慣れない営業にも自信あり。エンジニアとしての強みを活かして
「はじめまして、伊藤です」。スーツ姿が爽やかな営業マンが差し出した名刺の肩書きには、NS営業企画チーム・セールスエンジニアの文字。伊藤は照れながら「まだ慣れないですね」と笑顔を見せる。
2015年にNTTデータ ウェーブに入社後、エンジニア一筋のキャリアを歩んできた。その肩書に、2024年から“セールス”の文字が加えられた。変化の激しい社会の中、新たな顧客の求めるニーズに対応するスペシャリストとして、伊藤は営業チームに加わった。そんな“新人”伊藤が担当するのは、「できない」を「できる」に変えるユニークなサービス。長距離・広範囲をカバーするWi-Fi環境を整備するシステムだ。
「ざっくりいえば、長距離・広範囲をカバーできる無線アクセスポイントと地球を周る低軌道衛星をつなぎ、ネット環境のない場所にインターネットインフラを提供するサービスです。
ただアンテナと衛星をつなぐだけでは通信は安定しません。この2つを安定的にコントロールする独自技術のシステムを加えてストレスのない通信環境を作ります。どこにいても、つながれる。それが、私が今販売を担当している“商品”です」
よどみなく仕組みを説明する伊藤の顔からは、自信が伝わってくる。それもそのはず、長距離アンテナ、衛星、独自のシステムを掛け合わせた新サービスの発案者こそ、伊藤自身だからだ。
ネットワークは社会にとって欠かすことのできない生命線
幼い頃から、ものづくりの現場は身近にあった。システムエンジニアだった父は、帰宅後も時間を見つけては試作機の製作に勤しんでいた。見たこともないような機械に色とりどりのコードをつなげていく。道具箱から取り出した工具が、どれも秘密道具のように見えた。そんな父の姿に伊藤は憧れを抱いた。
大学では情報通信学部のネットワーク工学科へ。担当教授がNTTグループとともに実証実験などを行っていたこともあり、学生時代から教授とともに研究施設などに何度も足を運んだ。最先端の技術を扱う先輩エンジニアたちの姿を目にし、直感的に「おもしろそうだ」と感じた。自ずと方向性は定まった。試験や面接を経て、NTTデータ ウェーブへ入社した。
「社員として1〜3年目はネットワークの構築がメインの仕事でした。LAN配線の作業や電源の引き込みなど、現場作業に汗を流しました。その後は業務の中で経験を積み、6〜7年目で大手不動産会社の全国ネットワーク更新のプロジェクトリーダーを担当しました。
社会に出て、そしてNTTデータ ウェーブで働いて、改めてネットワークは社会にとっての“生命線”なんだと感じました。働く人を支えることはもちろん、企業が提供するサービスの先には多くの人たちの暮らしがある。自分の仕事がたくさんの人々の生活を支えていることを実感しました」
ITの力で社会を支えたい──その思いは、今のセールスエンジニアの業務にもつながっている。
目指すのは『誰一人取り残さない』社会の実現
「ネットの通じない山間部の宿場町に通信環境を整えられないだろうか」。長距離・広範囲をカバーするWi-Fi環境を整備するサービスをネットメディアに掲載してすぐ、ある事業者からの相談が伊藤の元に入った。
水道、電気、ガスとともにインターネットは今やインフラ。ネット環境がないことにより、宿場町では生活の質が低下していた。周辺地域は山深く、未だにインターネット回線やモバイルキャリア通信の提供範囲外だった。
「このままでは情報格差により、町の人は得られるはずのチャンスを失うかもしれない。事業者は『誰一人取り残さない』ためにNTTデータ ウェーブのサービスを活用したいと話してくれました。
通信環境が整えば、もっと生活が豊かで便利になる。このサービスはSDGs(持続可能な開発目標)につながっていくと感じました」
事業者との間で、宿場町での実証実験の計画が進められている。大規模な工事やアンテナの建設は必要ない。宿場町の景色を守りながら、その土地で暮らす人々と旅人たちが求める通信環境を整えたい。小さなアンテナを手に、伊藤が山間の町へと向かう日は近い。
きっとできる。ワクワクするチャレンジを全力で
山間の宿場町の他にも、屋外の森林伐採現場や山中の風力発電建設予定現場など、一時的に通信環境を整備したいと望む事業者からも相談を受けた。それぞれ使用環境や受信範囲など通信サービスの利用に向けた条件が異なる。
「どうすればそれぞれの要望に応えることができるか。さまざまな場所へアンテナを持ち込んで実証実験を進めています」
課題が難しいほどエンジニア伊藤の目は輝く。在宅勤務の日には、アンテナを庭に設置して宇宙に浮かぶ衛星との通信を確かめる。角度や干渉物の有無、通信速度など細かなチェックは欠かせない。その中で、作業の手を休めて向かうのは生まれたばかりの息子の部屋。可愛い寝顔は伊藤の活力源だ。
「NTTデータ ウェーブに決めたきっかけのひとつが働きやすさでした。福利厚生はもちろん、社員がどうすれば持てる力を発揮できるかを考えてくれています。今は子どもが幼いので、急な病気や怪我などで出社できないこともある。
大切な家族を守りながら仕事に全力を出せるよう、会社は柔軟に対応してくれる。だから安心して働ける」
休みの日には、大好きなマンガを読んで気持ちをほぐす。お気に入りは、宇宙を目指す兄弟を描いた人気コミック『宇宙兄弟』(講談社)。「ものづくりのシーンが多く、エンジニアとして気持ちがぐっと入ります」と語る伊藤は、読み返すたびに新たな発見があるという。宇宙という壮大な未知のフィールドで不可能を可能にする主人公たちの活躍に心が躍る。
「できない」を「できる」に変えたい。未開拓地に新たなネットワークを築く。きっと、できる。伊藤の挑戦は始まったばかりだ。
※ 記載内容は2025年4月時点のものです

