医療機器の安全性の根幹を担うという、やりがい
──所属する部署やそこでの仕事の内容について教えてください。
医療評価技術 生安性評価技術という部署に所属しています。生安性評価とは、医療機器が人の体内で問題なく使用できるかどうかを評価すること。実験や解析などを通じて医療機器の安全性を評価することが主な役割です。さまざまな角度から安全性を確認し、総合的に判断した結果を開発部署に対してフィードバックしています。
医療機器は安全を重視して設計されていますが、現場で予期せぬ事態が起こる可能性はゼロではありません。そのため、製品が市場に出る前に、さまざまな試験や評価方法を用いて収集されたデータを分析し、製品の安全性の向上に努めています。
また、新しい評価方法の確立にも取り組んでいます。生物学的安全性評価の領域では、環境への配慮の高まりを受け、従来の方法に置き換えられる新しい手法の探索にとても積極的です。学会に参加して最新の技術動向を常に注視し、社内で適用可能な技術を模索するなど、安全性評価のためのルーティン業務と技術開発を両軸で進めています。
──生安性評価技術のやりがいをどんなところに感じていますか?
医療機器は安全であって当たり前です。医師に安心して当社の製品を使ってもらえるよう、安全性の防波堤としての意識を強く持ちながら仕事に取り組んできました。品質保証の点で医療の現場に貢献できていることが仕事への意欲につながり、とくに担当した製品が安全性に関する基準をクリアしたときや、無事に市場に出たときには大きなやりがいを感じます。
最新の情報に触れられるのも技術開発職ならでは。学会などで新しい技術や評価方法などに出会うのはとても楽しい瞬間です。
また、習得してきた技術と新たな技術の融合におもしろさを感じます。私はイメージング技術への関心からオリンパスと出会ったのですが、現在取り組んでいる新規評価方法の確立においても、イメージング技術と掛け合わせることができると考えています。現在検討を進めている新しい方法をかたちにできれば、オリンパスの安全性への取り組みを社外に広く示す、絶好の機会となると考えています。
産休育休を経て迎えた新たなキャリアの局面。職場復帰後は、科学事業から医療事業へ
──入社の経緯と、入社後の仕事について教えてください。
学部では食物栄養学科に所属して管理栄養士の資格を取得し、大学院では栄養化学を専攻して食品成分のもつ抗アレルギー作用の機序解明に取り組みました。
オリンパスに興味を持ったのは、研究の過程でイメージング技術への関心を高めたからです。顕微鏡で観察をするためにミクロの世界を染色し、画像を取得するというプロセスが非常に興味深く、この技術をさらに深く追求したいと考え、当社のインターンシップに参加しました。
インターンシップでは、社員の手厚いフォローのもと同じ専門領域の学生らと共に課題に取り組んだことで、入社後の業務への理解が深まりました。とくに印象的だったのが、人と環境の魅力です。温かく誠実な方が多い印象を受け、ここでなら自分らしく働けると感じ、入社を決めました。
入社後は希望していた科学事業部門に配属され、顕微鏡アプリケーションの開発や国内外での学会発表、論文投稿、特許出願、外部協業などに携わりました。時間を忘れて顕微鏡を覗き込み実験に没頭したり共同研究を推進したりと、懸命に取り組んでいた記憶があります。
──1度目の産休育休取得について、復帰後のお仕事内容とあわせて教えてください。
2020年1月〜2021年3月にかけて最初の産休育休を取得しています。職場復帰後、生体評価基盤技術に配属され、科学と医療のふたつの事業を兼務することになりましたが、自分が得意とする生物学的技術を活かせる領域に引き続き携わることができたため、慣れない分野を担当することにまったく抵抗がありませんでした。
技術主導型で開発を進めることが多かった科学事業と異なり、医療事業では患者さんの役に立てることを実感できました。人の役に立てる研究開発に興味を持ち始めていた私にとって、医療事業への移行はむしろ絶好のタイミングでした。
2度目の産休育休を経てつかんだ新しい働き方。キャリアと育児の両立に向けて
──2022年に2度目の産休育休を取得されています。その後、働き方はどう変化しましたか?
双子を妊娠していたため、産婦人科医から安静に過ごすよう助言され、不安を抱えながら仕事を続けていましたが、部署やチームの方の支えがあったこと、コロナ禍によってリモートワークが浸透し、職場環境に大きな変化があったことに助けられました。とくに産休に入る直前はほとんど在宅で勤務していたのを覚えています。
2022年の9月に出産して翌年の4月に職場復帰しました。現在も時短勤務を取り入れていますが、下の子はまだ1歳なので、いつ体調不良となり保育園から呼び出しがかかるかわかりません。そのため、以前よりもさらに効率性を意識したタスク管理を行っています。単純な話ですがレスポンスの速さなど、自分にボールがない状態をいかに作るかを考えています。
子どもが生まれ、以前のように実験や解析に長い時間を費やすことが難しくなったぶん、周囲の協力を積極的に求めるようになりました。業務時間は短縮されましたが、今まで自身で行ってきた業務を見直して、可能なものは定型化し他のメンバーに作業をお願いするなど、全体のアウトプットの量に変わりないよう努めています。
──仕事をする上で大切にしていることを教えてください。
俊敏さを大切にしています。完璧をめざすのではなく、7〜8割の完成度であっても、周囲に早めに現状を説明し共有することが、仕事を迅速に進める鍵であると学びました。そのためには信頼関係の構築が欠かせません。メールやチャットツールなどを通じて、日頃から積極的にコミュニケーションを取るよう意識しています。タスク表を作成して業務の進捗を見える化し共有することも心がけている点です。個人に依存しない業務の進め方をめざしています。
ただそれが可能なのは、周囲がフォローしてくれる環境があるからこそ。入社前に感じていた通り、温かく誠実な方が多い環境に助けられています。
もうひとつ大切にしているのが正確性です。医療機器の安全性評価では、各国の規格に準拠した対応が求められます。規格の解釈やその展開方法を誤れば、製品の市場投入に影響しかねません。とくに最終的なアウトプットは徹底的に精査し、正確に仕上げることを常に意識しています。
しかし、俊敏さと正確性はしばしば相反するため、両立は困難です。先輩や上司の力を借りながらバランスを取って、精度を高めるよう努めています。
女性社員にとってロールモデルとなるような存在に
──今後の展望を聞かせてください。
医療機器の安全性をより高めるために開発の現場に対して私たちができることはまだまだあると思っています。初期段階から生物学的安全性が考慮されるような開発環境の実現を目標に、意識改革に積極的に取り組んでいくつもりです。
働き方の面では、3人の子どもを育てるワーママとして、女性社員にとってロールモデルとなるようなキャリアを築いていくことをめざしています。
個人のキャパシティには限界があるので、お互いを支え合い、組織力を発揮していくことがとても重要です。そのためには、まず自分自身が周囲を支えられる存在にならなくてはなりません。現在の部署には若手社員が多いので、彼ら、彼女らがワークライフバランスを実現するための環境づくりをすることも、私の役割だと考えています
※ 記載内容は2023年12月時点のものです

