AIと人間が協力して「設計開発」の効率化をめざす
1999年にアビストに入社した石塚は、現在デジタルソリューション開発センターでリーダーを務めています。同センターでは、デジタル技術を活用して設計開発業務のさまざまなツールやソフトウェアを開発しています。
「デジタル技術を使って単純作業や時間のかかる作業を効率化し、開発のスピードや品質を向上させるシステムやツールを作るグループです。プロジェクトの規模は小さなものから大きなものまでさまざまです。現在、グループには5名のメンバーがいて、それぞれが得意な分野(CATIAマクロやPythonなど)を活かしながらプロジェクトを進めています」
「設計開発」の効率化をめざして、石塚たちはこれまでにさまざまな開発を進めてきました。
「これまでの実績として、3D図面を2D図面に自動変換するツールや、CADの繰り返し作業を自動で集計するマクロがあります。また、『QAシステム』という、設計開発エンジニア社員のノウハウを蓄積・共有できるシステムを作り、社員のスキル向上を図っています。
これらのツールは社員の日常業務に役立っています。最近では、AIを活用してさらに高度な自動化に取り組んでいます。イノベーションセンター(※)や協力会社と連携し、図面の品質チェックを自動化するツールの開発を進めており、このプロジェクトは現在、もっとも力を入れているものの1つです」
※ イノベーションセンターとは、AI/ARを活用した先進技術開発を行う機関のこと
さらに、生成AIの登場により、開発の可能性が大きく広がっていると続けます。
「たとえば、エンジニアのアイデアをもとに、AIが複数の設計案を自動で作成したり、過去の設計データをもとに新しい製品の初期デザインを提案したりすることが可能になります。しかし、現時点ではAIはあくまでツールであり、最終的な判断や品質の管理は人間が行います。
これからの課題は、AIと人間がそれぞれの強みを活かして、協力しながら働ける環境を作ることだと考えています」
チームを引っ張る石塚ですが、開発を進める上で大事にしていることがあります。
「私が常に心がけているのは、大きな目標よりも、達成可能な小さな目標を設定し、着実に成長していくことです。また、開発を進める上で、多くの人とコミュニケーションを取りながら進めるよう努めています。相手が相談しやすいように、年齢や立場に関係なく接することを意識して日々業務にあたっています」
開発からPLまで経験。忙しい日々で考え始めた「楽に成果を出す工夫」
石塚がアビストに入社したのは1999年で、新入社員の第一期生でした。入社後は約5年間、主にJava(プログラミング言語)を使ったシステム開発に従事し、その後は金融業界や官公庁向けのシステムインフラ開発に携わりました。
「ものづくりへの興味から、システムやソフトウェアの開発を通じてその探求を続けたいと思い、アビストに入社しました。金融業界のシステム開発は非常に忙しくありましたが、その開発から運用、メンテナンス、廃棄に至る一連の流れを学べたことはとても良い経験で、今の仕事にも役立っています」
開発プロジェクトを経験した後、複数のプロジェクトを管理するPL(プロジェクトリーダー)も務めるようになりました。また社会インフラに関わるシステム運用の仕事も担当し、とても忙しい日々の中でも、やりがいを感じていました。
「30代半ばになると、もう少し楽に仕事を進める方法を考えるようになりました。通勤時間を短縮するために引っ越しをし、仕事の進め方を見直しました。『どうすれば楽に成果が出せるか』を常に考えるようになり、空いた時間を利用して面倒な作業を簡単にするツールや、繰り返しの多い作業を自動化するプログラムを作成しました。
気づけば、『楽をする』ための工夫が、自分の中での小さな挑戦になっていましたね。今思えば、この『楽をしたい』という素直な気持ちが、結果的に現在の自分につながっているのかもしれません」
プロジェクト管理から自社開発へ。険しい道を乗り越え続ける情熱
2019年、アビストはAIソリューション事業本部を立ち上げました。デジタル技術の進化に伴い製造業界のビジネス環境が変化する中で、自社の技術を活用したものづくりへの貢献をめざしています。長年システムエンジニアとして経験を積んできた石塚は、この事業の拡大を支援するため、アビストの自社開発に携わることになりました。
「ある日、興味深い提案を受けました。それは、アビストの強みである機械設計とITのノウハウを組み合わせて、設計開発の効率を高めるツールを作れないか、というものでした。当時の私は、プロジェクト管理の業務が多く、実際の開発からは距離がありました。しかし、自分自身が常に効率的な仕事の仕方を模索してきたので、この課題解決には強く共感したんです。開発の現場に戻る絶好の機会だと思い、迷わず挑戦を決意しましたね」
その後はAIソリューション事業本部と連携し、AIを活用した設計効率化や作業自動化など、生産性向上に向けたさまざまな開発を進めました。プロジェクトの規模も大きくなり、携わる仲間も増えてきました。
「開発の道のりは想像以上に険しく、今でも実際には使われなかったツールや活用されなかったシステムと向き合うことがあります。しかし、これらの経験を無駄にせず、常に学びの機会として捉えています。問題の本質を見極め、改善策を模索する。この姿勢を貫くことで、少しずつですが前進を感じています。理想とする結果にはまだ遠いですが、この試行錯誤の過程こそが、私の仕事への情熱を支えています」
前向きな気持ちでものづくりを楽しみ、誰もが使いやすい開発でアビストに貢献していく
石塚たちのデジタルソリューション開発は、石塚自身も手ごたえを感じていると語ります。
「図面の品質チェックの自動化には高い需要を感じています。一日でも早く実用化につなげ、社内外の人たちに使ってもらえるよう、プロジェクトとして全力を尽くしていきたいです。このプロジェクトがうまく進めば、応用したツールの開発や横展開を行い、さらに領域を広げていけると考えています」
アビストのデジタルソリューション開発の強みは、設計開発において本当に求められている生の声を把握し、それを活かせることにあります。エンジニア社員が普段から顧客先と密に連携しながら開発を進めることで、社員が感じる課題やニーズは顧客先でも共感されるものとなり、その声を直接反映させて実際に求められるものを開発できます。石塚はこれからも新たな開発を積極的に進めていきたいと考えています。
「新しい開発を進める際にもっとも難しいのは、実は『欲張らないこと』です。多くの要望が寄せられますが、それらをすべて取り入れようとすると、逆に使いづらいものになってしまいます。機能を増やすとインターフェースが複雑になり、動作が重くなります。その結果、誰もが効果的に使えないツールになってしまうんです。
重要なのは、本当に必要な機能を見極め、多くの人が求める本質的な部分をシンプルに実現することです。使う人の立場に立ち、必要十分で、誰もが使いやすいものを開発するために、これからも取り組んでいきたいと思います」
最後に、エンジニアとして長年経験してきた石塚が、これからアビストでエンジニアとして活躍する仲間に向けてこのようなメッセージをくれました。
「『技術』よりも、どうやったらうまくできるか『前向きに考えること』が大事だと思います。建設的な意見を出し合い、ものづくりを楽しむ気持ちを持って仕事を進められる仲間と働けることを嬉しく思います。自分自身も人間関係を大切にしながら、社内外の皆さんに最大限貢献できるよう、これからも開発に取り組んでいきたいですね」
石塚の情熱と使命感は、多くの人にとって大きな原動力となっています。技術が進化とともに進む設計開発の道は、決して平坦ではありません。それでも、石塚が挑戦し続ける姿勢が未来を切り拓くと信じ、アビストはその挑戦を全力でサポートし続けます。
※ 記載内容は2024年8月時点のものです
