プロダクト開発の「手の内化」で変革を──15人のプロ集団が挑む新しいものづくり
──デジタルイノベーションオフィス(DIO)とはどのような組織ですか?
2025年9月に設立されたエンジニアリングのプロフェッショナル集団です。もともと当社の社員だったメンバーだけでなく、ビジョンに共感いただきキャリア採用でジョインいただいたエンジニアやSMBCグループの別企業からの出向者も含め、現在は15人で活動しています。
今後、業務の拡大とともに規模も拡大する予定です。当社といえば、クレジットカードなど金融系のサービスがよく知られていますが、私たちは金融系のサービスだけでなく、非金融系のサービスにも広く関わっており、ビジネスチームと密な連携をとりながらプロダクト開発を行っています。
──チーム立ち上げのきっかけとなった経営課題について教えてください。
当社ではSMBCグループの会社がシステム開発の多くを担当していることもあり、アイデアの創発から、その実現(ローンチ)までのリードタイムが比較的長く、お客さまに迅速に価値を届けることに課題があります。
この課題に対するアンサーの一つが、「手の内化」であると私自身は信じております。自社に技術主権を取り戻し、プロダクト開発をコントロールできるようにならなければ、今世に送り出しているプロダクトの品質や価値も評価できませんし、適切なリードタイムで仮説検証を行うことも難しくなります。
もちろん、すべてのプロダクト開発を自社で担う必要はありませんが、手の内に収めるべき部分は収め、協力会社さまにもご協力いただきながら自社が主軸となってプロダクト開発を主導すべきだという考えから、DIOの立ち上げに至りました。
──集まったチームメンバーの特色とチームの雰囲気はいかがですか。
メンバーはプロダクト開発を担うソフトウェアエンジニア、エンジニアが気持ちよく働ける環境を作るプラットフォームエンジニア、データサイエンスやAIを専門とするエンジニアの大きく3本柱で構成しています。
上下関係がないので非常にフラットであるほか、オープンマインドな人が多いですね。チームで仕事を進めていくのが得意で、わからないことは「わからない」、できることは「できます」「やります」と声を上げ、専門領域においてはプロフェッショナルでありながら、あまり役割に固執せず、メンバーで協力し、主体性を持って学びを意識しながら業務を進めている姿が印象的です。
また、ステークホルダーとの対話を重んじる風潮があり、他部署のメンバーにも積極的に声をかけながら働いていると感じます。
新しい技術より大切なこと。お客さまに喜ばれるサービスをいち早く届ける「行動主義」
──入社の経緯と立ち上げ開始時の心境を教えてください。
偶然が重なったというのもあるのですが、当社の課題感や「手の内化」への期待感などをカジュアルにディスカッションさせていただく機会をいただき、また、デジタル&イノベーションカンパニーというビジョンにも共感できたこともあって、私自身の経験・知見、存在が、なにかしら貢献できるのではないかと感じていました。
経営層の方々も非常にカジュアルにかつ正直に現況をお話いただき、対話を重ねていたので、当社のこの変革にかける期待値の大きさは実感していました。とはいえ、私はあまり肩に力が入らないタイプなので、フラットに受け止めていましたね。
ただ、この規模の会社で、技術主権を取り戻し、エンジニアリングのプロフェッショナル集団を設立できることは、非常にエキサイティングで、ものづくりに関わる身としては光栄なことだなと思っていましたし、当社が新たな一歩を踏み出すことで少しは日本のエンジニアリングの在り方が変わるのではないかと私自身期待していました。もちろん大変なことだとはわかっていましたが、その反面ワクワクする気持ちもありました。
──3カ月間の準備期間での具体的な取り組みと役割を教えてください。
最初は、比較的近しい社員と意見を交わし、めざすべき姿を考えては経営層に提案して組織成長に至るストーリーをすり合わせました。
その後、社長の大西に話をしたところ「すぐに始めよう!」と太鼓判を押してくれました。同時にメンバーを集めるため、人事部と採用計画も話し合いました。
また当社には専門職に適した制度がなかったので、スペシャリスト、エンジニアという職種の特徴についても人事部とも対話をさせていただき、ジョブ型人事制度の立ち上げも実現いただきました。経営層と深く対話をしながら組織を作っていったので反対意見もほとんどなく、大変ながらも周囲の協力を得ながら進められたことに感謝しています。
──チーム立ち上げにおいてとくに心がけたことはなんですか?
新しい技術や難しい技術にこだわるよりは、一つひとつのプロダクトの価値にフィットした技術を使って、お客さまに喜んでいただけるサービスをいかに早く世の中に出せるかということを意識しています。やってみないとわからないこともたくさんあるので、メンバーにも「行動主義」を大切にするように伝えています。
「これがよさそうだ」とわかったらすぐやってみる、うまくいかなかったらすぐに別の方法を模索するというように、とにかく行動して結果や成果を導き出すことや、そこから得られる示唆や学びを大切にしています。
やればやるだけ結果が出る喜び。ゼロから始めた組織で感じる成果の手応え
──立ち上げ時の思いと立ち上げから2カ月経った今の思いを教えてください。
立ち上げ時は「いよいよ始まるな」という気持ちでしたね。DIOの発足によってこれまで社外で行われていたプロダクト開発がある程度、主権をもってできるようになるので、関連部署の考え方や仕事のプロセスもこれまでとは変わっていきます。
変化にはストレスも伴うものですが、それを差し引いても「DIOの存在は価値あるものだ」と関連部署のメンバーに思ってもらわなければならないので、焦る気持ちは少しありました。今でも「早くバリューを出さなければ」「信用されるチームにならなければ」という焦りはありますが、エンジニアが働く環境がある程度整備され、メンバーも徐々に増えていっているので、順調だと思います。
立ち上げ前はプロダクト開発に関する相談を私自身が対応していましたが、今ではチームで対応できはじめていることも感慨深いです。さまざまな部署から寄せられる「このプロダクトをこうしたい」「この機能をこうやって改善したい」といった声に対し、技術的な解決策の提示や、簡単なプログラムやスケルトンを作って「こういうことですか?」と実物を見せながらすり合わせを進めます。
これまでの当社ではできなかったことなので、他部署から見ても新鮮なようで「一緒に仕事したい」と声をかけてくれるプロダクトも徐々に増えてきて、少しずつ存在を認めてもらえはじめたと感じています。
──現在のチームの魅力や運営方針について教えてください。
もともとがゼロからスタートした組織なので、やればやるだけ結果が出て価値が生まれるのは気持ちがよいですね。また、立ち上げ当初はメンバーも探り探りで「これをやってもいいですか?」と私に許可を取ることが多かったのですが、今は「やったほうがいいと思うことに許可を求めなくてよい」と伝えており、行動主義で思い立ったらすぐ行動できるメンバーが多いと感じていますし、そのカルチャーが会社にもフィットしていると感じます。
私の判断することが必ずしもチームやプロダクトにとって正しいことだとも思っておらず、DIOとしての意思決定のほとんどは、私を含めたメンバーの多様な意見の集約によって成り立っています。加えて、あらためて言葉にすると恥ずかしいのですが、メンバーのハピネスを大切にするようにしています。
やはり「ここにいると楽しい」と感じている人のパフォーマンスは、人一倍高いと思うのです。どこにハピネスを感じるかは人それぞれだと思いますが、できるだけハピネスの生まれる職場環境を重視しています。
楽しくはしゃぎながら働く組織が強い。「躍動しろ」と伝え続けるリーダーの信念
──DIOの今後のめざす姿を教えてください。
もちろん当社のビジネスにテクノロジーで貢献することが最大のミッションです。そのために「とにかくやってみる」の精神でトライアンドエラー、仮説検証を高速に繰り返して答えを導き出し、「DIOを頼ってよかった」と言ってもらえるようになりたいと思っています。
また技術主権をもち、手の内化を進め、チームの存在感大きくしていきながら、できるだけ早くお客さまに価値を届けられる存在になりたいです。
今はエンジニアの活躍の幅も以前とは変わってきています。AIと協働すればコードはできあがっていく時代だからこそ、自社のビジネスにしっかり興味を持ち、深く理解した上で技術を用いて課題を解決する「イネーブラーであれ」とメンバーには伝えています。
また、私自身、メンバーにはよく「躍動しよう」と伝えています。モノづくりに関わる人々が楽しくはしゃぎながら働いている組織は、絶対ビジネスも成功すると信じていますし、与えられた「楽しい仕事」をするチームではなく、「楽しく仕事」をするチームであり続けたいと思っています。
──DIOに求められる人材はどのような方でしょうか。
テクニカルスキルが高いことはもちろん望ましいですが、もっとも大切なのは学ぶ姿勢です。テクノロジーの変遷はまさに日進月歩ですし、それに伴いビジネス環境の変化も激しい時代ですので、「いまの保有スキルで活躍したい」という方よりは、必要だと思った技術を学び、役割の壁を乗り越え、その都度、お客さまにとって価値のある事、プロダクトに合ったものを選択しようとする姿勢を持つ方がいいですね。
現代のビジネス、プロダクトは正解がないことが山ほどあります。だからこそ「答えがないから楽しいよね」と思える方ならとくに活躍できると感じます。
たとえば、かかる時間や費用が同等で、提供できる価値も同じ場合に複数の選択肢があった時、「一番おもしろいと思える方法を選ぼう」と思える方が、DIOの雰囲気に合っていると思います。
──今のDIOだからこそ得られる価値はなんですか。
プロダクト開発、プラットフォームエンジニアリング、データサイエンスやAI活用などを通じた社会・事業貢献、課題解決の場があることはもちろん、金融の枠組みを超えたビジネス的なチャレンジをテクノロジーで支えていくというエキサイティングなフェーズでもありますし、今のDIOは働く環境やプロセスを作り出しているフェーズでもあるので、当社のビジネス規模の会社で、組織づくり・エンジニアリングカルチャーの形成にも関与できるところがとてもおもしろいと思います。
新しい組織特有のパッションを感じられたり、長い目線でエンジニアとしてここで働き続けるためにどうしたらいいか一緒に考えたりできるので、ぜひ一緒にプロフェッショナルチームを創り、育てていく楽しさを体感してほしいです。
※ 記載内容は2025年11月時点のものです
