸足を「技術者」として歩んでいきたいと考えています。
「プロジェクトマネジメントも技術者としても一通り経験しましたが、行き着く先はやはり技術者でありたい、と考えています。私の真価は、技術による価値提供にこそあると感じています。調査を進める力や、顧客の『こういうのがあったらいいな』というアイデアを、具体的な形に落とし込む能力は、自分自身の強みになると確信しています」
住本がめざすのは、単なる技術者ではありません。
「顧客と対話を重ね、培った知識と技術的な経験をもって解決策を提示できるポジションをめざしています。単なるマネジメント専任ではなく、技術チームを率いたり、技術支援部門を牽引する役割を担っていきたい、というのが現在の率直なイメージです。方針を策定する旗振り役よりも、その方針を技術面から支える存在でありたいと考えています」
そんな住本から見て、どんな人がフレクトに合うと感じるのでしょうか。
「『人の役に立ちたい』『人を助けたい』という思いが強い方は、非常にフィットする会社だと思います。フレクトには、担当領域を超えて課題解決に挑む姿勢を後押しし、そのチャレンジを受け入れる文化が根付いています。
私自身、そのような思いを持ちつつも『経験の浅いうちは言われた通りに動くことを求められるだろう』と想像していました。しかし実際には、自ら課題を発見して提案できる機会が多く、チームも対等な立場で耳を傾けてくれる高い自由度を実感しています。こうした環境に価値を見いだせる方や、自身の強みを発揮したい方にとって、フレクトは最適な場だと思います」
住本もまさに、チーム内、チーム間に転がるさまざまな課題の発見と解決を自ら実践しています。たとえば、ドキュメントを整備して開発の手戻りを防いだり、チーム内で積極的に知見を共有したりと、チーム全体の生産性向上に貢献しています。
「技術で人を助け、アイデアをかたちにする」というビジョンは、仲間を助け、境界にある仕事も厭わないフレクトの文化の中で、着実に輝きを増しています。
※ 記載内容は2025年10月時点のものです
