多様なバックグラウンドが強み。法務のプロとしてグローバル投資ビジネスを支える
全国のJAバンクやJFマリンバンクからの預金を基に得た資金運用益を農林水産業に還元することを使命とし、高度なリスクマネジメント体制のもと、スケールメリットを最大限に活用した投資ビジネスを展開する農林中央金庫。
その中核を担うグローバル・インベストメント本部(以下、GI本部)では、安定的な収益確保をめざし、国際分散投資を主軸に据えた戦略的かつダイナミックな資産運用を展開しています。
石川 皓一(以下、石川):GI本部は、農林中央金庫の資産運用の要として、約100兆円の総資産のうちおよそ60兆円の運用を担当しています。グローバルな金融市場を舞台に投資戦略を展開し、投資対象は株式や債券などの伝統的資産クラスから、プライベートエクイティファンドや不動産などのオルタナティブ投資まで多岐にわたり、機関投資家向けの高度な投資商品も積極的に取り入れています。
中でも私たち投資契約部の主な役割は、投資対象資産が法規制上で農林中央金庫が投資できるものかどうかの確認や、投資する際のスキーム構築の法的な側面からのサポート、投資に関する契約書の精査など投資判断の法的な基盤を提供しています。
部長代理を務める石川、そしてメンバーの野田 貴昭と森 佳苗。それぞれリーガルエキスパートとして、多様なアセットクラスにおける契約レビュー、法務課題への対応、およびGI本部傘下の子会社業務支援などを担当しています。
石川:私はチームの統括責任を担っています。メンバーが精査した案件内容を最終確認し、決裁プロセスを管理することが主な業務です。
野田:私はプロジェクトファイナンスや証券化商品などの案件を中心に、契約レビューやスキーム検討などを取り扱っています。また、当金庫のファンド運営子会社である農林中金キャピタル(以下、NCCAP)を兼務し、投資関連の法務分析や契約交渉にも携わっています。
森:私はプロジェクトファイナンス、不動産ファイナンス、証券化商品、プライベートエクイティファンドなど、幅広い投資スキームの契約レビューや法的リスク評価を担当しています。
法律事務所やメガバンク、事業会社など多彩なバックグラウンドを持つ3人。中途採用者の視点から、当金庫で働く魅力について次のように話します。
森:前職の法律事務所では、個別案件の法務のポイントのみへの関与が主でしたが、現在は包括的な視点からビジネスに関与しています。フロント部門と密に連携し、案件の全体像や戦略的意義を理解しながら法務サポートを提供できるのは大きな魅力です。
野田:当金庫では担当する金融商品が多岐にわたるため、日々さまざまな案件に携わることができています。さらに、NCCAPでの兼職を通じて、M&Aや一般企業法務など幅広い法律問題に取り組む機会があるのも刺激的です。
石川:投資業務が主軸事業のひとつであり、グローバルな投資対象を扱う点が当金庫の大きな特徴です。また、職員数に対して運用資産規模が大きいため、個々の裁量が大きく、多様なアセットに関与できます。
また、海外の法律を扱う機会も多く、グローバルな金融法務の経験を積めることも魅力です。子会社を通じた新規事業展開により、農林中央金庫として未経験の領域で活躍する場面も増えてきました。これらの点が、法律事務所やメガバンクにはない当金庫で働く魅力だと考えています。
法務の力で切り拓く新投資戦略。農林中央金庫の挑戦を支えるリーガルソリューション
資産運用ビジネスの戦略的強化をめざし、農林中央金庫では2021年にNCCAPと農中JAML投資顧問(以下、NJIA)を相次いで設立。NCCAPを通じてプライベートエクイティ投資の拡充を図る一方、NJIAによって国内不動産私募リート運用への参入を実現しています。投資契約部は、これらプロジェクトの初期段階から参画し、高度なリーガルソリューションを提供してきました。
野田:設立直後にNCCAPに参画し、スキームの検討や契約書のレビューなどのリーガルサポートを継続してきました。NCCAPの主要な投資案件は、成長途上のスタートアップ企業を対象としたグロース案件と、事業承継や事業再生などを必要とする成熟企業を対象としたバイアウト案件の2種類です。前者では少数株式の取得、後者では過半数以上の株式の取得を主としています。
とくに後者のバイアウト案件は当金庫にとって新しい領域です。フロント部門と協力して個別案件を通じたノウハウの蓄積を一から行っています。前職の事業会社で法務担当として培った経験も役立つ一方、バイアウト案件で扱うさまざまなスキームに適応するためには、新たな知識を習得する必要がありました。
石川:私はNJIAの設立段階から関与しています。私募リートの運用を行う会社については、もともと設立構想はあったものの、法的な制約のために子会社として設立することは不可能と社内で整理されていました。
当初、フロントから相談された内容も、子会社設立の代替案として私募リートの運用を行う会社にマイナー出資をするので契約書の相談に乗ってほしいというものでした。
しかし、フロントが実現したいと考えていることや農林中央金庫としての今後のビジネスの広がりを考えるとマイナー出資では不十分だと思い、前職での経験を基に再検討したんです。
その結果、子会社として設立できることが確認できたので、フロントに対して子会社の設立を働きかけました。その後、フロント部門と共に、当局との協議や許認可の取得などを行い、NJIAの設立にこぎつけました。
設立後は、ビジネス的な側面も含めた会社の体制作りにも関与させてもらい、一から会社を作るという貴重な経験ができました。現在もコーポレートガバナンスに関する事項や、当局への届出対応、不動産の取得に関する契約書作成及び法務デューディリジェンス(以下、DD)などを主にNJIAの法務室長として担当しています。
現在はリート運用に特化していますが、今後は私募ファンド事業への進出も計画しており、その許認可取得や社内体制整備にも取り組んでいます。また、野田さんと共にNCCAPも兼務しており、前職の法律事務所で培った専門分野の知識やノウハウを大いに活用しています。
森:私は法律事務所でのコーポレート法務の経験を活かし、各社の個別案件に対応しています。NJIAでは取締役会や株主総会関連の法的手続き書類の確認などを担当しました。
また、NJIAでは、リートに組み入れる物件のDDを主に担当しました。当初はDDの方針が明確でなかったため、前職での経験を活かしてフォーマットを作成しています。
とくに難しかったのが、DDの範囲と深度の決定です。前職では広範なチェック項目がありましたが、これをビジネス上の観点から適切に取捨選択する必要がありました。石川さんとの協議を経て、効率的かつ実効性の高いDDプロセスの確立に成功しています。
インハウスローヤーゆえのやりがい。農林中央金庫だから実現できる法務の新たな可能性
法務という共通の軸を持ちながらも、それぞれ異なるキャリアパスを歩んできた3人。農林中央金庫の一員であることが、新たな原動力になってきました。
石川:農林中央金庫の特徴は、第一次産業を支える公益性の高さにあります。前職のメガバンクが株主の利益を重視するのに対し、社会全体への貢献が当金庫の使命です。社会貢献度の高い事業に携われていることが大きなモチベーションとなっています。
また、比較的小規模な組織ゆえに、幅広い業務にチャレンジできる環境があります。専門性を高めつつ、新たな挑戦ができる点も魅力的です。たとえば、子会社設立の提案が実現したのも農林中央金庫だからこそ。自身のアイデアを形にしやすい組織構造があることは、仕事をする上で大きな動機づけになっています。
加えて、経営層との距離が近く、新しいアイデアを直接提案し実現しやすい環境があることにも、法律専門家として意欲を掻き立てられます。
野田:NCCAPの事業は、当金庫にとって新しい取り組みです。そのため、法務的な課題が従来とは異なり、フロント部門に対するよりきめ細かなサポートが求められます。法務の専門家である私たちへの期待が大きいことが、モチベーションになっています。
また、私は果物栽培が盛んな地方出身で、幼少期から農業やJAを身近に感じてきました。自身のルーツとも言える第一次産業に貢献できることも原動力になっています。
たとえば、案件に取り組む上でも、JAグループとの相乗効果を想像しながら、事業を通じた第一次産業やJAグループとの関わりを意識しています。当金庫の存在意義を実感し、さらなる意欲につながっています。
森:私のモチベーションは、前職で培ったノウハウや知見を活かせる環境にあります。たとえば、フロント部門から裁判管轄に関する質問を受けた際、代替案として仲裁条項を契約書に入れることを提案して双方にとってよりよい契約となったことがありました。法律事務所での経験が役に立ったと感じています。
私が法律家を志したきっかけは、高校時代にボランティアで部活コーチを務めていた弁護士から受けた助言です。「これほど直接感謝されることが多い職業はあまりない」という言葉に感銘を受け、この道を選びました。実際、人々の役に立つ実感が得られていることが、仕事への原動力になっています。
さらに、農林中央金庫のインハウスローヤーならではのこんなやりがいも。
森:投資契約部は組織の重要な機能の一部です。自分の仕事が当金庫の事業にダイレクトに影響し、ひいては第一次産業にも還元されていく実感があります。これが大きなやりがいにつながっています。
野田:法律事務所とインハウスローヤーの違いとして、私も森さんと同じ印象を持っています。法律事務所では客観的な意見を述べるのが主な役割ですが、現在は法的懸念点を指摘すると同時に、いかにしてビジネスを実現させるかという観点から助言します。チームの一員として問題解決に取り組めることがやりがいとなっています。
石川:法律事務所では第三者的立場で助言し、最終判断はお客様に委ねます。一方、インハウスローヤーは、リスクを評価した上で「会社としてこのリスクは許容できる」と判断し、積極的に提案することも可能です。この当事者性こそが、私にとってやりがいの源泉となっています。
インハウスローヤーとして描く組織の未来像。社会貢献と自己成長の両立をめざして
資産運用ビジネスの強化を通じて、農林水産業のさらなる発展に寄与するために。未来の仲間に向けて、3人は次のようなメッセージを送ります。
森:法務からの助言を即座に理解する優秀な人材が多いと感じます。これは、新しい知識を積極的に吸収しようとする意欲があるからこそ。労を惜しまず努力できる方を歓迎します。
野田:当金庫にはオープンな雰囲気が根づいています。年次に関係なく互いの意見を尊重できる方にふさわしい職場です。また、JAや農業と親和性のあるバックグラウンドを持つ方なら、より業務へのやりがいや理解を深められると思います。
石川:農林中央金庫は、第一次産業を基盤とする金融機関です。社会貢献に関心があり、明確な目標意識を持って働きたいと考えている人材に適した環境がここにはあります。
業界における当金庫の特殊な位置づけと多様な業務があることを理解した上で、どの部門に配属されたとしても柔軟に対応・適応し、やりがいを見出せる方の参加をお待ちしています。
以前、同じ法律事務所で同期として活躍し、再び一堂に会した3人。インハウスローヤーとしてめざすのは、よりいっそう組織の持続的な成長に貢献できる存在です。
森:入庫から3年を経て、ビジネス面の理解を深めることが課題だと感じています。案件経験を重ねて知識を強化し、さらに深く業務にコミットすることが目標です。
野田:近く社内制度を活用して留学する予定です。英語力と法的知識を向上させ、これまで以上に組織から求められる存在になりたいと考えています。
石川:インハウスの法務チームとしての強みを活かし、フロント支援の迅速化と高度化をめざしています。また、グループ会社のビジネス拡大に合わせて系統組織全体のリーガル体制を強化し、より質の高い案件遂行と企業価値向上に貢献できる体制づくりにも注力していきたいです。
※ 記載内容は2024年7月時点のものです

