採用は、ゴールではない。ミスマッチのない採用活動の実現に向けて
武蔵野銀行の新卒採用やオンボーディング、研修などで行員のキャリア形成支援を手がける人事部 キャリア開発室。室長を筆頭に現在は7名のメンバーが所属しています。
柿島が人事部に着任したのは2019年のこと。初年度は研修や教育に軸足を置きつつ、前任の新卒採用担当者から業務を引き継ぎ、2年目から新卒採用担当に。以来、新卒採用に関連するほぼすべての業務を行っています。
「適切な人員構成を実現するための計画的な新卒採用を進めることも重要ですが、私たちのミッションは、武蔵野銀行にフィットする学生を採用することにあります。もちろん、採用することがゴールではありません。後になって双方の認識が食い違うことがないよう、入行後の活躍も見据えて、候補者との対話を通じて擦り合わせを行います」
採用ミスマッチを回避するために、柿島がとくに注力してきたのが互いの情報開示です。
「銀行の融資業務には、『貸すも親切、貸さぬも親切』という考え方があります。返済能力が乏しいケースや、融資が企業の経営に悪影響を及ぼす可能性がある場合など、貸さないことが相手のためになることもあるからです。
これは実は採用というシーンでも同様のことが言えるのではないかと感じます。価値観やキャリアビジョンが当行と合致しない方が入行すると、お互いにとって幸せな結果にはなりません。当行に興味を持っていただけるとても優秀な学生でも、ほかの企業の方が適しているのではないかと不採用の判断をすることもあるくらいです。
また、武蔵野銀行という場が自身の志向とマッチするかどうかを学生が判断しやすいよう、武蔵野銀行の正確な情報を広範囲に伝えることを心がけ、選考プロセスでもこの点を特に意識しています」
「人の役に立てる仕事を」という想いで武蔵野銀行へ
自身が入行に至った経緯を柿島は次のように振り返ります。
「幼いころ、家族から『気が利くね』と言われるのがとてもうれしかったのを覚えています。困っている人に必要なものを届けたり、周りを見渡して『これがあとで役立つかもしれない』と考えて行動したり。人に喜んでもらえることがモチベーションになっていました。
また、母方の実家が工場を経営しており、母親もそこで働いていたので、よく立ち寄っていました。そんな環境に慣れ親しんでいたからか、見知らぬ土地での社会人生活を想像することができなくて。生まれ育った埼玉県に対して特別な愛着を持っている自覚は就職活動時までそれほど無かったのですが、身近な人たちの近くで暮らしたいと、心の奥底では考えていたんですね。そんな想いを家族に打ち明けたところ、勧められたのが武蔵野銀行だったんです」
2009年に入行し、柿島はジョブローテーションで銀行業務をひと通り経験。その後、2011〜2014年は営業担当として法人顧客と個人顧客の両方を担当し、2014年に人事部に異動する2019年までのあいだ、法人顧客を専門に担当していました。
人事部への異動は手を挙げたわけではありませんでしたが、柿島は以前から人事の業務に興味を持っていたと言います。
「キャリア面談で、当時の支店長から『本部の仕事をするなら、どんなことをしてみたい?』と尋ねられたことがありました。そのとき、『無形商材を扱っている銀行にとっての商品は人材そのもの。銀行にとってもっとも核心的な部分を担う人事でしょうか』と答えた記憶があります」
実際、営業店時代から採用や若手育成に対する課題感を持ち、改善に向けた取り組みも行ってきました。
「主任として新入行員への指導を担当していたことがあります。しかし、当時は現在ほど営業店のメンバー全員で新入行員を大切に育てるような組織文化が根づいておらず、若手行員の退職が相次ぐこともありました。
武蔵野銀行は昔から地域の温かいお客様に恵まれているため、『お客様のために』というマインドがあれば営業として成長できる環境があります。お客様との信頼関係を築く仕事の魅力を後輩たちに自分が伝えきれないことを悔やんだものでした。
その後、当時の支店長や課長を中心に、若手行員がのびのびと働けるような雰囲気づくりを進めました。その経験は、現在の仕事にも基礎的なものとして大いに役立っています」
お客様のために。従来の銀行業務のイメージに囚われない課題解決を
営業店時代に法人顧客と個人顧客の両方を担当した柿島。さまざまな顧客と向き合う中で、両者には本質的な違いがないことに気づいたと言います。
「武蔵野銀行の法人のお客様の多くは中小企業なので、商談の際には経営者と直接話をすることが少なくありません。もちろん、経営に関する話をしているわけですが、 経営者ご自身が金融資産を保有していたり、資産承継に興味があったりするため、個人としてのご相談に乗ることも多くなるのです。
法人のお客様であれ、個人のお客様であれ、『この人に相談したい』と思ってもらえるような信頼関係を築くことが重要であることを学びました」
さらに、「お客様の役に立ちたい」という想いを軸に、幅広い提案や支援を心がけてきました。
「銀行というと、法人のお客様に対して融資の提案ばかりしているイメージがあるかもしれません。しかし、中小企業の経営者には身近なご相談相手がいないというケースが多く、私たちに対して経営上の悩みをざっくばらんに打ち明けていただけることがあります。
そんなお客様の力になりたいという気持ちから、経営に関する知識を学んで助言を行ったり、事業承継や経営計画の策定、業務改善のサポートをしたりと、経営パートナーのような役割を果たしてきました」
顧客に最適な提案をするためのスキルを習得するに当たり、柿島は行内の制度を積極的に活用してきました。たとえば、入社5年目には「むさしのMBA」という行内研修プログラムに参加。経営大学院の基礎講座を通学形式で受講し論理的思考力を磨いたほか、他業界のメンバーとのディスカッションや、経営大学院の講師を招いた講座を通じて、経営戦略やマーケティングに関する理解を深めました。
「預金や融資に留まらず、お客様の課題を解決することが現在の銀行の大きな業務になりつつあります。銀行がコンサルティングファームや商社などあらゆる業種と競合する現代において、課題解決能力を持つ人材の育成は急務です。
研修プログラムの整備も大切ですが、外部の学びの機会を自ら探求し、必要な知識を積極的に得ようとするマインドを持った方に伸び伸びと働いてもらえるようにしていきたいですね」
一方、育成や採用が組織変革の基盤になるとの考えから、柿島は人事部での改善活動にも積極的に取り組んできました。新卒採用の選考フローの見直しはその一例です。
「仕事や組織との相性を確認するため、以前から適性検査は実施していますが、その内容を再考し、定量的および定性的な面からより高い精度で候補者の方々を見ることができるよう改善しました。
ただ面接では、緊張して普段の自分らしさを発揮できない学生さんも少なくありません。適性検査の結果と実際のご本人の様子にギャップがある場合、アイスブレイクの時間を長く取ったり、リラックスできそうな話題を提供したり、学生の個性を引き出す工夫をしています」
埼玉県出身ではない学生にも選ばれる銀行・環境へ
埼玉県に本店を置く地方銀行として、埼玉県出身者が行員の多数を占める武蔵野銀行。今後は県外出身の学生にも選ばれる銀行にしていきたいと柿島は話します。
「埼玉への愛着だけでなく、同僚への愛情が深い行員も多いので、埼玉にゆかりのない方でもすぐに溶け込めると思うのです。同じ拠点で働くと年次に関係なく縦横の関係が自然と築かれ、継続的なつながりが生まれやすいのも当行ならでは。そんな当行独自の人間関係の魅力の発信にも、より力を入れていきたいと考えています」
また、多様な個性を持った学生との出会いに期待したいと話す柿島。これからの新卒採用に向けて、次のように抱負を述べます。
「採用活動を行う中で、よく『求める人物像』について尋ねられます。しかし、私たちが願うのは、特定のタイプの方々を呼び込むことではなく、武蔵野銀行の仕事の魅力やビジョンに共感してくれるさまざまなタイプの人々が集まることです。異なる強みを持つ個々が一緒になって何かを成し遂げられる組織こそが、真に強い組織だと私は信じていますから」
そんな柿島が武蔵野銀行の魅力として強調するのが、地方銀行のポテンシャルと貢献範囲の広さです。
「地方銀行にとっては地域の中小企業や地域に暮らす方が主なお客様です。近年、地方創生やSDGsに関心を持つ学生の方々が増えていますが、地方銀行での仕事は、目の前にいるお客様のために汗をかくことが、地域活性化に直結するという魅力があります。
実際、学生の皆さんが漠然と抱く『こんなことをやりたい』という願望の多くは、地方銀行で実現可能なはずです。また、組織が大きすぎないからこそ、若手のうちからチャンスを得て、地域社会に大きなインパクトを与える仕事に関わることもできます」
地域社会によりいっそう貢献できる武蔵野銀行をめざして。柿島はこれからも多様な人材を迎え入れながら、地方銀行の新しい地平を切り拓き続けます。
※ 記載内容は2023年12月時点のものです
