安易な判断はしない。原理原則に都度立ち返って、一つひとつの業務に正面から向き合う

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1986年に田辺製薬に入社した末光。経営計算室でデータエントリーの仕事を担当した後、1992年に応用生化学研究所へ異動しました。

末光 「経営計算室は、今で言うコーポレート機能の一部署。そこで6年弱ほど勤めた後、応用生化学研究所の中でも、合成化学部というところに移りました。主な仕事は、部長と副所長のサポート業務。また、30名ほどいる研究部員のための事務仕事もしていました」

その後、研究本部、CMC本部、サプライチェーン本部といろいろな部署を経験し、2022年5月現在は、MCHC IS&Tech本部のファーマIS/IT部に在籍しています。

末光 「研究本部とサプライチェーン本部では、企画部という部署に所属していました。企画業務といっても、本部内のあらゆる部署から舞い込んでくるさまざまな相談ごとや困りごとに対応するのが仕事。課題を解決するため、いろいろな仕組みやシステムを作ったり、各部署では対応できないような業務を請け負ったりしていました」

これまでさまざまな仕事に柔軟に対応してきた末光。一貫して大切にしてきたのは、一つひとつの業務ときちんと向き合い、目的や意義を考えることでした。

末光 「『人から指示されたから』、『前からやっているから』など、いわゆる“常識”に頼るのではなく、そもそもこの仕事を何のためにやっているのか、なぜやらなければならないのかと、原理原則に立ち返るように心がけてきました。納期までの限られた時間の中で、自分が考えられる選択肢の中から、会社にとってベストと思える回答を探すようにしています。

また、先延ばしにすることが嫌いなので、“今日できることは、今日のうちに”という姿勢で仕事に向き合っています」

命の不安を抱えて出会った──何でも挑戦してみようと、ボランティアに参加

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▲地域ボランティア活動にて

仕事に全力で取り組むかたわら、プライベートの時間を充実させることにも前向きだった末光。地域のボランティア活動に積極的に参加してきました。

末光 「週末は、大阪市に委嘱されている“青少年福祉委員”という青少年の健全育成をサポートする目的で立ち上げられたボランティア団体に参加しているんです。

子どもたちにはさまざまな経験やコミュニケーションを通じて、心豊かに成長してもらいたいという想いをもって
、盆踊りや餅つきなどの年間行事やスポーツ活動などを企画し、地域と触れ合ってもらうための活動をしています。地域の代表者を任せてもらって、月1回ほどのベースで開催されるイベントに向けた会議に参加したり、イベントの運営を担当したりしています」

ボランティア活動を始めてから20年近くになる末光。きっかけは、自身にとって転機となる、ある重大な出来事でした。

末光 「38歳のとき、乳がんに罹ったんです。退院後、たまたまボランティア活動をしている同じマンションの住人の方から、『やってみないか』と声を掛けてもらったんです。

当時、乳がんの5年生存率は70%。もし、あと5年で自分の人生が終わってしまうのであれば、やってみたいと思ったことには何でも挑戦してみよう。そんな思いから、二つ返事で引き受けることにしました」

ボランティア活動への参加を決めた背景には、会社の仕事仲間だけではなく、地域の人とコミュニケーションを取り、共生していきたいという思いがあったと言います。

地域の代表になってからは、女性代議員として大阪市の会議にも出席。研修会の企画当番に当たったときには、食品添加物についての講演会を立案しました。

末光 「病気をしたことで、食生活の改善に長年取り組んでいたこともあって、子どもがいる女性に向けて、食育の講演会を開催したいと思ったんです。講師には『食品の裏側』の著者として知られる安部 司さんを招いて、食品添加物の実態を伝える内容を企画しました」

講演会の評判は上々。手応えを得た末光は、自分の地域でも同じ内容の講演会を行いたいと考え、地域の小学校で2回目の講演を開催しました。

末光 「子育て世代の女性をはじめ、子どもたちや学校の先生、食に興味を持つご年配の方まで、幅広い年代の方に来ていただいて、講堂がいっぱいになりました。実験を交えながら話す内容だったこともあり、子どもたちに深く響いた様子がとても印象的でしたね」

人と触れ合う豊かな経験の中で広がる世界。仕事とボランティア活動の相乗的な作用も

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▲地域の代表者として会議にも積極的に参加

ボランティアを通じて地域でさまざまな人と触れ合ったことで、末光の世界も広がっていきました。

末光 「会社の中にいるのは、募集して入社面接を経た、ある種ふるいにかけられて集まった方たちですが、地域には職業も年齢もさまざまな方が暮らしています。大阪市の会議に出席すると、いろいろな女性代議員に出会うのですが、そこには子育てをしながら会議に出て、その後懇親会に参加して遅くなっても、次の日には朝早くから子どものお弁当をこしらえて自分も働きに出る——そんな力がみなぎっている女性がたくさんいました。

その姿を目にして、世の中にはこんなふうに頑張っている方がたくさんいるんだなと非常に大きな刺激をもらったものでした」

同じ目的意識を共有するボランティア団体のメンバーたち。それぞれが率先して動き、協力し合うため、一体感が得られることも多いと言います。

末光 「たとえば夏の盆踊りで立てる太鼓のやぐらは、組み立ての連携がうまくいかないと、事故やケガにつながってしまいます。大切なのは、全員の気持ちを合わせること。人情があるというのでしょうか、そういったものが自然と感じられるところがいいなと思っています」

また、気楽に参加できるからこそ続けることができているという末光。次のように続けます。

末光 「仕事では成果が求められますが、ボランティアではできないことがあってもいいし、忙しければ参加しなくてもいい。都合に合わせて参加できる人が集まって、その中で役割を分担して、無理なく活動できるのも楽しいところですね」

仕事とボランティア活動の両立についても、少しも苦労する点はないという末光。むしろ、ボランティア活動をしていることが、仕事に良い具合に作用することも多かったと言います。

末光 「行事の開催にあたっては、必ず開催日から逆算して準備を進めていく必要があります。とくに私は代表という立場なので、いつまでに何をやっておかなければならないのか、段取りを立てながら活動することが多いんです。その経験から、会社のプロジェクトでも逆算思考で計画し、確実な目標達成に向けて進めていけるようになりましたね。

一人ひとりの得意不得意を考えながら役割分担を行い、最終的にはみんなが同じタイミングで仕事を終えられるようになったのも、ボランティア活動をしていたからだと思います」

安心して暮らせる街作りを目指して。自分らしい生き方を実現するために

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▲大阪市長からの表彰

ボランティア活動では、地域住民と協力しながら進めていくことも多いという末光。何気ない会話を交わせる知り合いが近所に増えたと言います。

末光 「出勤しようと朝マンションを出たときに、『今から会社なら、ゴミ出ししておいてあげるよ』と声を掛けてもらったりすることも。私も負けじと、『ついでだから私がゴミ持って行くよ』と返して、ゴミの取り合いをすることもあります(笑)。街自体は何も変わっていませんが、『良い街だな』と以前にも増して思うようになりましたね」

「街を良くしたい」という気持ちから地域貢献に励む末光。

末光 「もちろん、自分が安心して暮らしたいという気持ちもありますが、困ったときに、当たり前のように助け合いができるような街にしたいと思っています。そのために、自分ができるだけのことはやりたいですね」

2020年には地域活動への貢献が評価され、末光が代表を務めるボランティア団体が大阪府知事から表彰され、2021年には大阪市長から個人表彰を受けました。

ボランティア活動を通じて、世の中には自分の知らないことがたくさんあると痛感したという末光。他の社員にも、さまざまな経験を通して、自分らしい生き方を実現してほしいと言います。

末光 「仕事とは別のコミュニティに参加する機会があるというだけで、息抜きになったり、心に余裕ができたりするものです。もちろん、ボランティアである必要はありません。ぜひ仕事以外のことにも目を向けて、挑戦する機会を作ってみたらいいんじゃないかなと思います」

年を重ねても、ずっとここにいたいと思えるような、住み良い街にしたい——そう思い続けることこそが、自分らしく豊かな人生を送るための鍵。仕事に、ボランティア活動に、これからも末光は全力で取り組んでいきます。