農業、医療、ものづくり、シティプロモーションなど、あらゆる角度から地域課題を解決
2023年11月現在、谷口が所属するのは地域サポート部。武蔵野銀行が拠点を置く埼玉県の地域活性化を担う部署です。
「各支店と連携しながら、埼玉県の地域課題解決支援に取り組んでいます。埼玉県63自治体の課題解決支援に取り組む地域価値創造室と、農業や医療等の成長分野を推進するグループ分かれて活動しています。中でも地域価値創造室では、空き家問題、防災、観光振興や移住促進、子ども食堂支援など地域課題をめぐる幅広いテーマで活動しています。
そのほか、埼玉県や市町村の起債への入札対応のように、地方公共団体を資金面からサポートするなど、業務内容は多岐に渡ります」
当行では、従来の金融分野だけでなく、非金融分野にも力を入れ業務領域を拡大しています。地域のエコシステムの構築を目的として2022年10月に設立された地域商社「むさしの未来パートナーズ株式会社」も、地域サポート部が所管するグループ会社です。地域特産品を販売する「ぶぎんマルシェ」の共同開催など、地域振興に取り組んでいます。
そんな地域サポート部に谷口が着任したのは2023年7月のこと。それ以来、次長として組織を率いてきました。
「武蔵野銀行は、さまざまな地域の課題解決に貢献できる銀行をめざしています。当行が地域に重きを置く以上、地域サポート部が担う責任は重大です。私は次長という立場で部長を支えながら、メンバーがより仕事をしやすくなるよう相談に乗ったり、サポートをしたりしています」
地域サポート部のメンバーは約20名。そのほか、埼玉県庁や関東経済局、県内自治体等に出向するメンバーと共に、地域活性化支援に取り組んできました。
「秩父市の西に、小鹿野町という人口約1万人の町があります。約3年前から小鹿野町役場に当行から行員を派遣し、小鹿野町の地域商社を設立したり、廃校の中学校校舎を活用してパソコン教室を作ったり、町の特産品であるカボスを使ったお菓子をPRしたりと、町の中に入り込み、職員の方と一緒に、地域振興に汗を流してきました。町にも大変感謝され、現在も行員派遣が続いています。
自治体の課題は多岐にわたるため、武蔵野銀行だけでできることは限られています。当行が持つネットワークを活用して、さまざまな事業所、団体等と連携しながら支援の幅を広げていくことが重要だと考えています」
プロジェクトの成功や実績の裏にある、多くの人の支え
これまでさまざまな支店や部署で活躍してきた谷口。前例のない企画にも積極的に挑戦してきました。
中でも谷口にとって特に印象的だったことがあります。2015〜2018年まで室長を務めた人事部 人材活躍推進室時代に、障がい者の雇用促進を目的とした特例子会社を設立したときのことです。
「連携の大切さを実感することができました。というのも、人事部以外の行内の組織に加えて、行外のさまざまな企業、多くの方が協力してくださったおかげで成功できたプロジェクトだったからです。
他行を訪問した際、先進的な事例を共有してくださったり、職場を見学させてくださったりと、皆さんとても協力的でした。そのおかげで特例子会社の設立が実現し、地域の雇用創出にも貢献ができたと思っています」
当時のこの経験は、地域サポート部で周囲の協力を得ながらプロジェクトを進める上でも大いに役立っていると言います。
「協力してくださる方が実にたくさんいることを知って感動しましたし、力を合わせてプロジェクトに取り組むことのおもしろさにも気づきました。また、さまざまな意見を素直に受け入れながら議論することが、より良い意思決定につながると学べたことも糧になっています」
一方、人材活躍推進室時代の2016年には、「彩(SAI)」という長期ビジョンの制定にも関わるなど、女性をはじめとする多様な人材の活躍推進にも力を入れてきました。
「人材活躍推進の長期ビジョン制定に至ったのも、周りの方から紹介いただいた外部セミナーに参加し、テーマへの理解を深められたからです。彩(SAI)のほかにも、ESG関連のアイデアを経営会議に提案したこともありました」
こうして本部で先見性の高い企画や取り組みをリードしてきた谷口ですが、そのキャリアの約半分を占めるのは支店業務。良きメンバーに支えられながら、さまざまな取り組みをかたちにしてきました。
「お客様の資産形成のお役に立てる提案をしようとライフプランセミナーを企画し、全員でチラシを配ったことがありました。支店が一丸となって取り組んだ結果、参加したお客様にとても喜んでいただけたことが印象に残っています」
また、支店長を務めた高坂支店時代には支店として表彰を受けたことも。
「『これをやりましょう』と自ら提案してくれる前向きなメンバーばかりで、ATMを利用しているお客様に声をかけたことが振り込み詐欺の未然防止につながり、警察署から表彰されたことがありました。
これ以外にも何度も表彰を受けられたのは、高坂支店がいつも和気あいあいと、お互いを助けあう風通しの良い雰囲気の中で、全員がワンチームで、地域に愛されるお店をめざして、お客様のために何かお役にたてる提案をしようと、仕事に打ち込めたからこそ。表彰のお祝いで、お昼にうなぎの出前を取って食べたことがあったのですが、『またうなぎを食べましょう!』と互いに鼓舞し、お客様のため地域のために頑張り合える仲間に恵まれたことはとても幸運でした」
一方、地域の顧客と育んだ関係性も、現在の仕事の礎になっていると話す谷口。
「銀行の外でも私を見つけて声をかけてくれたり、畑で穫れた野菜をおすそ分けしてくれたりと、高坂支店のお客様は優しくてフレンドリーな方ばかり。人口減少、空き家問題に悩むニュータウンの活性化に取り組んでいる皆様と一緒に、「空き家ツアー」に参加し、空き家活用方法を考えたこともありました。
当時、地域住民の方や地域活性化に取り組む皆様と直に対話する機会があったことで、地域課題解決への意欲が高まりました。これからは地域サポート部の一員として、各支店と連携しながら地域の課題解決をめざしていくつもりです」
もうすぐ勤続30年。人の温かさが原動力に
谷口が武蔵野銀行に入行したのは、1995年。結婚や出産といったライフステージの変化を経ながら、30年近くにわたって当行で働き続けてきました。
「私が出産を経験した時期は、現在ほど制度が整っておらず、結婚や出産を機に仕事を辞める女性は少なくありませんでした。でも、私は両親が共働きで、幼い頃から保育園に通いながら、両親の働く姿をみてきましたので、入行当初からずっと長く働く心構えでおりました。
幸いなことに、育児休業中、復帰後も、家族からの支えはもちろん、上司、同僚達も応援してくれました。家族のような温か く理解ある職場環境があったからこそ、今まで働き続けられたと思っています」
つらく感じることはあっても、辞めようと考えたことはこれまで一度もないと断言する谷口。その理由についてこう説明します。
「職場やお客様の温かさに支えられて、続けていくことができました。新入社員だったころ、ミスをして上司に叱られた後、たまたまロビーにいたお客様から、『頑張ってね、負けてはだめよ』と励ましていただいたことがありました。上司からは『職場は家族みたいなものだよ』と言われて育ってきましたし、私が結婚する時に、衣装選びまでつきあってくれた先輩も……。
今は少なくなってきたかもしれませんが、運動会や社員旅行など絆が強まるイベントも多く、温かな職場環境に恵まれてきました。
また、ご高齢のお客様を担当することも多かったのですが、これまでのご自身の人生の貴重なお話をたくさん聞かせてくださいました。次長や支店長の立場になると、会社経営者の方からじっくりお話する機会が増え、お客様から教えていただくこと、学ぶことが支店時代にはとても多かった気がします」
また、谷口が大学で専攻していたのは経済学。世の中の仕組みや社会への関心が高く、もともと日本経済を支える中小企業の力になりたい、法人営業の仕事がしたいと志望動機を語ってきた自分にとって、ふさわしい職場環境だったと振り返ります。
「お客様の工場を見学するのがとても楽しかったのを覚えています。新入行員時代に勤務した草加支店では周辺に工業団地が多く、私達が融資した設備資金でさまざまなものが製造されている工場の製造ラインを目の当たりにして感動した記憶があります。
支店長になった最近の高坂支店時代でも、社長様からの説明を聞きながら、ジェット機や衛星のネジ部品を作っている精機会社の工場を見学し、日本には素晴らしい技術を持っている企業がたくさんあると実感しました。
人口減少で地域経済の縮小が懸念され、後継者不足が社会問題となっている今こそ、ものづくり、製造業など地元産業の発展を支える力になりたいと思っています。地域の企業が直面する課題解決に貢献し、日本経済の根幹をなす中小企業に役立てる存在でありたいです」
誰もが最大限に力を発揮できる環境で、これからも仲間と共に
地域サポート部をリードする立場として、地域を活性化するさまざまな施策を打ち出していくことが谷口の今の目標です。
「地域サポート部ではアグリイノベーションプロジェクトとして、従来の小麦作りに加えて、2023年からお米を作りはじめました。秋に稲刈りをしましたがとても楽しく、担い手不足、休耕地など農業をめぐる課題は山積みですが、地域の農業活性化により積極的に貢献したいと思いました。
武蔵野銀行では、農業の6次産業化をめざし、収穫した小麦をうどん、お米を煎餅にと、地元業者の皆様の協力を得ながら商品にし、先日商品発表会と試食会を開催しました。さらに、お米を日本酒にすることも検討しています。こうした新しい取り組みには、今後もどんどん挑戦していきたいです」
またメンバーを束ねる管理職として、これからも大切にし続けたいことがあると言います。
「共に働くメンバーが持っている能力を発揮できる環境をつくることが私の役割。日々の声かけや定期的な面談を行うことはもちろん、やりたいことに対して声をあげたメンバーの背中を後押ししようと努めてきました。
ものづくりに携わるメーカーと違って、銀行では人材がすべて。次長としても個人としても、何より周囲の人を大切にしたいと考えています」
また、人事部時代に採用を担当した経験もある谷口。今求めるのは、チャレンジ精神のある人材です。
「これからどのように世の中が変化していくのかが見えない、不確定要素の多い時代です。だからこそ、挑戦する気概を持った方と共に仕事に取り組んでいきたいと思っています。
さまざまな業種と接点を持って知見を広げられるのが銀行の仕事の魅力。若いうちから、中小企業のトップとお話しする機会が多く、貴重な経験を積むことができます。
当行では女性の支店長も多く活躍してきた歴史があるなど、誰もがチャンスを掴める職場です。挑戦機会を求めている方の入行をお待ちしています」
出会う人すべてに誠実に向き合いながら、自分らしくキャリアを歩んできた谷口。これからも、地域への深い愛着とチャレンジ精神を持ち続け、課題解決に向けて奮闘し続けます。
※ 記載内容は2023年11月時点のものです
