お互いの強みを最大に活かすために、できる限りを尽くしたい

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「ITに関する何でも屋さん、自分ではそう思っています。困ったことがあればいつでも呼んでほしい」。大墨の温和な性格がその優しい眼差しから伝わってくる。柔らかな雰囲気が場を包み込むと、自然と会話が弾みだす。新しいアイデア、課題解決に向けたアプローチ、めざすビジョン……、盛り上がるミーティングはいつも少しだけ長くなる。

クライアントが自社商品の販売に向けて利用する外部のオンラインショップ運用会社のネットショッピングシステム、そのシステム運用をクライアントと同じ立場からIT面でサポートするのが大墨の仕事。クライアントが行うオンラインショップの運用を、クライアントと同じ立場で支えることだ。

ITの進化による新たなサービスや時代のトレンドなどにあわせて、オンラインショップの運営会社は随時、システムをアップデートする。大墨はその都度、どのような変更がなされたのか、更新により販売促進としてどのような手が打てるのか、その可能性を探り、把握に努める。

「オンラインショップの運用に関わるシステムの理解やアップデートによる更新は、細かいIT知識が必要なものもあります。すべてを理解するには膨大な時間と労力が必要です。

クライアントには、自社の商品開発や新たな企画などに大切な時間を割いてほしい。ショップ運用に関わる技術的な部分や手間のかかるオペレーションなどは、私が責任をもって請け負います。それぞれがそれぞれの強みを活かし、共創するパートナーでありたい」

わかちあう達成感。同じ目線、同じ想いで向き合うからこそ生まれる信頼

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現在(2023年1月時点)の業務の担当を任されたのは3年前、着任早々、新規施策の大型セールの計画に加わった。クライアントとともにオンラインショップでの商品のアピール方法や事前の動作確認、当日のシミュレーションなど、できる限りの準備を整えた。「これで大丈夫。後はセールがスタートすればうまくいく……はずでした」と、大墨は当日のある出来事を思い浮かべ、顔をゆがめた。

午前中から、セールは幸先良い滑り出しを見せていたが、夕方にオンラインショップの運営会社から受けたトラブルの一報により状況は一変した。選択した商品が正しくカートに入っていない。選んだアイテムとは違う品が決済されていることが発覚した。予想もできない、運営会社のシステムエラーから生じたトラブルだった。

一報を受け、大墨はクライアント側の担当者とともに注文を一つずつ訂正、購入者に対してお詫びのメールを打ち続けた。並行して商品の販売再開に向けた準備や確認作業に汗を流した。作業は深夜まで続き、気づけば朝を迎えていた。

トラブル処理を終え、建物を出た大墨にクライアント側の担当者から「お疲れ様、ありがとう。助かったよ。お腹減ったよね、こんなときはスタミナつけないと」と明るく声を掛けてもらった。そのまま2人で早朝の牛丼チェーン店に入り、うな丼をほおばった。

「同じ苦労や達成感を味わったことで、この仕事に対しての思い入れが強くなりました」

大墨にとって忘れられない「苦い」デビュー戦だった。ただ、この経験から多くのものを得ることができた。何よりも信頼の大切さを知った。この先、もっと頼られる存在になりたいと心に誓った。

人と向き合うことで見つけた新しい大墨 俊

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柔らかな面持ちに軽快なトーク、社交的な性格と思いきや、「実は人見知り。そんな性格もあってエンジニアをめざしたというのが本音です」と、大墨は入社当時の記憶を思い返す。

「エンジニアは人との対話を通して仕事をするというより、パソコンと向かい合って仕事するイメージでした。コミュニケーションが苦手だったので、何となく自分には合っているような気がして。NTTデータ ウェーブに入って、良い意味でその想いは裏切られましたね」

何よりも大切なのは人との対話だった。クライアントとの話し合いを通して、彼ら、彼女らが求めているものは何か、その期待に応えるためにNTTデータ ウェーブができることは何だ、そして大墨自身は何をすべきか。お互いを良く知ることが、すべての根幹だった。

人見知りの私にこの仕事が務まるだろうか……。そんな大墨の心配はすぐに消えた。クライアントやプロジェクトに関わる協力会社のメンバー、そして同僚、誰もがありのままの大墨を受け入れてくれた。

「優しくされると、その分、自分も相手に優しくなりたいと思う。すごく良い循環だと思います。この仕事を通して、新しい自分らしさを見つけられた気がします」

調和とともに新たな刺激(情報)を。職場の良きスパイスになりたい

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コロナ禍で、リモートワークが増え、リアルな場でのコミュニケーションの機会は減った。ただオンラインによって相手との距離が生じたかというと、大墨にとっては必ずしもそうではなかった。クライアントや協力会社のメンバーに誘われて始めたオンラインゲームから、最近新たな気づきを得ることができたからだ。

「休みの日にネット上で集まり、協力しながらステージをクリアするオンラインゲームです。攻め方や守り方は、それぞれ性格が出ますよね。ある方は攻めるよりもフォローに回るのが上手、場を和ます人や盛り上げ役など、夢中になっているとその人の素の表情が垣間見られます」

相手のことを知る、その先により良いコミュニケーションが生まれると大墨は信じている。オンラインショップの運用も同じだ。ショップを訪れた人が、気持ち良く買い物を楽しんでほしい。そのためにオンラインショップをより魅力的でワクワクするような場所にするための改良が必要だ。

日々目まぐるしいスピードでアップデートされていくITの進化はもちろんのこと、お客様の気持ちや社会情勢、トレンドのリサーチにも手は抜かない。「知っておかなきゃいけないことが山積みですね」と、大墨は気持ちを奮い立たせる。

コロナ禍での在宅勤務では、おのずと家で過ごす時間が多くなった。そんな日々の生活の中で、料理の楽しさにも気づくことができた。最近ハマっている麻婆豆腐は、香辛料にこだわり、好みの味に仕上げる。「食材のうまみを引き立てるようなスパイスが好きです」と、その役割の大切さを説く大墨。

仕事の現場でも「大墨がほしいね」と思ってもらえるような存在でありたい。自分らしさを活かしながら、関わる人々の良さを引き出したい。大墨がめざすのは、誰もが自然と笑顔になるような最高のスパイスのような存在だ。