学生時代に力を入れたこと、いわゆる「ガクチカ」でボランティアの経験談を挙げる方も多いのではないでしょうか?また、中にはボランティア活動がきっかけとなり、就職活動の軸が定まったり、成し遂げたいことが生まれたという方もいるかと思います。
本記事では、ボランティア活動をきっかけに就活の軸や入社する企業を決めた方のエピソードとともに、社会人としてボランティア活動に参加している方のエピソードをご紹介します。
誰かを支援したい、助けたい、社会に貢献したい──そんな想いが周り巡って、自分自身にはどのように還元されるのでしょうか。
ボランティア活動で得られるものとは?
社会貢献という意味でも大きな価値のあるボランティア活動ですが、ボランティア活動は自己成長や学びの機会にもなり得ます。どんなボランティアに取り組むのかや目標・目的によって異なりますが、次のようなものが得られると考えられます。
・さまざまなスキルの向上
ボランティア活動をする上では、多様な人々と出会い、接することになるでしょう。他の人々に協力して活動したり、支援の対象となる方と接したりする上では、どのようにコミュニケーションを取るべきかを考え、経験を積むことでコミュニケーションスキルが向上するでしょう。
また、時にはリーダーとしてコミュニティを牽引したり、チームワークを発揮したりしながら、問題を解決していくこともあるため、さまざまなスキルや経験を培うことができます。
・自己成長の機会
活動をする中で、自ずとスキルが向上することもあれば、自分自身の足りない能力や経験を実感し、成長すべき点や改善点などが見えてくることもあるでしょう。自分自身を見つめ直し、成長しようと努力する経験や困難を乗り越えるという経験を得ることができるのではないでしょうか。
・自信をつけることができる
社会や他者への貢献を実感することで、自己肯定感が高まったり、活動を通して自分自身の成長を実感することで、自信につながったりすることもあるでしょう。
・視野が広くなる
実際に活動をしていく上で、ニュースやインターネットの情報からは見えなかった実情が見えることもあるでしょうし、自分とは異なる価値観や視点を持つ人やこれまで接することのなかった文化と出会うことで、視野が広くなるのではないでしょうか。
・ネットワークの構築
ボランティア活動に取り組む団体などに参加したり、いろいろな関係者と接したりすることで、人間関係の幅が広がります。こうしたつながりは別のボランティア活動に取り組む際や、社会人になってからのビジネスの場においても役立つこともあるでしょう。
今回ご紹介した内容はほんの一部と言えます。他にも、専門的な知識が必要なボランティア活動では専門性を高めることができたり、新しい環境を知ることで、人生の選択肢が増えたりすることもあるでしょう。
ボランティア活動が会社選びに与えた影響
ここからは、学生時代のボランティア活動がきっかけで、企業選びの軸が定まるなど、入社の決め手になった方のストーリーをご紹介します。
※掲載内容は記事公開当時の内容です。
▶︎株式会社 エル・ティー・エス
事業内容:コンサルティング(ビジネスコンサルティング、ITコンサルティング、HRコンサルティング)、ビジネスプロセスマネジメント、デジタル活用サービス
・業務内容:主に製造業のDX推進や業務変革、地域振興に取り組む
・ボランティアの内容:NPOに所属してネパールやインドネシアなど東南アジアを中心にボランティアに参加
・就職活動への影響:
玉城さん 「しかし、そこでまた新たな気づきがありました。それは、NPOにできることは限られるということ。とくに私が参加していた地域のNPOには、『この子たちを助けるのはこのNPO』という具合にNPOごとに受け持つ領域があり、行動が限られていたんです。また、そんな背景から、NPO同士の協力関係も生まれにくい状況でした。そこで、『この人たち、NPOをつなげる存在が必要だ』と思うようになり、それが次の私の目標になりました。
もうひとつ、資金がなくなったらそこで支援が止まってしまうことも、NPOへの就職を考え直した理由でした。経営の経験がない上、『どうにかして助けてあげたい』という優しい想いを持つ人たちが集まるので、どうしても利益度外視の活動になりがちなんです。
実際に、スタッフが倒れたり、出資者が途切れたりして支援が続かなくなるケースは少なくありません。そういった状況を目にするうち、健全な経営ができる人たちの紹介や、NPOで働く人が経営視点を持つための活動が必要だと考えるようになりました。
経営課題の解決も、資金繰りも、組織と組織が手を取り合う橋渡しも、すべてできるような存在になりたい。そう考えたとき、真っ先に頭に浮かんだのがコンサルタント。ずいぶん回り道をしましたが、自分がやりたいことを実現できる仕事にたどり着けたと思っています」
→ストーリー:保育士をめざした私がコンサルで志す夢。ビジネスの力で子どもたちを貧困から救いたい
▶︎株式会社かんぽ生命保険
事業内容:生命保険業
・業務内容:長野支店で、かんぽ生命の保険商品を取り扱う社員などへの支援に従事
・ボランティアの内容:フィリピンでボランティア活動に参加
・就職活動への影響:
岩渕さん 「担当者の方が言うには、『フィリピンにも、健康保険のような国の制度はあるけれど、日本には生命保険に加入している人が多いでしょう?でもフィリピンでは、生命保険は裕福な家庭の人しか入れない。施設にいる子や、貧困にあえぐ子どもたちは生命保険に加入するお金がなく、十分な医療が受けられないんだよ』と。この話を聞いて以来、生命保険の重要性について考えるようになりました」
→ストーリー:誰もが安心して暮らせる社会のために。入社3年目が紡ぐ“つながり”の先にあるもの
▶︎一般財団法人児童健全育成推進財団
事業内容:全国の児童館ネットワーキング、児童館・放課後児童クラブの人材育成支援、児童館の運営・活動支援、情報発信・調査研究
・業務内容:京都市「たかつかさ児童館」の館長を務める
・ボランティアの内容:障がい児施設や高齢者施設など数々の福祉機関でのボランティアに参加
・就職活動への影響:
その中でとくに自分に合っていると感じたのが、児童館の仕事でした。乳幼児から高校生まで、幅広い年代の子どもだけでなく、保護者とも関わることができて、多様な世代の支援に携われるところに魅力を感じ、就職を決心します。
→ストーリー:遊びを通じて子どもの声を聴く、児童館での何気ない日常はソーシャルワークそのもの
▶︎株式会社ゼネラルパートナーズ
事業内容:障がい者の総合就職・転職サービス(求人情報サービス、人材紹介サービス、就労移行支援事業、就労定着支援事業、就労継続支援A型事業)
・業務内容:発達障がい専門の就労支援事業所「リンクビー秋葉原」生活支援員
・ボランティアの内容:路上支援
・就職活動への影響:
原田さん 「大学を一年休学して、ビックイシューの活動にのめり込みました。路上支援を行っていて気がついたのは、ホームレス状態の方は何かの障がいがあるケースが多いということ。それに気づいた大学5年生のときから、福祉系の授業を積極的に受けるようになりました。
調べてみると、貧困にも障がいが深く関わっているケースがあることがわかりました。不利な境遇にある人が、貧困に陥りやすいんです。そこで、将来的に貧困支援の現場に関りたいと考えたとき、障がい者支援のスキルが必要だと感じました。
障がい者支援・就労などで企業を調べていたとき、ゼネラルパートナーズ(以下GP)に出会いました。『キラキラしているベンチャー』それが、最初にGPに対して抱いた印象でした」
→ストーリー:大丈夫という言葉を胸に。誰もが「助けてもらえる」、「なんとかなる」社会を目指す
▶︎NTT西日本株式会社
事業内容:日本電信電話株式会社等に関する法律に基づく、西日本地域における地域電気通信業務、地域電気通信業務に附帯する業務(附帯業務)、その他会社の目的を達成するために必要な業務(目的達成業務)及び西日本地域における地域電気通信業務とこれに附帯する業務を営むために保有する設備もしくは技術又はその社員を活用して行う電気通信業務その他の業務(活用業務)
・業務内容:イノベーション戦略室で、環境分野で持続的なビジネスのしくみづくりを担当
・ボランティアの内容:内戦終了後の復興途中にあったスリランカで短期ボランティアに参加
・就職活動への影響:
豊嶋さん 「途上国支援の現場で、環境保全や気候変動の分野で専門性を高める中、この先も環境保全の分野でずっとキャリアを築きたいと思う一方、環境保全や気候変動対策を持続的に進めていくためには、お金が回るしくみが必要だと感じる場面が多々あって。“ビジネス×環境”の分野に関心を持つようになっていきました」(中略)
海外で働く中で、環境問題が途上国だけのものではなく日本でも取り組む必要があると強く感じたと言う豊嶋さん。国内で地球環境の保全に貢献できるポジションを探していて出会ったのがNTT西日本でした。
→ストーリー:環境保全が当たり前の社会に。生物多様性を守る持続的なビジネスモデルの構築に向けて
▶︎株式会社みずほフィナンシャルグループ
事業内容:銀行業務、信託業務、証券業務、その他の金融サービスに係る業務を事業ドメイン(事業活動を行う領域)とする総合金融グループ
・業務内容:みずほ銀行築地法人部で法人営業を担当
・ボランティアの内容:海外ボランティアに参加し、カンボジアの子どもたちへの教育支援
・就職活動への影響:
梶山さん 「大学生のとき、海外ボランティアに参加し、カンボジアの子どもたちへの教育支援をしたことがあります。その際、助けを求めている人たちと間近で接したことで、『サポートを必要としている方たちの役に立てる仕事がしたい。社会貢献性の高い仕事に就きたい』と思うようになりました。
それから就職を考えたとき、その想いを叶えるのに一番近い仕事として目指したのが、国家公務員です。すべての国民を対象とする国の行政機関であれば、多くの人の役に立てますし、幅広く社会貢献ができるという考えでした。
その中でも、厚生労働省を選んだのは、身近な人が病気を患うなどして、健康の大切さを身にしみて感じた経験があったからでした」
→ストーリー:可能性を広げ、やりたいことを〈みずほ〉で叶える──国家公務員から転職した私の奮闘記
ボランティア活動が仕事に与えたシナジー効果
最後に、ボランティア活動が仕事によい影響を与えたと感じている方々のストーリーをご紹介します。
※掲載内容は記事公開当時の内容です。
▶︎株式会社NTTデータフィナンシャルテクノロジー
事業内容:データ通信システムの設計およびソフトウェアの開発・販売、データ通信システムに関する教育指導およびコンサルテーション、データ通信システムに関する技術および市場についての調査・研究・出版、データ通信システムの運営管理の受託、データ通信システム用情報機器の販売、データ通信システムに係る電気通信工事およびその他の設備工事の請負、労働者派遣事業、これらに附帯関連する一切の事業
・業務内容:セキュリティディレクション業務に従事
・ボランティアの内容:東京オリンピック・パラリンピックのボランティアに参加
・仕事へのシナジー効果:
池田さん 「開催期間中は実際に1カ月ほどの休みを取ってボランティアに参加しました。参加してみて、『ITをもっと進歩させれば、より便利でより快適な社会を作ることができる』と思いました。情報伝達が途絶えてしまったり、電話がつながらずに駆けずり回ったりすることも、イベントの雰囲気を出すには必要かもしれません。
しかし、迷惑や困惑を被る人を1人も出さないことの方が大切だと私は思います。ITの発展にセキュリティは必須。セキュリティ領域で社会貢献できるように頑張りたいです」
→ストーリー:セキュリティを通じてより便利で安全な未来を目指す。NTTデータフィナンシャルテクノロジーでできる社会貢献
▶︎株式会社インテージホールディングス
事業内容:「マーケティング支援(消費財・サービス)事業」「マーケティング支援(ヘルスケア)事業」「ビジネスインテリジェンス事業」
・業務内容:マーケティングリサーチを通してクライアントの課題解決や、意思決定のサポートを担当
・ボランティアの内容:地球の環境問題や貧困問題などの、社会課題の解決に向けた取り組みをしているNPO団体へマーケティングリサーチのスキルを活かした、課題整理やリサーチ提案、ワークショップでのアイデア出しという形で後方支援
・仕事へのシナジー効果:
武井さん 「当初は、生活のための仕事と自分のやりたいことができるプロボノ活動は、分けて考えていました。とはいえ、どちらも互いの活動の自信につながっていきましたし、社会全体でもSDGsの関心が高まる中で、会社で何ができるかを考えていけたらと思うようになりました」
→ストーリー:自分の武器で社会貢献できる幸せ──マーケティングリサーチを軸に自信を掴む
▶︎富士通株式会社
事業内容:テクノロジーソリューション、ユビキタスソリューション、デバイスソリューション
・業務内容:営業部門にて公共領域を担当
・ボランティアの内容:ICTサポートボランティア
・仕事へのシナジー効果:
高校生のときは「日本の教育を変え、より良くしたい」という漠然とした想いを抱いていた山村さん。その想い、実現へのアクションは鮮明になりつつあると言います。
山村さん 「高校でのプロジェクト参加、そして現在、富士通で教育関係のお客様を担当し、ICTサポートボランティアの活動を経験したことで、教育に対する想いがより具体的になりました。
『こういう支援があれば、教員はもっと楽になる』『いまの子どもたちには、こういう支援が必要だろう』といった教育現場への支援を明確に考えるようになり、いま現場が何に困っているのかを意識して仕事ができるようになりました」
→ストーリー:「教育の谷を埋める」──2年目社員が全社活動で得たものとは
▶︎三菱ケミカルグループ株式会社
事業内容:医療用医薬品を中心とする医薬品の製造・販売
・業務内容:MCHC IS&Tech本部のファーマIS/IT部に在籍
・ボランティアの内容:青少年の健全育成をサポートする目的で立ち上げられたボランティア団体に参加
・仕事へのシナジー効果:
仕事とボランティア活動の両立についても、少しも苦労する点はないという末光さん。むしろ、ボランティア活動をしていることが、仕事に良い具合に作用することも多かったと言います。
末光さん 「行事の開催にあたっては、必ず開催日から逆算して準備を進めていく必要があります。とくに私は代表という立場なので、いつまでに何をやっておかなければならないのか、段取りを立てながら活動することが多いんです。その経験から、会社のプロジェクトでも逆算思考で計画し、確実な目標達成に向けて進めていけるようになりましたね。
一人ひとりの得意不得意を考えながら役割分担を行い、最終的にはみんなが同じタイミングで仕事を終えられるようになったのも、ボランティア活動をしていたからだと思います」
→ストーリー:週末は地域ボランティア。仕事とプライベートの両立で叶える、自分らしい生き方
ボランティア活動が社会貢献だけではなく、自分自身にも大きな還元があったという方々のストーリーをご紹介してきました。
ボランティア活動にもさまざまなものがありますし、義務というわけではありません。しかし、社会貢献をしたいという方だけではなく、新しいコミュニティーに飛び込んでみたい、世界を広げてみたい、学業や本業以外でも何かしらの経験を積みたいという方にとって、ボランティア活動の参加がその一手になるかもしれません。
【関連リンク】
・社会貢献できる仕事とは?“働く人”が語る仕事のやりがいと魅力
・仕事にも活かされたボランティア経験
・企業のCSR/CSV活動にまつわるストーリー一覧
・企業のSDGsにまつわるストーリー一覧
