事業活動をプロアクティブに支援。法務リスクを踏まえた解決策を提供する
──所属する部署やそこでの仕事の内容について教えてください。
当社には各リージョンに法務部門があり、リーガルジャパンは日本地域の法務部門です。国内外の訴訟やコーポレートガバナンスなど、それぞれの領域に特化した複数のグループがある中で、私はビジネスサポートグループでディレクターをしています。
“プロアクティブな法務支援”を指針に掲げ、受け身の姿勢ではなく、法務リスクを踏まえた最適な解決策を積極的に提供することがビジネスサポートグループのミッションです。その業務は大きく三つあります。
一つめは、各事業部から寄せられる多種多様な法務相談への対応です。たとえば、事業部門が取引先様と締結する際の契約書をレビューし、必要に応じて修正・加筆を提案します。この契約審査が業務の重要な部分を占めていますね。
二つめがM&Aをはじめとする各プロジェクト対応です。当社は、真のグローバル・メドテックカンパニーへの飛躍をめざし、企業変革に取り組んできました。2022年から2023年にかけて祖業の工業用顕微鏡などを手掛ける科学事業を売却するなど、医療事業に集中するためのM&Aを実施しており、このような機能・地域横断的なプロジェクトに、私たちリーガルジャパンも参画しています。社内の各部門と連携しながら、法務観点でプロジェクトの成功に貢献しています。
三つめは、従業員向けの法務教育です。秘密保持契約の解説など、他の事業部門や、関係会社向けに法務セミナーを企画・実施しています。
──チームの編成やその中での朝倉さんの役割を教えてください。
ビジネスサポートグループには、私以外に9人のメンバーがおり、年齢層は20〜50代までさまざまです。長くオリンパスで経験を積んできた人もいれば、私のように最近中途で入社した人もいます。全員が法務を専門としているメンバーで、私以外にも2名が日本法の弁護士資格を持っています。
入社の決め手は、人々の健康・幸福につながる仕事
──これまでのキャリアとオリンパスに入社した経緯について教えてください。
大手法律事務所で弁護士としてキャリアをスタートさせました。M&A、訴訟など各種案件に携わった後、大手総合商社の法務部にキャリアチェンジ。社内弁護士として海外のM&A、危機対応・コンプライアンス案件などに従事しました。
その後は、改めて法律家としての専門性を磨き直したいと思い、大手法律事務所で、弁護士としてM&A、危機対応・コンプライアンス案件などを担当しました。
オリンパスへ入社したきっかけは、今の上司との出会いが影響しているかもしれません。自分の仕事を社会にどういった形で役立てられるだろうと考えているときに、今の上司と話す機会があって、人々の健康・幸福に結びつく仕事・分野に魅力を感じました。
また、オリンパスが真のグローバル・メドテックカンパニーをめざし、変革を推進している状況ということもあり、チャレンジングに自己成長しながら働くことができると思い、入社を決めました。
──仕事をする上で大切にしていることはありますか?
新たな経験や挑戦を通じて、成長し続けたいという想いがあります。総合商社に転職したのは、クロスボーダー案件での経験を積みたかったからですし、再び法律事務所に戻ったのは専門家としてスキルにさらに磨きをかけたいと考えたからです。自分と組織が共に成長できる環境に身を置くことを常に心がけてきました。
2つの大きな挑戦 ~大規模M&Aプロジェクト&初めてのマネジメント業務~
──入社後、とくに印象に残っている仕事について教えてください。
2022年8月、オリンパスは科学事業を譲渡する契約を締結したことを発表しましたが、この案件には入社直後から主担当として携わりました。
通常、当案件のような大規模プロジェクトの場合、プロジェクトマネジメントオフィス(以後、PMO)が設置され、法務部門はそのサポート役に回ることが多いですが、このプロジェクトでは、私を含む法務チームはPMOの一員として参加する機会をいただきました。
法務部門は、従前の案件でも、法務デューデリジェンス(※)や契約交渉への対応などについてM&Aプロジェクトをサポートしていましたが、このプロジェクトでは、社内のディスカッションや定例ミーティングにもより幅広く参加し、法務の観点から積極的に提案したほか、関係部署との連携を含むプロジェクトマネジメント支援にも関わりました。
※ 法務デューデリジェンス:買収対象となる会社の株式や組織、資産、取引状況などを確認し、法的に問題がないか、企業活動にリスクがないかを調査すること
──M&Aプロジェクトにおいて法務部門が発揮するバリューとは?
M&Aにおいては、契約上のさまざまな条項を通じて売り手と買い手がリスクを分担するのですが、仮に当社が負担するリスクについて当社内で十分理解されないまま契約が結ばれた場合、契約締結後に当社が受け取る譲渡対価が想定外に下がってしまったり、契約違反を理由とした予期せぬ補償請求を受けたりすることがあるんです。
契約交渉を通じてそうしたリスクを最小化するとともに、当社が負担するリスクの内容をわかりやすく経営に説明し、当社として当該リスクに適切に対応できるようにするのが私たち法務部門の役割だと考えています。
──プロジェクトの中でどのような苦労がありましたか?
とくに苦労したのは、他のリージョンとの連携です。科学事業はグローバルに拠点を持っていたため、全地域のリーガルメンバーとの緊密なやりとりが必要でした。当時、私は入社したばかりで、どんなメンバーがいるのかもわかりませんでしたが、グローバルのリーガルチーム全体を統括するメンバーとタッグを組み、上長や他のメンバーの支援も得ながら、なんとか乗り切ることができました。
──ディレクターになられたこともご自身の中でチャレンジでしたか?
オリンパス入社前に小規模組織のマネジメント経験はありましたが、中規模な組織をマネージするのは初めての経験でした。たとえば、個別案件の対応において、どこまで自分が口を出していいのか、どこまで任せるべきなのかなど、迷いながら試行錯誤して進めてきました。ディレクターになった当初は、M&Aプロジェクトが佳境に入っていた時期だったこともあって、時間、工数の面でも特に大変でしたね。
そんな中で改めて重要だと感じたのはコミュニケーション。相談してもらえる関係を築くために、定期的1on1ミーティングを行うことは重要だと実感しました。こうした新しい経験を積ませてもらえていることにも感謝しています。
真のグローバル・メドテックカンパニーへ。法務部門として経営戦略実現に貢献
──どんなところにオリンパスの魅力を感じますか?
会社全体を見て感じることは、オリンパスの医療事業が人の命に携わる仕事であることが自覚されていることもあって、誠実な社員が多いと感じています。また、リーガルジャパンに関して言えば、私が入社する前から組織を良い方向に変えていこうという取り組みが積極的に行われてきました。
たとえば、リーガルジャパンの全体会議に他部門のリーダーをお招きして部門紹介をしてもらうなど、リーガルジャパンのメンバーが当社事業をよりよく理解するための取り組みを継続しており、このような取り組みには大いに共感しています。
──今後の展望を聞かせてください。
現在所属しているビジネスサポートグループ以外の業務も少しずつ経験していきたいと考えています。たとえば、訴訟対応や、コーポレートガバナンス、品質保証に関する知識・経験を積むことで、リーガルの業務全般をもっと深く理解していきたいと思います。
また、会社の経営戦略への理解を深め、課題に対して法務部門として何をすべきか、方針策定などにも深く関与していきたいですね。オリンパスがより世界で活躍し、プレゼンスを高めていくためにも、法務の面からグローバル化に向けた取り組みを支え、法務部門、そしてオリンパスにますます貢献できる存在になっていきたいと思っています。
※ 記載内容は2023年6月時点のものです

