フリーターとして働いていて、いざ就職をしようと思ったとき、企業で働くこと自体や働き方の変化、就職・転職活動に対して不安に思われる方も多いのではないでしょうか?
この記事では、フリーターとして働く方々の意識調査、企業のフリーターに関する実態調査に加えて、実際にフリーターとして働いていた人々がどのようにして企業への就職を果たし、現在どのように働いているのかを紹介します。
フリーターの希望する働き方とは?
株式会社マイナビ(本社:東京都千代田区)が発表した「フリーターの意識・就労実態調査(2022年版)」によると、現在パート・アルバイトとして働いている方に今後最も希望する働き方を尋ねたところ、「正社員希望」が33.4%で最も多く、次いで引き続き「アルバイト・パート希望」の割合は33.3%という結果となりました。
引き続き、アルバイト・パート希望を希望している方も同等にいるものの、「契約社員・派遣・業務委託」を希望する方も合わせると、比較的多くの方が働き方を変えたいと考えているようです。
そのうち、正社員を希望する理由を聞くと、「雇用が安定しているから」が前年比10.4pt増となり66.9%で最も多く、次いで「固定給が欲しいから」が前年比9.5pt減で66.0%という結果になりました。
雇用の安定性を重視し、正社員を希望する人が増加していることがうかがえます。
<調査概要>「フリーターの意識・就労実態調査(2022年版)」
・調査期間:2022年4月25日(月)~5月2日(月)
・調査方法:自社調べ(パネル提供元:外部調査会社)
・調査対象:15~44歳の男性は既卒、女性は既卒かつ未婚のうち、パート・アルバイトとして働いている人
・有効回答数:2,609名
※ 調査結果は、端数四捨五入の都合により合計が100%にならない場合があります
企業のフリーター採用に対する意識
正社員という働き方を希望する方が多い一方で、企業としてはフリーターとして働いていた方の採用についてどのように考えているのでしょうか?
レバレジーズ株式会社が運営するフリーター・既卒・第二新卒向け就職支援サービス ハタラクティブが、中途採用を行っている企業の採用担当者300人を対象に実施した、「フリーター(18歳〜34歳の非正規雇用)の採用意欲に関する実態調査」では、中途採用を行っている企業の約6割がフリーターは「採用対象者に入る」と回答しています。
フリーターは「採用対象者に入る」と回答した企業に対し、「フリーターを正社員として採用したことがあるか」と聞いたところ、採用したことが「ある」と回答した企業は約8割にものぼりました。
また、企業規模別の回答としては、会社の規模が大きくなるほどフリーターの雇用実績が高くなり、会社規模が大きいほど過去の経歴よりもポテンシャルに重点を置いた採用を行っていることが明らかになりました。
<調査概要>
・調査対象:中途採用を実施している、企業の中途採用担当者
・調査年月:2022年10月24日~10月26日
・調査方法:インターネット調査
・回答者数:300人
・調査主体:レバレジーズ株式会社
・実査委託先:楽天インサイト株式会社
フリーターから就職した人の経験談
ここからは、フリーターとして働いていたものの、きっかけがあり企業へ就職した方々の経験談をご紹介します。
※ 掲載内容は記事公開当時の内容です
▶︎アイベステクノ株式会社
事業内容:各種高圧・低圧盤の設計から製造および、制御システムプログラムの開発
・業務内容:営業職
・就職の経緯:
金尾さん 「大学卒業後、家業の機械メーカーに入社したのですが、わずか8カ月で倒産を経験することになりました。しかし、機械というものは、半年~1年に1度というような継続的な定期メンテナンスが必要なので、うちが完全に事業を停止してしまうと、これまで取引してきたお客様に迷惑がかかってしまいます。そこで、うちから他社に転職した当時の社員を経由して、機械メンテナンスの仕事をもらえることになったのですが、それらは月に1〜2回程度しかありませんでした。
これでは生活できませんし、この際やりたいことをやってみようと思い、アルバイトを始めました。単発の日雇い、長期の日雇い、フィットネスクラブ、運送会社など、とにかく動きました。時間があるときには、バスケットボールの練習や試合にも参加していましたし、4年間のフリーター生活も悪くはなかったのですが、将来を見据えて正社員として働く決意をし、就職活動を開始しました」
・就職してみて:
金尾さん 「入社のタイミングでは、自分には大した価値がないと思っていたので、給与の良し悪しも考えていませんでした。しかし、ここ数年で給与もボーナスもアップし、そのことを母親に伝えると、涙を流して喜んでくれました。母は僕以上に辛い時期を過ごしたでしょうし、フリーター時代には心配もかけました。だからがんばって良かったと、心底思いましたね」
→ストーリー:奇縁!ふわりとやってきて、しっかりと根を張る。ある男のタンポポのような人生
▶︎スタッフサービス・エンジニアリング
事業内容:機械、電気・電子、情報、化学等の分野における技術者、およびITエンジニアの派遣・紹介事業(常用型派遣)
・業務内容:ITエンジニア
・就職の経緯:
大石さん「そして『IT業界で働きたい』『プログラミングをやりたい」という思いを胸に、約30社の選考に挑みましたが、結果は全敗。とにかく緊張してしまう性質で、次第に面接自体が怖くなってきました。最後は『自分はIT業界には向いてないのかも』という気にさえなり、就職活動を中断…。友達の就職が次々に決まる中、なんとか気持ちを立て直して4年の10月に再開しましたが、やっぱりうまくいきませんでした。就職活動がコロナ禍だったこともあり、難易度が上がっていた影響もあると思いますが、『面接がイヤ』『緊張したくない』という気持ちに負けてしまったのかもしれません。
結局、4年の1月に就職をあきらめ、ひとまずアルバイトをしていたファストフード店でそのまま働くことにしました。リーダーを務めたり、社員に誘われたりもしましたが、『やっぱりITの仕事に就きたい』という思いから、卒業後の5月頃に退職。それからは新聞配達で生活費を稼ぎ、趣味でHP制作を続けながら、就職をめざしました。もう新卒ではないので、転職サイトでIT業界の仕事を探していましたね。そんな中、4〜5社目に出会ったのがスタッフサービス・エンジニアリングです」
・就職してみて:
大石さん 「実務はまったく未経験で、社会人経験もないフリーターの僕が合格できたのは、スタッフサービス・エンジニアリングに『研修つき採用』というしくみがあったからだと思っています。これは入社後、給与をもらいながら専門スクールで勉強できるという何ともありがたい制度でした。受講内容はIT系やCAD系など約30種類のオリジナル講座から自分で学びたい分野を選べます。
制度を利用するかどうか最終的な意思決定は任されましたが、こんなチャンスを逃す手はありません。これからIT系の道に進むためには絶対にスキルが必要だと考え、『ぜひ行かせてください』と即答。『Excel VBA講座』を選び、9〜18時で2週間ほど、みっちりと勉強しました。プロの講師から体系的に教えてもらうことは初めてで、一生懸命になれましたし、とても楽しく知識を吸収できたと思っています」
→ストーリー:「研修つき採用」で未経験から念願のITエンジニアに
▶︎ビーモーション株式会社
事業内容:企業の販売促進活動の企画・製作・コンサルティング、企業の営業・販売部門のアウトソーシング事業、オンライン接客の導入、運用支援および、システムの企画開発
・業務内容:東京リクルーティンググループでの採用を担当
・就職の経緯:
奥寺さんが入社したのは2006年。大学を卒業しフリーターとして働いているときでした。
奥寺さん 「資格取得の勉強は続けていましたが、芽が出ず悩んでいたときでした。当時のアルバイト先で、ビーモーションのメンバーと一緒に働いていたこともあって、会社名にはすごく親しみがありましたね。誘ってもらったポジションは、店頭ではなく内勤の仕事で。わけもわからない状態でしたが、自分が行き詰まっていたことは事実。『とりあえずやります!』と飛び込んでみました」
・就職してみて:
飛び込んでみたものの、店頭の仕事とのギャップもあり悩んだ時期も。
奥寺さん 「入社してからは、『私ってこんなにできないんだ』って気づいて。みんなが当たり前にできることができなくて、つらかった。もともと自分が不器用なこともあって。学生のときとは違うスキルが求められる。そういったことに直面して、入社して3年くらいは逃げたくて仕方がなかったですね」
そんな奥寺さんに、ターニングポイントとなる出来事がありました。
奥寺さん 「入社して数年したころ、リーマンショックにあって。会社としてもっと売上を取りに行こう、という動きの中で外勤社員として店舗で勤務しないかという話があって。自分が行き詰っていることもあって、一も二もなく『やらせてください!』と。その後4年くらいは店舗で実際に接客販売に携わっていました」
→ストーリー:やりたいことがなくたって良い。キラッと輝く何かを探す人を、応援し伴走する採用担当
▶︎ライク株式会社
事業内容:子育て支援サービス事業・総合人材サービス事業・介護関連サービス事業を営む事業会社を擁する持株会社。グループ全体の経営方針策定及び経営管理並びにそれに付帯する業務
・業務内容:物流・製造業界向け人材サービス ライクワークスの支社長
・就職の経緯:
星さん「転機になったのは2014年のことです。就職へと気持ちを切り替えて、バンドを辞めることにしました。
好きな気持ちは変わりませんでしたが、楽しいバンドに十分打ち込めたので、もういいかな、と思ったんです。くさいセリフになりますが、バンドはずっと続けられるものだけど、『続けられるから続ける』のと、『続けたいから続ける』のは違うと感じたんです。それに、27歳を迎えて就職しにくくなることは感じており、ラストチャンスだと思っていました」
・就職してみて:
星さん「仕事は、とにかく足を使うことだと聞いていました。クライアント企業の方に会いに行く、働いてくださっているスタッフさんに会いに行くなど漠然としていましたが、『僕が今までやってもらっていたことをやればいいんだ』と考えると、やれる、と思っていました。
しかし、最初はとても大変でした。 ビジネスマナーを含め何も知らない状態で……。 右も左もわからないまま、そばにいる方のまねをしながら、自分流をつくっていきました。枠にはめようとせず、自由に。 クライアント企業の方やスタッフさんが僕を尊重してくれていたのを感じて、『絶対に期待に応えるぞ』と思っていましたね」
→ストーリー:バンドマンから最優秀社員へ──「好き」という想いが人生をつくる
変わりたいという想いや、前に進みたいという想いから企業への就職という選択をした方々のストーリーをご紹介しました。人々の働き方に対する価値観が多様化している昨今、企業側の柔軟性も高まっています。企業への就職を不安に思っている方は、今回ご紹介した方々のストーリーをヒントに、一歩前へ進んでみてはいかがでしょうか?
