Web開発からクラウドサービスへ。経験を活かしながら強みを伸ばしたい

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▲2019年にラスベガスのAWS re:Inventに行ったときの写真です。基調講演に参加し、現Amazon CEOのAndy Jassyも見ました!

学生時代に電子機械工学を学んだ上田が新卒で入社したのは地元北九州のIT企業。数年間、工場系システムの開発を担当した後に東京へ転勤し、Web開発に携わるようになりました。

大手百貨店のパイロットシステムなどさまざまなプロジェクトに関わった上田は、その後、同僚が立ち上げた会社に誘われるかたちで転職をします。

上田 「当時、“Web2.0”という言葉が流行していて、誰もがWebを通して情報を発信できるようなしくみづくりに関われるという話に惹かれたのを覚えています。実際に、オンラインブックマークやニュースにコメントを投稿するサービスの開発に関わることができました」

その後、上田らを襲ったのがリーマンショック。世界的な不況の煽りを受けて事業は縮小化を余儀なくされ、プロジェクトを転々とする中、たまたま参画することになったのがクラウドサービスでした。

上田 「インターネットサービスを手掛ける大手企業系列の企業の案件で、AWSのようなサービスをつくる仕事です。実際にAWSを触りながら、SOAP APIを使ってレスポンスを確認しつつ開発を進めていきました。実はMuleSoftを初めて触ったのもこのころ。インターフェースをつくるところで使っていました」

クラウドに関心を持つようになった上田は、フレクトに出会い、2度目の転職を決意します。

上田 「当時、経験のなかったSalesforceを使った開発をしているという話に惹かれました。プロジェクトで培ったクラウドの経験を活かせる仕事ができると感じ、入社を決めました」 

入社後に取得した資格は約30種。後押しする制度がモチベーションに

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フレクト入社後間もなく、上田は即戦力として開発チームに参加。以来これまで、さまざまなプロジェクトに関わってきました。

上田 「最初に携わったのが電子書籍サイト構築。未経験のHerokuを扱うプロジェクトでしたが、使い慣れたJavaのフレームワークを使った開発に大きな苦労はありませんでした。

次に参画したのが、医療系総合ポータルサイトの案件。5年ほどWebサービス開発に関わったあと、コロナワクチン接種関連のサイトなど、Heroku関連のプロジェクトを1年半ほど横断的に見てきました」

顧客との距離感が近いところにフレクトで働くおもしろさがあると話す上田。次のように続けます。

上田 「前職では二次請け、三次請けのようなこともありましたが、フレクトはお客様から直接仕事を引き受けるケースがほとんど。ジャストアイデアの状態で投げられることもあるなど、限られた期間でどこまでできるかを調整しながら、お客様と一緒にディスカッションしながらつくっていく作業には独特の楽しさがあると感じています」

プロジェクトと並行して、上田は資格取得にも積極的に取り組んできました。これまでに取得した資格の数は約30種に上ります。

上田 「ポータルサイトの開発中、オンプレからAWSに移行するプロジェクトがあり、会社の勧めもあってAWSの資格を取得したのが最初です。その後、SalesforceやMuleSoft関連の資格も取得していますが、なるべく業務に活かせるような資格を選んで取るようにしてきました。最近は試験の傾向などを社内にフィードバックするなど、メンバーのスキルアップに役立てるよう心がけています。

資格を取得するにあたって自分の価値を高めたいという気持ちはありますが、私の場合、学ぶのが楽しいというより、自分の仕事に役立てたい、そのために必要だから資格取得をする、という感じです。

また、資格取得支援制度があり、資格を取得をすれば、報酬金がもらえることもモチベーションのひとつになっていると思います(笑)。最近入社する人でもクラウド未経験者は結構いるので、そういう人には資格取得支援制度はとくにオススメです。資格を取得することは、仕事に役立つし、会社から報奨金ももらえるし、自身のキャリアアップにもつながります」

技術支援/横断チームのミッションは、より良い開発のあり方を提案すること

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2023年3月現在、上田は技術支援/横断チームに所属し、MuleSoftやAWSを使った開発のサポートを行っています。

上田 「プロジェクトをうまく回していくのがわれわれの役割。MuleSoftやAWSを使ってつくられたものを横断的に見て改善したり、特定の案件に入り込んだり。社内に散在するノウハウを掘り起こし、共有してナレッジ化していくことも心がけています。

4人のチームメンバーで案件を手分けするかたちになっていて、今私が担当するのが家電量販店様。お客様の開発担当の方のお手伝いという立ち位置で、CI/CD環境などを自動的にデプロイするための環境を用意するなど、システムを組むプロセスや実装の準備段階のサポートをしています」

また、技術支援/横断チームでは、社員からのMuleSoftに関する問い合わせ対応のほか、MuleSoft関連の研修プログラムの企画・運営や、Mulesoftとのやりとりも担っています。

上田 「MuleSoftの今の研修はトレーニングを受けるのがメイン。それだけだと足りない部分があるので、ソースを見ながらより良い方法をレクチャーしたり、あるプロジェクトで使った方法を共有して別のプロジェクトにも応用したりして補填しようとしているところです。

MuleSoftとのやりとりもわれわれが行っています。お客様とMuleSoftとの契約形態によっては本国の開発担当と直接英語でやりとりすることもあります。あるケースで動かなくなるまでの詳しいプロセスを説明したところ、それがバグだとわかったことがありました。MuleSoftのパートナー企業としてプラットフォーム自体の開発に貢献できていると思います」

長くMuleSoftに携わってきた上田。MuleSoftに大きな可能性を見出す一方、課題も感じているといいます。

上田 「SIerに頼らず自社でシステムに触れるようになりたいと考えているユーザーにとってMuleSoftはきわめて有用です。今後そうしたお客様が増えていけば、MuleSoftの人気はますますあがっていくと思います。

MuleSoftでは本来、APIを「サービスとして」公開し共有化することが想定されています。現時点ではAPIをモジュールとして流用し、システム同士を連携するところまではできています。

そのため、今後の目標としては、つくったAPIを「サービスとして」ビジネスロジックとして保持し、それをほかのインターフェースでも使えるようにするなど、API同士をつないでサービスの再利用性を高めること。MuleSoft活用の付加価値がさらに上がり、お客様の利便性がいっそう高まることをめざしています。具体的なAPI運用モデルについては、技術支援/横断チームで相談しながら検討を進めています」

上田をはじめ、高度な技術力を誇る顔ぶれがそろう技術支援/横断チーム。自ら手を動かす開発の仕事にはないやりがいがあるといいます。

上田 「われわれに期待されているのは、お客様の課題を解決するにはどんな構成にすべきかを考えるアーキテクトのような役割。MuleSoftやAWSなどのサービスを使いながら、それらをどう切り出していけばつくりやすくまた再利用しやすいシステムになるかを考えるところにおもしろさを感じています」

技術者として25年のキャリアを持つ上田。理想とする開発のかたちがあります。

上田 「最終的には開発しなくてよくなることが理想。Salesforceに代表されるSaaS/PaaSなどをうまくつないで、思い通りのシステムが誰にでもつくれるようなアーキテクチャを構築するのが理想です。

つくるべきものはサービスであってプログラムではありません。人間の手が入れば、それだけデバッグに工数がかかるもの。プログラムすべきところはありますが、少なくとも業務アプリの領域では、しなくてもよいところはしなくてよいというのが私の考え方です。

最近注目されているノーコード・ローコード開発を取り入れながら、技術支援/横断チームはより良い開発のあり方をめざして日々取り組んでいます」

知識の幅を広げながら、このチームだからできることを

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上田がフレクトに入社して今年で11年目。「気がつけばこれだけ時間が経過していた」と言いながら、ベテラン技術者から見たフレクトの魅力をこう述べます。

上田 「私が仕事をしていて最もおもしろいと感じるのは、お客様の困りごとの解決策を考え、それを実現すること。最近は、AWSやSalesforce以外のクラウドサービスを扱う案件も増えていて、そうしたさまざまなサービスをつないで新しいものをつくり出していけるところに仕事の醍醐味を感じています。いろいろなお客様がいて、興味を持って取り組めるプロジェクトが多いことが、これまで長くフレクトでやってこれた理由かもしれません」

今後も引き続き、ひとりの技術者として、技術支援/横断チームの一員として貢献していきたいと語る上田。

上田 「AWSやSalesforce、MuleSoftについて深堀するのはもちろん、マイクロサービスやKubernetesといった新しいことも積極的に学んで知識の幅も広げながら、ベストプラクティスを追求していきたいと思っています。自分がしたのと同じ苦労を誰も繰り返すことがないよう、失敗も経験しながら、成功の道筋をつくっていきたいです」