プログラミングのおもしろさを知り、エンジニアをめざしたものの…
大学では経済情報学を専攻していました。しかし3年で所属ゼミを選ばなくてはいけなくなったとき、どうしても自分に「経済・経営関係で就職する」というイメージが持てませんでした。一方で「IT系なら将来、何か仕事に就けそう」「プログラミングって、ちょっとおもしろそう」と感じていました。ちょうど仲のいい友達も情報系のゼミに入ると言うので、同じ選択をしました。最初は本当に、そんな軽い気持ちだったんです。
就職活動を始めたのは3年の3月頃。まだ本格的なゼミ活動をしていませんでしたが、それでもIT業界を中心に情報収集をしていました。その中でプログラマー、HP制作、Webデザイナーなどの仕事を詳しく知り、ますます惹かれるようになったんです。そこで「まずは自分でHPを作ってみよう」と考え、独学を開始。ちょうどゼミでもアプリなどを学ぶ機会があり、WordPressを使ってみんなでHP制作に取り組みました。その作業にはまず、「仲間と一緒に何かを作る」という楽しさがありました。そしていろいろなエラーが出る中、一つひとつの問題をクリアし、ステップを踏んでゴールに近づくという達成感がありました。「ITっておもしろい!」という気持ちが、どんどん強くなりましたね。
そして「IT業界で働きたい」「プログラミングをやりたい」という思いを胸に、約30社の選考に挑みましたが、結果は全敗。とにかく緊張してしまう性質で、次第に面接自体が怖くなってきました。最後は「自分はIT業界には向いてないのかも」という気にさえなり、就職活動を中断…。友達の就職が次々に決まる中、なんとか気持ちを立て直して4年の10月に再開しましたが、やっぱりうまくいきませんでした。就職活動がコロナ禍だったこともあり、難易度が上がっていた影響もあると思いますが、「面接がイヤ」「緊張したくない」という気持ちに負けてしまったのかもしれません。
「研修つき採用」って、まさに自分にピッタリ!
結局、4年の1月に就職をあきらめ、ひとまずアルバイトをしていたファストフード店でそのまま働くことにしました。リーダーを務めたり、社員に誘われたりもしましたが、「やっぱりITの仕事に就きたい」という思いから、卒業後の5月頃に退職。それからは新聞配達で生活費を稼ぎ、趣味でHP制作を続けながら、就職をめざしました。もう新卒ではないので、転職サイトでIT業界の仕事を探していましたね。
そんな中、4〜5社目に出会ったのがスタッフサービス・エンジニアリングです。新聞配達の「深夜2時出勤」や「雨の日がつらい」という状況を変えたいという思いも原動力になり、面接に対する恐怖感も少し薄らいではいたのですが、スタッフサービス・エンジニアリングのWeb面接はとくにフランクな雰囲気で、まったく緊張せずに臨めました。面接からほどなくして内定をもらったときは「あれ、受かったの?」と不思議な気持ちでした。それでも3年の春から不合格続きだった僕にとって、初めての内定です。じわじわと喜びがこみ上げ、同時に「もう面接を受けなくていい」という安心感に浸りました。
実務はまったく未経験で、社会人経験もないフリーターの僕が合格できたのは、スタッフサービス・エンジニアリングに「研修つき採用」というしくみがあったからだと思っています。これは入社後、給与をもらいながら専門スクールで勉強できるという何ともありがたい制度でした。受講内容はIT系やCAD系など約30種類のオリジナル講座から自分で学びたい分野を選べます。
制度を利用するかどうか最終的な意思決定は任されましたが、こんなチャンスを逃す手はありません。これからIT系の道に進むためには絶対にスキルが必要だと考え、「ぜひ行かせてください」と即答。「Excel VBA講座」を選び、9〜18時で2週間ほど、みっちりと勉強しました。プロの講師から体系的に教えてもらうことは初めてで、一生懸命になれましたし、とても楽しく知識を吸収できたと思っています。
短期の仕事で社会人経験を積み、ついにチャンス到来!
ここでの働き方は、まずスタッフサービス・エンジニアリングに社員として入社し、大手メーカーを中心とする就業先で勤務、というスタイルです。最初の配属は産業機械メーカーで、4カ月限定の短期プロジェクトでした。正社員として働いたことのない僕に、営業担当者が「まずは期間限定の仕事で社会人としての経験を積んだほうがいい」という配慮で提案してくれたんです。
仕事はセンサーなどの部品を組みつけて無人搬送ロボットを完成させる業務。プログラミングとは違いましたが、ここで社会人としての基礎やマナーをしっかり身につけ、企業という職場環境を知ることができました。そしてこのプロジェクト終了後、いよいよITエンジニアになるチャンスが巡ってきたんです。
実は最初の就業先での勤務中に、大手電子材料メーカーグループのシステム会社から「これからExcel VBAでの自動化を進めるにあたり、Excel VBAを使える人材を探してほしい」という依頼が入っていたそうです。さらに研修でExcel VBAを学んだ僕を、その候補に入れてくれていて、そこで就業することになったんです。「できれば地元・岐阜で働きたい」という希望とも完全にマッチしていました。岐阜では誰もが知っている大手の関連企業ですから、こんないい話はありません。
「研修つき採用」のしくみってすごい!学んだことが、これほど早く仕事に直結するなんて!そんな驚きの中で僕は、ネットワークやセキュリティなどのITインフラを得意とする会社で、ITエンジニアとしての第一歩を踏み出すことになりました。
IT業界で働ける喜びの中で、新たな将来像も描けるように
現在はセキュリティ関係のプログラムに関わる仕事をしています。具体的には、ウイルス対策ソフトで検知があったウイルスに対して対応を行う業務です。ウイルスはまったく未知の領域だと思っていましたが、実際に触れてみると一つひとつがすべてプログラムで作られていて、研修で学んだことをしっかり生かせることを知りました。それぞれのウイルスについて理解を深めるたびに新しい知識が増え、それが次の仕事につながっていくのがおもしろいと感じています。
もちろん、難しくてわからないこともありました。就業先の上司から説明を受けても単語自体が理解できない。言葉の意味を一つずつ質問しなくてはならず、申し訳ないという気持ちになったこともあります。でも上司は嫌な顔をせず丁寧に教えてくれました。それに応えるため自分でも一生懸命に勉強しました。僕自身、好奇心が強く、知らないことがあると知りたくなる性格なんだということをあらためて実感。結構勉強好きだということにも気づきました。
この就業先で働き始めて1年が過ぎました。もちろん今後もIT業界で働き続けたいと思っていますが、進む方向について新たな悩みも出てきました。現在24歳。30歳くらいまでさまざまな経験を積んでアプリ開発の分野でフリーランスになるか、今の仕事で興味を持ったインフラに関わり続けるか。いずれにしても数年前まで、こんな将来像を描けるようになるとは思ってもいませんでした。
それもこれも、ITエンジニアへの第一歩を踏み出させてくれたスタッフサービス・エンジニアリングのおかげです。「研修つき採用」で僕を受け入れてくれたことに、本当に感謝しています。もらったチャンスを最大限に生かし、IT業界で働ける喜びを噛みしめながら、今後の目標をしっかり見定めていきたいと思っています。