地元を潤す地域商社。世界大会優勝のパティシエとのコラボも
谷鹿が所属するのは、むさしの未来パートナーズ株式会社。2022年に武蔵野銀行が100%出資して設立された地域商社事業を担う組織です。
同社が提供している会員制サービス「彩・発見」は、武蔵野銀行と取引のある事業者の商品・サービスを特別価格で案内したり、年2回の県産品の送付をしたりと埼玉の魅力を届けることで、利用者の日常に彩りを加えています。また、健康や暮らしの悩みごとを専門家に相談できるメニューも用意。他方で、地元企業への新たな取り組みを進める一面もあります。
「地元の魅力的な商材の販路支援や、新たな取り組みに対する支援などを担うのも自社の大きな役割。私は法人の営業担当として、武蔵野銀行と取引のあるお客様と面談をし、課題解決のお手伝いをしています。具体的には、会員制サービス「彩・発見」で商品やサービスを提供してくださる事業者への営業活動、私たちが運営するクラウドファンディングサイト『IBUSHIGIN(いぶしぎん)』でのプロジェクトの立ち上げ、終了後のフォローなど。
また新たなお客様の開拓も同時に行っており、SNSで見つけたお店や企業に対して、能動的な案件発掘を行っています」
組織のメンバーは合計9名。谷鹿と同じく法人営業や企業の課題解決のプロジェクトを進める実行部隊が4名在籍し、20代後半から30代前半と若い世代で構成されています。その中で谷鹿はクラウドファンディング事業の取りまとめ役を担っています。
「『IBUSHIGIN(いぶしぎん)』は、主に埼玉県内で取り組みを行っている企業を応援するというコンセプトがあります。武蔵野銀行の各営業店の担当者と協力して、新しい取り組みを行ったり、新商品を開発したり。原材料は県内のものを使ってもらうなど、埼玉県で循環することを意識しています。
一例で言うと、フランスで行われた製菓の世界大会で優勝した経験をもつパティシエさんが、加須(かぞ)市のシャインマスカットを使用したジェラートを開発するプロジェクトを実施しました。スタートは、営業店からパティシエさんを紹介してもらったことがきっかけです。埼玉県のいいモノを使って、ジェラートをつくりたいというお話から、クラウドファンディングを立ち上げました。クラウドファンディングは、目標値を超える成果を出すことができました。
パティシエさんにとっては、満足のいく材料でジェラートを開発でき、生産者にとっては新たな取引が生まれ、双方にとってメリットのある形になりました。生産者からは、世界大会で優勝したパティシエさんとの取引ということで反響が大きく、クラウドファンディングサイト外からの問い合わせも多かったと聞きました。生産者からの喜びの声を聞けたことが一番うれしかったですね」
家族の夏のイベントである花火大会がなくなったことで、地域貢献に関心を持つ
大学時代は、経済学部で地域経済学や観光経済学、まちづくりといった分野を専攻していた谷鹿。就職活動においても、地域貢献や地域活性化に携わる分野を軸に活動していました。
「大学生のころから地域への関心が高くありました。その原点を振り返ると、小学生までさかのぼります。私の地元は埼玉県の妻沼(めぬま)という町。そこで毎年夏に開催されていた花火大会が大好きで、楽しみにしている子どもでした。実家から見えるほど近くから打ち上げられる花火は、家族の一大イベント。非常に印象深い想い出です。
しかし、平成の大合併で熊谷市に統合され、花火大会も熊谷市としての開催に。実家から花火を見ることができなくなってしまいました。子どもながら、その出来事が残念だったのだと思います。その想いがずっと忘れられず、地方を元気づけることができる仕事という軸で就職活動を行っていました」
当初は、全国転勤や都内勤務への憧れが少なからずあり、埼玉県に絞らずベンチャー企業や不動産関係の企業を受けていた谷鹿。しかし、就職活動が進み、地元出身の友人が地元に戻る決断をしていくのを見ているうちに、改めて埼玉県に目を向けます。
「自社商品の販売によってではなく、地元の企業もしくはお客様へのサービスによって利益を上げていることに魅力を感じ、武蔵野銀行への入行を決めました」
入行後は、育成スケジュールに沿って、半年間窓口業務、その後1年間融資業務でキャリアを積みます。その経験を経て、個人と法人担当として、営業業務を経験しました。
「ジョブローテーションで、一通りの銀行業務を経験させてもらいました。2~3年を目処に、異動が行われるイメージです。そこから2022年に、行内で地域商社を立ち上げるということで、より地域貢献に関われる場を求めて、立ち上げメンバー募集に応募しました。自ら手をあげて、積極的に動くことができたひとつの成功体験だと感じています」
埼玉で循環する、地域でのエコシステムをつくることが目下の目標
地域の商材の流れをつくるためには、やはり一人では不可能。さまざまな人を巻き込み、協力を促す能力が必要になります。
「武蔵野銀行にはさまざまな専門の人材がいます。そういったメンバーと連携することで、お客様の課題を解決できると考えています。私一人ではできないことも、周りを巻き込んで、適材適所、チームで進めることが重要です。そのためには、お客様に対しても、行内のメンバーに対しても、話しやすい雰囲気づくりや挨拶は常に心がけています。後輩からの連絡も頻繁に来るようになったりと、関係性は近くなりつつあるかなと感じています。
仕事をする上でもっとも大事にしているのは、社内ではなくお客様の都合を優先すること。たとえばこちらとしては行内の決算期に合わせて進めるのがスムーズな場合でも、お客様のタイミングやスケジュールを優先させることの方が重要だと考えています」
プライベートに関しては、県内に酒蔵が多いという点とオンラインサービス業務に携わっている点から、日本酒検定とITパスポートを取得。銀行の業務とは少し外れつつ、さまざまな人との話のネタとなる資格を進んで取っているといいます。埼玉県にはワイナリーもあることから、ワイン検定の取得もめざしています。
顧客目線を大切にし、自己研鑽に励む谷鹿。そんな彼がむさしの未来パートナーズで叶えたいことは、地域の課題を地域で解決できる仕組みを構築することだと語ります。
「地元の商品やサービスを、地元の方に知ってもらって、購入してもらったり利用してもったりする。東京が近いからと東京に目を向けるのではなく、埼玉県の魅力を地元の方にもっと知ってほしいという想いがあり、『彩・発見』や『IBUSHIGIN』はその想いを具現化するサービスです。なので、県内の方に、自社のサービスをもっと使ってもらうことが目下の目標です」
埼玉の豊かな未来を創りたいという強い想いを持った仲間を募集
谷鹿が見据える長期的なキャリアは、営業店のトップになることだと語ります。その根底には、地域貢献への想いがあります。
「今の会社でトップに立つというよりは、銀行の営業店の支店長になることを目標にしています。営業店という銀行の立場から、今所属するむさしの未来パートナーズを活用していきたい。前述したように、一人きりではできないことも、周りを巻き込めば達成できる。より影響力のある営業店のトップになり、地元企業の悩みを解決できる人材になりたいと考えています」
埼玉という土地が好きだと語る谷鹿。田舎町もあれば、都会へのアクセスの利便性もある。純粋に住みやすさが埼玉県の強みだと語ります。
「私は地元が好きで、地元に貢献できるという軸で、武蔵野銀行を選びました。実際に入行してみて、やはり埼玉県が好きな人、地域に貢献したい人が多い印象ですね。武蔵野銀行としても、地域No.1のソリューションで地域の未来を切り拓くという目標があります。想いを持ち、発信し続ければ、やりたいことを実現できる環境だと思います。
就職活動をしていてどこに行こうか迷われている方は、自分の根底にある想いを紐解いてみてはいかがでしょうか。私のように、小さいころの想いを振り返ることで、やりたいことを再認識することもあります。
その上で、埼玉県に所縁がある方や、地域貢献がしたいと考えている方は、ぜひ選考を受けてほしいですね。一緒に埼玉県の魅力を県内外に発信していきましょう」
※ 取材内容は2023年11月時点のものです
