大規模システムの開発に懸ける思い。仕事にも生活にも全力で向き合うスタンス
現在、メガバンクの外国為替システム更改プロジェクトにおいて、複数のチームを横断的に率いる西牧。この一大プロジェクトは5年ほど前に立ち上がり、西牧は要件定義の初期段階から深く参画してきました。
「私たちは基盤系の領域を担当していて、約1年をかけて順次新しいシステムへ移行していく大詰めのフェーズにあります。具体的には、環境のメンテナンスから、追加要件に伴う変更管理の取りまとめ、さらにはシステムテストで発生した不具合の解消まで、複数のチームが並行して動いている状態です」
リリースに向けた最終準備が進む中、西牧自身は単一のチームを専任で率いるのではなく、全体を俯瞰しながら柔軟に各所をフォローするサポート役として立ち回っていると言います。
「今は、あらゆる業務を担っているような状態です。発生した事象に都度対応し、こぼれ落ちそうなタスクを確実に拾い上げていく役割ですね。基盤領域で少しでも見落としがあれば、本番環境での重大なシステム障害に直結してしまいます。
そうした事態を未然に防ぐため、限られたリソースの中で優先順位をつけ、最終的にどの要件をリリースに含めるかを整理しています」
社会インフラとも言えるミッションクリティカルな金融システムを支え、多忙な日々を送る西牧。プレッシャーの大きな環境ですが、仕事と向き合う上で揺るぎない価値観があります。
「ワークとライフ、その両方に100%の力を注ぐことです。合わせて100%にするのではなく、仕事にも一切手を抜かず全力で取り組み、同時に家庭や自分の生活にも100%の力を入れる。それが私のブレないスタンスです」
150%の熱量で駆け抜けた若手時代。属人化の不安を希望に変えた入念な引き継ぎ
西牧がIT業界、そしてDXCテクノロジー・ジャパン(以下、DXC)の前身企業のひとつである日本ヒューレット・パッカードへ入社を決めた背景には、学生時代の経験がありました。
「大学院では情報系を専攻し、ロボット工学を研究していました。研究室の仲間と徹夜でプログラムを組み、ロボットの大会に出場したのですが、そこで『チームで1つのシステムを作り上げる難しさと大変さ』を痛感したんです」
この気づきが、西牧の就職活動の軸を形成します。
「自分が作ったプログラムでさえ動かすのが大変なのに、他の人が作ったものと組み合わせるとさらに動かなくなる。これを社会の仕事として、高い品質で提供している企業に強い興味を持ちました。5人、10人ではなく、より多くの人が関わる大規模なシステム開発に挑戦したい。そう考えたことが、入社の決め手となりました」
入社後、西牧は金融業界のお客さまを担当し、システム保守や開発プロジェクトを経験。その後、システムの土台となる環境を構築するチームに配属されます。一方、プライベートでは第1子の誕生を控え、育休の取得を検討し始めました。
「入社からの数年間は、苦労した分だけ自分が成長し、チームやお客さまに貢献できると信じていました。そのため、仕事には120%、150%の熱量で向き合っていたんです。
ただ、いざ育休を取ろうと考えた時、当時担当していた構築チームは新規参画のメンバーが多く、細かい技術的判断やレビューをすべて私が担っている状態でした。自分が抜けたら判断する人がいなくなり、現場が回らなくなるのではないかと強い不安を感じていました」
育休を取得したいという思いから、西牧は直属の先輩に相談を持ちかけます。1人で抱え込まず、すぐに周囲を頼ることができる風通しの良さも、DXCの魅力の1つです。
「先輩と一緒に私のタスクを細かく分解し、『この領域ならこの人に任せられる』『この業務は数カ月あれば他のメンバーでも対応できるようになる』と具体的な作戦を練りました。
さらに、半年以上前からメンバーにも育休取得を伝え、一人ひとりの担当領域を明確にしながら実際の引き継ぎを進めていきました。先輩自身も過去に育休を取得していたこともあり、『業務の調整はつくから絶対に取得したほうが良い』と前向きに励ましてもらえました。その言葉で心理的なハードルが下がりました」
上司へ報告した際も、温かい言葉が返ってきたと言います。
「上司にも『家族ファーストでいいからね』と温かく言ってもらえたんです。自分の生活を最優先にしつつ仕事を頑張ってくれればいいと激励され、純粋に応援してくれる環境があるのだと心強く感じました」
周囲の理解と、属人化を解消するための準備を経て、西牧は育休へと踏み出しました。
プレイヤーからリーダーへの意識改革。育休を経て気づいたマネジメントの奥深さ
わが子が生後2カ月から3カ月を迎える頃、西牧は約3週間の育休を取得しました。
「子育ては、小さなプロジェクトの絶え間ない積み重ねのような感覚でした。ミルクをあげる、おむつを替えるなど、一つひとつの作業は重たくなくても、子どもが呼んでいたり泣いていたりと、常に何かが起きて対応に追われます。子どものペースに合わせて無我夢中で応えているうちに、瞬く間に1日が過ぎ去ってしまうのです。
それでも、平日に妻と子どもを連れて気兼ねなく外出できたことは、本当にかけがえのない時間でした」
3週間後、職場に復帰した西牧を待っていたのは、不在の間も滞りなく進んでいたプロジェクトと、機能しているチームの姿でした。
「現場に戻って率直に感じたのは、私がいなくても業務は問題なく進行しているのだなということでした。これまで一緒に仕事をしていたメンバーは、何かあれば必ず私に確認してから作業を進めていました。
それが、私が不在の間は自らどうすべきかを考え、お客さまとの折衝まで行ってくれていたんです。私が指示を出さなくても、『着手してほしい』と考えていた課題を先回りして拾い上げてくれており、そこにメンバーの確かなマインドの成長を感じました」
この経験を通して、西牧の意識は大きく変化したと語ります。
「育休前はプレイヤーとして最前線で実務をこなしていましたが、不在の期間を経て、メンバーに任せるリーダーの視点へと意識が変わりました。育休を取得するためには、『自分がいなくても回るチーム』をあらかじめ作っておく必要がありました。そのために行った業務整理や引き継ぎが、結果的に半年先を見据えたチームづくりの良い予行演習になっていたんです。
復帰した時にはチームが構築されつつあったので、そこから先は彼らに任せられるようになりました。育休をきっかけに、マネジメントのおもしろさに心から気づくことができたんです」
「なくてはならない」と「いなくても回る」の両立。変化を恐れず理想の働き方へ
チームの自立を実感し、マネジメントのおもしろさに目覚めた西牧。特定のチームをメンバーに任せられるようになったことで、現在は複数のチームを横断的に支援するポジションへと役割を広げています。それに伴い、限られた時間の中でパフォーマンスを最大化するため、日々の働き方にも大きな変化が生まれました。
「夜は子どもの世話や入浴などがあるため、以前のように労働時間を延ばして補填する働き方が難しくなりました。その分、時間の使い方を強く意識するようになり、プロジェクトのリリースや保守に直結する優先度の高い業務から確実に対応していくようになったのです」
組織を育てることへ関心を抱く西牧は、今後のビジョンと次世代リーダーとしての葛藤を明かします。
「私が担当する為替システムは影響範囲が多岐にわたり、業務的にも難易度が高いため、長年現場にいる人でないとわからないことがたくさんあります。そのため、チームにとって『なくてはならない存在』でありたいと思う一方で、新しいメンバーが入ってきても業務を滞りなく進行できるように、属人化を脱却して『いなくても回る存在』にもならなければいけない。
その狭間で葛藤を感じながらも、これからはマネジメントやチームづくりに力を入れ、メンバーが自律的に育つ環境づくりを皆と一緒に楽しんでいきたいと考えています」
最後に、自身のキャリアを描こうとする若手人材へ向けて力強いメッセージを送ります。
「DXCには、親身になって状況を考え、受け止めてくれる上司や同僚が必ずいます。子育てをしながらキャリアも追求したいという、自分なりの生き方を諦めずに挑戦できる環境です。ぜひ、若い方にもここで一緒に新しい一歩を踏み出してほしいと思います」
育休というライフイベントを経て、新たな視座とチームの絆を手にした西牧。ライフステージの変化をキャリアの分断ではなく、自らの成長へと変えていけるDXCの環境の中で、これからも自分らしい働き方を体現していきます。
※ 記載内容は2026年4月時点のものです
