サッカーで培ったリーダーシップと車への情熱が導いた就職活動
学生時代を振り返ると、小学校から続けていたサッカーが私の人格形成に大きく影響を与えました。とくに大学のサッカー部では、監督やコーチが不在という特殊な環境の中で活動することで、チームの勝利への貢献意識が強まりました。チームに不足している課題を冷静に分析し、セットプレーの練習など具体的な練習メニューを提案するなど主体的に行動しました。その結果、チームは3部リーグから2部リーグへの昇格を果たし、仲間たちとともに大きな達成感を味わうことができました。この経験は、自ら課題を発見し解決策を形にする行動力と分析力を養う契機となりました。
サッカーで培った経験は、就職活動における企業選びにも影響を与えました。私が重視していたのは、完成車メーカーであること、そして「自分の仕事にやりがいを見つけられること」でした。やりがいを感じられなければ仕事を長く続けることは難しく、嫌々取り組む仕事では自己成長も望めないと考えたからです。また、自分が開発に携わった車を購入し乗りたいという想いも強く持っていました。さらに、多岐にわたる事業で活躍する企業であることや、仕事のやりがいと成長につながる業務に携わりたいと思っていました。
豊田自動織機については、入社前からL&F、自動車、コンプレッサー、エンジン、繊維事業など多事業で高い実績を誇る企業だという印象がありました。特にRAV4が世界SUV販売台数1位であることや、L&F、コンプレッサー、繊維事業が世界シェア1位という事実は、確かな技術力を物語っていると感じました。また、フレックスタイム制を導入している働きやすい環境や、「社員は家族」という温情友愛の精神が、長期的に働き続けるうえで大きな魅力でした。
豊田自動織機への入社を決めた最大の理由は、同社がかっこいいSUVを開発していることを実感したからです。モーターショーでコンセプトカーを見た瞬間、「かっこいい」と心から感じ、自分もSUVの車両開発に携わりたいという強い思いが湧き上がりました。もともとSUVが好きだった私にとって、その車両開発を行えることは理想的なキャリアだと感じました。また、この仕事に携われることでモチベーションを保ちながら自己成長を実現できるとも確信しました。就職活動という人生を左右する大きな選択において、企業の実績、仕事内容、社員の雰囲気などあらゆる面を慎重に見極めた結果、豊田自動織機が最適な選択肢だと判断しました。
企業理念から実践まで、充実した研修と配属への道のり
入社後の研修は、まず新入社員全員での集合研修から始まりました。そこでは豊田綱領について深く考える時間が設けられ、企業理念をしっかりと理解することができました。この研修を通じて、自分がこれから働く会社がどのような価値観を大切にしているのか、その根幹を学ぶことができたのです。
その後は技術職としての集合研修に移り、仕事に必要な座学の勉強を行いました。基礎知識を身につけることで、実際の業務に向けた基盤を固めることができました。そして、工場実習で自動車の製造ラインでの実車への部品組付け作業を経験しました。最初は慣れるまでが大変でしたが、作業手順を理解し工程の造りを学ぶことで今の設計業務に活かすことができています。
入社後から現在まで、私はずっとボデー設計を担当しています。一つの専門分野で経験を積み重ねることができているのは、自分にとって大きな財産だと感じています。
配属後、大きなギャップを感じたのは、設計者が担当する業務の幅広さでした。車両設計においては、1ミリ、1グラム、時にはそれ以下の数値を基に採否を議論することが少なくありません。製品のばらつきを考慮し、最悪の状態でも不具合が発生しない車両構造をあらゆるエリアで確認しながら設計を進める必要があり、決して容易な仕事ではありませんでした。しかし、このように細部へのこだわりを持って取り組むことで、良質な車両構造が実現できることを強く実感しています。また車両デザインの検討から販売後の市場品質確認まで幅広く業務を行うことができるのも魅力の一つです。
世界No.1の車をめざして:ボデー設計としての挑戦と成長
私たちの部署のスローガンは「世界No.1の車をめざして、正しい開発を正しい手順で、全員で愉しもう!」です。私は現在、新型車のドア周りに関わるボデー設計を担当しています。この業務を通じて、多くの挑戦や成長を経験してきました。
最も印象深かったのは、開発後半にドア構造を一新した際、対策の主導を任されたことです。開発期間が厳しく定められる中、原因調査から対策案の立案、そして対策実施後の日程調整に至るまで、すべてを取りまとめる役割を担いました。関係部署や仕入先との密な情報共有を心がけながら進めましたが、大きな問題が発生する場合、関係者が多岐にわたるため調整にはかなりの時間を要します。しかし、構造検討だけでなく背反検証や織り込み日程の議論など、全員を巻き込んだ形で対策を実施し、最終的に課題を解決できたときの達成感は非常に大きなものでした。これにより、自らが主体となって動くことの重要性を強く実感しました。
また、グローバル展開する車両の開発に携わる中で多くの課題にも直面しました。担当する車両は国内はもちろん、北米や中国でも生産されるため、各拠点の対応可否の確認や円滑なコミュニケーションが求められました。そこで、部署内の海外研修制度を利用し、1年間北米へ研修に参加する機会をいただきました。北米では品質管理部として工場の不具合対策に取り組むとともに、現地市場での車の使用状況や特有の文化を経験することができました。この研修を通じて得た知識は、設計開発に活かせる非常に貴重なものとなり、設計業務の視野を広げる契機となりました。また、妻と2人の子ども(当時2歳と4歳)もともに赴任し、海外生活を家族として満喫できたことは家族にとっても素晴らしい経験だったと感じています。現在では、北米との橋渡し役として、現地で得た経験を活かしながら活躍することができています。
設計業務を通じて、学生時代と比べて大きく成長したと実感しているのは、問題解決能力、プレゼンテーション能力、そして失敗を恐れず挑戦する精神です。「現地現物」を徹底し、現場で不具合内容を確認し、真因を理解したうえで課題解決に臨む習慣が身に付きました。とくに失敗を恐れず取り組めるようになったのは、ドアのチーフとして設計業務を務めることになってからです。30代前半でもトヨタの車両開発をリードするような重要な役割を担うこともでき、品質の良い車両を生み出すためには、自分で解決するしかないと感じたことで主体的に動けるようになりました。その結果、自ら良し悪しを判断し、関係者と議論を重ねながら方向性を決定できるようになったことが、私の大きな成長だと確信しています。
世界に誇れる車づくりへの挑戦と未来の目標
今後の目標は、設計者の視点に加え、製造、生産技術、品質管理の観点も取り入れた車両設計を行うことです。現在は業務改善チームの一員として、仕事の流れを「視える化」し、改善ポイントを議論しながら対策を講じる活動にも取り組んでいます。製造現場や品質管理部門の課題を把握し、それを今後の開発車種に横展開することで、より働きやすく、高品質な車両づくりに貢献することをめざしています。
また、中長期的な目標としては、ボデー設計の枠を超えて内装や機能設計など他分野の設計を経験することで、さらなる知識とスキルを磨きたいと考えています。そして将来的には車両企画のポジションに就き、車両全体の開発日程をマネジメントする役割を担いたいと思っています。このためには、車両開発の全体工程を深く理解し、設計面だけでなく製造やモノの作られ方まで考慮する俯瞰的な視点を養うことが必要だと感じています。そのためのスキルと知識を着実に身につけ、ステップアップをめざします。
当社をめざす方々には、ぜひグローバルな活躍を視野に入れていただきたいです。たとえばRAV4は、世界180以上の国と地域で販売される車両であり、開発から生産までのプロセスには海外拠点を含めたグローバルのコミュニケーション力が欠かせません。そして、成功のために最も重要なのは、困難に直面してもあきらめずに挑戦し続ける気持ち、周囲とのコミュニケーションを大切にする姿勢、そして仕事の意義を感じながら取り組む情熱です。世界中で愛される車両を企画・設計・開発・生産したいという想いを持つ方とともに働くことで、さらに大きな目標に挑戦できると確信しています。一緒に世界No.1の車両を作りましょう。

