ICT×教育で、日本の教育現場に貢献したい──きっかけは高校時代の経験

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▲ビジネスプロデューサーとして、お客様とともに教育課題に取り組んでいる山村

「教育関係の仕事に就きたい」その想いから、就職活動では教育業界を中心に受けていたと語る山村。しかし、彼が選択したのはICT企業である富士通。その理由を「ICTを活用することで、より多方面から教育問題にアプローチできると考えたため」と話します。

そんな山村が教育に興味を持ったきっかけは、高校時代に参加したとあるプロジェクトがきっかけだったと言います。

山村 「高校1年生のときに、文部科学省が主催するプロジェクトに参加しました。そのプロジェクトは国際的に活躍できる人材の育成を目的に、月1回ほどのペースでさまざまな大学教授の講演を聞き、最後に海外の学校を視察するというものでした。教授が話す内容は実にさまざまで、中でも教育についての話に興味を惹かれました」

その話とはどういうものだったのか。山村は続けます。

山村 「ある教授は『教育で教える内容に善し悪しをつけるべきではない。事実のみを教えるべき』だと。しかし、別の教授は『過去の歴史的過ちは、絶対的な悪として教えるのが正しいとする国もある』という話をされたんです。この二つの相反する話を聞いたとき、当時の私にはとても不思議に感じられて。そこから、『教育っていったい何だろう?』と興味を持つようになったんです」

その後、山村はプロジェクトの一環で1週間ほど、カンボジアの小中学校や大学へ視察に行ったと言います。カンボジアと日本。二つの教育を見比べたとき、日本の教育に対する違和感を覚えたと語ります。

山村 「実際に発展途上国の教育環境をこの目で見て感じたのは、日本の教育環境はしっかり整備されているんだなと。しかしその一方で、その恵まれた環境を活かせていないと言いますか、どこかもったいない所があると思ったんです。

日本に戻った後も、それがずっと頭に残っていて。私が覚えた違和感を解消するためには何をすべきなのか。日本の教育をより良く、子どもがもっと自由に勉強できるようにするためには。そんなことを考えているうちに、『日本の教育現場を変えたい』という気持ちが生まれてきました」

その後、山村は2021年に富士通に入社。そんな山村のパーパスには、自身が抱える強い想いと目標が凝縮されていました。

山村 「僕のパーパスは、『教育の谷を埋める』です。日本でも地域によって『教育の差』があると思っています。高い教育が受けられないといったら変ですけど、他の地域よりも低い教育水準になってしまっている地域があるのなら、そこをICTの力で押し上げる。全国どこにいても、すべての子どもたちが均質な教育が受けられるようにしたいんです。

そこから各々がどれくらい勉強したいかや何をしたいかによって進路選択が変わる、そんな社会になってほしいです。そういった意味で、谷になっているところをICTの力で埋めていきたいと考えています」

教育関係のお客様を担当する中、1年目でトレーナーから任された絶好の機会

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▲同じ部署で働く先輩たちとの一枚

入社後に山村が配属されたのは、首都圏の自治体を担当する部署。ビジネスプロデューサーとして教育分野を管轄する部門のお客様を担当することに。大規模システムやICT機器の提案・導入といった、規模の大きい仕事ができる楽しさを感じる一方で、現場との距離を感じていたと言います。

山村 「上流工程を担当している方と多くのやり取りができるのは楽しいですし、大きな仕事をさせてもらえることは貴重な経験です。しかし一方で、もっと教員や子どもたちに近いところで業務をして、より現場に近い声を聞きたいという気持ちもありました。現場の人達とやりとりする場をもっと作りたい。そう思っていたんです」

そんな山村に転機が訪れます。当時、山村を指導していたトレーナーから「ICTサポートボランティアという活動を担ってみないか」と声を掛けられたと言います。

山村 「お客様から『ICT活用で困っている』とご相談をいただいて。ならば、ということでICTサポートボランティアがスタートしました。主な活動内容は、学校を訪問して授業の支援をしたり、パソコンやタブレット等の管理を行ったりしています。

低学年の児童だとまだパソコン入力に慣れていません。たとえば、社会の授業で地域について調べるとき、文字を打つのを横で助けたり、検索したい結果がなかなか出ないときには検索方法をアドバイスしたりと、授業をスムーズに進める支援をしています」

入社1年目といえば、先輩のサポート役として商談や各種プロジェクトに参画するのが一般的。しかし、この活動は山村が中心となって進めていると言います。

山村 「私がこの活動をリードしたいと思ったのは、教員や子どもたちと直接関わることができるからというのが一番大きいです。教育の現場に入れる。近いところで仕事ができることは自分にとって非常に魅力的でした。僕が一番やりたかったのは、教員の近くで現場の人達を助けるための仕事だったので、まさに当時の自分にぴったりな活動だと思い、担当しました」

「想い」を原動力に、全社活動に取り組む。そこで感じた楽しさと自身の成長

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▲総務部が事務局を担う「クエストエデュケーション」という取り組みに参加したときの様子

2021年8月に活動が始まり、現在も続くICTサポートボランティア。ボランティア員は社内募集され、役職やグループ会社問わず、現在約80名が参加中。活動の中で、参加者からこんな嬉しい声をもらったと山村は語ります。

山村 「ボランティアに参加した方から『いまの学校ってこんなことやってるんだ』『こんなにタブレットを利用してるんだ』といった時代の変化に対する驚きや、『先生ってこんなに忙しいんだね』『実際に現場を知ることができて、非常に勉強になった』といった学びの声をいただきました。この活動の広がりを感じたとともに、社内にも還元できたことに喜びを感じました」

運営だけではなく、活動者として自らボランティアに参加する山村。とりわけ、ある児童とのやり取りが心に残っていると言います。そのエピソードを交え、ICTサポートボランティアの楽しさについて語ります。

山村 「自分がずっとやりたかったことに近いことができている楽しさはもちろん、授業後には子どもたちから喋りかけられることもあるので、そういった子どもとの触れ合いも楽しいんです。

昨年、授業後にある児童から『教えてくれてありがとう』というお手紙をもらったんです。それはもう嬉しくて。そのときは、この活動をしていてよかったと心から思いました」

2020年に続き昨年も、新型コロナウイルス感染症が各学校に蔓延。支援対象の学校が学級閉鎖になり、ボランティア活動が1カ月丸々キャンセルとなるハプニングがあったと振り返る山村。そのような苦労も経験したことで、自身の成長を実感したと言います。

山村 「私はこの活動を運営する立場として、ボランティア員を募集し、その方々が実際に学校に出向き授業支援を行うまでをサポートしています。その間、応募してくれた方や学校関係者と連絡を取り合うのですが、学級閉鎖といった不測の事態にも対応が求められて。そういった意味では、社内外での調整力が身についてきたなと感じています。

新人から現在に至るまで、貴重な経験をさせてもらっていることをありがたく思っています。活動そのものの成長もですが、さらなる自己成長につなげていきたいです」

「想い」が具体化された──ICTサポートボランティア活動で得たもの

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▲今後について「活動の幅も、展開する地域も広げていきたい」と語る山村

ICTサポートボランティアは山村にとっては「業務外」での活動。しかしボランティアでの一連の活動が、山村の通常業務にもつながっていると言います。

山村 「活動を通して教育現場を目の当たりにし、現場の苦労や悩みを体感したことで、いまの通常業務もより一層頑張りたいと思うようになりました。現場に近い視点で教員や子どもたちと触れ合い、リアルタイムの声を聞くことができるこの活動は、自分の業務全体の精度を高めることに役立っていると感じています」

高校生のときは「日本の教育を変え、より良くしたい」という漠然とした想いを抱いていた山村。その想い、実現へのアクションは鮮明になりつつあると言います。

山村 「高校でのプロジェクト参加、そして現在、富士通で教育関係のお客様を担当し、ICTサポートボランティアの活動を経験したことで、教育に対する想いがより具体的になりました。

『こういう支援があれば、教員はもっと楽になる』『いまの子どもたちには、こういう支援が必要だろう』といった教育現場への支援を明確に考えるようになり、いま現場が何に困っているのかを意識して仕事ができるようになりました」

ICTサポートボランティアの活動が始まって1年と少し。さまざまな学校でさまざまな教育現場に訪れた山村は、今後、このボランティア活動をより多くの地域に広げていきたいと話します。

山村 「今後は、このボランティア活動自体をより充実させていくだけではなく、社会貢献活動の一環として、他団体にも拡大していきたいと考えています。そのために、各支社支店で働くビジネスプロデューサーにこの活動を紹介し、全国に活動を広げていけるよう取組んでいるところです」

「教育の谷を埋める』——教育に対する学生時代からの熱い想いを行動に移した山村が、今後どのようにこの活動を成長させていくのか。引き続き山村の活躍に注目です。