効率だけにはとらわれない。JA職員やその先のお客様の状況や心情を理解する
JAシステム企画班に所属する對馬は、主に三つの業務を担当しています。メイン業務のひとつが、全国共通のシステムを青森県域のJAに導入する業務です。
「JAに対して、導入するシステムがどんなものかを説明する業務を担っています。また、そのシステムを導入するのにともない、パソコンやプリンタなどの機器の導入が必要な場合には、各JAに何台ずつ入れるべきかを調査して取りまとめを行うこともあります」
ふたつめのメイン業務が、店舗やATMの配置の見直しです。
「金融機関の店舗統廃合が話題になっていますが、JAにもその流れが押し寄せています。そこで、いまある店舗や各所に設置されているATMの利用率を分析。廃止を検討する上では、利用率や効率面だけでなく、利用者の利便性にも気を配っています。
店舗がなくなってしまうと、お客様はお金を引き出すために遠くまで足を運ばなければいけません。そのような不便をなるべくお客様が感じることのないよう、周辺にATMがないエリアでは、店舗は閉めてもATMだけ残しておく配慮を心がけています」
そして、JAの窓口業務の効率化を考えることも、對馬が担う仕事です。
「青森県内の各JAに定期的に足を運び、事務作業面の課題や負担となっていることをヒアリングして解決策を検討しています。たとえば、JAの取引先にインターネットバンキングを提案することも、事務の効率化を図るための取り組みのひとつです」
青森県内には10のJAがあり、支店数は60以上にものぼります。同じ県内といえど、車で2時間以上かかるほど離れている支店も。それでも對馬は現地に足を運び、直接職員と対話することを重視しています。
農林水産業の領域で地元の活性化に貢献したいとの想いから農林中央金庫へ
青森県出身の對馬。県外の大学に進学し、地域経済学を専攻していました。
「大学時代、市役所などを訪問し、正規雇用と非正規雇用の方が同じ業務をしているにもかかわらず賃金格差があることを課題に感じ、どうあるべきかを考えたこともあります。また、東北地域の高齢化について理解を深める調査も行いました」
地元 青森での就職を希望していた對馬にとって、高齢化が進む地域を支えたいという想いは根強くあったと言います。
「進学や就職で若者が一度県外に出ると、なかなか青森に戻ってきません。田舎の人口は減る一方なので、高齢化が進んで当然。せっかく自分が生まれ育った地元を、そんな状況のままにしていていいのだろうかと思うようになったんです。きっと青森にも魅力的な仕事はあると思っていたので、地元での就職活動を始めました」
そんな對馬の目に留まったのが、農林中央金庫 青森支店。そこには祖父母の影響がありました。
「青森はりんごの生産が盛んですが、私の祖父母もりんご農家だったため、幼いころからJAは身近な存在でした。また、青森は農業だけでなく水産業も盛んです。そうした領域に貢献できる仕事ができれば、地域活性に役立てるのではないかと思っていました」
さらに、転勤がない地域総合職にも惹かれたと言います。
「農林中央金庫の青森支店は、県内にひとつだけ。つまり、業務の中で各地のJAを訪ねることはあっても、転勤して働く拠点が変わることはありません。転勤がないので、生活リズムを一定に保てるという安心感がありました。
地方銀行や行政機関も就職先として検討していましたが、いずれも転勤によって複数の拠点で勤務する可能性があったため、農林中央金庫に決めました」
入庫後は、まず窓口業務に携わった對馬。貸出事務や貯金・為替業務などに関わり、銀行員としての基礎知識を学びます。その後は農業法人向け貸出業務を担当して、食農ビジネス分野で企業向けに融資を行う担当として活躍しました。
説得力のある提案や説明は、業務理解があってこそ
入庫5年目の2018年、對馬はJAバンク総括業務の担当に。それまで農業法人向けの融資業務を担当していた彼にとって、異動後の業務で初めてJAと密にコミュニケーションを取ることになりました。
「JAには金融以外にも、保険を扱う共済部門や、野菜や米の生産をサポートする営農部門があります。そのため、これまで別部門で仕事をしていて、金融部門に来てまだ間もない職員の方だっていらっしゃいます。
つまり、金融を専門分野とされていない職員の方もいることから、システム導入ひとつをとっても、サービスの概要や機能について丁寧な説明が必要だと考えていました。
また、店舗統廃合についても、利益率の面からだけ考えるのではなく、『JAは組合員がいて成り立つ組織』という前提をしっかり理解して、検討していく必要性を感じていました」
着任して間もないころは、JAに寄り添いきれていない提案をしてしまい、指摘を受けることもあったという對馬。そのたびにJAという組織の役割への理解を深めながら、相手の立場に立った提案に磨きをかけてきました。そうした中で芽生えたのが、「青森支店内の業務をひと通り経験したい」という想いです。
「JAの職員の方から見れば、農林中央金庫の職員ならJAバンクの業務に精通しているよねという目線で接してきますから 。システムの話から融資や投資信託の話まで、さまざまなことを尋ねられるうちに、何を聞かれても答えられるようなプロフェッショナルになりたいと思うようになりました」
その想いは、システム企画班で働くいまも常に胸にあると言う對馬。
「システム導入は、窓口における貯金の入出金業務や振り込み業務など、もともとあった業務を効率化するために行うものです。そのため、前提となる業務内容やフローをすべて理解していないと、説得力を持ってシステム化の意義を説明することができません。
だからこそ、あらゆる領域の仕事を経験して各分野への理解を深めた上で、提案できるようになりたいんです」
現在の對馬の仕事は、農林中央金庫本社で開発したシステムを青森県域のJAに導入していくもの。全国共通のシステムをどうアジャストさせていくかも腕の見せ所だと言います。
「全国統一のシステムを開発することは、コスト面ではメリットがある一方、各県の状況に対応できていないという課題があります。たとえば、各県のJAではほかに共済や会計関連のシステムを独自で導入しているため、システム連携などの面で地域固有の問題が出てくるからです。
農林中央金庫本社と青森県域のJAのクッション役となって、『システムをどのように利用すれば、JAにとってもっとも効率的か』を考え、JAに説明して納得いただくことは、いまのポジションのやりがいだと感じています」
「對馬さんにお願いしたらなんとかなる」と、頼ってもらえる存在になるために
對馬にとって印象的な経験のひとつが、入庫2~4年目で携わっていたビジネスマッチングの業務。金利以外の観点で、農林中央金庫ならではの価値を発揮して選んでいただくために、お客様の販路拡大を支援する施策を提案するものでした。
「台湾やインドネシアのバイヤーさんとお客様をマッチングさせる商談会などもよく提案していました。ある青森の農業法人様と沖縄で開催された商談会へと同行して、新規の融資につながったケースもあります。
当時は農林中央金庫の取引先であるお客様に対して提案していましたが、今後はJAが取引先にそうした提案ができるよう、ノウハウを応用して伝えていきたいです」
お客様やJAに対して貢献することを第一に考え、行動し続けてきた對馬。青森支店には、同じく情熱を持った職員が多くいると言います。
「青森は農業県ですから、青森県のJAも農業分野に支えられているところがありますが、信用部門でも厳しい収支環境のなかで『収益を維持・向上させなければ』という使命感を持った職員が多く、相談し合える環境があります」
また、全国に広がる農林中央金庫との横の連携も、仕事をする上で大きな武器になると話します。
「話したことがない他拠点の人とも、社内チャットで気軽にコミュニケーションを取ることができます。せっかくこうした全国にくまなく張り巡らされたネットワークがあるので、さまざまな事例やノウハウを取り入れながら、知見を広げていきたいです」
これからも、さまざまな経験から多くのことを吸収していきたいと意欲を示す對馬。めざす姿があります。
「『對馬さんにお願いしたらなんとかなる』と、頼ってもらえる存在になりたいです。周りには、悩みに耳を傾けることでJAからの信頼を獲得している先輩も。彼ら、彼女らの姿勢も参考にしていきたいですね。
いまの目標は、どんな質問にも答えられるオールラウンダーになること。そして、いずれ自分の特性が明らかになったら、得意分野をさらに伸ばしていきたいと思います」
信念を持って仕事に臨み、着実にノウハウを培ってきた對馬。これからも、地元 青森の農林水産業の活性化に貢献していくことに迷いはありません。
※ 記載内容は2024年2月時点のものです

