ITの力で業務改善をめざす「製造管理グループ」で課長を務める
東洋製罐本社にある生産統括室は、全社的な会議運営や生産部門のデータ分析・問題解決、各事業の業務推進などを担う役員直轄の部署。同室の中には製造管理グループと教育関連のグループがあり、奥田は前者の課長を務めています。
「製造管理グループの使命は、大きく分けて2つあります。1つはITや各種システムを活用し、東洋製罐の全国の工場をスマートファクトリー化すること。具体的には、生産設備や検査機能のデータを分析するシステムを作って工場の“見える化”を進め、製造部門の仕事の効率化や生産性の向上をめざしています。
もう1つは、RPAを活用した事務部門の業務改善。たとえば、定期的に発生する大量のデータ入力作業を自動化するなど、各部門の課題解決に向けた取り組みで、今後全社的に展開していく予定です」
メンバーは全部で10名。もともとは製造現場にいたメンバーが多く、皆プログラミング技術は独学で学んできたのだと言います。
「私自身はプログラミング経験がないので技術的なサポートはできませんが、メンバーがどんなシステムをどんな目的で作っているのか、しっかり把握するよう努めています。
また、私たちの仕事は作って終わりではなく、実際に現場で使った人の要望を聞き、改善していくことが大事だと考えています。だからこそ、時にはメンバーと一緒に工場に行き、製造部門の方たちとコミュニケーションを取るようにしています。
改善策を考える上では、自分の考えを押し付けるのではなく、みんなで意見を出し合い、より良いシステムを作れるように意識しています」
工場、本社、グループ会社や海外勤務も。さまざまな経験で培ったコミュニケーション力
大学を卒業した2005年に東洋製罐へ入社した奥田。茨木工場SCM(サプライチェーンマネジメント)課に配属となり、営業の内勤、生産計画や物流業務を担当しました。
「私自身は事務職でしたが、工場で現場の人と話しながら仕事をするのは楽しかったですね。工場にはベテラン社員も多く新卒の私とは年齢差がありましたが、それを感じないくらい一体感がありました」
東洋製罐の工場や、そこで働く人たちが好き──奥田がそう実感したのは、じつはある失敗がきっかけでした。当時、出荷の管理をしていた奥田は、検品の判定待ちだったトラックを誤って出発させてしまったのです。
「途中で気づいてトラックを止めようとした時、いろんな人が協力して動いてくれて、そのおかげで事なきを得たんです。
東洋製罐の、とくに工場には『人が大好き』という人が多くて、仲間に何かあれば『よし、一丁やってやるか』とか『お前が言うんだったらやってやるよ』と言ってくれる人が多いんです。そんな温かい雰囲気だからこそ、働くのが楽しかったですね。
茨木工場の人たちとは今も交流があり、たまに出張で行くとみんなで飲みにいくことも。こうしたつながりは私の大切な財産ですね」
茨木工場で8年間勤務した後、奥田はグループ会社への応援やタイでの駐在を経験。その中でも多くのことを学んできました。
「どちらのケースもSCMの業務改善が任務だったのですが、初めての土地、初めて会う人ばかりだったので、ひたすらコミュニケーションに注力しました。
とくにタイでは、言葉や文化も違いますし、先方からすれば『あなた誰?何しに来たの?』と思いますよね。そのため最初は、『私はこういう人です』『こういうことをやりたいと思っています』と、丁寧に地道に伝えることを心がけていました。
じつは私はパナマ共和国生まれという珍しい生い立ちなのですが、初対面の人とは、その話がコミュニケーションのきっかけになることが多くて助かりますね(笑)」
タイでの任務を終えた奥田は、本社の生産統括室で3年間勤務。その後、2021年に石岡工場に異動。ここで初めて、製造現場の管理運営を任されることとなったのです。
石岡工場で初めて課長職に。マネジメントのモットーは、尊敬する上司の教え
石岡工場に異動した当初は製造第三課の係長、その後製造第二課の課長へと昇進した奥田。メンバーのマネジメントにおいて大切にしてきたのは、やはりコミュニケーションでした。
「製造課と言えども、私自身は機械を直接扱うわけではなく、チームの運営とマネジメントに専念する立場でした。アルバイト含め60人ほどいるメンバーの性格や年次に合わせて一人ひとり違うアプローチをしていましたが、共通して伝えていたのは、『自分で考えることの大切さ』です。
たとえばメンバーから何か質問や相談をされた時、『あなたはどう思う?どうしたい?』とまずは彼ら彼女らの意見を聞くようにしました。人は考えることで成長しますし、人の考えで指示されるより自分の考えをもとに行動するほうがモチベーションも上がるはず。間違っても構わないから、自分で考え、挑戦してほしいと常に伝えていました」
奥田のこの考え方は、茨木工場時代、そして現在所属する生産統括室でも上司である方から学んだもの。
「よくメンバーに対して『自分が考えたこと、やってみたいことをやってみよう!失敗しても責任は俺が持つから』と言ってくれたんです。その姿がとても心強くかっこよかったので、自分もそういう上司でありたいと思っています」
自分で考えて行動しよう──この教えは石岡工場の工場長も同じ思想を持っており、工場メンバーへ常に伝えておりました。これが石岡工場のメンバーに浸透し、言動に少しずつ変化が出てきたことが嬉しかったと、奥田は当時を振り返ります。
「石岡工場の従業員は年齢層が幅広かったのですが、とくに若いメンバーが『次はこんなことがしたい』『あの業務はこうすれば改善できるのでは?』などと発言するようになってきた時は成長を感じましたね。私が『どうしたい?』と聞く前から自発的に考えるメンバーも増えて、チームとしてレベルアップしたのを感じました。
工場では、チームごとに目標数値を持っていて、それを達成しようと日々の業務に取り組んでいます。私が本社に異動になる直前、ついにチーム目標をクリアできたのも、こうしたメンバーの成長が大きいと思います」
大好きな仲間のために。AIなどの新たな領域を学びながら、業務改善をめざしたい
2024年からは再び本社の生産統括室に舞い戻った奥田。さまざまな業務システムを扱う製造管理グループの課長として新たな一歩を踏み出しました。
「IoTやデジタル化に関しては、東洋製罐は世間と比べてやや遅れているかもしれません。だからこそ今までの考えにとらわれずに、新しいことを取り入れていきたいですね。
たとえば今チームで主に活用しているのはExcelやAccessですが、今後はAIなども導入していく必要があるでしょう。新たな領域をメンバーと一緒に勉強しつつ、他部門とも連携しながら進めていきたいと思っています」
SCM業務を軸に、工場や本社、グループ会社や海外勤務などさまざまな経験を経た奥田は、自身のキャリアをこう振り返ります。
「入社当時は、この先ずっとSCMの仕事をしていくものと思っていましたが、製造部門の運営やチームマネジメントなど、いろんな業務・立場を経験させてもらったことが自分の強みになりましたし、たくさんの成長機会を与えてもらったと思います。
何よりも大きいのは、各部門に人脈ができたことですね。全国各地のSCM担当や工場の方たち、課長同士のつながりなど、何か相談や困り事があればすぐに連絡できる仲間が増えました。これは先輩方がいろんなチャンスを与えてくれたおかげです。私もメンバーたちに対して、いろんなチャンスを与え、成長を後押しできる存在でありたいですね」
東洋製罐に入社して18年超──「大好きな仲間がたくさんいるから頑張ってこられた」という奥田は、東洋製罐の魅力、そして次の目標をこう語ります。
「東洋製罐は、学びたいという意欲がある人にとってさまざまな成長機会がある会社だと思います。私自身、課長職として今年の4月から新しい職場に来て、これから学ばなければいけないことがたくさんあります。工場でも本社でも、年齢に関係なくチャレンジできるフィールドは多く、それを応援してくれる温かい仲間もたくさんいます。
今後は製造管理グループとして、ITやシステム面から大切な仲間をサポートしていきたいですね」
※ 記載内容は2024年5月時点のものです
