学生時代に打ち込んだことが活かせる職場
──自己紹介をお願いします。
千葉市稲毛区で生まれ育ち、大学は家政学部児童学科を卒業しました。父母とも金融業界の経験はありませんし、大学でも経済や経営の勉強は一般教養レベルでしかしていませんので、ほとんど何も知らない状態で入行しました。
児童学科では、子どもの成長や発達に関わることを学びました。ゼミでは、美術や造形を勉強して絵本を作ったりしていました。この年齢だったらこういう表現が伝わりやすいとか、月齢や発達段階によってはこういう色使いが読みやすいといったことも知りましたし、環境設計と表現の関係なども学びました。
卒業論文も、子どもや人間関係に関わることであればテーマは自由で、私は「しかけ絵本」について書きました。銀行とはまったく関係のなさそうなことばかり勉強していましたが、まさかそれが役に立つとは当時は予想もしていませんでした。
──就職活動について教えてください。
大学では、教職課程も履修し教員免許も取ったのですが、一般企業で社会人経験を積みたいと思い、業種はあまり絞らず首都圏の企業にエントリーしました。
就職活動する中で、私自身千葉県内でずっと育ってきたこともあって、地域に根ざした企業に魅力を感じるようになりました。地方銀行以外にも、地域貢献できそうな企業をいくつか当たっていく中で、ちば興銀での面接の時に「経済や経営といった銀行とあまり関係のない分野の経験を積んできた人こそ、力を発揮できる場面があると思いますよ」とおっしゃっていただいたことが、すごく嬉しかったことを覚えています。
「教員免許まで取って就職活動するなんてもったいない」と言われることも多かったので、励まされる思いがしましたし、ちば興銀で働きたいと思う大きなきっかけになりました。
「話を聞く」ことがはじめの一歩
──初任店のキャリアや印象に残っていることについて教えてください。
21年4月に入行し、6月から土気南支店のお客さまサービス課に配属されて、窓口業務や出納業務の基礎を学びました。
入行して感じたのは、ちば興銀はお客さまとの距離がすごく近いということです。銀行業務のイメージは、ATMや窓口でのやり取りくらいしかなかったのですが、どんどん外回りをしてお客さまとお会いし、信頼関係を構築していくことが大事なのだと実感しました。
10月からは同支店内のコンサルティング課の配属となり、ジョブローテーションとして個人営業だけではなく法人向けの融資事務なども一通り学び、年明けから個人渉外担当であるLC(ライフコンサルタント)見習いとして個人のお客さま向けのご相談やご提案をするようになりました。
ペアトレーナー制度があり、課長代理がトレーナーとして基礎から教えてくれました。もともと本部で若手のLCを育成されていた方で、経験も幅広く、どんな質問でも即座に答えてくださったのでとても勉強になりました。
──2か店目のキャリアや印象に残っていることについて教えてください。
23年4月からは小倉台支店コンサルティング2課で、新任のLCとして働いています。小倉台支店では、老後を見据えた資金運用や相続のご相談が比較的多いです。
相続税のシミュレーションをして、相談を重ねる中で生命保険の非課税枠のご案内をすることもありますし、年間の一時所得の金額によって確定申告が必要になった方に、会計士さんをご紹介して確定申告を依頼するといったビジネスマッチングをご提案することもあります。
千葉都市モノレールが開通して小倉台駅ができるまでは、このあたりは公共交通の便が悪く、この小倉台支店がATMを除けば今でもエリアで唯一の銀行支店です。
そのため、お付き合いの長いお客さまは多く、ふらっと立ち寄られる方も「ちょっとこの話を聞いてもらいたくて」とお電話をくださる方も少なくありません。どんな些細なことでもご相談していただければと思いますし、実際にご相談いただくと、ちば興銀で対応できることだけではなく、ニーズに合った企業やサービスとおつなぎできることもかなりあります。
「こんなことまでお願いできるの?」と驚かれる方もいらっしゃいますので、気軽な相談相手であることをお伝えしていければと思っています。
ちばコーギーが広げてくれた「つながり」
──ちばコーギー誕生の経緯を教えてください。
入行した年は、22年3月のちば興銀70周年に向けた記念事業が準備されていて、オリジナルキャラクターの募集も行われていました。行員やその家族から54点の応募があったのですが、新人の私はまだ仕事に慣れるのに精一杯で、応募をしようとは考えていませんでした。
しかし、隣のデスクの方に「出してみなよ」と勧められたことが応募のきっかけになりました。普段の会話の中で私が大学時代に絵を勉強していたことなどを覚えていてくれたのだと思います。
いくつか案が浮かんだ中で、「興銀」と「コーギー」をかけて「ちばコーギー」という犬にするアイデアはキャッチーに思えましたし、キャラクターの名前からすぐに銀行名を思い出していただけそうだと思い、実際に絵にしてみました。
このコーギーは、窓口でのお預かりやお渡しに使う「カルトン」というトレイに乗っています。私はコロナ禍のさなかに入行して、お客さまとのやり取りはいつもパーティション越しでしたが、カルトンがお客さまと私たちをつないでくれる存在に感じられていました。そんな思いと、銀行らしさも加えられるかなと考え、このようなデザインにしました。
──どのような反響がありましたか?
その後は、日々の業務でバタバタしており、応募したことをすっかり忘れたころに「選ばれたよ」と教えられてびっくりしました。名刺やチラシ、ポスターが作られたり、ZOZOマリンスタジアムのバックネット裏の広告に出たりと思っていたよりもちばコーギーを目にする機会が多く、私自身が一番驚いています(笑)。
お客さまに「じつは私が作ったんですよ」とお伝えすると驚かれ、話のタネになるのは営業担当としてとても助かっています。表彰状と副賞をいただいたのも嬉しかったのですが、お客さまからの反応を多くいただけたことが何より嬉しかったですね。
さらに嬉しかったのは、ちばコーギーを主人公とする絵本の制作のお話をいただけたことです。細かい設定を広報の方と相談しながら、iPadを使って全ページを手描きした『ちばのいちばんしってた?』は、各支店がお取引させていただいている保育所や幼稚園にお渡しし、幅広く読んでいただくことができました。
私も贈呈式に出席し、子どもたちに読み聞かせをする経験ができました。読者層として想定していた年齢層の子どもたちがすごく楽しんで盛り上がってくれたので本当に嬉しかったし、貴重な体験をさせていただいていると強く実感した時間でした。
その後も新聞などで取材していただいたこともあって、図書館や保育所からの寄贈のご要望をいただいたり、保育園で読み聞かせを聞いたお子さまが、「クリスマスプレゼントにちばコーギーの絵本をください」とサンタさんにお願いしたという話も聞いたりしました。さらに、小学2年の時の担任の先生から「新聞で知りました。絵が得意な子だったから間違いないと、嬉しくなって」とお葉書をいただいたこともありました。想像もしていなかったいろいろなつながりが、ちばコーギーから生まれていて、嬉しい驚きの連続です。
──ちばコーギーの制作で大変だったことがあれば教えてください。
一方で、大変なこともありました。本業は支店での営業活動ですので、ちばコーギー関連の業務は、手当対応の休日出勤をして制作を行いました。休みの日にも仕事のことを考え、アイデアを生み出してイラストの作画などを行うことに初めは慣れずに苦労しました。
ただ、制作に関しては自分の趣味や特技を存分に発揮できる場でもあったので、とても楽しんで取り組むことができました。0から1を生み出すことは容易ではないですが、日常の中にヒントがあったり、不意にアイデアが下りてきたりと、だんだん形になっていく過程も経験することができ、とても貴重な時間を過ごすことができました。
お客さまから学び、地域にお返しする
──ちばコーギーを通じてどのような思いがありますか?
私も銀行員にならなければ、今の年代で銀行の支店に足を運ぶ機会はほとんどなかったと思います。ですが、ちばコーギーのおかげで子育て世代のお客さまや、そのお子さまとの関係性が生まれたことを本当にありがたく思っています。
街で見かけるキャラクターがいることで、銀行という堅いイメージが少しでも柔らかくなって気軽に入れる場所になれると嬉しいですね。
──銀行員としての経験はどのように感じていますか?
銀行員としての私自身は、3年目でキャリアも浅く、経験値がまだまだ足りないと感じています。銀行員としての経験だけではなく、人生経験を積めば積むほどお客さまのニーズにきめ細かく対応できるようになるのではないかと考えています。
ほとんどのお客さまは、私よりも人生経験が豊富でいらっしゃいますので、皆さまのお話をじっくりとお聞かせいただくことで、私の見識や知識が広がるきっかけとなっています。お客さまに育てていただいているというのが、正直な実感です。
──ちば興銀の職場環境はどうですか?
経済や金融の知識を持たずに入行しましたが、絵を描くことも含め大学で人と人とのつながりを大切にするコミュニケーションを学んできたので、在学中に打ち込んでいたことが役に立っていると思います。お客さまが感じている不安を引き出したり、抱えている問題を推し量って解決策を一緒に考えたりするためには、いろいろなアプローチを身につける必要があります。
まだまだ力不足ではありますが、大学で一生懸命に取り組んでよかったと強く思います。行員一人ひとりの個性や得意分野を認め、伸ばしてくれる会社であることにも感謝しています。
行員の皆さんが口を揃えるように、ちば興銀はお客さまとの距離がとても近い銀行です。社会貢献や地域貢献に興味のある方でしたら、本当に魅力的な職場だと思いますね。
──今後の目標について教えてください。
今後の目標は、お客さまから「RIKA.Kさんだから任せたい」と思われる存在になることです。お客さまと日々対話をしていく中で、信頼関係の上に成り立っている仕事であるということを実感しています。「RIKA.Kさんがいるから頼みたいな。相談したいな」と思っていただけるような、頼れる相談相手としてお客さまとの心の距離が近い存在でいたいと考えています。
また、将来的には、ちばコーギーを作成した経験を活かして、銀行全体の認知度の向上や、ちば興銀のイメージを彩ることができるような仕事もできたらと思っています。
※ 記載内容は2024年2月時点のものです
取材・撮影 柳瀬 徹
