少年の頃に抱いた夢。思いは今も変わらない
「ビートたけしのようになりたい」。小学校の卒業文集に夢を記した。人々に楽しみや喜びを届ける存在になりたい。当時の松本少年は本気だった。選んだ世界は違えど、その思いは今も変わらない。ITで人と人とをつなぎ、楽しみや喜びを関わる人々に届けたい。NTTデータ ウェーブiSS事業部の一員として、クライアント企業の社内ネットワークの管理を支援している。
「バラエティー番組が大好きで『オレたちひょうきん族』は毎週欠かさず見ていました。学校ではビニール袋を逆さに被っては『タケちゃんマン』のものまねで友達を笑わせていました。みんなが楽しんでいる姿を見ると、私自身が満たされていく気分でした。今もその気持ちは変わりません。目の前の人が喜んでいる姿を見ると心が満たされます」
現在はクライアント企業のオフィスに常駐し、リーダーとしてチームメンバーのマネジメントとともにIT関連の相談や資料作成を担う。それらの業務とともに松本にとってやりがいを感じることがある。それは人と人とをつなぐ「橋渡し」役を担うこと。多彩なキャリアの中で培われた人脈を活かして出会いのきっかけを創ることだ。
「廊下での立ち話中でも、知り合いの顔を見つけると話し相手に積極的に紹介します。つながることで新たな関係性が生まれる。その先に新しいアイデアやサービス、イノベーションが誕生するかもしれない。そう思うとワクワクします」
そう話す松本の顔は明るい。松本にとって「つなげる」は喜びそのものだ。
現場で感じた喜びと挫折。その経験が未来につながる
都内の理工系大学の工学部 電子工学科で基盤や発光ダイオードについて学んだ。その後プログラミングへの興味が高まり情報系の研究に没頭した。卒業後は通信機器メーカーでキャリアを積み、NTTデータ ウェーブへと入社。転職のきっかけはネットワーク技術者募集の案内だった。『ネットワーク』、その言葉が松本の心を揺さぶった。脳裏に蘇ってきたのはつながる喜びの記憶だった。
記憶の原点は大学4年の頃に打ち込んだアルバイトだった。企業からの依頼を受けてネットワーク構築のため何百本ものLANケーブルやハブを深夜のオフィスに配置する仕事だ。各種機器との距離や人の動線を把握し、一つずつ「カチッ」「カチャッ」とケーブルをつないでいく。すべてがつながった後の通信テストの時はいつも胸がドキドキだった。パソコンの画面をじっと見つめる。ネットワークが正常に稼働していることを確認した瞬間、みんなの顔がパッと明るくなる。「よっしゃ!」と確かな手応え。喜びが松本の身体中を駆け巡った。
思いを胸にNTTデータ ウェーブへ。一つずつ仕事を覚え、トライ・アンド・エラーを繰り返しながら前へと進んだ。苦い経験もあった。ただその度に気づきと学びを得ることができた。「逃げない、嘘をつかない、放置しない」が松本のポリシー。自分を信じてやり切ること。その先に結果は必ずついてくる。その思いを強くした出来事があった。
中途入社して2年後、27歳になったばかりのことだった。クライアントのメインデータセンターの基幹ネットワーク機器更新という大規模プロジェクトのリーダーを任された。望んだ結果ではなく、やむを得ずの緊急登板だった。若き松本に大きなミッションが課せられた。
やるべきことにフォーカスすれば自ずと答えは見えてくる
「これからどうするんですか!」。現場に響く大声に、緊張感が走った。プロジェクトの舵取り役を担うはずの先輩社員に突然の異動が告げられ、後任は27歳の松本に託された。周りを見渡せば年上のエンジニアやクライアントの社員ばかり。今後の方針や進捗、あらゆることに対してリーダーとしての松本の意見が求められた。
「これで進めていいですか」
「少し考えさせてください…」
問題のないはずの判断にも迷いが生じた。決断できない。不安で相手の顔を見られない。それぞれの思惑や考え方をどうまとめれば良いのか。自問自答する日々が続いた。そんな時、上司や異動した元プロジェクトリーダーの先輩社員からかけられた言葉が松本を救った。
「うまくやろうとしなくて良い。動かすこと。まずはつなげろ」
すっと肩の荷が軽くなった気がした。つなぐことにフォーカスすることで、自ずと進むべき道が見えてきた。
「いいですね。これでいきましょう」
自信を持って指示を出した。すると自然とエンジニアたちも松本の意見を受け入れ、動き出すようになった。その場しのぎの言葉はやめた。逃げない、嘘をつかない、放置しない。それはお互いの信頼関係を築くための鍵だ。
プロジェクトスタートから約1年、みんなが思い描いた基幹ネットワーク機器の刷新が実現した。「やりきりましたね」と、ともに汗を流したクライアントやエンジニアから声をかけられた。苦労と喜びを分かち合ったプロジェクトメンバーとは今でも強くつながっている。
新たな出会いが未来を創る。「つなぐ」は未来を開く鍵
入社から約20年、ITの進化とビジネスのグローバル化が進み、仕事現場の景色は変わった。海外企業との取引やプロジェクトも増え、今まさに英語でのコミュニケーションスキルが求められている。それは松本も然り。ただ…、英語は大の苦手。大学受験では英語科目のない方式を選び、避けて通ってきた。40歳を超えてからの学び直しだった。
「もう逃げられないなって覚悟しました。それからは会社の支援を受けながら英会話を習い、ビジネスの場で実践。その繰り返しでした。不思議なもので、覚悟が決まるとそれなりに英語で相手とのコミュニケーションがとれるようになってきました。
目を見て話し、思いを伝える。すると相手も真剣に耳を傾けてくれる。ちょっとずつですが私も進化している。その感覚が今は楽しい」
最新のテクノロジーに関して自身で学びを深めるも、若手社員たちの飲み込みの早さには完敗。ただそれを悲観的に捉えてはいない。それは優秀なエンジニアがNTTデータ ウェーブには多くいるという証に他ならない。
「若手の成長にはいつも驚かされます。彼らの話を聞いていると、頼もしいなって感じますね。最近では歳のせいか、あの小さかった子がもうこんなに大きくなって!という親戚のおじさんのような気分ですよ。『彼(彼女)、いい腕してますよ』と自慢して回りたくなる」
自身のチャレンジから得た出会いと経験を、将来を担う存在に託したい。この先も新たな出会いが待っている。どの現場でも松本の思いは変わらない。人を、技術を、思いを「つなげたい」。その先には人々の喜びや笑顔があると信じている。
※ 記載内容は2024年6月時点のものです

