JAなどでの現場研修に参加したことで、目の前の業務に対する捉え方が一変
大学卒業後、地元 富山で働ける職場を探していた金田。企業説明会に足を運ぶ中で、ほかの金融機関にはない農林中央金庫のユニークさに惹かれます。
「親が兼業農家でもともと農業が身近だったことに加え、『農林水産業と食と地域のくらしを支える』という理念を掲げているところに魅力を感じました。また、ほかの金融機関は採用人数が多い中で、当時の農林中央金庫が打ち出していたのが少数精鋭。若いうちからさまざまな業務を経験できる上、責任のある仕事を任せてもらえると聞いて、入庫を決めました」
富山支店に入庫後、2年目の5月までは、窓口業務課と系統決済課で金融事務の基本を学び、融資業務などに携わるための土台づくりに励みます。この時期に経験したJA、森林組合、漁協組合の仕事を経験する研修が、金田にとってとても印象的だったと言います。
「さまざまな部門で横断的に業務を経験させてもらいました。たとえば、銀行業務でのお客様への接客体験や、保険の販売でお客様先に同行して加入している保険内容の確認やお客様への提案業務を行いました。また米の収穫作業に携わり、米袋の配送業務も担当しています。
また、2泊3日の森林組合研修では、新潟の山に入って実際に木を切っている様子を見学。危険と隣り合わせのダイナミックな仕事ぶりを見て、農林中央金庫として資金面でもっとサポートできることがあるのではと考えさせられました。
同じく2泊3日の漁業組合の研修では、天然のいけすでふぐの養殖を行っている福井県の現場で業務を体験しています」
現場での新鮮な業務体験を経て、目的意識を持って通常業務に取り組むことができるようになったと言う金田。
「窓口業務課と系統決済課での業務はどちらも事務作業なので、決まったことを正確に行うことが求められていました。研修に参加して関係先の業務を体験できたことで、目の前にある仕事が現場の何につながっていて、どう貢献できているのかを肌で感じられ、より仕事にやりがいを感じながら取り組めるようになったと思います」
班員と協力して、ドラッグストアとJAのビジネスマッチングにつながる提案も実施
入庫2年目の6月、金田は農林水産環境事業第二班の配属に。そこで新潟県の森林組合の担当を任されます。
「新潟県は森林組合の数が多くて10数個あるのですが、それぞれ森林組合ごとに特色があり、業績も異なります。そこで行政や新潟県庁と連携して、各JAの財務モニタリングを定期的に行い、金融機関としての目線でそれぞれの数値を比較。今後の対応策を検討しました」
1年目で金融知識を学んだものの、森林組合の決算を見る立場になると数字の見方も変わることから、猛勉強した金田。所属していた班は1~3年目の若手社員で構成されていましたが、直属の先輩に手取り足取り教わりながら、業務知識を身につけました。
「1年目に金融事務の仕事をしていたときは、表面上の数字を追うだけで、なぜその数字になったのか、原因まで考えることができていませんでした。当時からそこまで意識して業務に取り組んでいれば、より説得力を持って森林組合の方にアドバイスできていたはず。もっと深く考えるべきだったと反省し、巻き返しを図ろうと現場で学びながら提案力を磨いていきました」
同じころ、CSR活動の一環として、金田は森林組合を盛り上げるためのPR活動にも参画しています。
「当時の森林組合は表舞台に出ることが少なかったため、活動内容があまり知られていませんでした。そこで、新聞などのマスメディアに取り上げてもらおうと、行政などと連携して学校に木製品を寄贈する活動を企画しました」
この活動で確かな手応えを得た金田。森林組合の人々からも感謝の言葉が寄せられました。その後、石川県や福井県の一般企業の担当として、企業融資やビジネスマッチングに携わります。
「一般企業のお客様から求められたのはビジネスライクな付き合い。森林組合の方とはウェットな関係性を築いていたため、そのギャップに最初は戸惑いました。
ただ、一般企業から見ると、農林中央金庫は金融機関のひとつに過ぎません。期待されているのは、農林中央金庫ならではの提案や農林中央金庫との取り引きによって得られる独自のメリット。それがわかるにつれて、ニーズに応える提案をすることにやりがいを覚えるようになっていきました」
そんな金田がとくに印象に残っていると言うのが、北陸地方にドラッグストアを展開する企業の案件です。当時まだ取り引きのなかった同社の関心を引くため、金田はユニークな提案を行います。
「当時は、周辺のドラッグストアが野菜やお肉などの生鮮食品を一斉に取り扱い始めた時期。お客様の各店舗の近くにあるJAで収穫した野菜を販売すれば、ほかのドラッグストアとの差別化が図れるはずだと提案しました。JAにとっては余った野菜を出荷する販路ができるため、Win-Winな関係性が築けると思ったんです」
何度も面談を重ね、橋渡し役としてドラッグストアのバイヤーとJAの担当者の引き合わせも行った金田。その後、異動が決まって後任にフォローを託すことになりますが、マッチングは無事に成功しました。
「このアイデアは班内で話し合う中で生まれたものでした。営業第一班では職員がそれぞれ取引先を持っていますが、若いメンバーが多く普段から互いに相談し合うなど、周りと協力する風土が根づいていたんです。良い環境に恵まれていたからこそできた提案ですし、自分たちのアイデアで農林中央金庫ならではの案件をつくれたことは自信になりました」
問題の原因は実際の声を聞かなければわからない。現場に寄り添った提案で課題を解決
入庫6年目、金田は推進企画班に異動となり、富山県内のJAと関わる業務に就きました。
「系統内組織ということもあり、森林組合と仕事をしていたときと同様、ウェットな関係性を意識していたので、『これはどうしたらいい?』と相談されたり、頼られたりする機会が増えました。お客様を抱えている各JAに対して、企画の提案や指導を行う間接サポート業務がメインでしたが、依頼すれば引き受けてもらえる関係を築けていたので、仕事は進めやすかったです」
それまでに培った知見や経験を活かしながら、推進企画班でも自ら積極的にアイデアを提案し実現に向けて動いた金田。代表的な取り組みのひとつが、JA向け研修会です。
「当時、新規で口座を開設したお客様に、個人ネットバンクというインターネットバンキングを案内し登録していただく取組みを強化しておりました。ただ、部長や課長層の方経由で現場に周知してもらっても、なかなかJA内に浸透しなかったため、『職員の方に対して、直接研修会を実施させてください』と依頼したんです。
県内JAの支店を一つひとつ回って、窓口が閉まった後に研修会を実施することもありました」
金田が研修会を実施しようと考えたのは、現場で働く職員の声に耳を傾けてこそ、問題の原因や改善のヒントが得られるとの信念があったからでした。
「『登録率が上がらない』とひと口に言っても、理由はさまざま。スマートフォンを持っていない高齢者のお客様が多いから案内ができない場合と、個人ネットバンクの操作が難しいから説明ができない場合とでは対応も違ってきます。
実際、現場の声を拾ってアプローチ方法を変えた結果、前年比で契約率が大幅に上昇。こちらから一方的に依頼するのではなく、現場目線に立って課題解決をすることの大切さとおもしろさを再認識することができました」
通常業務と並行して、研修会をやり切った金田。入庫8年目の2021年からは、系統サポート班のメンバーとして、JAにシステムを導入し、業務の電子化や効率化を進める役割を担っています。
「前の部署で企画を提案していたときにも、裏側で紐づいているシステムのことは話題にのぼっていましたが、いまの部署に来てあらためて、業務の一つひとつにシステムが関係していることを知りました。推進企画班と系統サポート班というJAの業務を支える部署を連続して経験できたことで、業務理解がさらに深まっていますし、つながりを感じながら仕事に取り組むことができています」
富山支店内外から信頼されるスペシャリストをめざして
異動を経験して新しい業務に出会うたび、ポジティブに仕事と向き合ってきた金田。入庫前に抱いていたイメージ通りの環境で、成長できている実感があると言います。
「人数が少ないぶん、さまざまな領域で責任の大きな業務を任せてもらえるところに農林中央金庫で働くやりがいや魅力があると感じます。自分の意見を伝えたときに否定的に受け止められないのも当庫の良い点。直すべきところを指摘しながら前向きな助言をもらえるので、気持ち良く仕事ができています」
また、支店総合職ならではのやりがいも実感していると言う金田。
「JAなどの関係者と長期的で良好な関係性を築くことができるのは、転勤がなく同じ拠点で働き続けられる支店GP職だからこそ。互いに頻繁に意見を交換しながら、同じ目標に向かって一緒に取り組めている感触があります。
異動で班や業務が変わっても、それぞれの業務につながりがあるので、年次を重ねるごとに業務理解が深まっていくのも支店GP職の魅力のひとつ。おかげでJAから受けた質問に対して、全体の流れを踏まえより論理的でわかりやすい説明ができるようになりました」
2023年で入庫10年目を迎える金田。支店にとって欠かせない存在に成長するべく、今後も果敢に新しいチャレンジを重ねていくつもりです。
「まだ経験していない部署があるので、2~3年おきに異動を繰り返して、未知の領域の知識を蓄えたいです。ゆくゆくは、支店内の各班のあらゆる業務を横断的に理解して、JAからのどんな相談にも応えられるような、支店のスペシャリストのような存在になりたいと思っています。同時に、さまざまな経験を通じて視野を広げて知見を深め、人間的にも成長していきたいですね」
自らの頭で考え、周りとも積極的に協力しながら、アイデアをかたちにすることにこだわってきた金田。支店内外から信頼される唯一無二の存在になるために、これからも挑戦は続きます。
※ 記載内容は2024年2月時点のものです

