さまざまなプロジェクトを抱えるランプ開発のリーダー
ランプの設計開発に携わっている細美は、現在チームリーダーとして多くのプロジェクトを同時並行で進めています。
「現在、グローバルSUVとコンパクトカー、ピックアップトラックに搭載されるランプの開発を行っています。ランプに関わっているのは40人ほど。その中で私が任されているチームは4人で開発に携わっています。
グローバルSUVは全世界で販売されており、ランプは販売先の国々で仕様が異なるため、多数の開発を同時進行しています。1つの車種で設計から販売まで約3年かかります。図面の段階からスタートし、部品の段階、実車が完成した段階などさまざまな段階でテスト・評価を行い、修正点があれば修正を行っていきます。
図面の段階では問題がないと思っていても、実際に部品が出来上がってくると、十分な光量が出なかったり、意図しない見栄えになっていたりと課題が見つかることもあります。その場合は、図面から検討をしたり、部品を手加工したりして対策を考えます。車が量産段階に入っても不具合が報告されることはありますし、生産が終了する前にモデルチェンジの検討を始めるので、常にいくつもの開発を抱えている状態です」
「信頼されること」を最も大切にしていると言う細美。チームメンバーにも場所や状況に左右されずに、信頼感のある活躍ができる人になってほしいと話します。
「チームで仕事に取り組むので、自分1人ががんばればできるものではありません。チームのメンバー全員が力を発揮することが大切で、メンバーにはどこにいても、どこで仕事をしていても第一線で活躍できる人になるよう教育しています。
仕事をする上で大切にしていることは、チームワークです。どんな仕事でも1人で完結できる仕事はないと思っています。周囲との信頼関係を構築し、協力しながら仕事をすることがとても大切です」
初めてのプロジェクトから一貫してランプ設計に携わり続けてきた
大学では航空宇宙工学を専攻していた細美は、自身が設計した車が走る姿に憧れ、新卒でアビストへ入社しました。
「飛行機が好きだったので、就職も航空関連を軸に最初は考えていました。大学でCADの使い方を学んでいたので設計にも興味がありましたね。就職活動を進める中で、車は当たり前に走っていて、みんな乗っている。そんな車を『これは自分が設計したんだ』と言えたらいいなと思うようになりました。
アビストは車に強い上、車以外の製品にも関われる可能性があり、魅力的だったので入社を決めました。入社してからこれまでランプの設計をしています」
入社してから一貫してランプの設計開発に関わっている細美。入社当初はグローバルセダンのプロジェクトで経験を積み、3~4年目に初めて主担当として高級セダンの開発初期から携われたと話します。
「高級セダンの企画では、主担当を任せてもらう機会がありました。それまでは上司の指示のもと、補助的な仕事がほとんどでした。初めて開発初期から任せてもらえたことに、とてもワクワクしたことを覚えています。けれども実際に携わってみると難しく、悔しさを噛みしめることもたくさんありました」
周りの支えを頼りに乗り越えた壁。次につなげる仕事の仕方とは
主担当として次のステップに進んだ細美は、そこでさまざまな経験をします。ある車の開発に携わったときのことが、一番印象に残っていると当時を振り返ります。
「この車のランプ配置はユニークで、これまで担当していた車種と同じ考え方ではうまくいきませんでした。しかも自分自身の仕事が遅く、最終的には上司に助けてもらうことになりました」
うまくいかなかった原因は、自身のコミュニケーション不足とベンチマーク不足だと細美は分析します。
「わからないことがあれば、もっとほかの人に聞くべきでした。部品の設計には仕入先や他部署の担当者、工場の現場担当者などさまざまな人が関わっています。理解した上でやってくれているだろうと思っていても、相手と自分で認識に誤差が生じることもありました。
当時は現在のようにチャットなどもなく、気軽に質問や調整ができませんでした。相手とのコミュニケーションには少し遠慮があったように思います」
最初の一歩は踏み出しにくかったものの、コミュニケーションを取ることはそんなに難しいことではなく、心配することもなかったのかと、気がついたと言います。
「ベンチマークに関しては、同じような車種の図面をまず見ることから始めます。当時は2~3車種分を見れば十分だと思ってしまっていましたが、それでは不十分でした。そのときの反省を生かし、チームメンバーにはベンチマークを徹底するように指導しています。そのときに直接使われず無駄になったとしても、次の仕事につながると思っています」
自身の改善だけでなく、周りのサポートがあってこそ、乗り越えられたとも語る細美。次のように続けます。
「上司から『一人でやってみろ』と挑戦できる環境を用意してもらい、やれるだけやってそれでもできなかったときには、明確な指示をもらいました。私が1人ではできなかったことに対して、次から次へと指示を出し、仕事を片付けていく姿はとてもかっこ良く、いつかはこの上司のようになりたいと思いました」
大切なのは一歩前に出る勇気。適切なコミュニケーションで想いを伝える
今後、チームメンバーを増やし、より大きい仕事をしていきたいとの夢を持つ細美。そのためには自身の技術力の向上と後輩育成が必要だと語ります。
「チームが大きくなるだけでなく、後輩が新しいチームを立ち上げて活躍してくれると嬉しいですね。そのためには経験を積み、技術力を上げることと後輩の育成が必要です。後輩の育成については、私が上司にやってもらったように、『1人で挑戦できる環境』を用意し、私はサポートに徹することを心がけています。
人によってコミュニケーションの取り方はいろいろあると思います。職場の先輩で誰からも好かれるコミュニケーション力にとても優れた方がいます。その方の周りには自然に人が集まってくる雰囲気がありとても話しやすいんです。その方のように、話しかけやすい雰囲気づくりをしたり、言葉遣いに気をつけたりするほか、自分からも積極的に話しかけるようにしています」
新入社員からの相談もよく受ける細美が、最後にメッセージを伝えてくれました。
「技術力を高めるために、どうすればいいか聞かれることが多いです。技術力は経験次第でなんとでもなると思います。大切なことはコミュニケーション力。
コミュニケーションは大切だとわかっているけれど、とても奥が深く難しい。一歩自分から出る勇気が必要です。大変だし、疲れることもあるかもしれない。けれど、一歩出てみるとそんなに難しすぎることもなく、世界が広がっていきます。人と話すこと、伝えることを恐れず、多くの人と良好な関係性を築いてほしいと考えています」
約3万個の部品から成る1台の自動車。その部品一つひとつに情熱と努力が詰まっています。
※ 記載内容は2023年3月時点のものです
