就職後、仕事を通してスキルや経験を得て成長し、自己実現を図りたいという方も少なくないのではないでしょうか?実際、株式会社学情が2024年3月卒業(修了)予定の大学生・大学院生を対象に実施した「自身の成長」に関するアンケートでは、8割の学生が就職活動において、「自分自身が成長できそうか」を重視すると回答しています。
本記事では、従業員の成長を支援する制度の中でも「資格取得支援制度」について、どのような制度があるのか、また資格取得支援制度を活用した方の声をご紹介します。
多くの学生が重視する「自分自身の成長」
就職活動の段階で就職先で得たいスキルや経験、目標などを定めたり、転職を見据えた就職活動を行ったりと、主体的なキャリア形成への関心が高まっている昨今。就職活動において、「自分自身が成長できそうか」を「重視する」と回答した学生は41.6%に上っており、「どちらかと言えば重視する」38.0%を合わせると、8割に迫る結果となっています。
こうした回答と併せて、次のような声が寄せられています。
<寄せられた声>
・成長し続けられる社会人になりたい
・自分自身が成長することで、会社や社会に貢献できると思う
・終身雇用が当たり前ではないので、成長し続けることが必要だと思う
・1人が複数回、転職をすることが当たり前になってきているので、仕事を通して成長し市場価値を高めていきたい
このように、成長できそうだと感じる企業に入社したいと考える学生は、どのような企業が成長できそうだと感じているのでしょうか?
アンケートの結果では、働く環境や企業カルチャーに分類されるような項目や研修や資格支援制度など制度系の項目が挙がりました。
■調査概要
・調査期間:2023年3月31日~2023年4月10日
・調査機関:株式会社学情
・調査対象:「あさがくナビ2024(ダイレクトリクルーティングサイト会員数No.1)」へのサイト来訪者
・有効回答数:481件
・調査方法:Web上でのアンケート調査
※各項目の数値は小数点第二位を四捨五入し小数点第一位までを表記しているため、択一式回答の合計が100.0%にならない場合があります。
こうした項目のうち、本記事では「資格取得支援制度」についてご紹介していこうと思います。
企業の資格取得支援制度とは?
資格取得支援制度は企業によって細かい部分は異なりますが、一般的には次のようなものがあります。
・費用の補助
資格試験の受験料や更新料、勉強のための研修参加費や書籍費用などが補助されます。それぞれの全額が補助されることもあれば、補助金額の上限が設けられており、一部を補助というケースもあります。
・資格奨励金/資格手当
企業が定める資格を取得した場合、お祝い金や合格奨励金が支給されるケースがあります。また、特定の資格を所持している場合基本給に資格手当を乗せるケースもあります。
・資格取得休暇
業務に必要な資格である場合や、企業が奨励する資格の場合は資格受験日を特別休暇にしたり、通常の出勤と変わらない形にしたりするケースがあります。
こうした制度以外にも、すでに資格を取得している従業員がレクチャーをしたり、受験者同士で集まって勉強をしたりと社内で資格取得を支援する企業カルチャーが育まれている企業は多数あります。
資格取得支援制度を活用したビジネスパーソンの声
ここからは実際に資格取得支援制度を活用し、資格を取得した方々の声を紹介します。資格を取得することで、どのような変化があったのでしょうか?
※記載内容は記事公開当時の内容です。
▶︎株式会社Jストリーム
事業内容:ネットワークシステムにおける、動画データ及び各種情報の提供サービス業、ネットワークシステムを利用した会員情報管理、商取引、決済処理に関する受託業、デジタルコンテンツ、出版物の企画・制作・販売及び賃貸業、ネットワークシステムに関するハードウェア・ソフトウェア・付帯サービスの企画、開発、運営、制作、販売、輸出入・賃貸及び代理店業、広告・宣伝に関する企画・制作及び代理店業、これらに関連するコンサルテーション、調査、分析、研究等
・業務内容:インフラエンジニア
・取得した資格:ネットワークスペシャリスト、情報処理安全確保支援士
──H.I.さんは日々の業務に従事するかたわら、積極的に資格取得にも励んでいると伺いました。Jストリームでは、こういった取り組みを支援する制度もあるんですか?
私が所属するプラットフォーム本部では、1つの資格につき2回まで試験代の補助が出ます。さらに合格時には、資格によって金額は上下しますが、報奨金があります。
私の場合、資格取得は半分趣味のようなもので、高校時代から続けています。はじめは小規模な資格から受験して、大学に入ってからはIPAの情報処理技術者試験「応用情報技術者試験」を受けました。入社後は、資格取得の応援制度があったので「ネットワークスペシャリスト」の資格を取得。「情報処理安全確保支援士」という国家資格も、先日合格しました。
→ストーリー:「生涯エンジニア」でいたい僕がJストリームで働く理由
▶︎株式会社NTTデータフィナンシャルテクノロジー
事業内容:データ通信システムの設計およびソフトウェアの開発・販売、データ通信システムに関する教育指導およびコンサルテーション、データ通信システムに関する技術および市場についての調査・研究・出版、データ通信システムの運営管理の受託、データ通信システム用情報機器の販売、データ通信システムに係る電気通信工事およびその他の設備工事の請負、労働者派遣事業、これらに附帯関連する一切の事業
・業務内容:クレジットカード決済のセキュリティ機能を顧客へ提供
・取得した資格:情報処理安全確保試験士、CISSPなど
河田さん 「まずは情報処理安全確保試験士の勉強から始めました。サーバ側の知識は業務で実機を触りながら理解していましたが、セキュリティの体系的な知識が不足していると感じたので、資格試験を通じてその部分を理解することにしたんです。
会社からは資格試験の通信講座をサポートしてもらいましたし、資格取得後も情報処理安全確保士の登録費用、毎年発生する高価な資格維持のための研修費用も自己啓発制度として支援してもらっています」(中略)河田さん 「会社が設定してくれる研修もありますし、自分の業務に必要なスキルであり、習得することで業務に貢献できる資格やセミナーについては、会社は積極的にGOサインを出してくれます。セキュリティの最上位資格の一つであるCISSPの研修にも参加し、無事に合格することもできました」
→ストーリー:「興味のあるもの」の追及が仕事のモチベーション。セキュリティ領域のプロフェッショナルをめざして
▶︎株式会社かんぽ生命保険
事業内容:生命保険業
・業務内容:法人顧客の保険の申込書類の確認や、請求書の確認といった営業事務を主とした業務を担当
・取得した資格:2級FP(ファイナンシャル・プランニング)技能検定、日商簿記検定3級、ビジネスマネジャー検定
藤田さんは資格取得のための予備校に通うことに加え、会社の支援として、通信教育講座や資格取得奨励制度も活用したといいます。
藤田さん 「通信教育講座では、当該講座を修了できると受講料が半額助成される制度があります。また、資格取得奨励制度は、会社が推奨する資格を取得した社員に対して、奨励金が支給される制度で、いずれもモチベーション維持のために活用しました」
かんぽ生命では、保険業務に従事するビジネスパーソンに必要な基礎知識として、全社員に推奨している資格を定めています。取得に向けてサポートする体制も整っています。
→ストーリー:常に今日の自分よりも明日の自分。「背中でみせる」仕事の流儀
▶︎株式会社ジェーエムエーシステムズ
事業内容:エンタープライズ・アプリケーション ソリューション、コンサルティングサービス、システム受託開発、ネットワークインテグレーションサービス
・業務内容:求人サイトのモバイルアプリケーション開発を行うチームのプロジェクトマネージャーを担当
・取得した資格:AWS認定資格
AWSの資格を取得するにあたって、先にゴールを設定し一定量の勉強をすれば取得できる確信がY.H.さんにはあった。また、会社のサポート体制も次の資格取得に向けての原動力になった。
Y.H.さん 「AWSの資格に関しては、社内で一番資格取得が進んでいたので、自分が先陣をきってネットで勉強方法や過去問を調べて始めました。もともと一人で黙々と勉強を進めることが苦にならず集中できるので、業務の合間の隙間時間を有効活用しました。試験区分によって有効な媒体が異なるため、書籍を購入して勉強することもあり会社からのサポートをフル活用させてもらいました。具体的には、書籍の購入費用や試験費用が会社負担です。
それから、個人でeラーニングも活用しました。コンテンツが充実していたので、全社の資格取得制度の一環として社員が活用できるよう社内の教育チームとも連携し、社内導入を進めました。 そのほか、社内制度である『J-Point制度』がモチベーションアップにもつながりました。この制度は、自己成長や努力した点を会社が評価し、当該ポイントを賞与支給時に金額換算して支給されます。わかりやすい制度なので目標も立てやすかったです」
→ストーリー:AWS認定資格をすべて保有する技術者として、表彰されたプロジェクトマネージャーの軌跡
▶︎スタッフサービス・エンジニアリング
事業内容:機械、電気・電子、情報、化学等の分野における技術者、およびITエンジニアの派遣・紹介事業(常用型派遣)
・業務内容:情報処理会社でエンジニアとして活躍しながら、若手の育成にも積極的に携わる
・取得した資格:ネットワークスペシャリスト、AWS Certified Cloud Practitoner、Oracle Certified Java Programmer,Silver SE8など
安原さん 「2022年12月現在『SOU』には13名のメンバーが参加してくれていて、『ITエンジニアとしてのキャリア実現とスキル向上』を目的に掲げ、全員で資格取得を目指しています。会社の承認を得て『資格取得奨励金』という制度を大いに活用する予定です。
2021年度は『みんなで合計100万円の奨励金を獲得しよう』という目標を立てました。
結果、完全達成とはいきませんでしたが、51万円を獲得。これまで私を含め12名が『ネットワークスペシャリスト』、『AWS Certified Cloud Practitoner』、『Oracle Certified Java Programmer,Silver SE8』といった資格を取得しています。いまも各自が1日30〜60分の勉強時間を確保し、定期ミーティングでメンバー同士励まし合いながら、さらなるスキルアップを目指しています」
→ストーリー:目標は資格取得奨励金100万円!チームで切磋琢磨しあえる環境での挑戦
▶︎総合メディカル株式会社
事業内容:医業経営コンサルティング、医療モールの開発・運営、医療機関への医師の紹介、医師の転職・開業支援、医業継承支援、保険調剤・一般薬・介護用品の販売、医療機器などのリース・販売、入院患者向けテレビのレンタル
・業務内容:営業推進開発本部にて医療モールおよび病院移転の不動産開発を担当
・取得した資格:宅地建物取引士
もともと不動産には興味がなかったはずの嶋﨑さんですが、会社の資格取得支援制度を活用し、今では宅地建物取引士の資格も取得しました。
嶋﨑さん 「もともと全く興味のなかった不動産ですが、今ではどっぷりと浸かっていて、だんだんとおもしろさも感じるようになってきました。(中略)
また、ドクターは医療のプロですが、不動産の知識はお持ちでないことがほとんどです。だからこそ、ドクターにとって不利にならない、より良い契約ができるようにいつも心がけていますね。『不動産のことはお任せします』と信頼して任せてくださる方も多いので、その信頼にしっかりとお応えしたい。不動産のことならなんでも安心して任せられる、相談できる存在になりたいです」
→ストーリー:文系出身が医療に関わり貢献できる
▶︎パナソニック コネクト株式会社
事業内容:「サプライチェーン」「公共サービス」「生活インフラ」「エンターテインメント」分野向け機器・ソフトウェアの開発/製造/販売、並びに、システムインテグレーション/施工/保守・メンテナンス、およびサービスを含むソリューションの提供
・業務内容:DXやデータ利活用のサービスを中心とした管理・設計・開発を担当
・取得した資格:PMP(プロジェクトマネジメント・プロフェッショナル)
若手時代からさまざまな経験を積んできた高橋。パナソニック コネクトの魅力を次のように語ります。
高橋 「パナソニック コネクトという大きな組織や歴史があるからこそ、お客様の幅が広く、活躍の場が多種多彩。社員数=学びを受け取れる機会や刺激の多さと感じています。何かチームで大きなことを成し遂げたいビジョンや夢がある人にとって、理想的な環境だと思います。
また、資格取得支援のように、会社が成長をサポートする制度が充実していることも、ありがたいです。挑戦したいと思ったことを絵に描いた餅で終わらせずに実現しやすい環境も、当社のいいところだと思っています」
→ストーリー:物流事業の最適解をめざす。0→1の経験を重ねた若きリーダーの挑戦
▶︎株式会社フレクト
事業内容:クラウドインテグレーションサービス、Cariotサービス
・業務内容:技術支援/横断チームに所属し、MuleSoftやAWSを使った開発のサポートを行う
・取得した資格:AWSやSalesforceやMuleSoft関連の資格
プロジェクトと並行して、上田は資格取得にも積極的に取り組んできました。これまでに取得した資格の数は約30種に上ります。
上田 「(中略)資格を取得するにあたって自分の価値を高めたいという気持ちはありますが、私の場合、学ぶのが楽しいというより、自分の仕事に役立てたい、そのために必要だから資格取得をする、という感じです。
また、資格取得支援制度があり、資格を取得をすれば、報酬金がもらえることもモチベーションのひとつになっていると思います(笑)。最近入社する人でもクラウド未経験者は結構いるので、そういう人には資格取得支援制度はとくにオススメです。資格を取得することは、仕事に役立つし、会社から報奨金ももらえるし、自身のキャリアアップにもつながります」
→ストーリー:ベテラン技術者として、俯瞰的にプロジェクトを支援。より良い開発のあり方をめざして
▶︎株式会社 明治
事業内容:牛乳・乳製品、菓子、食品の製造販売等
・業務内容:菓子営業に携わる一方、社員によるネットワーク活動(以後、ERG)のひとつLGBTQ+アライ“Marble”のメンバーとしても活動
・取得した資格:eco検定
興津さん 「まずは資格を取得しようと、当社の資格取得支援を活用しました。選んだ資格は、eco検定(環境社会検定試験)。環境について学生のころから勉強していたのに加え、SDGsなど近年話題のテーマにも興味があったことが理由です。
2021年9月にeco検定に合格。その後、品揃えなどの面でサステナブルをテーマに量販店に提案するなど、資格取得のために学んだことを実務に活かせたことで、ますます自己啓発していきたいという想いが高まっていきました」
→ストーリー:LGBTQ+書籍と自社商品のクロスMDを実現。明治だから、自分だからできること
業務に密接に関係している資格から、自身のスキルや業務の幅を広げるためなど、さまざまな考えや想いを持ち、資格取得に挑戦している方が多数いらっしゃいます。こうした積極的なマインドの背景には、制度だけではなくお互いを励まし合いながら自己研鑽に励む社内のカルチャーも大きく関係しているようです。
こうしたストーリーをヒントに、自分の目的や将来のキャリアにマッチした制度やカルチャーのある企業を探してみてはいかがでしょうか?
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