組織改編で独立した自動車のオフボード開発部署で、お客さまに新たな体験を提供
2019年に新卒で日産自動車に入社した畑。1年目からコネクテッドカーサービスという開発部署に配属となりました。
畑 「部署全体となると、幅広い領域に対応していますが、そのなかでも私はオフボードと呼ばれる、自動車とアプリをつなぐためのサーバー開発を担当しています。たとえば、行きたい目的地までの最適なルートをアプリで事前に入れておき、実際に乗ったときにナビ上でポップアップが出てくるようにサポートする「インテリジェントルートプランナー」という機能の開発などです。現在はこの部門でプロジェクトマネージャーとして、業務の管理などを担当しています」
畑が入社した2019年は社内の組織改編が行われた年で、コネクテッドカーサービスもその改編で大きく変化しました。
畑 「もともとコネクテッドカーサービスは部品開発部門として、自動車の部品の開発チーム内にありました。そこから、私の所属するサーバーなどの設計、いわゆる自動車の部品ではないオフボードと自動車の部品開発を分けて、それぞれ独立したスタイルになったのです。
自動車の開発プロセスとオフボードの開発は、なかなか同じ流れで進まない部分があります。オフボード開発は自由度が高いですが、自動車の開発は『この部品が決まらないと次のフェーズに行けない』ということも頻繁にあります。ですから、社内でもオフボードの開発が独立した上で、そのプロセスをどのように自動車側と合わせて要求を満たしていくのか、という部分はとてもチャレンジングでした。
部署の社員は50名弱で、そこに協力会社の方が社員のさらに5倍ほど所属しているという体制です。私が担当している業務は、私と後輩の2名と協力会社の方が5名で回しています。
業務の中で常に意識していることは、お客さまがどのようにサービスを使うかをイメージすることです。お客さまが便利さを体感でき、満足いただけるサービスを提供することが一番の目的と考え、業務に邁進しています」
「挑戦」をキーワードに日産自動車へ入社
組織改編により、前例のないことに挑戦し続けているコネクテッドカーサービス。自動車とオフボード(=ソフトウェア)に同時に向き合うジャンルですが、畑自身、日産自動車に入社するまでいわゆるソフトウェアの開発経験はまったくありませんでした。就職活動において、畑が重要視したのは“挑戦”しているかどうかという点だったと振り返ります。
畑 「大学院時代は、ディーゼルエンジンの排ガスの研究をしていましたが、自動車とはいえ今の業務とはほぼ関係性はありませんでした。当時、就職活動の軸にしていたのは、まず移動手段に対し技術面から何か自分が貢献したいということ。
私自身、移動手段というと電車やバスがメインで、移動中は寝て過ごしていることが多かったため、『移動時間が楽しい』という感情はほぼ持ち合わせていませんでした。けれども、その移動時間を何か楽しくできるような業務をできるといいなと考えながら就職活動を行っていました。
この前提がありつつ、自分自身のキーワードになっていたのが“挑戦できるかどうか”という点だったと思います。当時の印象として、日産自動車は業界の中でも“グローバル”“先進的”という言葉で想起されるイメージも強く、そういうところで挑戦したいと考えて、入社を決意しました」
挑戦したいという言葉通り、オフボード開発という新しい門をたたき、プロジェクトマネージャーとして業務に奔走する日々。畑が入社前に抱いていたイメージのまま、チャレンジングな社風を感じている一方で、充実度と比例するように、大きな苦労もあったと語ります。
畑 「社内的にもとても新しい環境だったこともあり、正解を持っている人が誰もいません。どの部署にどんな情報があるかなどは、先輩社員に相談すればわかるのですが、その情報をどのようにつなぎ合わせたらうまくプロジェクトをコントロールできるのか、スムーズに開発が進むのか、というのは完全に手探り状態でした。情報を得るためにさまざまな部署の方に相談しにいって、必要な情報を探して、作り出すという日々が続きました。
一方で、上司やベテラン社員の方に対してのコミュニケーションは取りやすく、相談しやすい環境があったので、情報を得ることや業務上でわからないことを解決するのに困ることはほとんどなかったですし、とても助けてもらいました。定例会や業務の相談会なども私がセッティングしていましたので、社内のコミュニケーションで困ることはほぼありませんし、気軽に相談できる環境が整っていると感じます」
不具合時に無駄なく迅速に対応できるマニュアルの作成に成功
挑戦を止めることなく続けてきたキャリアの中でも、2020年に起こった出来事は、畑にとって最も印象深いものだったといいます。
畑 「2020年度にリリースした新しいアプリの開発で、オフボードの設計ミスでお客さまにご迷惑をかけてしまった事案がありました。端的に言うと、アプリで思った通りの操作ができなかったという声が続出してしまったのです。
私はプロジェクトマネージャーの立場でしたので、問題が起きたときに、まずお客さまとの窓口となる部署と連携して、市場からの指摘に対応していきました。原因が複数の部署にまたがっていたため、そこからさらに部署をまたいで、一から各関係者を集めて改善する必要があったのです。
再発防止のために、その仕切りをすべてハンドリングして、皆で同じ方向を向くというのはとても力を要しましたね。もちろん、私だけでは厳しかったので、上司や各関係者の上司を含めて、協力を仰ぎました。解決策はボトムアップで提案して、決まったものをトップダウンで落としていくというプロセスを繰り返していくことで、何とか切り抜けることができました」
この事例を経験し、今後何か不具合が起こったときにスピーディーに対応するためにはどうすればよいのか。畑は不具合時の対応のマニュアル化に成功しました。
畑 「不具合にどう対応していくかというプロセスが部内にはまだありませんでした。素早く対応するために、各部署に対応プロセスを共有しておくべきだと考えていたので、今回の件を題材に、対応案をまとめて定義付けを行っていきました。そのマニュアルは現在でも使われており、自分のキャリアの中でも会社に貢献できたと実感できる事例だったと思います」
移動時間をより楽しく。スマートフォン感覚で使えるような機能を創造
グローバルに展開する日産自動車の挑戦。現在は、畑の部署が持っている機能を成立させるために各部品を統括していますが、その仕様は各国や地域によってバラバラになっていると話します。
畑 「ひとつの設計を行い、それが統一された状態で全地域に展開することが最も効率が良いのですが、国や地域によって思想や感情、法律が異なりますし、要求が微妙に違ってきます。ですので、各地域の拠点の担当者とコミュニケーションを取って、落としどころをそれぞれにつけていくことが必要となるわけです。今は、それを開発スケジュールに沿ってマネジメントすることに、新たに挑戦しています。
直近の個人的な業務目標としては、設計がメインのチームに所属しながら、幅広い自動車の開発プロセスにおいて、そのすべてを理解して、全体を統括、リードできる存在になっていきたいと考えています。そして、オフボード開発に関わる者としての大きな目標は、自動車をスマートフォン感覚で使ってもらえるようになること。お客さまの移動時間がより楽しくなるような開発を続けていきたいですね」
より快適に、楽しくなる自動車ライフを描くことをめざす畑は、今後どのようなメンバーと日産自動車で働いて行きたいと考えているのでしょうか。
畑 「私が所属している部署に関しては、学生時代どんな研究をしていたかなどのバックグランドは気にする必要はありません。もちろん、関連ある領域の研究であるなら、それに越したことはありませんが、私自身は異なる領域の研究でしたし、そこまで重要ではないと感じています。
より重要なことは、自分が行ってきた研究の課題に対して、現状とゴールのギャップを考えて、それを埋めるために何をすればよいかを考えられる思考回路があるかどうかだと思います。自分で考えて、課題を解決していける、またその過程を楽しめるような方と一緒に仕事ができると嬉しいですね」
未経験の領域に、“挑戦できるかどうか”を軸に飛び込んた畑。お客様のため、まったく新しい自動車の未来のため、畑の挑戦は続きます。
