130人を統率するマネージャーとしての顔と、休日を過ごす父としての顔
朗らかな笑顔が印象的なDXCジャパン保険部門のマネージャー、ピアリ。2023年3月現在、メンバーの統率と、複数部署にまたがる大型案件のデリバリーの責任者、国内の複数顧客に関わるプロジェクトの整備を一手に担っているデリバリーマネージャーです。
ピアリ 「DXC組織内部では、保険部門のデリバリーマネージャーとして130人超のメンバーを統率しています。保険部門では、顧客のアプリケーションと統合可能なDXC保有の保険関連のソフトウェアをかけ合わせて、顧客に最適なソリューションを提供することをミッションとしています。
一方で、われわれは顧客から『One DXC:ITに関することならなんでも解決できる企業』として見られることを心がけています。そのため、保険に限らずクライアントから相談されるIT関連の悩みをすべて円滑に解決できるよう、他部署のマネージャーとの連携は欠かせません」
仕事で多忙な日々を送る彼ですが、プライベートも有意義に過ごせているのでしょうか。
ピアリ 「休みの日は、外でしっかり体を動かしつつ休息もきっちり取ってリフレッシュしています。一緒に暮らしている家族は、妻と2人の娘たちです。私としては、仕事外の時間はできる限り家族と一緒に過ごしたいんですが、2人の娘にはそれぞれの世界があってそちらの方に忙しいようでして……。長女は今年の夏に大学を卒業しますし、次女は中学生になるタイミングです。妻や私としては、正直寂しい気持ちもありますね(苦笑)」
日本でこんなに長く働くなんて、想定外。ディベロッパーから始まったキャリア軌跡
ピアリのキャリアは、ディベロッパーからのスタートでした。
ピアリ 「私がIT業界に足を踏み入れたのは、コンピューターのコアであるアセンブリ言語の虜になったからです。それがきっかけでディベロッパーになり、インド国内でキャリアをスタートしました。プロジェクトリーダーからプロジェクトマネージャーと順調に昇進していく中で、ふと海外でも働いてみたいと思ったのです。
そうして、海外でのポジションを探し始め、米国テキサス州にて保険顧客向けサービスのポジションを経験しました。短い期間でしたが、視野を広げてくれた経験だったと思っています」
その後、結婚と第一子の誕生を経て長期の海外ポジションを探し始め、その後18年を過ごすことになる日本と出逢います。
ピアリ 「当時のインドでは、英語圏へ行くIT人材は多かったものの、日本という選択肢はあまりメジャーではありませんでした。上司には『なんで日本なんだ?』と心配されたものの(笑)、2004年に32歳で初の来日を果たしました」
当初は、日本で9カ月間のプロジェクトを担当し、穏便に帰国をするというミッションだったはずが、プロジェクトの延長により、運命は予期せぬ方向へと回り始めます。
ピアリ 「日本に来たときの衝撃は今でも覚えています。それまで、英語圏でしか過ごしてこなかったので、非英語圏に来たことで『よそ者』感をひしひしと感じました。とはいえ、9カ月のプロジェクト。文化的な違いを学ぶことに夢中だったからか、担当プロジェクトのスコープ変更により、プロジェクトが1年半へと伸びたことにもさほど気には留めませんでした。そうしているうちにプロジェクトが終了したのですが、ありがたいことに成功の立役者としてご指名を受け、そのまま別の日本案件の担当となることができました。インド企業の日本オフショア案件を10年間受け持つことになったんです。
あっという間の10年で、『これが終わればインドに帰国しないといけない』と葛藤しつつも、最後には正直このまま日本に留まりたい、ここで働きたいという気持ちが芽生えてきました。諦めきれない気持ちで転職活動を始めましたが、日本語も話せない状態での転職活動はなかなかうまくいきませんでした」
半ば帰国の覚悟を決めていたピアリ。しかし、そんな彼に思わぬ朗報が飛び込んできました。
ピアリ 「CSC(現DXC)でポジション募集があると聞いたのは、まさにそのタイミングでした。急遽空きポストの後任を探しているとのことで、専門の通訳をつけるため日本語力は問わないという夢のような話でした。とんとん拍子で話は進み、すぐにDXCへのジョインが決まりましたが、ここで意外にも大きなカルチャーショックを受けました。
以前の会社で、言語に関する障壁は理解していたつもりでした。ただ、前職との大きな違いは、DXCは保険パッケージという自社製品を持っていたことでした。それまでのSIやアプリコンサルタントのプロジェクトとは違い、製品開発のマネジメントでは、リソース中心に物事を進めることが求められます。特に、ここでのリソースは人材でした。つまり、個々の人材との密な関係性構築が成功へのカギだったのです。加えて、80%以上のメンバーが私より年上という状況で、前途多難に見えました。あのとき、支えてくれ自分より若い外国人をマネージャーとして受け入れてくれた皆さんには本当に感謝しています。毎日が学習の繰り返しでした」
異文化でのマネジメントは、双方の思いやりと順応力がカギ
これらの過去の体験をもとに、現在ピアリがデリバリーマネージャーとして心がけている「仕事の流儀」が大きく2つあると言います。
ピアリ 「1つめは、メンバーに降りかかりがちなストレスを極力取り除くこと。いつだって、最高の仕事は、リラックスしているときにできるものと信じているので、メンバーがプレッシャーの下で働かないといけない状況を極力つくらないように、常にメンバーとクライアントとの間に立ってバランスを取っています。たとえば、メンバーが何かミスをしたときは、自分が出ていってクライアントに頭を下げます。そうすることで、メンバーにもクライアントにもかかるストレスを少なくできるのかなと。
2つめは、信頼しつつ、確認を怠らないこと。大人数をマネジメントする上で、どこまで任せるかの見極めはとても重要です。そこで、『各メンバーに合った裁量を持たせること』と『信頼しつつも、定期的な確認を怠らないこと』を常に意識しています。
裁量範囲の判断のすべての基本はディスカッションだと思っています。初めのディスカッションの中で、各メンバーがどこまで理解しているのか、どこまで自信を持って進められそうかを見極め、ひとまずそこまでは顧客ハンドリングも含め、任せてみます。その後はメンバーを信頼しつつ、こまめにクライアントに確認し、うまくいっていることを確認しています。お互いの信頼に関わってくるような、コミュニケーションの不足やメンバーのケイパビリティ不足がないよう、細心の注意を払っていますね」
世界に広く開かれた可能性
このようにして、ピアリは仕事の流儀を培いつつ、難易度の高いチームマネジメントを行い続け、現在に至ります。ここで気になるのは「言葉」と「年齢」という2つの壁。日本語が話せず、さらに自分よりも年上の部下を多く抱えていた彼にとって、どのような方法で対応したのでしょうか。原因別に、2つの対処で乗り切ったと言います。
ピアリ 「1つは『順応』すること。そして、もう1つの部下との年齢差というマネジメント上の問題に関しては『思いやり』がカギだったと思います。
まず、順応力ですが、これがあるとプロとして強くなれます。じつはこれまで腰を据えて日本語をしっかり学んだ経験はないんです。すべて、社内外での日常会話や飲み会の場から少しずつ習得していきました。
あとは、言語外のコミュニケーションも同じくらい重要です。たとえば、アクティブリスニング。積極的な傾聴姿勢を見せることで、自分がその会話に注意を払っており、指揮をとれることを相手に示すことができます。このような言語外コミュニケーションを意識することで、職場のダイナミクスやチーム内の関係性変革がやりやすくなります。
そして、思いやりですが、これは難しい状況のハンドリングで欠かせないものです。とくに、年上部下のマネジメントに関しては、私だけ、片方だけという問題ではなく、お互いにやりづらさを抱えていたからこそ、お互いの思いやりによって成し得たことだと思います。向こうも、年下の外国人上司の扱いに困ったからこそなんとかしようと試行錯誤した、歩み寄りの結果ですね。
日々試行錯誤してばかりですが、こんな私でも外の顧客から見ると、カルチャー面での日本と海外の通訳者のように見られ、期待されています。そんな中、多様性のあるチームで働きつつ、内外からの様々な考え方や軋轢をうまくマネジメントしていくのは、本当に難しいと感じますね」
最後に、そんなDXCの保険部門で働くという魅力は、世界に広く開かれていることにあると話を締め括ります。
ピアリ 「世界規模で見ると、とくに保険という領域でのDXCのプレゼンスはとても高く、各大陸に拠点があります。これは、日々の業務での海外とのやり取りでも感じることができますが、それだけではなく、DXCジャパンから世界をめざしてもらうことも可能です。優秀なビジネスパーソンとして、顧客や同僚の信頼を勝ち得た先には他大陸へのドアが開かれています。ぜひ、われこそはと思う方のご入社を、お待ちしています!」
