弱みを強みに。「できる」が増えれば世界は広がる
柔らかな物腰、温和な表情、優しい人柄がそのたたずまいから伝わってくる。NTTデータ ウェーブiSS事業部ビジネスサポート部でIT業務支援に携わる髙波の仕事は、クライアントが運用するITネットワークの品質保持や問い合わせ対応、海外のメンバーとの英語を用いた協業、各種会議のファシリテートなど多岐にわたる。
「クライアントのIT運用に関する課題を解決に導けたり、海外のメンバーとのやり取りが弾んだり、会議での議論が盛り上がって新しいアイデアが生まれたり……、そんなときに『自分の力を活かせたかな』と喜びを感じます」
ネットワーク領域に関する知識と経験には人一倍の自信を持つ。英語でのコミュニケーションも苦にしない。そんな今の仕事ぶりに「まさか私が英語でネットワークについて語る日が来るだなんて。入社当時の自分からは想像できませんね」と、髙波は笑う。
かつて、苦手なことは?と聞かれれば、「英語とネットワーク領域の知識」と即答する髙波の姿があった。何が髙波を変えたのか。変化の起点になったのは、髙波を信じ、支えてくれた仲間の存在だった。
一歩ずつ、できることからコツコツと。仲間の支えは何よりの推進力
入社直後に受けたTOEICは、目の当てられないほど散々な結果だった。当時の上司に相談すると、「やる気があるなら、学び続ければいい」と背中を押され、自己啓発支援の一環として利用できる英会話スクールに通い始めた。
「英語の基礎の基礎、本当に子どもが学ぶような会話レベルからの学び直しでした。いつになったら仕事で使えるような次元に達するのだろう。当時の私には想像もできないほど遠いものでした」
大学では経営学部経営学科で情報処理について学んだ。就職時にはITに関わる仕事を希望し、いくつものIT企業に書類を送った。試験と面接を経て、NTTデータ ウェーブに入社。任された仕事のひとつが、ネットワーク領域に関するサポート業務だった。
「ネットワーク領域の中でも特に認証と呼ばれる分野の運用で、たとえばパソコンのIDパスワードの管理であったり入社や出向、休職や退職などにともなうアカウントの制御など。正直、当時の私にはわからないことばかりでした」
駆け出しのころの自身の姿を振り返り、苦笑いする髙波。できないことを数えても仕方がない。できることからひとつずつ増やしていくことを目標に、日々の仕事と向き合った。わからないことは周りになんでも聞いた。その都度、先輩たちはしっかりと向き合い、丁寧にポイントを教えてくれた。少しずつできることが増えていくと、小さな「できた」の積み重ねが喜びと自信、そして髙波に対する周りからの信頼へとつながっていった。
仕事の幅も広がり、「これから」という矢先だった。思いがけない小さなミスから自信と信頼を失った。
つまずいたからこそ気づいた自分自身の現在地
クライアントから依頼された認証に関するネットワークの設定中、マニュアルで示された作業工程の一部を見落としてしまった。その結果、エラーが発生、解消しようにも当時の髙波の力だけではできず、上司や先輩、クライアント先の担当者を巻き込む事態となっていた。
修復作業をじっと見つめることしかできなかった。当時の記憶を振り返る髙波の顔から、笑顔が消える。修復作業は深夜にまで及び、無事にエラーは解消され事なきを得た。自責の念に駆られ、肩を落とす髙波に「大丈夫だ。安心しろ」と、上司が声をかけてくれた。支えてもらった感謝の気持ちとともに、自分自身の力不足を痛感した。
「失った信頼を取り戻したい。仲間に支えられる側ではなく、仲間を支えるような存在になりたい」。ミスを機に、認証に関するシステムを一から学びなおすとともにシステム全体を深く理解することに全力を注いだ。二年ほど経った頃、同僚から「認証のことなら髙波さんに任せれば大丈夫」と、クライアントが話してくれたことを伝え聞いた。
髙波さんに任せれば……、そう言ってくれたのはかつてのエラーで深夜作業に巻き込んでしまった担当者だった。「うれしかった。信頼を取り戻せたことが、なによりもうれしかった」と、笑顔を見せる髙波。一度失った信頼を、少しずつ積み重ね、もう一度信じてもらえるようになったことが、仕事への自信に変わった。
地道にコツコツと続ける、それが自分らしさ。使う機会を待ちわびていた英会話も、日の目を浴びるときが来た。マレーシアの現地スタッフとのオンライン会議での司会進行を任された。「会議も思った以上にうまくいき、安心しました。英会話スクールに通い始めてから約十年、いつか来るそのときを信じて続けたかいがありました」。支えられる側から、支える存在へ。少しずつ、思い描いた姿へと近づいていくことがうれしかった。
自分だからできることがきっとある。想いのバトンをつなげたい
NTTデータ ウェーブで働く中で、さまざまな経験を積むことができた。ビジネススキル、認証ネットワークの技術と知識、英語を用いたコミュニケーション……、そのすべてが髙波の財産であり、同僚やクライアント、家族や友人から送られたかけがえのない贈り物だ。
「たくさんの仲間に背中を押してもらって、たどり着いた今がある。次は自分が仲間の背中を押してあげる番」と、髙波は笑顔を見せる。社内でのコミュニケーションスキルの研修会や英会話など、自身の経験を伝え、シェアする機会をつくりたいと考えている。今すぐに活用されなくてもいい。きっといつか伝えたことが役立つときが来ると信じてる。
「仕事は楽しく。困ったときには仲間に支えてもらえばいい。でも仲良しクラブじゃないぞ。NTTデータ ウェーブとして、ITを活かしてクライアントとその先にある社会をどう幸せにできるかをしっかり考えるんだ」
尊敬する上司の言葉が、髙波の心に今も残る。想いは未来へと受け継がれていく。「私ができることをこれからもコツコツと、感謝の気持ちとともに伝えていきたい」。想いを語る髙波の顔は、優しさに満ち溢れていた。
※ 記載内容は2023年7月時点のものです

